みなさんこんにちは、ゲイブルです!今日は投稿ブログを紹介します!!
画廊はホワイトキューブ空間として機能しています。それは作家にも観者にもそのように捉えられ理解されています。ですから作家は展示空間を自らのイメージした空間にと考え展示構成に努力します。前回の同じ場所での川島慶樹さんの作品は植物のイメージでありカラフルな色彩を纏っていたため、動的で生命力にあふれた空間になっていました。今回の才木さんの作品は静謐な雰囲気のため、それを感じ取るような作品の展示になっていました。 才木さんの作品は壁からレリーフ的状態にあり表面を革が覆っていました。作品は緩やかな曲面で仕上がっており、その革表面の深く落ち込む所が線として捉えられ、私達にあるイメージを与えてくれます。
現代アートの制作素材に関しては、木、鉄、樹脂など自然のものから人工の素材まで多種多様にあります。しかし、私にはその部類と同じ位置に革を置くことはできません。木や鉄、樹脂などは「他者」であり人間のイメージなどを投影することができる素材であると思います。しかし革はそれが動物のものであっても私達人間と同じ世界のものです。革の作品は、イメージを促してくれたとしても、イメージより先に素材の力に引き戻されます。素材の力とは「ダイレクトな死」です。鑑者は作品の内容より先に、素材により嫌悪感をおこし観ることを拒否する人もいます。ファッションなら、動物毛皮を着ても死をまとっているのに気がつかせず、別なフェティッシュな価値を見出すように仕向けられています。また、工芸の展覧会であるならそのコンテクストで作品の見方を行えばよいので、このような素材に関する反応は少ないと思います。これはやはり現代アートギャラリーで展示することにより生まれてくる新たな作品へのパイプではないでしょうか。 作品は、具体的風景や様子を単純化、選び抜いた線の配置により洗練されたイメージを作り出しています。また、革のもつ感触が柔らかな曲面のためエロチックな表情にもなっています。 立体作品の方は、レリーフ作品にはない奇妙な面白さがあります。立体に掘り込んだ線に見えるイメージから、球面を辿るように視線を動かし、視界から外れたイメージとともに体験するという立体特有の鑑賞になることです。 革という素材は工芸のコンテクストで考えられますが、ファインアートではあまりありません。そのため、現代アートギャラリーを中心としている観者にはこのような作品の体験は少ないと思います。ですから才木さんは、作品制作の道具をギャラリーにそれとなく展示しているのもそのためだと思います。 報告 加藤隆明 芸術計画学科講師 |
加賀城 健 展 transFLAT YOD Gallery
みなさんこんにちは、ゲイブルです!今日は芸術計画学科の加藤隆明先生から投稿ブログを頂きました! 加賀城健さんの個展が1月15日から2月12日まで、西天満のYODギャラリーで行われています。
今回の展覧会の作品は、前回の作品とは少し異なる様子が窺えます。作品表面に物質感の残るドットが点在していたり、ワッペンが貼られていたりしています。染色特有の表面から染み込みイメージを構成するだけでなく、画面表面上の問題を孕ませていると思われました。また、刺繍ワッペンは具象的記号的なイメージを貼り付けてあるので、私にはワッペンのイメージと染色されたイメージとの関係に興味ある面白いものを見つける事ができました。 今回は、展示空間全体に彼の手の痕跡で作られた壁画インスタレーションが制作されていました。制作方法などは、ディレクターの山中さんが丁寧に教えてくださるので皆さん訊ねてみてください。私の印象としては、ラスコーなどのケーブアートにみられる洞窟内部に、動物のイメージだけでなく人の手の痕跡や、手で壁に自在に動かした跡(俗称マカロニ)を想起しました。その痕跡で囲まれた画廊 空間は美しくも怪しげな雰囲気の空間と変貌していました。造形系の学生だけでなく、他の領域の学生も見に行かれたらいかがでしょうか。たくさんの創作的インスピレーションがもらえると思いますよ。
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芸大グッズデザイン大募集!!!
