2008年10月9日

ガラスの魅力 ―福西 毅展―

六甲道にあるギャラリーENREZに行ってきました。ENREZ(あんとれ)は、企画展を中心とした工芸のギャラリーです。20066月には、角倉起美2002年本学大学院芸術制作研究科 陶芸専攻修了)も開催されましたが、今回は、福西毅 展10月4日(土)?1014日(火)まで開催されています。
福西 毅さんは、1990年本学工芸学科金属工芸専攻を卒業後、就職された会社でガラスを担当することになったのがきっかけで、富山ガラス造形研究所ガラス造形科に進み、1993年に卒業されたそうです。それからは、ガラス一筋で、現在は、大阪府泉南郡岬町でアトリエを開いて制作されています。
福西毅 ガラス工芸
掛け花入れ Passage  w 13cm × h62cm

大学時代に金工を通して、色々な素材(金属)の特長や加工方法を学んだことは、ガラス制作の考え方にも生きているそうです。作品を制作する上で、ガラスの技法に囚われがちですが、福西さんは、造りたい形やイメージを考えることが先で、その形を実現する為の方法(技法)を後から考えるそうです。
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
REST 巾 30cm 高さ 10cm

その言葉にあるように、福西さんの作品の魅力の一つに形体の美しさがあると思いました。複雑で繊細なその形は、ガラスとは思えないような曲線を描いていたり、ねじれていたりしますが、ガラスの透明感や質感がまた、その繊細な形をより際立たせているように思います。
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
邂逅  径 40cm  高さ43cm

大学生の時には、失礼なことを言って、よく先生には怒られていましたとおっしゃっていましたが、今でも金工の先生方とは交流があり、金工の特別授業に呼ばれたこともあるとのことです。今回も金工の研究室のご協力を得て、金属の蓋を作成していただいたとのことで、福西さんの作品に一味違った花を添えた感じで、より素敵な作品になっていました。
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ     福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
水差し ブルー  径 25cm 高さ 15cm   水差し グリーン  径 15cm  高さ 12cm

今回、ENREZで個展をされるきっかけになったのは、先生方からギャラリーの話を聞いて、自ら足を運んで尋ねて行かれたことに遡ると思います。作家というものは、作品の良さが物を言うのは当然ですが、自分自身をPRするマネージメントの能力もある面必要なのだなと感じました。
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
LIFE  径 6cm  高さ 35cm

福西さんの大学時代からのお友達も初日からたくさん来られていましたよとENREZのオーナー廣田さんもおっしゃっていました。人との繋がりを大切にしながら自分に厳しく作品を造り続けておられる福西さんの人生そのものが、「LIFE」に表れていました。大胆かつ繊細で、優しさと厳しさが共存しています。
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
福西毅 ガラス工芸 EN陶REZ アントレ
EN
REZは、自宅を改装された暖かさと深みのあるギャラリーです。ホワイト・キューブとはまた違った味わいの和風ギャラリーに皆さんも足を運んで、福西さんのガラスの魅力に是非、触れてみてくださいね。
福西さんも11日(土)?13日(月・祝)は、在廊されているそうです。

