2015年7月4日

根付に学ぶ国際社会・日本文化

6月17日(水)、本学の客員教授でもあられる高円宮妃久子殿下がご来学され、「国際的な視野を育む -Stepping Stones for an International Perspective- 根付に学ぶ国際社会・日本文化」と題してご講義を賜りました。


妃殿下は中学卒業後に渡英され、イギリスのケンブリッジ大学ガートン・コレッジで人類学・考古学を学ばれています。
また、日本サッカー協会、バードライフ インターナショナル、国際弓道連盟などの名誉総裁を務められ、カナダやドイツ、アルゼンチン、ブラジルなどさまざまな国を訪れ、精力的に活動をされています。

ご講義では、海外に行くことをためらう若者たちに向けて、海外へ足を運ぶことの大切さをお伝えになりました。
「日本の良さを知るためには、日本以外の文化に触れなければ、本当の意味での日本の良さを感じることはできない。」
妃殿下のお言葉をきっかけに、海外に関心を持った学生もいたのではないでしょうか?
日本で過ごしているだけでは気付くことのできない日本の素晴らしさを知るためにも、いろんな国を訪れてみたいですよね。

そして、妃殿下は根付のコレクターとしても知られています。
根付とは、江戸時代、印籠や巾着袋などを腰の帯にさげて携帯するため、紐の先に結わえて使用する滑り止めとして使われていたもの。
現代では、多種多様な素材を使った”現代根付”として再び活発になり、海外でも高く評価されています。

もちろん、ご講義でも妃殿下のコレクションからさまざまな根付作品が紹介されました。
今回のご講義で初めて根付というものを知った学生もいたようです。
素材からこだわり細部にまで気を配って作られた造形は、まさに美術品です!

さらにご講義のあとは、妃殿下と副学長の塚本英邦先生、そして各学科の学生たちで懇談会も開催されました。


学生から飛び出す質問は、やはり根付のことと、海外のことが中心となりました。
妃殿下は一人ひとりの学生の話に熱心に耳を傾けられ、微笑みながらお応えになっていらっしゃいました。
学生たちにとっては大変貴重で濃密な時間になったに違いありません。

そういえばみなさん…芸術情報センターの外壁に大きく掲げられた垂れ幕に気づきましたか?

これは、高円宮妃久子殿下作 絵本「夢の国のちびっこバク」に登場するバクのキャラクターで、大阪芸術大学グループ創立70周年記念のシンボルキャラクターです。
1945年に「平野英学塾」という名前で始まった大阪芸術大学グループは、今年10月15日に創立から70年を迎えます!
グループ70周年についての話題も、またこのブログで紹介していきますね。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年6月25日

5つのやくそく ART&DESIGN PROJECT

大阪芸術大学グループは、日本ペイントホールディングス株式会社、公益社団法人 大阪府防犯協会連合会、大阪府警察本部との産官学連携事業「5つのやくそく ART&DESIGN PROJECT」に取り組みました。
「5つのやくそく」とは、子どもたちが犯罪に巻き込まれないようにするため、日頃から適切な防犯行動が行えるよう使われている標語です。

1.一人で遊びません。
2.知らない人について行きません。
3.連れて行かれそうになったら大きな声を出します。
4.誰とどこで遊び、いつ帰るかを言ってから出かけます。
5.お友達が連れていかれそうになったら、すぐに大人の人に知らせます。

この標語を掲載したパネルポスターを製作するため、大阪芸術大学グループの学生を対象に、コンペティション形式で原画を募集。
デザイン学科やキャラクター造形学科、美術学科、写真学科、芸術計画学科、通信教育部や短期大学部、大阪美術専門学校の学生たち112名から作品が集まりました。
ポスター原画審査員には、デザイン学科教授の野間夏男先生、キャラクター造形学科准教授の林日出夫先生などが参加され、独創性やテーマの理解度、スキルなどを総合的に評価されました。

