2009年2月26日

一癖も二癖もある作品ばかり

おくりびと」「つみきのいえ」のダブル受賞で日本中がわいたアメリカのアカデミー賞。「おくりびと」は外国語映画賞、「つみきのいえ」は短編アニメーション賞と日本人監督作品の同時受賞はこれまでの歴史の中ではじめてのことなのだそうです。これを機に日本映画界も更なる盛り上がりが期待できます。
おススメ 動画 映画 検索 アカデミー賞
さて、現在、図書館の3階閲覧室には「映像学科研究室一同お勧め映画」が掲示されています。これは大森一樹学科長の企画で、学生さん達にたくさんの作品に出会ってもらおうということで突如スタートしたものだそうです。映像学科の先生方、副手さんも含めて平均4本のオススメ映画を紹介しています。
第一回目は『全世界の映画』というテーマで国内外問わずノンジャンルで様々な映画が紹介されています。タイトルを知っているものはたくさんありましたが、恥ずかしながら、私が観たことのある映画はほとんどありませんでした。ちなみに私が最近観た映画は『20世紀少年<第二章>最後の希望』。いつも話題作ばかり見ていることを少々反省。

説明文によると「・・・ここに挙げられた作品は観るべき作品ばかりです。各先生方の趣味丸出しではありますが、一癖も二癖もある作品ばかりです。基本的にDVDVHSで鑑賞可能なものですが、もしかしたら随分苦労しないと見られないかもしれません。」 とのこと。

おススメ 動画 映画 検索 アカデミー賞
また、そのすぐそばの書架には図書館内で視聴される映像資料の先月の視聴ランキングがパネルになって紹介されていました。20091月期のベスト5は、
1
位 シカゴSpecial edition(ロブ・マーシャル監督・振付/ビル・ゴンドン脚本)
2
位 魔法にかけられて2-disc Special edition (ケヴィン・リマ監督/ビル・ケリー脚本)
3
位 CATS special edition disc one (Directed by Andrew Lloyd Webber
4
位 スチームボーイ (大友克洋 原案・脚本・監督/村井さだゆき脚本)
5
位 Go (行定勲監督/宮藤官九郎脚本/金城一紀原作)

おススメ 動画 映画 検索 アカデミー賞 
さらにその横にはファイルが置いてあって、映像学科研究室のオススメ作品の他、これまでのアカデミー賞受賞作品などが「各賞受賞作品リスト」としてまとめられています。是非是非これを参考にたくさんの映画と出会ってください。

しかしながら図書館の今年度の開館は今週土曜日まで。3月は蔵書点検と館内資料整理のため休館となります。これだけ紹介しておきながらスイマセン、あしからず。詳しくは図書館のホームページをご覧ください。
>>>大阪芸術大学図書館

今回ご紹介した「映像学科研究室一同お勧め映画」ですが、今後は「お勧めの恋愛映画は?」とか「お勧めの日本映画は?」とかテーマを変えながら続けられるそうです。次回、更新されたらまたまたこのブログでご紹介します。

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2009年2月25日

音楽の花束練習日

今日はしとしと雨が降っています。大学院生が、音楽の花束というイベントの練習をすると聞いて、14号館ホールに見学(鑑賞)に行きました。

さてさてここで、音楽の花束vol.6とは?
大阪芸術大学 大学院生による総合芸術祭です。
第1部は器楽のステージ、木管楽器を中心に打楽器も演奏します。
第2部は声楽のステージ、モーツァルトの名作オペラ「フィガロの結婚」ハイライトをお送りします。またロビーでは、工芸・デザインの院生による作品を展示しています。
様々な芸術に触れられるお得なイベントです!!
お花を敷き詰めた春らしいポスター

14号館ホールでは、第一部の通し練習が始まっていました。院生たちの表情は真剣です。
フルート、クラリネット、ピアノの軽やかな演奏に心がはずみます。演奏している曲は、音楽の花束のために作られた曲だそうです。そしてこのコンサートが初演だそうです。
見ていて、楽しい気分になった演奏風景
演奏が終わると、マリンバと打楽器が登場しました。どんな演奏が聴けるのかドキドキ。
始まりは2台のマリンバの音がとても幻想的で、徐々に力強いリズムに変化していきます。

現代的かつ自然の情緒があって深い曲でした。また、マリンバ奏者は左右2本ずつ(両手で4本)のバチを持ち、器用に演奏する手に見入ってしまいました。
迫力のある打楽器の演奏
3月の始まりに芸術の香りで春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。

音楽の花束vol.6大阪芸術大学大学院 「音・舞・創 総合芸術祭」
LICはびきの ホールM 入場無料 (自由席)
2009年3月1日(日)会場14時 開演15時
開演までの1時間と休憩中に作品をご覧下さい。
皆様のご来場を心よりお待ちしております!!