福西毅 展 ?FUKUNISHI TAKESHI GLASS EXHIBITION?
10月4日(土)?1014日(火)
11
00?1800 会期中無休

EN
REZ
(あんとれ)
URL:www.g-entrez.jp

投稿者:図書館事務室

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2008年10月8日

INTEX VISION

今日は朝から大阪南港に行ってきました。とても良いお天気で、暑いくらいでした。雲ひとつない青空の中にそびえるのはWTC(ワールドトレードセンター)です。あまりの快晴のためCG合成した建築パースのようにも見えますが今日撮影した写真です。
WTC インテックス大阪 橋下知事 大阪府庁移転計画
あの橋下徹大阪府知事大阪府庁の移転計画を進めているあの話題の建物。ファサードはちょっとバブリーな感じもありますが立派な建物です。ここに大阪府庁が移転してくるとこのベイエリアの人の流れが大きく変わるでしょうね。
インテックス大阪 大阪府庁移転 橋本知事
さて、私、WTCを視察に来たわけではありません。今日はOUA-TVのスタッフの方に同行してインテックス大阪へやってきました。大阪の見本市会場といえばココです。様々なイベントや催しに使われている施設です。ちなみに東京なら「東京ビッグサイト」になるんだと思いますが、インテックス大阪はいわゆる「萌え系」の聖地とは呼ばれていません。今日は「ビューティーワールド ジャパン ウエスト」という催しが行われていました。で、「ビューティーワールド」を見に来たわけでもありません。
intex osaka インテックス大阪 大型モニタ
このインテックス大阪には、ここで開催される様々なイベント情報を紹介するための大型モニタが6箇所設置されています。これらのモニタで放送されている「ビジョンニュース」のすべてのコンテンツはなんとOUA-TVが制作しています。アナウンスメントはもちろん放送学科アナウンスコースの在校生が担当してるんです。
intex osaka インテックス大阪 大型モニタ
他にも「学生制作作品枠」もあり、公の作品発表の場所ともなっています。そして、ちょこっと大阪芸術大学のCMも放送していただいています。
intex osaka インテックス大阪 大型モニタ
ニュートラムの「中ふ頭」駅側の西ゲートから入るとインテックス大阪の中でも最大の「INTEX VISION」があり、この大きなモニタに大学関連の映像が流れるとなんだか嬉しくなります。
intex osaka インテックス大阪 大型モニタ
今日はここを管理している財団法人大阪国際経済振興センターの事務所にお伺いしました。営業推進部の森本様とOUA-TVの坂本さん(放送学科卒業)の打ち合わせの様子です。ボーナス商戦に向け、11月はイベントごとが目白押しで、「ビジョンニュース」の制作も大変忙しくなる様子がそばで聞いていて良くわかりました。
intex osaka インテックス大阪 大型モニタ
OUA-TV
スタッフの坂本さんはこのお仕事をし始めてから随分、見本市イベントに詳しくなっていて資料を見て頭の中でパッパと段取りを組み立てている様子。軽快な2人のやり取りに少し付いてゆけない部分もありました。これらの資料をもとに坂本さんが台本を書いているんだそうです。

OUA-TVは大学の広報の仕事だけでなく、社会に役立つこんなお仕事もしています。何かの催しでインテックス大阪に行かれる際は、是非この「INTEX VISION」をよーく見てみてください。この付近の人の流れが変わって、もっともっと多くの人にOUA-TVの仕事を見てもらえるといいなと思います。

↓イベント情報はコチラから
●インテックス大阪 ホームページ
http://www.intex-osaka.com/

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2008年10月7日

キンモクセイを探せ!

この時期、全国的にいいにおいです。キンモクセイのことです。毎年、運動会シーズンになると楽しみなのが街中を包むこの甘?ぃ香り。大学内も今週はじめぐらいからキンモクセイの香りが漂っています。朝から小雨の生憎のお天気ですが、この香りに影響はありません。
キンモクセイ 金木犀
でも、あらためて考えてみると大学のどこにキンモクセイがあるんだろう?ってことで学内を散策してみました。広い大学内をいい香りで包んでしまうのだから、さぞ大きなキンモクセイのはず。いや、小さめの株がたくさん植わっているかもしれない。
キンモクセイ 金木犀 舞台芸術学科
まずは20号館→21号館を抜けグラウンドの方向を目指します。今日のテーマとは無関係ですが、舞台芸術学科の卒業公演のスケジュールの大看板が掲げられています。
キンモクセイ 金木犀 ギンナン 銀杏
途中、お世辞にも“いいにおい”とは言い難い、銀杏エリアを通過。
キンモクセイ 金木犀 彫刻コース 石彫
石彫の実習スペースを右手に総合体育館裏手に辿りつきましたがこのあたりの植栽の中にはキンモクセイはありませんでした。その代わり赤い実をつけたハナミズキを見つけました。春のハナミズキとは全然違う表情です。
キンモクセイ 金木犀 ハナミズキ
ちょうどグラウンドに向かう坂の途中で、植栽の手入れをしている造園会社の方に「キンモクセイどこに植わっているか知りませんか?」と聞いてみました。
キンモクセイ 金木犀 
少し考えて、「7号館の裏の大きなケヤキがあるところ、芝生の生えてるあの。あそこにあるよ。それと11号館の横の、ほら、竹やぶの向かいあたりにも・・・」。流石プロ。
キンモクセイ 金木犀 アベリア ハナツクバネウツギ
途中、10号館の裏も探してみました。キンモクセイではありませんが、ここではアベリアを見つけました。正式にはハナツクバネウツギ【花衝羽根空木】というそうです。淡いピンク色の小さく繊細な花は、見事な細工です。
キンモクセイ 金木犀
7
号館に到着。ありました、ありました。学内で一番でっかいキンモクセイ。7号館と8号館に囲まれたこのスペースに甘い香りが充満しています。ひとまず本日のミッション達成。
キンモクセイ 金木犀
そしてこれぞ「灯台下暗し」。ちょうどマツダ画材の裏手、就職部の資料閲覧室の外側の植栽には2本のキンモクセイがありました。

大学内にはたくさんの木々や草花があり、自然を身近に感じることができます。深まる秋を感じることができるはず。実は今日、もう一箇所キンモクセイが植わっている場所を見つけました。小さな株ですが2本並んでいます。ちょっとわかりにくいところにありますので、私からのクイズにしたいと思います。探してみてください。探すなら「この時期限定」です。是非ご自身の鼻だけを頼りにLets try.

