2008年11月19日

デジコン

17日から総合体育館ガーデンギャラリーでスタートしている「デジコン」を見てきました。この展覧会はデザイン学科情報デザインコースの3年生8人による作品展です。
デジコン 情報デザイン コース
『デジタルなコンテンツ。デジタルなコミュニケーション。』が合言葉です。平面作品を中心に、ちょっと成人向け(?)のアイテムも展示されていました。
デジコン 情報デザイン コース
もうあまり使わなくなりましたが、いわゆる「萌?っ」な作品もたくさんあります。「ハルコ・ナツミ・チアキ」は思わず一緒に記念撮影したくなる「萌さ」です。今回この作者・谷岡亜美さん(代表)が「ブログで取り上げてほしい!」ということで入試課に案内を持ってきてくれました。
デジコン 谷岡亜美 ハルコ・ナツミ・チアキ
取材に伺った時、あいにく谷岡さんはいらっしゃいませんでしたが、ちょうど展覧会に来られていた太田明仁先生とメンバーの方4人とで記念撮影。パシャリ。
デジコン 
先生に聞いたところ「彼らは課題以外の制作としてこれらの作品を作っているんですよ」とのこと。大掛かりな作品もあり、なかなか力作揃いです。
 
中川真梨江さんの作品「INSTRUMENT GIRL」の前では、好きな美少女キャラクターに投票するという仕掛けがありました。気に入ったキャラクターにハートマークを付けていきます。9人のキャラクターはそれぞれハーモニカやカスタネットなどの楽器をテーマとしていて、肌の色も髪型もコスチュームも全く違います。
デジコン 中川真梨江 INSTRUMENT GIRL
「どのキャラクターがお好みですか?へぇー、あぁ、こういうのがお好みですか。わたしはこういうのが好きなタイプです・・・」。先生と私、いい大人が鼻の下を伸ばして刹那な“楽し恥ずかし本音トーク”。
デジコン 中川真梨江 INSTRUMENT GIRL
その横には「うすコン2008」の受賞作品が展示されていました。
ジェックス コンドーム うすコン2008
会場にいらっしゃった林翔子さんに今回の展覧会の見どころを聞いて見ました。
「情報デザインコースではこんなことができるんだってことをもっと知ってもらいたいです。」
粘土でつくったフィギアやアニメ映画告知風ポスター、背景の上にセル画を施した作品などなど。小さいギャラリーの空間ですが盛りだくさんの内容です。
デジコン
デジコン
面白い作品だと思ったのは、「魅惑甘ガエル図鑑」。48種類のスイーツをカエルと掛け合わせた作品です。上のほうから見ていって、これだけ数があると6段目のパフェシリーズあたりでは笑えてきます。カエルとのミスマッチがこの作品のいいところですね。いっそどこか甘味処のメニューとして持ち込み提案してみては?
デジコン 魅惑の甘カエル図鑑 

今日、取材に伺ってうれしかったのはメンバーの方々の些細な会話です。
「ブログの取材って、一体何のブログ?」
「芸大ブログだよー、知らないの?あれ結構いろいろ参考になるんだよー」。
毎度、ご愛読ありがとうございます。

●デジコン
 11月17日(月)→11月22日(土)
 9:00→18:00 (最終日は17:00まで)
 総合体育館・ガーデンギャラリーにて

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2008年11月18日

生命感(壁画完成)

日曜日。先日美術学科の学生達が制作していた壁画が完成したので、早速見に行きました。
壁画制作時の余白部分は、ビル壁塗装のベージュ色のままでしたが(115日ブログ写真参照)、完成画はなんと、黄色く!!なっていました。当初、黄色にする予定にはなかったそうですが、「描いている途中で、余白部分がよごれたからね。黄色を塗ったら、良くなったよ」と美術学科長石井教授。
壁画
優れた描写力による動物達が、今にもこちらに向かってきそうな迫力。周りのビルが白やグレーの無彩色、レンガ色や緑色などに対し、彼等は活き活きと生命感を発しています。

