2008年10月18日

その鍵を握るのはアナタ

本日まで総合体育館ギャラリーでは留学生作品展示会The key of understanding」が開催されていました。
第8回 留学生作品展示会
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日(火)からの開催で今日までの4日間(15日は創立記念日のため休廊)という短い日程の開催でしたが、たくさんの来場者があったようです。
第8回 留学生作品展示会
会場は絵画あり、イラストあり、写真あり、建築作品あり、染織作品あり、マンガあり、プロダクト作品ありと非常にバラエティに富む内容です。たくさんあった作品のいくつかをご紹介します。
第8回 留学生作品展示会
第8回 留学生作品展示会
留学生と日本人の学生がお互いの文化を知り、相手に対する理解を深めるという趣旨で毎年開催されているこの展覧会は今年で数えること8回目。年を追うごとに、企画や空間構成、作品
レイアウトも充実してきたように思います。
第8回 留学生作品展示会
第8回 留学生作品展示会
留学生会会長の金元さんは挨拶の中で「今まで行った7回の展示会に対する評価はそれぞれだと思いますが、やはり経験不足、不慣れなことが原因で慌てていたり、色々失敗もたくさんありました。でも試行錯誤があったからこそ今年の展示会は前回とはまた違うすばらしい展覧会になったのではないか」と語られています。
第8回 留学生作品展示会
第8回 留学生作品展示会
本当は留学生だからどうだとか、年齢が違うから、学科が違うから、男だから、女だからとかではなく、ただ「同じ時代に芸術を学んでいる」という一点だけで繋がって、刺激しあえることが理想だと思います。
第8回 留学生作品展示会
でも日本人の在校生は、しっかりこの展覧会を見ておいて欲しかったと思います(このブログでもっと早く紹介できればよかったのですが・・・スイマセン)。というのも、留学生の方々は、言葉の壁を越えて芸術を学ぼうとしている分、苦労も多いと思います。自分達がもし日本ではない国に留学して芸術を学ぼうとするときに、「覚悟」というか何と言うか、心の中に沸々と湧き上がってくるであろう「逞しさ」のようなものって想像できます?
第8回 留学生作品展示会
私も体験したことはありません。でも自分から進んで刺激を受けようとする「勇ましい」気持ちはきっと自分を成長させてくれるような気がします。そんな気持ちを想像しながら作品を見るとまた違った刺激も感じ取れるはず。

金元さんの挨拶は「今年の展示会が微力ながら日本の皆さんと私たちがお互い理解し合って新しい世界を目指すための出発点になれたらと思います」と続き締めくくられています。
これがきっかけになって留学生の皆さんと日本人の学生さんが協力して開催する展覧会などが企画されれば素敵だと思います。

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2008年10月17日

Trond Kasper Mikklsen 特別講義「動きのアート」

学内は芸術の秋まっさかりですね。
ノルウェーからTrond Kasper Mikklsen氏とオスロ芸術大生がはるばる芸大にやってきました。作品を頭にのっけた姿が何ともユーモラスなポスターが気になり、工芸学科の特別講義に行ってきました。

Trond Kasper Mikklsen氏は現在、オスロ芸術大学で教鞭をとる傍ら、
permanently/temporary”として美術、デザイン、建築等の境界を越えてさまざまな活動を行っておられます。Trond Kasper Mikklsen氏を象徴するアートプロジェクトには、2006年にミラノで開かれた家具見本市Fuorisaloneへの参加や、2008年にノルウェー・スタバンガー市で行われたプロジェクト“TW1”などがあります。日本ではジュエリー作家として紹介され、ノルウェー国立美術建築デザイン美術館に作品が収蔵されているそうです。

本日の講義はもちろん英語。先生が懸命に通訳して、学生も集中して聞き取っていました。
彼は形がもたらす機能に興味を持っているそうです。
Trond Kasper Mikklsen 特別講義 ジュエリー作家
身に着けられるオブジェシリーズ。フィルムの入ってないカメラを意味する作品。
右下部分を押すとカシャッカシャッと鳴るそうです。
Trond Kasper Mikklsen 特別講義 ジュエリー作家
マスクを装着して、お金を入れると空気が流れる作品。お金を入れないと・・・死んじゃう!!
Trond Kasper Mikklsen 特別講義 ジュエリー作家
自分自身に制限をかける意図がこめられているそうです。

