2016年10月11日

芸術情報センターアートホールで本格的な演奏を♪

今日は、演奏学科からのブログを紹介します★

9月21日(水)、芸術情報センター1階アートホールにおいて、「マタイ受難曲」の試演会が行われました。
大学院生の中島康博さんの試演会として開かれたこの演奏会ですが、ソリストはソプラノ・東野亜弥子先生、アルト・福原寿美枝先生、そしてバリトン(イエス)は音楽学科・演奏学科 学科長の三原剛先生と、豪華な方々の美声がアートホールに響きました。

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「マタイ受難曲」はヨハン・セバスティアン・バッハが生涯作曲した5つの受難曲のひとつで、ライプツィヒの協会での聖金曜日の晩課のために作られた作品です。
また、合唱も非常に重要な役割で、特にマタイ受難曲は四声部合唱2組という実質8声で行う合唱があり、とても難易度が高いものとなっています。
バッハ特有の合唱の響きを、聴きに来て下さった多くの方々に届けることができたのでは、と思っています。

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今回演奏が行われたアートホールは、普段パイプオルガンの授業などで使われています。
とても声が響く場所で、ピアノ・オルガンも完備されていますので演奏会を行うにはとても最適な場所です。
この日も、心地良い演奏と歌声がホール全体に響き渡ったのではないでしょうか。

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投稿:演奏学科合同研究室

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大阪芸術大学では、普段からこのようなコンサートが多数開催されています♪
キャンパス内で本格的な演奏や歌声が聴けるなんて、大阪芸大ならではですよね。

今週14日(金)には、「声楽専攻4回生によるお昼のコンサート」を開催!!
※掲載写真は、7日(金)に開催した時のものです。

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ぜひ、お越しください♪♪

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「声楽専攻4回生によるお昼のコンサート
2016年10月14日(金)12:30~
芸術情報センター1階アートホール

小山沙羅(Sop.) 松村彩華(pf.)
♪お菓子と狼
♪メサイアよりソプラノのアリア「ああ、麗しいかな、良き訪れを告げる者の足は」
♪オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」よりデスピーナのアリア「女も15になったら」

秦幹治(Bar.) 松本彩花(pf.)
♪野の羊
♪「デッティンゲン・テン・デウム」HMV283より
 バスのアリオーソ「なしたまえ、主よ、この日われらが罪を犯さぬように」

山本愛花(Sop.) 田中萌絵(pf.)
♪私もいつか~母にささげるバラード~
♪オペラ「ドン・ジョヴァンニ」よりツェルリーナのアリア「ぶってよ、私のいとしいマゼット」


2016年10月4日

福田新之助展 -存在と契約XVIII-(F8)ギャラリー白 7/ 25 ~8/6

例えば200枚の紙束。
普段私たちが日常の中で紙に触れる際、立体的な素材としてではなく二次元的な平面として接している。同じ大きさの紙がズレなく重なる時、最上面以外の平面は不可視化され平面としての意味を喪失する。
意味をなさなくなったものは世界からその存在を忘れられる。紙を貫く傷は下位の平面の存在を可視化する。―展覧会テクストからー

展覧会会場には、天井近くから吊り下げられたウエディングドレス。赤茶けたそれからは幸福な印象を受け取ることはない。むしろ、赤茶けた染みは純白を覆いつくす血痕のようにも見える。それが幾重にも連なり中空にある。ふわふわし重力から解放された幽霊のようにも感じる。

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テクストにある「傷とは」を考える。私たちの現存する世界の約束事は常識として透明に存在する。よって日常では特に違和感なく生活している。しかし少しの違和感が生じたとき私たちは息苦しくなる。その違和感は傷となり,そこを垣間見るとき平坦で透明な世界から幾層にも織りなす世界を知ることとなる。私たちは幾層の世界に生きる。傷とは隠された内的世界を知覚する鍵である。

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制作として、ウエディングドレスの焦げ跡のようなものは珈琲を染みこませている。よって会場にはその匂いが漂う、ニュートラルであろう空間に。このインスタレーション作品は見るという行為だけでなく嗅覚的にも働きかけ、さらに身体感覚がざわめく。

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報告 教養課程講師 加藤隆明  協力 芸術計画学科合同研究室


2016年9月29日

図書館企画展 「マンガのチカラ - 芸大発 人生のバイブルはこれだ!」展

皆さん、こんにちは。後期の授業が始まりましたね。勉強や部活に集中できるシーズン到来です!
そこで、1年の後半を充実した日々にするために、シフトチェンジする時間をもちませんか?
図書館では9月12日から30日まで「マンガのチカラ - 芸大発 人生のバイブルはこれだ!を開催しています。

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ポスターを見て、図書館でマンガ?と始めはいぶかりながらやって来た学生も、楽しそうにマンガを読んで帰り、また次の日も来てくれたり、事前アンケートで人生のバイブルと呼べる、とっておきのマンガをおしえてくれた学生が、今度は友だちと一緒に、また違う人生のバイブルに出会いたくて展示を見に来たりと、連日、マンガを通じて共感の輪が広がっています。

