2007年12月6日

劇団”群” 冬期公演

12月4日、5日に劇団“群”の冬期公演が行われました。演目は「ミエルの世界」。
わかりやすい脚本だったので、登場人物の感情など思いをめぐらせながら鑑賞できる公演でした。

 

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あらすじ…
とあるお屋敷に体が弱くベッドから起き上がれない少女「沙織」が住んでいます。両親は既に亡くなっており肉親は兄「満永」のみ。沙織は
生まれながらにして病弱の上、目が見えません。
沙織が生まれたとき、それを不憫に思った父はある嘘を考えます。「100年ほど前から人類は視力が弱くなり、ついに世界中の人間が盲目になってしまった。目が見えないのは沙織だけじゃない」。
その嘘の世界で17年間過ごしてきた沙織は「見える世界のキレイ」に強い憧れを持ち、その嘘を疑うことはありません。
そんな中、そのお屋敷の新しい使用人として雇われる「きえ」。その「嘘」の説明を受け、沙織が傷つかないように自分も目が見えない振る舞いを続けます。沙織の「見える世界への憧れ」の清らかさに「きえ」は心惹かれていきます。お互いに友として信頼関係が築かれていく様子とそんな2人に関係を、兄、満永はあまりよく思っていません。
満永は昔からその嘘には反対で、沙織の病状が悪化したことをきっかけに事実を沙織に打ち明けようとします。それを「きえ」は寸前のところで制止し口論になります。
満永は、「きえ」に「明日の晩までにお前が沙織に事実を話せないなら、もう来なくていい。クビだ。」と苦渋の選択を迫ります。「きえ」は、沙織の失望感・孤独感を考えると打ち明けられません。またこの職を失ってしまうと2度と仕事につけなくなってしまうのではという不安。沙織から離れてしまうと自分自身も孤独になってしまうこと。さまざまな思いが交錯して「きえ」はどのような行動に出るのか・・・。

芸術を志す皆さんは、はじめから「見える」ことを前提として表現を学んでいますよね。
造形を学んでいる人が、目の見えない人からの「色ってどんなもの?」「朝日ってキレイなの?」、そんな質問に対してどう説明しますか?たとえば音楽の場合でもそうです。楽譜を見る、指揮を見る、仲間とアイコンタクトを取るなど視覚に頼る部分が多い世界の中で活動しているはずです。
色々な思いが出ると思います。芸術大学で学ぶ人たちには是非見てほしい公演でした。

私の友人にも、目が見えないけれど底抜けに明るく美術と向き合っている女性がいます。
以前まで見えていたものが失われていく感じはどの様なものだったか、見えていたものを記憶に止めておこうとするとき自分ならどんな気持ちになるだろうか?
そんなことを考えながら拝見した演劇でした。

小劇場劇団「群」は大学開学当時からある歴史のある劇団です。
一時期、部員が少なくなり存続が危うくなった時期もありますが、現在部員15名。モットーは「授業優先」。体育会的な過酷さのないようにしています、と部長の南さんがお話してくれました。
年功序列的な運営ではなく、新入部員の方、経験者・未経験者問わず積極的に役者さん、裏方さんの仕事をやってもらうそうです。公演は撮影しDVD化しているそうで、ジャケットのデザインはデザイン学科の部員の方が担当しているそうです。こんなところでも個人の強みを活かして活動されています。舞台芸術・映像・デザインのコラボ。芸大ならではですね。
劇団「群」では学科学年を問わず部員を募集しているそうです。
月・水・金の放課後、8-11教室をのぞいてみて下さい、とのことでした。

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2007年12月3日

世紀のダ・ヴィンチを探せ!

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「世紀のダ・ヴィンチを探せ!」
国際アートトリエンナーレ2007
高校生アートコンペティション2007

の授賞式が本日行われました。

学内の芸術劇場にてファンファーレとともに受賞者の作品と名前がモニターに映し出され、壇上では賞状とトロフィーの授与が行われました。

高校生たちは緊張気味で、とても気恥ずかしそうにしながらの授与式でしたが、観客席の方に向き直って拍手を浴びるときは誇らしげな良い笑顔が見れました。

芸術劇場での授賞式の後、会場を移動し芸術情報センター前で展覧会開催のテープカットの式典が行われ開場となりました。

国際アートトリエンナーレは世界30カ国から1273点もの作品が集まりました。
グランプリ作品はベルリン在住の田口行弘さんの作品「Moment」。インスタレーションの写真、約2000枚を元に制作されたドキュメント映像作品です。

高校生アートコンペティションには41都道府県より377作品が集まりました。ダ・ヴィンチ賞に選ばれたのは、愛知県立千種高等学校の藤井佳穂さんの油画作品「明日へ」です。非常に繊細なタッチで描かれた自画像です。

会場は展示ホールに国際アートトリエンナーレの受賞作品・入選作品が展示され、アートホールの回廊部分に高校生アートコンペティションの受賞作品・入選作品が展示されています。

絵画、デザイン、映像、インスタレーション、工芸、彫刻、服飾、文学作品などさまざまなジャンルの質の高い作品がこんな風に見られる展覧会はなかなかないですよ。必見です。
特に在校生は必ず観ておきましょう!