たった4日間で、しかも10人足らずの制作者で、こんなクオリティの高い壁画が出来ました。近々、絵の下部に制作者達のサインを入れるそうです。

制作途中、壁画用絵具が足らなくなり、急遽、絵具の追加注文をした時がありました。配達してきた絵具会社の方が壁画をご覧になられて、とても感心されていたそうです。また、制作最終日に工事用ネットを外したとき、道行く人々が足を止めて眺めていたそうです。写真を撮りに行ったのは日曜日だったので、人通りは少なかったのですが、壁画の前では、自転車に乗りながらでも思わず振り向いてしまう街の人々や、スピードを緩めて走る車が何台も通り過ぎました。
壁画
音も鳴らず、閃光も発さず、においもしないはずなのに、街やビルの構造が立体的に変わったわけでもないのに・・・、絵の力は凄いなあ、不思議な力だなあ、と思いました。

4日間に及ぶ制作で、風邪を引いたりしてしまう人もいたそうです(お大事に)。
制作に携わった学生さんと副手さん、そして先生。本当にお疲れ様でした。

場所:大阪市中央区北久宝寺町1丁目5-13小泉ビル
   (大阪市営地下鉄堺筋線 堺筋本町駅 3番出口より南へ徒歩2分)
    >>>GoogleMap

投稿者:野口リサ (大学院・芸術制作専攻【絵画】1年)

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2008年11月17日

杉山卓朗展?Hyper-Geometrism?

お伝えした本学大学院卒業生山中俊広さんが代表のYODギャラリーは今年1月のオープン以来、着実に実力を発揮されています。Lマガジン3月号では、関西で注目のギャラリーとして掲載されていましたし、7月の ART OSAKA 2008にも、さっそく出展されました。

そして、今回は、大阪芸術大学グループ 大阪美術専門学校を2004年に、同芸術研究科を2005年に卒業された杉山卓朗さんの「杉山卓朗展?Hyper-Geometrism?[1111日(火)→29日(土)]です。杉山さんは、2004年度 第16回 日中作品交流展に選抜され、訪問団の一員として中国(上海大学美術学院)へ行かれました。同行した大芸大生や短大部生とも意気投合し、貴重な経験をされたようで、今でもその時の皆さんと交流があるそうです。

杉山さんの作品を初めて見たのは、作品のポートフォリオで、日中交流展の作品や卒業制作展で優秀賞を受賞した作品等です。一見、CGかと見違うようなキューブの集合体ですが、フリーハンドで、しかも頭の中で考えたものをそのまま絵にしていると聞き、とても驚きました。しかし、良く見るとスケルトンの部分やキューブの組み合わせや影など、確かにCGでは逆に表せないファジィ(曖昧さ)な魅力に引きつけられる思いでした。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校
作品名:「無題」<卒業制作展 優秀賞受賞作品> 制作年/素材:2004年 /アクリル・パネル
サイズ:高さ103.0×364.0cm

こうして、待ちに待った杉山卓朗展のオープニング・レセプション[1110]に行ってきました。閉じたキューブから、中身が気になりだしたとのことで、今回は開いたイメージになっています。直線から、本人が「R」と呼ぶ曲線も登場し、確かに進化しています。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校
作品名:「無題」(各)制作年/素材:2008年/アクリル・パネル
サイズ:高さ90.9×72.7cm(各)

大作の「無題」は、圧巻です。今度はキューブが解体されているだけではなく、教室の壁や床が解体されて、建築物のパーツが複雑にしかも心地よく入り交じっている、そんな印象を受けました。その上、それがどこまでも増殖されて行くような感覚になります。全体的なダイナミックさにも引かれますが、一つ一つのパーツもとても魅力的です。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 
作品名:「無題」制作年/素材:2008年/アクリル・紙・パネル
サイズ:高さ94.5×200cm

杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 
今回は、そのパーツを象徴した作品がありました。アルファベットの26文字を表現した作品です。コミュニケーションを表したくて取り組んだ作品だそうです。誰かをイメージしながらそのイニシャルを表したりと思い入れのある作品になっています。しかも原案は小さな紙に鉛筆で書いたものを部屋のいろいろなところへ貼っておいて、ふとした時に書き加え、書き直したりと結局、完成までには一年位暖めていたそうです。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 
作品名:「Alphabet」(各)制作年/素材:2008年/アクリル・紙・パネル
サイズ:高さ27.3×22.0cm(各)

杉山卓朗さんのもう一つの魅力は、色彩の美しさだと思います。あまり色を混ぜたくないとご本人は言われていましたが、鮮明な、しかし優しさのあるとてもきれいな色合いだと思います。色の組み合わせも頭の中で考えたもので彩色して行くそうです。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 
三原色は好きな色だと言われていましたが、黒も使ってみたかったということで生まれた作品群が「パースのシリーズ」だそうです。これも定規を使わず、フリーハンドで描き切った力強さを感じます。作品の原点でありながらも今回は、最後に描いたところにまた意味を見出します。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 

杉山卓朗展のオープニング・レセプションには、2006年本学大学院修了 現大学院陶芸コース非常勤助手の理有さん、2005年本学大学院修了町田夏生さん、2004年本学美術学科卒業 岡本さんを始めとした若手の作家さんたちがたくさん来られて、大いに盛り上がっていました。岡本さんに杉山さんの作品の感想を聞くと「絵画に男女の区別はないけれど、敢えて言うなら男らしい作品」とのことでした。論理的、幾何学的思考の所以でしょうか。地図が読めない私には到底できない発想です(笑)杉山さんに今後、どんな作品を制作したいかと尋ねたところ「平面を交えた三次元作品」も制作してみたいとのことでした。するとそういう気配を感じる作品が入口横の外壁にありました。細い木で組まれたキューブです。夜には人工的なライトアップによって計算された影が出現しますが、日中は、陽の光の射す角度によって表情を変えるであろう地球規模の作品に成り得る面白さを感じました。この作品は、日を追う毎に増殖(継続制作)されて行くそうです。ギャラリーに足を運ぶ日にちや時間によって、どんな影を織りなすのか本当に楽しみです。
杉山卓朗 YOD Gallery 大阪美術専門学校 
岡本さんや町田さんと一緒にこの外壁の作品を拝見しながら、もう少し見せ方を工夫できたらもっと良いのに・・・という私の勝手な発言を聞き、岡本さんは、カッターやくぎの種類など、杉山さんに技術的なアドバイスをしてくれていました。こんな風に作家同士のコミュニケーションや交流は、とても意義のあることだと思います。大芸大の中での他学科との交流だけではなく、大芸大グループにも輪が広がっての交流は、とても嬉しいことです。杉山さんの作品が目指した「コミュニケーション」もさっそく体現でき、29日までの会期の中で、より素晴らしい作品空間となることでしょう。杉山さんには、きゃしゃな外見と反対にコンプレックスや挫折をバネにして、成長し続けて行く芯の強さを感じます。写真や文章では現せない杉山
卓朗の世界観を是非、多くの皆さんに体感してもらいたいと思います。

杉山卓朗展?Hyper-Geometrism?
1111日(火)→1129日(土)
11:00
?19:00 日・月曜日 閉廊

YOD Gallery
http://www.yodgallery.com/

投稿者:図書館事務室

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2008年11月16日

Four Individual 「工芸に新しい可能性を。」

「Four Individual」
この展覧会は、1111日?15日まで体育館ギャラリーで行っていた工芸学科4コース4回生による展覧会です。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織
この展示では、作家・サポートスタッフが自分の専門分野をうまく発揮できた展覧会だと思います。ちなみに文章を書いている私は、芸術計画学科です。今回、展覧会のお誘いを受けてから1ヶ月という短い期間でしたが、みんなで話し合いを重ね、お互い意見を言い合い、うまく吸収していったおかげで開催までいきつくことが出来たと思います。展示を終えたメンバーに「今回の展覧会を通して感じたこと」を聞いてみました。

