2017年6月28日

人権教育特別講演会『「見た目問題」ってなぁに?』

6月23日(金)、人権教育特別講演会『「見た目問題」ってなぁに?が開かれました。
講師は、本学映像学科卒業生の薮本舞さん。
薮本さんは、全身アルビノ・弱視として生まれました。


みなさんは、アルビノという症状についてご存知ですか?

アルビノとは、メラニン(色素)の生合成に係る遺伝情報の欠損により、先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患です。
それぞれの症状には軽重があるものの、全身の皮膚の色素欠乏(白色皮膚)、頭髪や眉毛・睫・体毛などの色素欠乏(白色だけでなく、灰色や金色、茶色の方もいます)、虹彩の色素欠乏による羞明(まぶしがること)及び眼底網膜の色素欠乏による視力低下など。
人間だけでなく動物にも当てはまり、赤目の白ウサギや、白蛇、ホワイトライオンなどが挙げられます。

いくつかの遺伝子の変異が原因になることが知られていますが、どの遺伝子が原因なのかを症状のみから見分けることはできません。
そして、アルビノの原因となる遺伝子は常染色体劣性遺伝ですので、遺伝子の片方のみを受け継いでいる人(保因者)には症状は現れず、保因者同士の遺伝子の変異を受け継いだ時にアルビノになります。
また、原因となる遺伝子は複数あるため、アルビノ同士の次世代が必ずしもアルビノになる訳でもないそうです。
アルビノの頻度は1~2万人に1人程度と推定されていますが、保因者は50~70人に1人程度と言われています。
つまり、保因者は珍しくなく身近なものなのです。
 

講演会のテーマとなる「見た目問題」には、さまざまな悩みが存在します。
例えば、円形脱毛症、単純性血管腫、眼瞼下垂など。
共通するのは「生命への危機感がない」「緊急性がない」「機能障害がない(ことが多い)」等で、身体障害者には該当せず公的支援の対象にならない事例が多いそう。
しかし、外見が原因で起きる差別やいじめ、コンプレックスによる対人関係の悩み、引きこもりや孤立など、大きな問題がたくさん存在します。


アルビノ当事者である薮本さん。
薮本さんの髪の毛や肌も、ご覧のように白いです。
また、視力も低く、太陽の光が眩しいので、子どもの頃からサングラスを着用したりしていたそう。

薮本さんは、いじめなどに合うことはなかったそうですが、アルビノであることで”見えない壁”をずっと感じて生きてきたと言います。
その壁について、「一緒に参加していても、本当の意味でその場に参加できていないような感覚」と話されました。
視力が低いので、運転免許証を取ることができなかったそうです。
また、就職活動の時には、見た目を理由に、採用を断られるということも多々あったのだとか…。

そういった経験を経て、薮本さんは2007年に「アルビノ・ドーナツの会」を設立。
アルビノ当事者や当事者家族、友人同士の交流会を開催し、また他団体とのネットワークづくり、アルビノについての講演会、メディアの取材対応などにも応じ、啓発活動にも積極的に取り組まれています!


そんな薮本さんですが、最近では「見た目問題×アート」に注目されているそうです!!

例えば、見た目問題を抱えた人がモデルとなる写真展にも参加されています。
この写真展は、当事者の姿を見てもらい、その問題を一般の人にも広く知ってもらうことを目的としたもの。

さらに、アルビノの人をモデルとして起用したファッションショーにも出演されました!
これまでは、人に見られるのが嫌だったのだそうですが、ファッションショーの時には、人々の視線を一身に受け止められたそう。
ファッションの力で、アルビノの偏見を断ち切れたと話されました。
(ちなみに、この日薮本さんがお召しになっていた衣装も、ファッションショーを手がけられたデザイナーの方の作品だそうです♪)

そして、薮本さんは大阪芸大での日々をこんな風に語ってくださいました。
「みんなができることができない…だから、自分にしかできないことをやろう!と思って大阪芸大に入学しました。
芸大に来ると、ピンクの髪の人とか、奇抜な学生がたくさんいました。まわりが個性的過ぎて、私の見た目のことを話題にされることがほとんどなくて…個性を大切にする環境だったので、今までで一番フラットに過ごせたと感じています。」

“人と違って当たり前”だという意識や、違いを楽しめる姿勢が大切なのだと教えてくれた薮本さん。
素敵な講演をありがとうございました!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年6月27日

バーンスタイン「ミサ」に舞踊コースの学生たちが出演!