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2009年2月24日

あいづち

大阪芸術大学情報センターの展示ホールでは、工芸学科陶芸3回生による展示が行われています。今回の作品は、授業時間の中で課題となっていた「ティーカップ」を中心に展示されているそうです。とはいうものの、会場に入ると、まず目に入ったのが?吉康太さんの「ようふくかけ」。
高吉康太さん「ようふくかけ」
実用品(家具)です。お試しください。とのことなので、ジャケットをかけてみました。人の形をしているので、さっと掛けられるし、服も皺にならず良さそうです。でも、ほんとに人が居るように見えるので、暗いところではドキッとしそうです。また、他にもコンセプトを考え制作し、自由課題を出展されている学生の方もいます。中央の床に展示されている白い小さい作品は、吉川 舞さんの「臓器」です。人によって臓器の形も違うのでしょうね。
工芸学科陶芸3回生展示会「あいづち」

吉川 舞さん「臓器」
会場の奥にある華やかな作品は、田井洋子さんの「かべかけ」です。場所によって 日によって 気分によって掛けかえる。と田井さんが書かれていたように、幾通りもの作品になります。陶芸というと、器、壺などのイメージが強かったのですが、陶芸に対するイメージが変わった作品でもありました。
田井洋子さん「かべかけ」
壁際には、たくさんのティーカップが並んでいます。色、デザインなど様々で、見ていて飽きません。このカップは、コーヒーを入れようかな・・・こっちは、ハーブティーかな・・このお皿にはケーキをのせて・・など考えるのが楽しくなります。その日の気分でカップをかえてゆっくりお茶したいですね!それが、お手製のカップなんてより素敵です。
工芸学科陶芸3回生展示会「あいづち」


下嶋悠介さんの「巨大ティーセット」。このカップ、どういうコンセプトの基に制作されたのかお伺いすることはできませんでしたが、個人的にはアクセサリーや小物など入れるのに使いたいなあ・・と思って見ていました。(下嶋さん、すみません・・)
下嶋悠介さん「巨大ティーセット」
西野 哲さんの作品です。このカップ、同じ方が制作しているのに、雰囲気もぜんぜん違うと思いませんか。どちらも、素敵な作品ですが、特に上の作品はこれからの季節にぴったりな気がします!
西野 哲さんの作品 

西野 哲さんの作品
みなさんもご覧になってお気に入りのカップを見つけてみませんか。
「あいづち」の開催期間は、2月26日(木)までです。お急ぎください!

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2009年2月23日

黒崎創 写真展 「虚空」

水の入った透明のグラスに牛乳を数滴・・・。それを光に翳してみる。白濁した液体は水の中で、なんだか青白くみえる。実はこれ・・・、何の説明かって言うと・・・、光には波の特性があって、色によってその波長が・・・
「そんな講釈なんてどうでもいいよ・・・、ただ目の前の青に見惚れていればいい。」
そんな気持ちになる作品に今日、出会いました。
黒崎創 虚空 Port Gallery T 空はなぜ青いのか
以前もブログで取材させていただいた「Port Gallery T」では『黒崎 創 写真展「虚空」』が開催されています。作品が展示されたホワイトキューブのギャラリー内は、青い写真作品だけがすべての壁に展示されていて、どの方向を見ても整然とした青によってキリッとした印象です。
黒崎創 虚空 Port Gallery T 空はなぜ青いのか
黒崎さんは写真学科のご出身で、卒業後、副手としてお勤めだった時期もありました。ギャラリーの方によるとその頃はモノクロの作品で、印象としては「真っ黒」に近いほどの作品を制作されていたそうです。その後、制作を続けながら現在は京都造形芸術大学や神戸芸術工科大学などで写真を指導するお仕事もされているのだとか。この写真展で展示されている作品はここ5年ぐらいの間に制作されたものなのだそうです。
プロフィールはコチラ >>> Port Gallery T
黒崎創 虚空 Port Gallery T 空はなぜ青いのか
心が清められるような「青」の秘密をギャラリーにいた黒崎さんに尋ねてみました。
1
年の間で2週間ほどのわずかな期間しか撮影することができない空の色なのだそうです。それは空気が乾燥していて雲がない空、ちょうど今ぐらいの寒い季節。夕焼けも終わって日が沈み、夜が訪れる直前の数分間の青白く残る光を寒さに震えながら撮影するんだそうです。
黒崎創 虚空 Port Gallery T 空はなぜ青いのか
一見、海底深くから水面に向かってシャッターを切ったのかとも思えるディープブルー。空だと思ってみれば、そこには輝き始めた星などが糸を引くように写りこんでいるのがわかり、一層幻想的な表情です。

