2008年6月25日

水口聡先生 ミニリサイタル

本日学内で、演奏学科客員教授 水口聡先生の特別演奏会が行われました。

水口聡先生はプロフィールによると、ウィーン国立音楽大学を邦人初、全員一致の主席でご卒業になられ、その後1988年、ミラノ国際コンクール第一位をはじめ数々のコンクールに入賞。ウィーン国立歌劇場『リゴレット』にて、バリトンとしてデビュー後、世界的に貴重なテノール・リリコ・スピントに転向。ヨーロッパ各地の歌劇場や主要な音楽祭に招かれ、『アイーダ』、『トゥーランドット』など40もの主役を歌い、いずれも成功を収められています。
日本では1998年、新国立劇場杮落とし公演『アイーダ』にラダメス役で出演し一躍脚光を浴びました。その他、ソウルにおけるワールドカップサッカー前夜祭での歌唱、プロ野球公式戦開幕試合、フィギアスケート・グランプリファイナル決勝戦における「君が代」斉唱等、大きなイベントにおいても好評を博している先生です。
水口聡 テノール アイーダ ラダメス役 テノール・リリコ・スピント
(ピアノ伴奏:藤里 香世さん<演奏学科伴奏要員> )

本日は12:45分から、この春、内装の化粧直しをした3号館ホールにて「ミニ・リサイタル」として特別演奏会があり、4曲を熱唱していただきました。
RLeoncavallo  マティーナータ
GPuccini    トゥーランドットより “誰も寝てはならぬ”
SCardillo    つれない心 (カタリ・カタリ)
EDe Curtis  泣かないお前

3
曲目の直前、3号館ホール内の空調がちょうど先生が歌うために立っているポジションに向かって吹きだしているということで、歌声への影響を考え空調を止めるという場面もありました。声楽家の方の喉への気遣い。プロだな、と感じました。

3号館ホールはそれほど大きなホールではありませんので、この距離感、スゴク贅沢です。この近さで一流の声楽の演奏、相当な迫力でした。


この演奏会の後、2?71教室に会場を変えて公開レッスンも行われました。
近年、先生は自らオペラやコンサートのプロデュースを手掛けられており、若い歌手の育成にも取り組まれているそうです。
「先生、大阪芸術大学の学生の力はいかがでしたか?」

大阪芸術大学ホームページ
大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年6月13日

JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク

本日、学内では「JADGA in OSAKA 2008」のイベントが行われました。「JAGDA」って何?と思われる方も少なくないと思います。「JAGDA」は日本グラフィックデザイナーズ協会のことです。JAGDAは毎年全国で総会と全国大会を開催しているそうで、全国大会は開催地の会員が企画・運営する、一般の方や学生も参加できる開かれたイベントなのだそうです。

設立30周年を迎えた今年、大阪でこの全国大会が行われることになっており、そのイベントの第一弾として「JAGDATDCコラボレーション dddギャラリートーク」が行われました。
JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク
ここでまた略称が登場しています。TDCは「東京タイプディレクターズクラブ」のこと。dddギャラリーは大日本印刷株式会社が設立した大阪・南堀江にあるギャラリーです。

会場となるdddギャラリーの様子をネット中継し、大阪芸術大学の会場(芸術情報センターAVホール)との二元中継で行われました。「JAGDA」と「TDC」、初の共同イベントの実現ということで、在校生にも大変刺激的なセミナーになったと思います。両方のデザイン協会の受賞者を迎えてのトークイベントは、dddギャラーの会場では三木健氏、大阪芸術大学の会場では松井桂三先生がナビゲーターを勤められました。
松井桂三 大阪芸術大学 JAGDA
ddd
ギャラリーでは葛西薫氏と渋谷克彦先生がTDCの受賞者の紹介を行った後、フリートークが行われていました。葛西氏は「タイポグラフィカル」という言葉を使ってご自身のお考えを話されていました。フリートークの中で印象に残ったのは、現在企業などの「ブランディング」の手法の中で使われる要素、「ロゴマーク」や「色」、「シンボルマーク」、「書体」などの重要度の順番が一昔前と変わってきているのだというお話がありました。最近の調査では「書体」のデザインの重要度が高くなってきているんだそうです。葛西氏、渋谷氏は表層的な部分だけでなく、組織の内面からディレクションするような丁寧なお仕事されている方々ということもあり、「書体」に関わる良いお話が聞けました。
JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク
また興味深かったのが渋谷氏のお話です。ナビゲーターの三木氏から「渋谷さんがお勤めの資生堂では、新入社員は必ず1年間レタリングをさせられるという噂を聞いたのですが、本当ですか?」という質問が投げられました。渋谷先生の答えはYESでした。コンピューターで何でもできてしまう時代にレタリング。資生堂ならではの哲学を感じるようで感慨深い話題でした。
また、資生堂のデザインは「腰高」と表現されることがあるというお話も面白かったです。デザインに使用される文字の重心やカーブの起点になる部分も「気持ちちょっと上め」、デザインしたものに配置する文字も心地よく配置した後に「気持ちちょっと上に」してレイアウトしなおすのだそうです。女性の美しさのイメージを伝える「柔らかなしなやかさ」を表現するのに使われる、この「腰高」という手法の秘密。自然の中に見る植物が描くしなやかなカーブにもそんな要素が含まれているように思う、と話されていました。なかなか聞けないお話でした。