吉鶴かのこ(デザイン学科・グラフィックデザインコース4回生:広報・作家紹介等担当)
出来る限り作家さんの思いを聞いて、シンプルでかつ作品・作家さんの個性を引き立たせるグラフィックをしようと心がけました。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織
メイングラフィックに手形を持ってきたのは、工芸学科が大学内で最も手に近い存在ではないかと感じたこと、手形は誰でも持っていて一人一人が違う個性を表すものではないかと感じたからです。また、嬉しかったことは工芸についてたくさん魅力を知れたこと!魅力を色んな人に伝えるお手伝いができたことです。

■原田美由紀(舞台芸術学科・舞台照明コース4回生:会場照明担当)
Four Individual
の照明担当として参加しましたが、作家さんの作品を見た時に個性が飛び出してて正直ビビりました。私に果たしてできるのか?と自問自答をしたぐらいです。作家4人と会話しつつ、照明についてアドバイスをしながら、作品を殺すことなく照らすのは、凄く難しいです。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織
特に難しいと思ったのは、桃木野さんと藤井さんの作品です。桃木野さんの作品は、小さくて数が多かったので影で遊んでみようと思いあのような照明になりました。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織
藤井さんの作品は…平面の作品は難しいんです!大下浦さんの作品の3つの色味の違いをわかった人はいますか?まだまだ、勉強中ですがこの展示会に参加できて良い経験になりました。

坂井夏苗(写真学科4回生:作家紹介の写真担当)
撮影をする時にこだわったことは、作家さんそれぞれの自然な表情が写せるようにとにかくシャッターを切りっぱなしだったことです。撮影させていただいて感じたことは、制作中の真剣な表情がとにかく印象的でした。月並みだけど工芸学科は職人集団だと思いました。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織 

■前原緒璃艶(芸術計画学科3回生:マネジメント担当)
今回私が担当したマネジメントという役割は、なくても成り立つものです。しかし、私がいることで作家さんや各セクションの人が自分の仕事に専念でき、少しでも作業が軽くなれば嬉しいなと思いマネジメントをしていました。また、過去の企画は先輩がいて、与えられた仕事をこなしていたのですが、今回は仕事を自分で見つけ、実行していかなければいけなかったので、すごく考えました。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織
自分の領域ではないところに口を出して作家さんを困らせたりもしました。しかし、それがあったからこそ「私は私の仕事をしていれば企画は進んでくれる」ということが分かったのでとても勉強になりました。また、この展覧会は各専門分野の人たちがうまく調和していて、総合芸術大学だからこそ実現できた展覧会だと思います。そして、「give and take」という精神をとても強く感じた企画でした。

■大下浦由香(工芸学科・ガラス工芸コース4回生)
こうやって展示することで、一般の意見を聞けたことがとても良かったしすごく嬉しかった。私は作家として参加して展覧会を作ってくれるスタッフがいて、それぞれができることを生かしながらこの展覧会を創ることができ、本当に楽しかったし幸せでした。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織

桃木野史雄(工芸学科・陶芸コース4回生)
自分と同じ学科の人だけでなく、多くの人の意見を聞けてとても勉強になった。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織

■藤井裕史(工芸学科テキスタイル・染織コース4回生)
今回の展示会は、広報、照明、全体的なマネジメント、僕ら作家が出来ない分野をそれぞれ専門の方が手伝ってくれたので、作品を作ることだけに専念出来たし、全体を通しても成功したと思います。こうしてコミュニケーションをとりながら最終的なゴールに向かって進んで行くことは、とても勉強になりました。そして多くの人に客観的に作品を見てもらうことにより、制作意欲を養えたと思います。このメンバーで出来たことを嬉しく思います。ありがとうございます。
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織