一番興味深かったNASAの宇宙探査マシーンをイメージした作品。
惑星に着地すると、種子が開いて、動きだすオブジェ。
Trond Kasper Mikklsen 特別講義 ジュエリー作家
Trond Kasper Mikklsen 特別講義 ジュエリー作家
自然から受けるイメージと金属素材の組み合わせ、計算されたフォルムとその動きにおもしろい!!かっこいい!!という声が学生からあがっていました。

現在、京都でノルウェー コンテンポラリージュエリー展が開催されています。
こちらの会場ではTrond Kasper Mikklsen氏の作品を見ることができます。

ノルウェー コンテンポラリージュエリー展 京都展
 20081014日(火) → 25日(土) ※19日(日)休廊
 am11:00
pm6:00
 参考ページ:ノルウェー大使館<http://www.norway.or.jp/>
 場所:清課堂ギャラリー


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2008年10月16日

鉛の色の美しさ

今日学内のあちらこちらで、大きな紙に鉛筆でゴリゴリと作業する在校生の姿を見かけました。これは「造形芸術演習?」という授業の受講生たちの様子です。
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
芯の断面が84?の特殊なスケッチ用鉛筆を使ってB1サイズのケント紙にゴリゴリ。学内の壁面や道のコンクリート部分、タイル部分、グレーチング、マンホール、側溝の蓋などなど様々な面に紙を押し当て、鉛筆でそのテクスチャーの表情を写しとる「フロッタージュ」という作業です。ちなみに鉛筆は6B
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
今日作業していたのは1年生。学内に放たれる前に教室で担当の金田惠美子先生にレクチャーを受けてからスタートです。教室では今までに授業内で制作された参考作品を見て自分達が今からどんな作業をしようとしているのかをイメージします。先生が教室の柱を使って小さな紙にデモンストレーションをして作業の注意点を伝えました。
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
参考作品は一見黒い紙かと思えるほど描き込まれており、黒光りする作品の数々は迫ってくるような力を感じます。様々なテクスチャーの表情を重ねてコラージュしたもの、写真のような立体感があるもの、1種類のテクスチャーの表情のみで全体を画面構成したものなど、表現は驚くほど多彩です。
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
こんなところにこの演習の狙いがあるそうです。「下絵の線を描くためのもの、間違えば消せるもの、そんな安く見られがちな鉛筆の価値を払拭し、鉛筆でここまで表現できるんだ、ということを再確認して欲しい」と先生はおっしゃいます。「単純な作業を続ける中で、鉛色の美しさ、その魅力に気付いて欲しい」。こうして作品を見るだけでも鉛筆の価値観が変わります。鉛筆も絵具と同様、これだけ多彩な表現ができる素晴らしい画材であることを実感できます。
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
今日作業していたクラスの方々は、デザイン学科の方々だったので、『消火栓』など文字が施されたものをゴリゴリする人が多かったように思います。以前は「和泉 300 せ ○○○○」などナンバープレートやメルセデスベンツのマークなどでゴリゴリやってくる学生もいたようで、先生は事前の作業説明の中で禁止事項として「ナンバープレートではゴリゴリしないこと」などを伝えたそうです。守衛さんに注意されてしまいます。
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
また車の往来もあるので安全のため「音楽を聴きながら作業しないこと」「道の真ん中で作業はしないこと」なども伝えてあるそうです。でも皆がやらないとなるとその道の真ん中のマンホールはレアなテクスチャーということになります。やっちゃう気持ちはわかりますが車には十分気をつけて作業してくださいね。と、写真を撮らせていただいている間にも、トラックが近づいて来てます!
造形芸術演習 スケッチ用鉛筆 鉛色
「どんなイメージで構成しようか」と考えながらも、どんなテクスチャーの表情と出会えることができるかで作品の方向性は刻々と変化します。日頃、意識することがない壁や道のテクスチャーにどんな表情が隠れているのかを発見、確認しながら、自分のセンスで構成していく。その即興性もこの課題の面白味ですね。授業をとっていない人でも一度やってみてはどうでしょう?