そしてまた「なぜ空は青いのか?」「宇宙の色を薄めていけば空の青になるのかなぁ?」そんなことを考えながらも、その思考はどこか遠くの空へ行ってしまって、「空には何もないのだと思うし、自分も何も考えていなかったんだ」と、思いました。

是非、会期中に幻想的な青の美しさを見に行ってください。

●黒崎 創 写真展 「虚空」
2009
223日(月)→37日(土)
12
001900 (土曜日18時まで/日曜休廊)
Port Gallery T
黒崎創 虚空 Port Gallery T 空はなぜ青いのか

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2009年2月23日

「栞がテーマ」

現在、大阪市西区京町堀にある「ギャラリー 道」では、昨年3月の卒業生のグループ「ミチシルベ」による展覧会が行われています。写真あり、グラフィックデザインあり、絵画あり、テキスタイルデザインあり、金属工芸あり、陶芸あり、家具あり・・・と、作品を出品しているのは学科や専攻もいろいろの13人。
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
もともと2007年の秋に学内で行われた「ミチシルベ」という作品展で集まった仲間たちなのだそうです。東京に就職した人もいれば、専門学校に進学した人、大学院に在学中の人、副手さんとして大学で勤めている人など、それぞれの進路は違ってもこうしてまた集まることができるっていいですよね。
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
ホームページが立ち上がっていますので、それぞれのメンバー紹介はコチラから。
http://www8.ocn.ne.jp/~yajirusi/
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
クリエイティブな活動をこれからこのメンバーで始めていきたいので今回はメンバーそれぞれの持ち味を紹介するような作品を展示するようにしたのだと紹介されました。会場で受け取ったアンケートに『グループ「ミチシルベ」に今後期待する活動は?』というものがありました。と、尋ねつつ、既に何か計画があるんですねかぇ?
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
会場にいたメンバーの一人(大学院在学中)の方と就職活動のことで立ち話をしました。そう、シュウカツのシーズンです。今日も駅でたくさんのリクルートスーツを着た人を見かけました。話しをしていくうちに「美術とデザインの違い」についてや、「アートとビジネス」のことなど話は広がっていきました。話す中で「美術は僕にとって心の鍛錬のようなものです」という言葉がとても心に引っかかりました。人に見てもらうために生まれてくる作品とそうでない作品があるのかと、少し戸惑いました。
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
美術学科を卒業した方全員が画家を目指しているわけではないことはわかります。アートで食っていこうなんてもともと考えていなかったのか、少し諦めに似た気持ちでそうなるのか?前者にせよ、後者にせよ、アートを志す学生の皆さんにもっと勉強してから卒業していって欲しいことを考えさせられます。
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
自分をマネジメントする方法です。アートで生きていくにも、就職活動をするのにも自分を売り込む技術が必要です。はじめから成功する人は少ないです、失敗を恐れずチャレンジしていきましょう。大事なのは「同じ失敗を繰り返さないこと」だと言われています(私がエラソーに言えた立場ではありませんが・・・)。
ミチシルベ 栞のテーマ ギャラリー道 矢印
「ミチシルベ」は漢字で「道標」。本などに挟む「栞」とおなじ意味のものです。メンバーが13人いれば13通りの道があって、良かったこと、悪かったこといろいろな経験をしてきているはずです。折角知り合えた仲間のたくさんの栞を共有すれば、迷ってもきっと不安ではないと思います。皆さん仲間を大切に。

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