明日のブログでは、このトークイベントに参加した在校生に感想を聞いて記事にしてみたいと思います。

JADGA in OSAKA 2008」のイベントは明日からも盛りだくさんで予定されています。
↓詳しくはホームページで。
http://www.jagda.org/osaka/

大阪芸術大学ホームページ
大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年6月10日

イノテル ネガテル

現在、体育館ギャラリーでは『イノテル ネガテル』、『燗 展』、『やさい』の3つの展覧会が行われています。一番手前の会場で開催中の工芸学科テキスタイル・染織コース四年生による展覧会「イノテル ネガテル」を見てきました。
イノテル ネガテル テキスタイル 染織 展覧会
テキスタイル・染織コースの4年生約30名の中の有志11名による展覧会です。ギャラリーの入口に「んっ?」、テルテル坊主?会場の前には傘でタイトルがディスプレイされていました。
イノテル ネガテル テキスタイル 染織 展覧会
「イノテル ネガテル」?もしかして「ガイコクジンノ カタデスカ?」 やはりこの展覧会のタイトルには「どんな展覧会なのだろう?」って思わせる魅力があります。会場にはこの展覧会のタイトルにこめられた思いが述べられていました。ここでなるほど「てるてる坊主」か!となります。
イノテル ネガテル テキスタイル 染織 展覧会
この展覧会の象徴として展示されている「てるてる坊主」は、「晴娘 –チンニャン」という名前が付けられ作品として展示されています。一言ではいい表すことはできない日常生活での祈りや願いを具現化したものとして、「晴娘 –チンニャン」は制作されているそうです。「明日の晴天を願う」そんな日常の身近な「祈りの対象」を中心として、皆さんの作品が展示されています。
イノテル ネガテル テキスタイル 染織 展覧会
藍染の作品や素材感そのものが造形として美しい織りの作品、形と色を楽しめる作品、キウイをモチーフとしたテキスタイルで制作された洋服などタイプの違う作品が見る場所見る場所に変化を与えていて楽しい会場です。
イノテル ネガテル テキスタイル 染織 展覧会
テキスタイルの楽しさを体感できる展覧会です。是非、足を運んでゆっくりテキスタイルの世界を楽しんでみてください。


●イノテル ネガテル ―工芸学科 テキスタイル・染織コース四年生による展覧会―
2008
69.(月)→614.(土) 
10:00
?18:00[最終日のみ 16:00まで]
総合体育館ギャラーにて開催中

大阪芸術大学ホームページ
阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年6月8日

歌舞伎鑑賞教室

個人的にも毎年楽しみにしている「歌舞伎鑑賞教室」が今年も行われましたー!!
大阪芸術大学 歌舞伎鑑賞教室
昨年までは平日に行われていたので授業の合間にフラッと訪れる学生で満席だったのですが、今年は土曜日に行われた為か学生が少なく空席が目立ってちょっぴり残念でした。
「歌舞伎鑑賞教室」は初心者でも楽しめるように、第一部で歌舞伎の基礎知識が解説され、第二部で作品上演という流れになっています。

今回は、坂東薪車さんが効果音の紹介に重点を置いて解説してくださいました。

まずは「鳴物」という大太鼓の紹介です。風の音、水の音、雪の音が実演されたのですが、私は雪の音が一番印象に残りました。実際には雪が降る音なんてないはずなのに、「どぅん・・・どぅん・・・」と大太鼓をたたく音がすると、しんしんと降り積もる雪のイメージが広がってすばらしかったです。

