2008年6月13日

JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク

本日、学内では「JADGA in OSAKA 2008」のイベントが行われました。「JAGDA」って何?と思われる方も少なくないと思います。「JAGDA」は日本グラフィックデザイナーズ協会のことです。JAGDAは毎年全国で総会と全国大会を開催しているそうで、全国大会は開催地の会員が企画・運営する、一般の方や学生も参加できる開かれたイベントなのだそうです。

設立30周年を迎えた今年、大阪でこの全国大会が行われることになっており、そのイベントの第一弾として「JAGDATDCコラボレーション dddギャラリートーク」が行われました。
JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク
ここでまた略称が登場しています。TDCは「東京タイプディレクターズクラブ」のこと。dddギャラリーは大日本印刷株式会社が設立した大阪・南堀江にあるギャラリーです。

会場となるdddギャラリーの様子をネット中継し、大阪芸術大学の会場(芸術情報センターAVホール)との二元中継で行われました。「JAGDA」と「TDC」、初の共同イベントの実現ということで、在校生にも大変刺激的なセミナーになったと思います。両方のデザイン協会の受賞者を迎えてのトークイベントは、dddギャラーの会場では三木健氏、大阪芸術大学の会場では松井桂三先生がナビゲーターを勤められました。
松井桂三 大阪芸術大学 JAGDA
ddd
ギャラリーでは葛西薫氏と渋谷克彦先生がTDCの受賞者の紹介を行った後、フリートークが行われていました。葛西氏は「タイポグラフィカル」という言葉を使ってご自身のお考えを話されていました。フリートークの中で印象に残ったのは、現在企業などの「ブランディング」の手法の中で使われる要素、「ロゴマーク」や「色」、「シンボルマーク」、「書体」などの重要度の順番が一昔前と変わってきているのだというお話がありました。最近の調査では「書体」のデザインの重要度が高くなってきているんだそうです。葛西氏、渋谷氏は表層的な部分だけでなく、組織の内面からディレクションするような丁寧なお仕事されている方々ということもあり、「書体」に関わる良いお話が聞けました。
JAGDA・TDCコラボレーション dddギャラリートーク
また興味深かったのが渋谷氏のお話です。ナビゲーターの三木氏から「渋谷さんがお勤めの資生堂では、新入社員は必ず1年間レタリングをさせられるという噂を聞いたのですが、本当ですか?」という質問が投げられました。渋谷先生の答えはYESでした。コンピューターで何でもできてしまう時代にレタリング。資生堂ならではの哲学を感じるようで感慨深い話題でした。
また、資生堂のデザインは「腰高」と表現されることがあるというお話も面白かったです。デザインに使用される文字の重心やカーブの起点になる部分も「気持ちちょっと上め」、デザインしたものに配置する文字も心地よく配置した後に「気持ちちょっと上に」してレイアウトしなおすのだそうです。女性の美しさのイメージを伝える「柔らかなしなやかさ」を表現するのに使われる、この「腰高」という手法の秘密。自然の中に見る植物が描くしなやかなカーブにもそんな要素が含まれているように思う、と話されていました。なかなか聞けないお話でした。

明日のブログでは、このトークイベントに参加した在校生に感想を聞いて記事にしてみたいと思います。

JADGA in OSAKA 2008」のイベントは明日からも盛りだくさんで予定されています。
↓詳しくはホームページで。
http://www.jagda.org/osaka/

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