■福森創(工芸学科・金属工芸コース4回生:代表)
この展覧会は他学科の人達と協力し、一人一人が自分の仕事を、良い事も悪い事も納得して出来たと思う。マネジメントや広報などを買って出てくれた人達がいたからこそ余裕を持ち作品と向き合える事が出来たと思うし、 他学科とのつながりがこの様な納得行く展覧会に出来た要素だと思う。 そして自分が制作をする上で今後を考える良いきっかけとなった。協力してくださったみなさん!ありがとうございました!
Four Individual ガラス工芸 金属工芸 陶芸 染織 

会期中さまざまな学科の人に見ていただき、たくさんのコメントをいただきました。たくさんのコメントは、これから私たちが制作をしていく中での励ましになり、制作意欲につながっていくと思います。協力してくださった方々・アドバイスしてくださった方々・見に来ていただいた皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

投稿者:前原緒璃艶(芸術計画学科3回生)

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2008年11月15日

Hello!!大なんば

「♪ぁーあーー↑、果てしない・・・夢を追い続けーえぇぇー↓、あーあー↑いつの日かぁー、大空ぁー駆けぇー巡るぅーるー・・・」。これはクリスタル・キングの名曲「大都会」。
さて、今日行って来たのは「なんばパークス」で開催中のイベント「Hello!!大なんば」です。既にYahoo!ニュースなどでも取り上げられていますので、足を運ばれた方も多いのではないでしょうか?
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
今回のイベントは『大阪芸術大学グループ「美の冒険者たち」』、なんばパークスアートプログラムのvol.5として企画されたイベントです。昨年8月に行われた「まいどinなんば」を含めこのアートプログラムの第6弾の今回は芸術計画学科の魅力を味わえる仕掛けがあちこち窺えるイベントです。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
このイベントは大きく2つの要素があります。ひとつが芸術計画学科アート展NAMBA SCAPE」。これは“なんば”をモチーフにして芸術計画学科の学生さんたちが創作した現代アート作品の常設展示。もうひとつが<もず唱平プロデュース>シンポジウム「大なんば見聞録」。この2つを同じ空間の中でおこないコーディネートしてあるところが、アート面・文化面の両方を学べる芸術計画学科の真骨頂です。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
シンポジウムは毎回なんばにまつわるテーマを取り上げ、パネリストやコーディネーター、ゲストを迎え「なんば」という都市の面白さや歴史を知ることができるようプロデュースされています。117日からの3日間、金・土・日と14日からの金・土・日、2週にわたって6種類のテーマが設定されています。これまでのテーマには「“かも南蛮”は“かもなんば”か?」「子守唄『天満の市』に登場する難波村」「なんば球場の今昔」などがありました。本日テーマは「なんばはジャズのふるさと」というテーマでした。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
コーディネーターとして森山昭裕先生、パネリストとしてもず唱平先生の2人お話を聞くことができました。聞くところによると、大正時代、「ジャズバンド毎夜演奏」などの看板が出るようなジャズブームが大阪にもあり、いわゆる道頓堀ジャズといわれていたそうです。その頃デパートが宣伝用に少年音楽隊を抱えることが多かったそうで、大阪では大阪高島屋の少年音楽隊のほか「出雲屋少年音楽隊」いうものがあったそうです。この「出雲屋少年音楽隊」には日本を代表する音楽家・服部良一さんがいたそうです。これらの音楽隊の活動が盛んになり大阪にジャズを育てていく基盤ができたそうですが、当時、ジャズという音楽がダンスに使われていたことから「風紀を乱すから」という理由で大阪府がこの音楽隊の活動に圧力を加え、大阪のジャズの発展に水を差したのだとか。そしてジャズは尼崎に移っていったそうです。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