つづいて、板を拍子木のようなものでたたく効果音「ツケ」が紹介されました。坂東薪車さんが実際に立役、女方の駆け出す様子を演じてくださり、力強い男性のツケとかわいらしい女性のツケの違いがとてもわかりやすかったです。

効果音の紹介が終わると、「立回(たちまわり)」の説明です。山型に刀を振りかざす動きなどを組み合わせることによって殺陣が構成されていることを、実演を交えてわかりやすく解説してくださりました。

そして学生四人が舞台にあがり、立ち回りを体験することに!!
二人一組となり、刀を持って見様見真似で挑戦しますが、やはり素人なのでどうしていいかわからないご様子。プロの凄さを実感したところで、お手本を見せてくださったお二人から手早く型や見得の切り方を教わり再挑戦

みなさん見得の切り方に悩んでおられましたが、舞台芸術学科演技演出コースの女性が「どうしていいかわからない」と言いながら立派な見得を披露してくださり、会場が沸きました!!
体験コーナーの後は短い作品も上演され、客席では「第一部は解説だけやと思ってたからお得な気分やな?!」という声がチラホラ。
作品については詳しく知りませんでしたが、動きを見ているだけでも十分楽しめました。

そしていよいよ本日のメイン!第二部の「俊寛」は流刑の地、鬼界ケ島を舞台に描かれた作品で、俊寛をはじめとする登場人物の人間性がとても魅力的に演じられていました。前半部分では千鳥と成経の結婚など、微笑ましい場面が多く見られましたが、クライマックスでは俊寛と瀬尾の壮絶な死闘が繰り広げられ、その迫力には釘づけになってしまいました。船や岩頭などのセットも立派でますます作品の世界に引き込まれました。

現代の私たちが映画やドラマを観るように、昔の人たちはこのような舞台を楽しんでいたのだと思います。ついつい西洋のオペラや映画に目を向けがちですが、これからは歌舞伎を含め、日本の伝統芸能もしっかり勉強したいと思いました。

投稿者: みか (大学院・演奏 2年)

大阪芸術大学ホームページ
大阪芸術大学ブログトップへ

 


2008年6月7日

GPD展

本日まで総合体育館ギャラリーで行われているのが「GPD展」です。これは「芸大パフォーマンスドール」の「G」「P」「D」。ジャグリングなどのパフォーマンスを行う大道芸のクラブです。
 GPD展 芸大パフォーマンスドール
大阪芸術大学には他に一見同じような活動内容にも思える「むつごろう雑技団」というクラブもあり、お互いがライバル視しているかどうかは定かではありませんが、統合されないのはきっと刺激しあうことで、お互いの技術の高めているんだと思います。
GPD展 芸大パフォーマンスドールGPD展 芸大パフォーマンスドール
さて、この展覧会について芸大パフォーマンスドールの渉外担当の木村優希さんにお話を聞いてみました。芸大パフォーマンスドールには、日本画専攻、デザイン、キャラクター造形、演奏、ガラス工芸、テキスタイル染織、写真、放送(広告専攻)など分野の違うメンバーがいます。「このメンバーで展覧会をやってみたら、一体どんな展覧会になるだろう?」って考えて、それを実現してみたいと思ったのだそうです。
いいですねー、その視点。そう、そうやってドンドン、コラボレーションしてください。これからも。
GPD展 芸大パフォーマンスドール
作品にはメンバーのキャラクターや道具や衣裳を生かしてつくられたカードゲームや、パフォーマンス用の衣裳、学外で催された公演の様子の映像などを見ることができました。
GPD展 芸大パフォーマンスドール
GPD展 芸大パフォーマンスドール
ジャグリングといえば、やはりピエロを連想します。ガラス工芸でつくられた「ピエロの誕生」という作品もありました。なかなかロマンチックな作品です。
GPD展 芸大パフォーマンスドール
受付でもらえるスタンプラリー用のカードに、各コーナーに設置されたスタンプを押していくと会場の出口のところで、バルーンのプレゼントがありました。
GPD展 芸大パフォーマンスドール
芸大パフォーマンスドールでは年間を通じて、小学校やお祭ごとなど、随時学外からの公演依頼を受け付けているそうです。詳しくは、GPDのホームページをご覧ください。
●芸大パフォーマンスドールホームページ
http://gpd.kuronowish.com/

大阪芸術大学ホームページ
大阪芸術大学ブログトップへ