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2008年10月6日

SDレビュー2008 大阪展 開催中!

今年も建築学科ではSDレビュー展、SD Review 2008」が開催中です。鹿島出版会が主催する第27回建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展です。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
先週102日(木)からスタートして来場者は日に日に増えています。一般の方など学外からの来場も多く、名簿では近畿圏の大学で建築を学ぶ大学生や卒業生などが見受けられました。昨日(日曜日)、累計1000人を越えました。今日の来場者が今のところ一番多いです。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
建築学科の卒業制作展でも思いますが、建築提案の一つ一つのプレゼンテーションにはたくさんの能力を要することに感心します。建築に対する哲学、グラフィックデザインの要素、模型製作のための器用さ、遊び心、写真のセンス、展示のセンス、などなど手を抜かないこだわりと仕上げが来場者をうならせます。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
制作された模型がやはりどれも見応えがあり、最近は自然物をうまく使って有機的な表情を作り出しているものをよく目にします。私が学生だった頃はパスタを使って建築模型を作った留学生がいてそれだけで感心したものですが、今回の展覧会では「藁束の輪切り」を使って地形の部分を構成している模型もありました。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
またプロジェクターを使って動画をローテーションさせる方法を取り入れている作品もありました。今後こういったプレゼンテーションが増えるんでしょうねぇ。すべてをパネルで表現するより効率的ですし、図面だけでは表現しきれない魅力的な情報もありますので効果的です。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
どのプレゼンテーションもカッコイイのですが、何より中身。説得力のある提案は、重みがあります。15作品の中で8月末に既に建築工事が完了しているものが一つあり、その提案は完成しているだけに更に説得力がありました。

その印象に残った作品は「京急高架下文化芸術活動拠点 –黄金スタジオ」という提案です。高架下の環境整備後の用途を町の人々とのワークショップによって考え進められたらプロジェクトで、アートの活動を取り入れ新たな活気や人の流れを作り出そうという提案。ある意味、芸術計画的なコンセプトです。このプレゼンテーションでもプロジェクターが使用されていてリアルな感じが伝わってきます。
SDレビュー2008 SD 鹿島 Review
この企画に注目したのは、建築家集団「みかんぐみ」の曽我部昌史 氏、丸山美紀 氏が関わっているプロジェクトであることも理由のひとつです。
みかんぐみ」の仕事が近くで見れるチャンスなので、建築学科の方はもちろんのこと、環境デザイン学科やデザイン学科、芸術計画学科の在校生にも必ず見ておいていただきたい展覧会です。

SDレビュー2008 <大阪展>
2008
102日(木)→1015日(水)
10:00
17:30(土・日・祝も開催)
会場:大阪芸術大学 建築学科棟(15号館)

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2008年10月4日

グレッグ・ロービックさん 桂三枝会長の弟子に

先週末、いくつかの新聞で取り上げられていたようですが本学・大学院生のグレッグ・ロービックさんが、あの桂三枝さん(上方落語協会長)のところへの入門を許可されました。
およよ!
桂三枝 グレッグ ロービック 上方落語 カナダ人 外国人
9
26日の朝日新聞には見出しに「カナダ人噺家 いらっしゃ?い」とありました。
「いらっしゃ?い」を使われてしまったので、「およよ!」にしてみました。
>asahi.com(2008年9月26

グレッグ・ロービックさんは「日本タレント名鑑」にも載っていて、特技は「アコーディオン漫談」。日本の伝統芸術への強いあこがれが後押しし、来日して9年。漫才だけでなく歌舞伎や能楽などにも強い関心をお持ちで、日本の文化追求の姿勢は日本人以上です。

どうしても落語を学びたい!」と、昨年から大阪芸術大学の大学院に籍を置かれています。学内を着物姿で歩くグレッグさんの姿を見かける方も多いと思います。実は日本語をとても流暢に話されます。大学院では相羽秋夫先生のもと創作落語の研究をされています。

9月27日付けのスポーツ報知大阪版では、
「・・・関係者によると、上方落語の定席・天満天神繁昌亭(大阪・北区)ができた2年前から三枝のもとに出入りし始め、今年8月から本格的な弟子入りを熱望していたという。・・・」
(一部抜粋)
スポーツ報知大阪(2008年9月27

以前までは「カナダ亭 恋文(ラブレター)」や「楽喜亭 三陀」の名前で高座に上がられていましたが、弟子入りを許可された後の名前はまだ決まっていないそうです。どんな名前での初高座になるのか楽しみです。初高座を迎えれば、上方落語界で初めての欧米人噺家さんの誕生となります。デビューしたら学内でもグレッグさんの高座を見てみたいですね。

グレッグ・ロービックさん関連ページ
http://www.anemo.co.jp/art/creator/31.html

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