みなさんこんにちは、ゲイブルです!今日は入試課よりブログの投稿を頂きました! 平成23年の大学広報用のグッズデザインを募集しています。 募集の締切は4月8日(金)です。どしどし気軽にご応募下さい!
※この記事からダウンロードする場合、JPEGではなく、PDFファイルをダウンロードして使用して下さい。 投稿:入試課 |
川島慶樹個展 番画廊
みなさんこんにちは、ゲイブルです。今日は芸術計画学科の加藤隆明先生よりブログ投稿を頂きました! 川島慶樹さん(美術学科84年卒)の個展が西天満 大江ビル1階にある番画廊で1月17日から22日まで行われました。番画廊はレトロビルで有名な大江ビルヂィングの一階にあります。画廊に入ると巨大な植物イメージの彫刻が多様な物質で制作されており、幾つかの彫刻作品には彩度の高い三原色を色彩として使用しています。素材特有の色と色彩の原色を作品が纏っているため、私達がよく知っているマスのある重厚な彫刻作品とはかけ離れた彫刻に感じます。 a little CRAZY CLASSICS " について2006年頃より木素材の工芸感を身にまとった彫刻を " CLASSICS " というテーマで制作し始めます。2年間ほど、木素材単独の作品を作り続けるうちに " CRAZY CLASSICS " という近い未来にたどり着くべき新たなテーマが生まれます。これは現代的な素材で作られた彫刻でありながら、工芸感を身にまとった様な、あるいは工芸とは程遠いケミカルな素材に工芸を感じる、といった作品のイメージです。今回の " a little CRAZY CLASSICS " は、 " CLASSICS " から " CRAZY CLASSICS " への道のりの中間に位置するテーマで、カラフルでポップなポリエチレン、木素材、ステンレス、ブロンズ、を複合的に用いそれでなお工芸的である現代彫刻といった趣の作品群です。 (作家コメントから) 1つ1つの作品は、機能性のあるテーブルやボックスと植物イメージのイメージが結びついて1つの作品となっています。 緑のテーブルのような作品は、木彫の証であるのみ跡を鮮やかに残しながら、木の質感を覆い隠す硬質な人工物の表面となっています。その上には一対の植物イメージがすくっと上に伸びています。
私の個人的なことでありますが、是非、川島さんと小清水漸氏の作品と対峙した展覧会が見てみたいものです。 設置場所 ・富田林市リボン通りモニュメント『地の華』『宙の華』 |
トリビュート・TRIBUTE展 ギャラリー白
皆さんこんにちは、ゲイブルです!!今日は芸術計画学科の加藤隆明先生より投稿ブログをいただきました! 1月10日から15日まで大阪西天満のギャラリー白で「トリビュート・TRIBUTE展」が行われました。このグループ展のテーマは「TRIBUTE-感謝・賞賛・尊敬などの気持ちを表すしるし。賞賛。捧げもの」となっています。この企画展に出品している作家は、尊敬するアーティストや自分に大きな影響力を与えたてくれた人物を作品のテーマとし、その人物に対して尊敬の気持ちと愛情こめた感謝の言葉をそれぞれの文章にしてありました。ギャラリーで鑑者はその用紙を手に取り作品と向き合うことになります。展示された個々の作品達は、その人物たちへの捧げものということでしょう。 当時のアート状況は、具体美術やもの派、コンセプチュアルアート、ミニマルアート等の影響を若い世代に残したまま、ニューペインティング(新しい具象絵画・当時の名称)という新しい表現形式が現れてきた時代です。このようなアート状況の中で、学生達はお互い、技と思考を切磋琢磨し制作を続けてきました。 この展覧会の作家は30年以上の制作実績を持つ人たちです。 出品作家の作品 出品作家である三村逸子さんと作品 ギャラリー白 http://galleryhaku.com 投稿:芸術計画学科 加藤隆明
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