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2008年10月15日

『高円宮家 根付コレクション展』開催中

現在、大阪芸術大学ほたるまちキャンパスでは、『高円宮家 根付コレクション展』が開催されています。この機会に大阪芸術大学ほたるまちキャンパスに足を運んでご覧いただいて、“芸術の秋”に更にどっぷりと浸っていただければと思います。
堂島リバーフォーラム
大阪芸術大学ほたるまちキャンパス
根付
は、江戸時代に印籠、煙草入れ、巾着や矢立などを持ち歩く際、着物の帯に紐を挟んで提げるため、紐の先に結んで使用する滑り止めとして作られたものです。当初は簡素なものが多かったようですが、時代と共に実用性に加えて、いろいろな意匠がなされ芸術性が高くなり、根付自体が美術品として評価され、蒐集されるようになったようです。
きっと当時は、武士だけでなく、商人や町人も帯のあたりにちらりと見え隠れする根付の意匠によって“粋”を競ったのではないでしょうか?
大阪芸術大学ほたるまちキャンパス
小さな作品に顔を近づけて、ひとつひとつを観ていくと、象牙、黄楊などさまざまな素材に、非常に繊細な彫刻や蒔絵の細工が施され、人の形をしたものや動物をかたどったもの、植物をかたどったもの、ほんの一瞬の時を表現したものなどのほか、小さいけれどとても迫力のある作品や観ていると思わず微笑んでしまうようなほほえましい作品もあります。本当に小さな宇宙を感じる作品の数々です。是非、じっくりと時間をかけてご覧ください。
大阪芸術大学ほたるまちキャンパス 
また、今回、本学工芸学科の教員や院生、学部生19名による根付作品(会期中に入替えがあります)が、ギャラリーの壁面にi-touchに付けて展示されていたり、等身大のパネルの絵や写真の腰あたりに実際に提げられていますので、こちらにもご注目ください。
大阪芸術大学ほたるまちキャンパス 
大阪芸術大学ほたるまちキャンパス
『高円宮家 根付コレクション展』
  会期:平成20年10月10日(金)→31日(金)【会期中無休】  午前11時→午後7時
  会場:大阪芸術大学 ほたるまちキャンパス内ギャラリー
                    堂島リバーフォーラム 3階

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2008年10月14日

大学漫画 vol.10

今月「大学漫画 vol10」が出版されました!
今回の特集は、なんとなんと!大学発、漫画家プロデビューへの全行程。
 大学漫画 ぬらりひょうんの孫 島本和彦 椎橋寛
デビューされた方々のアンケートやインタビューをとおして、なぜ作家を目指し?どうやって作家になれたのか?など、疑問を問うものになっています。特集ページの目次をご紹介すると・・・

debut.01 週刊「少年ジャンプ」連載デビュー 椎橋 寛「ぬらりひょんの孫」
debut.02 大阪芸大発、デビュー作家アンケート&インタビュー
debut.03 漫画家デビュー・受賞者続々 大阪芸大の取り組み
debut.04 スペシャルインタビュー 島本和彦
debut.05 大阪芸大特別講義 対談:島本和彦VS岡田斗司夫

となっているわけですが。debut.02のアンケートでは・・・「持ち込みはしましたか?」とか「担当編集はつきましたか?」などの項目が掲載されており、作家を目指している方々には気になる内容ではないでしょうか!また、第一線で活躍する週刊連載作家の日常をも見ることができちゃいます。

びっくりしたのが、オフが1週間で3時間!!辛すぎませんか・・・まあ、休める週もあるようですが、本当に体力勝負のお仕事ですね。そして、デビューされた方達の記事を見ていると、やはり在学中から勉強と執筆活動を平行して行い、原稿を編集部へ持ち込んだり、賞へ応募したりと活動されていたようです。今、原稿を手元で温めている方は、ぜひ編集部の方に一度見ていただいてはいかがでしょう?
ボツったり、ヘコンでも、また描けばいい!編集部の方も「やる気」が一番必要だとコメントされていました。自分の夢に一歩でも近づけるように、思い切って行動してみましょう。
この大学漫画!全国の書店で販売中です。興味がある人は一度、探してみてください。

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