そして、以下のような結果となりました。

最優秀賞 芸術学部デザイン学科 川崎奈津美さん
特別賞 芸術学部デザイン学科 甲田眞子さん
優秀賞 芸術学部デザイン学科 江崎栄花さん
芸術学部デザイン学科 山下真世さん
芸術学部キャラクター造形学科 澤田美緒子さん
短期大学部デザイン美術学科 木下美優さん
通信教育部美術学科 大地泰輔さん


大阪府警察本部 府民安全対策課長よりの感謝状

見事最優秀賞に輝いた川崎さんの原画をもとに製作されたポスターは、6月より順次、大阪府下の国公私立小学校約1,000校に贈呈されています。


大阪市立大淀小学校でのポスター贈呈式(日本ペイントホールディングス㈱撮影)


川崎さんの作品は、日本ペイントホールディングス製品であるペンキュアという水性塗料と、アクリルガッシュを用いて描かれています。
5つのやくそくにある事柄はどうしてもイメージが暗くなりがちですが、川崎さんはあえてカラフルに見せることで、直接的に怖い印象を与えない工夫をしたと言います。
ポップになりすぎず、かと言って暗くは見せない表現が難しかったそうです。
審査員からの講評でも、「暗くなりがちな情景を彩度の高い明るい色調で統一し、子どもたちの視線を捉えるアイキャッチャー効果が期待できる」「親しみやすいキャラクター」と述べられています。

本プロジェクトのプログラムディレクターを務められた芸術計画学科准教授の谷悟先生は、
「生徒・保護者・教員・地域住民がこのパネルポスターを囲み、防犯についてコミュニケーションを深めたり、各エリアに潜む危険なスポットを探るフィールドワークを実施するなど、自主的な活動が展開されることを期待したい」
と話されました。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年6月11日

スカイキャンパスでオロビアンコのジャコモ氏特別講義!

みなさん、オロビアンコというブランドをご存知ですか?
イタリアのバッグブランドで、素材やパーツまでもこだわり抜いて製作されたバッグは、世界中の人々から愛されている逸品!
鞄以外にも、小物や靴、さらにはワインといった食品など、幅広く展開しています!

このオロビアンコを立ち上げたのは、イタリアのジャコモ・マリオ・ヴァレンティーニ氏。
ジャコモ氏は、ファミリービジネスで経験を積んだ後、1976年にシドニーでインテリアデザイン会社を起業。
多くの海外マーケティング経験と専門資格を取得し、デザイナーとしてのクリエイティブマインドを鍛え抜きました。
1996年、イタリア・ミラノでオロビアンコを設立。
チベット地方では貴重なものとされている”カシミヤ山羊”を”白金”と読んでいたことから、イタリア語を使って「ORO(金)」「BIANCO(白)」と命名されたそうです。
鞄とは「移動するその人の生活空間である」という考えのもと、機能性を持ち、個々のライフスタイルに密着した鞄を作ることをコンセプトとしています。
また、「made in Italy」にこだわって、厳選された素材の特性を活かしたデザインやアイテムの豊富さ、イタリアの革職人の技術を最大の武器にしたブランド作りをされました。

5月31日、スカイキャンパスでは、そんなジャコモ氏を招いて特別講義が開かれました!
哲学がなければデザイナーになれない「私のデザイン哲学」』と題した今回の特別講義。
会場には、デザイン学科の学生はもちろん、日頃からデザイナーとして活躍されている一般のお客様も集まりました。

オロビアンコでの実例やジャコモ氏の経験を元に語られるデザイン哲学は、聴き応え抜群!!
また、ジャコモ氏は大変気さくな方で、距離感が近いのも魅力的でした。

講演では、新しい素材によってデザインの可能性を広げるという話や、職人とデザイナーの関係などが話されました。
ジャコモ氏の言葉の中で印象的だったのは、「デザイナーの経験からデザインは生まれる」ということ。
その経験とは、単にデザインの経験という意味ではなく、これまでの人生でどんなものを見てきたか、どんな人と関わってきたか、どういうライフスタイルで育ったのかなどが、デザインに表れるということだと思います。