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マンガ、だから伝わる

意外に思うかもしれませんが、人とのつきあい方や人生についてマンガから学んだ、マンガの作者や主人公に共感した、と話す人が以前よりも増えています。これまで、愛読書や人生のバイブルは?と聞かれると、大抵の人は世界や日本の文豪たちの名作を挙げていたと思いますが、最近では科学の知識や歴史・政治など教養のジャンルについてもマンガやアニメで学ぶ方がよりわかりやすいと、マンガの位置づけも変わってきています。
海外でも日本のマンガは広く読まれるようになり、メディア芸術を牽引するコンテンツとして世界から注目されています。「MANGA」という言葉が、世界の共通語となりつつある今、マンガが未知の扉を開けるきっかけとなったと堂々と言いきる人が増えても、不思議なことではありません。むしろ、マンガに込められたメッセージや圧倒的なチカラに、自分の可能性を見出そうとする人が増えたと言い換えてもいいでしょう。

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未知の扉を開けて、そこからの一歩はあなた次第。友情や信頼、突き進む覚悟、新たな表現などなど…。マンガから何を学び、どう生かしていくのか。100人いれば100通りの学びがあると思います。ぜひ、今あらためてマンガの魅力にふれてください。

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本展では、本学キャラクター造形学科の先生がお勧めするマンガやアニメーションを紹介し、芸大生が人生のバイブルとして挙げたマンガや、キャラクター造形学科の学生が制作した作品、マンガ研究の関連資料などを展示しています((展示に先立って、『手塚治虫マンガデジタルライブラリ』が8月から学内のインターネットPCで閲覧できるようになりました) 。ご覧になれば、きっと皆さんも人生のバイブルとなるようなマンガが見つかるはず! 創作意欲を掻き立てるヒントがここにあります。

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自分の思考や気持ちがうまく表現できなくて…。目に見えない、頭の中のことをどう伝えたらいい? 誰でも一度や二度、そんな経験があると思います。
そういう、なかなか表現しづらい見えにくいところが、心に響くこと、気持ちを動かすことだったりするんですよね。それって、マンガ、だから伝わる、わかりあえるんじゃないでしょうか!!

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まだ展示をご覧になっていない方、会期終了まであと少しです。ピタパネを背中合わせにしてAライン(サイドから見て)を作り、マンガを引き立たせるため白を基調にしたユニークな展示になっています。無料でもらえるカワイイしおりもあります。
また、3階視聴室では話題になったアニメのDVDを上映しています。
ぜひ、図書館に来てください。

最後になりましたが、開催にあたってご協力を頂いた大阪芸術大学キャラクター造形学科長 里中満智子教授をはじめ、同学科の先生方に心から感謝を申し上げます。

写真撮影:喜田 聡[大阪芸術大学大学院 芸術研究科 博士課程(前期)芸術制作専攻 デザイン(写真)領域]

投稿:高橋(図書館)


2016年9月22日

大阪チャリヘル・コレクションに出品(特殊メイク研究会)

AIGジャパン・ホールディングス(富士火災海上やAIU保険などがグループに入る会社)が、この度、大阪本社を梅田に開設するのを記念して、「大阪チャリヘル・コレクション」がグランフロント大阪北館・ナレッジプラザで、8月26日(金)に開催されました。

イベントでは、本学特殊メイク研究会の学生たちが制作したオリジナル塗装や加工を施したユニークなヘルメットが紹介され、大人による自転車用ヘルメット着用を呼びかける運動の手伝いができました。当日は、特殊メイク研究会の坂本大地さんと矢吹壮介さんが出席してくれました。

これで、大阪府の自転車事故ワースト1を脱却してくれることを願っています。

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※作品名、作者名は下記のとおりです。
左から、「白ノ甲(しらのきのえ)」(渡辺明希)、「Glacies(グラキエース)」(矢吹壮介)、
「ハッピーブルース」(増田 陸)、「リーゼントメット」(坂本大地)

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↑矢吹壮介さんと坂本大地さん

(報告者 就職課 川村)


2016年9月20日

金城理子展 (美術専門学校07卒) 6/27-7/9 2KWギャラリー58

金城氏の案内状写真が興味深い。実家のブロック塀だろうか、そこには抽象画が掛けられ塀の表面には落書きのようなペイントがされている。あたかもキャンバスとブロック塀という描かれる場所の意義を問うように。

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キャンバスの表面には、和紙や厚紙が貼られそこに着彩がされている。場所によっては絵具のにじみや柄的パターンの反復、金箔を貼るなど、また色彩も幾重にもかさなり複雑な表面をみせている。複雑な表面は触覚性の強いものとなり視覚世界から大きく逸脱している。

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金城氏の言葉を聞く。
「沖縄から遠く離れた大阪、そこから故郷を思う絵画を制作してきた。故郷を感じ取れる花や植物を具象的に描いてきたが、そこからは感じていた故郷は描き出せなかった」

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この作品から見て取れること、金城氏が思う故郷とは、視覚的経験だけでなく触覚や嗅覚など身体的経験や人々との関係、自らの身体を通して記憶された故郷のイメージが再構成され現在の抽象絵画となっているのだろう。

作品を見ていると、暑い空気がのどに詰まるような気分になった。

※ 金城理子 大阪美術専門学校芸術研究科 美術専攻絵画コース修了

報告 教養課程講師 加藤隆明 協力 芸術計画学科合同研究室