ところで、この展覧会のポスターやパンフレットに使われているビジュアルには、ガラス工芸の山野宏先生に作っていただいたトロフィーが採用されています。
すっごいカッコイイです。
正直、わたしも・・・ほしい。

展覧会

12月3日(月)→12月22日(土)
10:00a.m.→16:00p.m.  日祝休館
大阪芸術大学・芸術情報センターにて

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2007年12月2日

大阪芸術大学博物館所蔵品展                  『本学ゆかりの作家による絵画・版画展』

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師走に入り、なんだか少々慌しくなってきました。そんな時こそ、芸術鑑賞の機会を持つと、少しこころにゆとりができて、豊かな時を過ごせそうな気がします。

本学芸術情報センター地下1階・地下展示室では、11月26日(月)から新たな本学博物館所蔵品展『本学ゆかりの作家による絵画・版画展』が開催されています。

照明を少し暗めに落とした展示室には、本学の黎明期から美術、デザインや写真といったジャンルで自らも制作活動を精力的に行ないながら、造形教育の現場で自らの後に続く作家を育成すべく活躍をされた、かつての本学教員であり作家である6人の方の絵画・版画の作品が展示されています。

それぞれの作風や技法は異なるのですが、その一つ一つの作品の前に立つと圧倒的な迫力とその作品の中から湧き上がる熱い思いのようなものを感じ、熱意に満ちた当時の情景が目の前に浮かぶ気がしました。

本学学生さんは、もちろん、学外の方にも是非!是非!ご覧いただきたい展覧会です。

会期:11月26日(月)→12月22日(土) 
休館日12/2(日)・9(日)・16(日)
開館時間:10:00→16:00 (入場無料)

 

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2007年11月25日

あらたな伝説

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いやぁ、この時期、学内では展覧会が多いっ!一定期間、開催されているものの、うっかりすると「あれっ、終わってるやん・・・」なんて事も。皆さん、お見逃しなく!

11月28日(水)まで、芸術情報センター1階展示ホールにて「大学院工芸 1回生作品展」が開催されています。

とある日、昼休み時間を利用して見に行くことに。展示ホール外の賑わいと違って、室内はとっても静か!作品がゆったりと展示されていて、その空気感が心地よいです。早速、作品を見ると・・・

「この絶妙なバランスはどうなっているの?」とか、「めっちゃ、繊細!!」など、素直に入り込めます。興味深かったのは、それぞれのもつ立体的な空間。また、工芸で表現される多様な素材感にあらためて驚きました。

大学院生の作品に取り組む真摯な気持ちも感じることが出来ますよ!
都市伝説ならぬ、芸大発のあらたな「芸術伝説」が生まれるかもしれません!
(開催時間)

AM10:00→PM17:00
(最終日PM15:00)

 

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2007年11月22日

♪パイプオルガンリサイタル♪

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本学にはドイツ、ヨハネス・クライス社製の貴重なパイプオルガンが設置されており、実際に演奏学科の一部の授業で使用しています。
高校から学校見学として来られた高校生に、パイプオルガンの演奏を聴いて頂く機会が度々あるのですが、初めて生で聴く方が多いようで、毎回大変好評です。

パイプオルガンが設置されているアートホールは本学のシンボルとして、創立者である塚本英世初代学長を記念した芸術情報センターという建物の中にあります。このホールでは日々、様々なコンサートやイベントが行われています。

そして本日、お昼休みの時間にパイプオルガンの演奏会が開かれました。

「パイプオルガン」と聞いてイメージするのは、ベタですが結婚式での新郎新婦入場、退場場面での演奏や、教会での賛美歌の演奏のような温かくて穏やかな、あの何とも言い難い独特な美しい音色です。そのようなうっとりとしたスローな優しい曲もあったのですが、反対に和音を何重にも重ねてより大きい音を出す激しい曲もありました。

寒い時期ということもあり、コンクリート打ち放しのやや冷たい印象のホールの空気がパイプオルガンの音色で一気に温まったように感じました。また、両手、両足をフルに使っての見事な演奏でした☆

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