先日、舞台芸術学科の教室を覗いてみると…


舞踊コースの学生たちが集まっていました。
んん~、身体のラインが美しい…!!
さすがは、身体表現を学ぶ舞踊コースです。

 

ところで、それぞれ「1」「2」「3」と番号のゼッケンを付けています。
何をしているのか?と言いますと、「第55回 大阪国際フェスティバル2017」の出演を掛けたオーディションが行われていました。

大阪国際フェスティバルと言えば、以前に本学デザイン学科の学生がフライヤー・ポスターをデザインしたことをご紹介しましたよね!
>>記事はコチラから

日本の代表的な音楽祭ですが、このイベントには、舞台芸術学科教授の堀内充先生指導のもと、舞踊コースの学生たちもバレエで出演することになっています!!
今回のオーディションには、舞踊コース4年生の学生たちが参加しました。

審査のためにお越しになったのは、指揮者を務める井上道義さん。
ニュージーランド国立交響楽団首席客演指揮者、新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督および京都市交響楽団の常任指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を歴任し、現在はオーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督を務め、ラ・フォル・ジュルネ金沢を含む多くの実験的企画を敢行し続けていらっしゃいます。


井上さんによる審査の結果、7名の学生たちが選出されました!

「今回は、ラテン系のイメージだったので、演目に合った学生を選びました。だから、みなさんの表現力の良し悪しで選んだ訳ではないですからね」と井上さん。
舞踊の技術だけでなく、身長や体格、表現が繊細か大胆かなど…さまざまな要因が審査の基準となったみたいです。

舞踊コースの学生たちが参加するのは、ネコ、ネズミ、そして昆虫や魚が登場して、”みんな食べてみんな太る”という、ちょっとふざけた感じのシーンだそうで…!?

果たしてどんな公演になるのか!!
乞うご期待♪
 

第55回大阪国際フェスティバル2017
大阪フィルハーモニー交響楽団創立70周年記念
バーンスタイン「ミサ」
2017年7月14日(金)19:00開演/7月15日(土)14:00開演
フェスティバルホール

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年6月15日

「ハムレット」稽古中

7月6日(木)と7日(金)、兵庫県立芸術文化センター中ホールにて上演される、舞台芸術学科特別公演「ハムレット」!!
昨年に引き続いて舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生が演出を担当し、オーディションで選ばれた演技演出コースとミュージカルコースの3年生がキャストとして出演。
舞台美術コース、舞台照明コース、舞台音響効果コースの学生も、スタッフとして参加しています。

これまで、読み合わせや立ち稽古を行ってきた学生たちですが、今週からセットを使って本格的な稽古に励んでいます!
こちらが稽古場となっている総合体育館第2アリーナ!!

 

今年は、可動式の押入れ(内藤先生は「押入れワゴン」と呼んでいました)が舞台の世界観をつくり出しています。


…って!みなさん、パジャマを着て布団を敷き出したじゃありませんか!?
まるで修学旅行のようですが…大丈夫?笑

実は、これが今回の公演の冒頭のシーンなんです!!

キャストたちは押入れワゴンを配置しながら登場し、それぞれ布団を敷いて立ち位置(寝位置?)につきます。

「ただ布団を敷くのではダメ!関係性を考えて動いてみて。ただ登場するだけでは、観客は誰も最初の国王のセリフを聞いてくれないよ!」と内藤先生。
登場の仕方から、厳しい指導が入ります。


また、声の出し方についてもアドバイスが。

「声の大きさだけではなく、”響く声”を出せば遠くまで声は届く。その声の出し方には訓練が必要だが、磨けば技術は身につく。でも、技術があるだけでは、観客にはセリフの内容は伝わらないよ。伝えたいセリフの【イメージ】と、声を響かせる【技術】の両方が必要!」


内藤先生の熱い指導を受け、1回目、2回目、3回目と回数を重ねるごとに、学生たちの表現力も見る見るアップしていくのがわかりました!!

これから本番まで、ほぼ毎日のように稽古が行われます。
学生たちがどれだけ成長するのか…楽しみです!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年6月13日

アートサイエンス学科「0×0=∞ PROJECT」始動!!