また、講演のあとには、総合デザイナー協会DAS理事長の嶋高宏さんとデザイン学科長の高橋善丸先生を招いてトークセッションも行われました。
会場に集まった参加者たちからの質問に答える形でデザインのあり方が話され、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年6月2日

富田林警察による防犯講習会

5月28日(木)に、芸術情報センターAVホールで「富田林警察による防犯講習会」が開かれました。


大阪では、1日に3件以上の強制わいせつ事件を認知しているそうです。
被害者のほとんどは10~20歳代の女性。
ちょうど大学生くらいの年頃がターゲットになるケースが多いようです。

講習会には、サークル活動で帰宅が遅くなりがちな女子学生を中心に、男子学生の姿もちらほら。
講習会に参加できなかったみなさんにも、防犯の心得をご紹介しますね!

<外出時>
○音楽プレイヤーや携帯電話・スマートフォンを使いながら歩かない
○暗い時間と暗い道の一人歩きはできるだけ避ける

<帰宅時>
○マンションやアパートに入る前、自室のドアのカギを開ける前に一度まわりを振り返って確認する
○エレベーター内では同乗者に背中を向けず、操作盤付近に立つ

<一人暮らし>
○花柄など女性らしい模様のカーテンは使用しない、男性物の洗濯物も混ぜて干すなど、女性の一人暮らしだと気づかせない工夫をする
○訪問者が来たら、確実に身分を証明できるまでチェーンをはずさない

<被害に遭ったら>
○迷わず110番通報する
○衣服を洗濯したりシャワーを浴びたり、部屋を片付けず、被害に遭ったままの状態で待機する

また、最近は女性向けにオシャレな防犯ブザーがたくさん販売されているそうです。
インターネットで検索してみると、ハート型やリボン型、ビジューの付いたものなど、チャームと見間違えるほど可愛らしい防犯ブザーがたくさん出てきました。
一つ持っておくと、心強いかも知れません!


講習会で配布された「BO-HAN」というリーフレットは、学生課窓口でももらうことができます。
いざという時に自分の身を守ることができるように、最低限の防犯バイブルを知っておくことが大事ですね。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年5月28日

富田林市「観光交流施設きらめきファクトリー」が誕生!

5月1日、近鉄富田林駅前に新施設「観光交流施設 きらめきファクトリー」がオープンしました。
富田林市の観光文化とにぎわい創出の拠点となるこの施設。
1階には観光案内カウンターが設けられていて、地元特産のせんべいや豆菓子、みそなどの販売が行われています。
そして、2階にはさまざまなイベントが催される多目的スペースがあります!


この建物の設計には、本学建築学科教授の田口雅一先生、加治大輔先生が携わられています。
また、企画と運営は、富田林商工会、富田林市観光協会、そして大阪芸術大学の3団体による連携で行っているとのこと。
大阪芸術大学からは、芸術計画学科長・犬伏雅一先生を中心に、芸術計画学科の学生たちが参加。
さらに、芸術計画学科の卒業生・佐々木航大さんは、アートディレクター・プランナーとしてこの取り組みに関わっています。
佐々木さんは、今年3月に大学を卒業し、アブセンスという会社を設立して、こういった企画の運営やデザインなどを行っているそうです!

5月1日から10日の間は、オープニングイベントとして、電子工作集団「動いた。」による展覧会「動いた。展」を企画して開催しました。

今後も、人々が何度も来訪して楽しめるような期間限定の催事を企画予定だそうです。
学外の貸しギャラリーなどで個展やグループ展を行う学生も多いかと思いますが、そんな学生たちにとっては新しい作品発表の場にもなりそうですね!!

投稿:島田(OUA-TV)