お二人のトークの後はお待ちかねのジャズの演奏がありました。池田定男先生(ギター)、大迫明先生(トロンボーン)、在校生の加納新吾さん(ピアノ)、卒業生の千北裕輔さん(ドラム)、急遽ピンチヒッターでドラムを担当していただいた木村ケイタさんの演奏です。“ブルーヘブン”、“A列車でいこう”、“枯れ葉”、“コーヒールンバ”など有名な曲を含めて7曲を演奏していただきました。こんなに至近距離で本格的なジャズが聴けるなんて贅沢です。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
会場に常設されている現代アートの作品展示はコンセプチュアルで面白い展示でした。ちょうどタンバリンほどの大きさの透明なプラスティックケース500個を使った作品。ケースは千前道具屋筋に発注したそうです。なんば界隈で採集した広告やチラシ、クーポン券の他、インターネットで見つけたなんばに関連する様々なビジュアルをそのケースの中にいれてパーツを作ります。来場者の方々が学生とコミュニケーションをとりながらパーツの積み方などを変え様々な形を作るという作品です。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
日によって形は変化し、堆く積み上げられ怪獣のようなときがあったり、平面に広く延び星型のような表情を見せることもあったそうです。今日の形はなんとなくなんばパークスっぽい。この作品は切り取られた「なんば」の破片の一つ一つを細胞に見立てると形を変幻自在に変えることができる生き物のよう。なんばという大都会の混沌としたイメージと変動し続ける都市の可能性をイメージしたものが重なるようです。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
壁面にはなんば界隈を撮影した写真によるフォトコラージュ作品の展示。それと、なんばを散策する自分の姿を撮影し合成した映像が流れています。梅田界隈をキタと呼びますが、明らかにキタとは違う独特の街の表情は外国同然。怪しい雰囲気があります。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
映像は、道も言葉もわからないアジアのどこかの街で迷子になってしまったバックパッカーを見るようです。天井には4つのスピーカーが仕込まれていて、なんば各駅や店舗の中で採集してきた構内アナウンスや雑音などを流しサウンドインスタレーション作品としています。このサウンドスケープの際もあってか、なんばに居ることは間違いないんだけれどそれを強く思い知らされる感じです。なんばの中で「なんば色」の一番濃い空間になっていました。「なんばで展覧会する」ではなく「なんばを展覧会する」というコンセプトはこういうことだったのですね。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
パークスホールのロビーでは「め・でるなんば」という作品がありました。ライトテーブルを使ったなんば周辺の地図上に自分の痕跡を残す、という参加型の作品です。参加者は水分を含ませた脱脂綿が入った小さなケースにカイワレ大根の種を1つ入れて、地図上の思い思いの場所に置いていきます。2日もすると発芽して地図上のあちこちには緑が増えて行きます。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
かつてなんばは見渡す限り“ねぎ畑”だったそうでその原風景をイメージしているんだそうです。なんば駅周辺の思い入れの強い場所に自分の痕跡を残す。その集積で出来上がるアート。思い出の場所にタネを置くご年配の方からは、昔のなんばの様子やその思い出を聞くようなコミュニケーションも生まれているようです。制作に参加した芸術計画学科の学生さんたちはこのイベントを通じて話すことができた人々の思い出から、断片を組み合わせるようにして「自分達の知らない“かつてのなんばの姿”」を想像するという体験をしていました。
Hello!!大なんば なんばパークス イベント
年齢や出身地、生い立ちも違う人々とアートを介してこういったコミュニケーションが生まれること、これを知る。このことも芸術が何たるかを学ぶのに必要なことですね。

このイベントを通じてあらためて大都会「なんば」の価値を発見してください。そして、こんなことにも芸術計画学科で学ぶことが生かされるんだな、ってことに気付いてもらえるともっと◎です。

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