5月28日(日)、スカイキャンパスにて、アートサイエンス学科客員教授でNAKED Inc.代表の村松亮太郎先生による授業が行われました!!
この授業はアートサイエンス学科を対象に開講している「教養演習【アートサイエンス学科プロジェクト】」の一環として行っています。


学生たちは、「0×0=∞ PROJECT」と題したプロジェクトチームを結成!
第一線のクリエイティブのプロと共に作品を0から創り出し、映像制作における構成の考え方や、多くの人が集まる場所を使ってプロジェクションマッピング作品を発表します。
そして授業を通じて、映像制作における構成の考え方や、世の中の人に見てもらう価値のある作品とはどういうものなのかなどを学びます。

「みんながこれからつくっていくのは、”お客”のある作品。”学生だから”という理由はお客さんには関係がない。」
授業が始まってすぐ、村松先生から厳しい一言。
学生の表情も、真剣なものになります。


村松先生が代表を務めるNAKED Inc.は昨冬、あべのハルカスの展望台「ハルカス300」をはじめとした4都市の施設で、「STAR LIGHT FANTASIA by NAKED」というイベントを開催しました。
展望台ガラス面へのプロジェクションマッピングによって映し出された3DCGの星々と夜景が融合した世界を演出。
「自分自身が星の一部となるような星空の中に包まれる体験」をコンセプトに、世界一高いビルであるあべのハルカスの特性を活かし、これまでにない幻想的な空間を生み出しました!

学生たちは、プロジェクションマッピング制作の参考として、そのハルカス300を見学することに!!
こちらが、地上300mの高さを誇るハルカス300です!!

 

絶景を見て楽しんだり、写真を撮ったりする学生たち。

 

…観光気分?かと思いきや、ハルカスのスタッフの方に話を聞いたり、プロジェクターがどこに設置されているのか、どんな客層が多いのかなど、しっかり観察している様子でした。

 

見学から帰ると、4つのグループに分かれて意見出し。
自分たちはどんな作品を制作したいか?テーマは?演出方法は?など、ディスカッションしました。
ブレインストーミング形式でどんどん意見を出していくところや、1人ずつホワイトボードにアイディアを書くところなど、グループによっても話し合いの仕方をそれぞれ工夫している様子。

 

見ていて感じたのは、アートサイエンス学科の学生たちはチームワークが良い!ということ。
リーダーシップの取れる学生が中心となり、まとめることが得意な人は書記を担当し、それぞれが自分の役割をしっかりと認識して取り組んでいました。

授業の最後には、それぞれのグループが村松先生に向けてプレゼンテーションを行いました。
村松先生からは「まだ企画になっていない」「ベタなテーマ」など、辛口コメントが次々に飛び出し…

 

「まだ1年生なのに、しっかりしたプレゼンだなぁ」と思って聞いていたのですが、プロと同じように大衆に向けて発表する作品としては、まだまだのようです。

さあ、果たしてどんなプロジェクションマッピングが生まれるのか?いつ、どこで発表されるのか?
ご紹介できるのは少し先になりそうですが、追ってブログでもお伝えします!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年5月24日

オープンキャンパス♪

今日のブログは、5月21日(日)に行われたオープンキャンパスの模様をご紹介します!!
この日は30℃近くまで気温が上がり、5月としてはとても暑かったですよね。


総合会場となったのは、総合体育館2階の第1アリーナ


各学科の相談ブース入試参考作品の展示、

 

デザイン学科卒業生の中村佑介さんが表紙を飾る「大学案内2018」をはじめとした資料配布コーナー


文芸学科主催!糸と針を使って、「和本」の製本が体験できるコーナー、

 

そして、アートサイエンス学科客員教授の原野守弘先生、客員教授の村松亮太郎先生による講演、ワークショップなど…

 

1つのフロアで、大阪芸大の魅力を存分に体感していただけるプログラムが盛りだくさん!

 

そんな中、工芸学科のブースでなハンカチの展示を発見!


19号館に行けば体験できるとのことで、さっそく私も覗いてみました★

こちらが、板締め絞りの体験の様子です!

 

板で締めた部分以外のところに染料が付くので、締め方を工夫してさまざまな模様を表現することができるんです♪

14号館ホールでは、演奏学科ポピュラー音楽コースがコンサートを行っていました♪

 

ステージに立って歌われているのは、ポピュラー音楽コース卒業生で、ジャズをはじめヴォーカリストとして活躍されている観月彩可さん!!
とっても素敵な歌声を披露してくださいました♪♪
 

ヴォーカルと言えば…オープンキャンパスのあちこちに設置されていたこの看板


そう!去年からスタートしたあの企画!!……については、明日のブログで改めてご紹介いたします!
 

大阪芸術大学オープンキャンパス
次回は…7月16日(日)・17日(月祝)の2日間★
詳しいプログラムは、追ってお伝えします!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)