2011年9月21日

門田修充展 番画廊

bann0922003.jpg 9月5日から10日まで門田修充さん(美術学科68卒)の個展が行なわれました。門田さんの作品は、アルミ板を加工したものと自然木を繋ぎ合わせたクラゲのような、あるいはツリーハウスのようなイメージの作品です。作品上部にはアルミ板を加工しドーム型に接合、表面には直線で構成された模様を切り抜き内部空間が見えるようになっています。下部には自然木の表皮を外し磨き自然木の柔らかさを表象させています。この作品は、自然木と人工物アルミにより構成されており、アルミの人工物で出来たカタチを自然の樹木が支えているという見方も出来ます。

 
bann0922000.jpg 作品に出会った時、最初にこのカタチのユニークさに心が引きつけられます。クラゲのようなイメージからは微笑ましさ、可愛らしさなどの印象が生まれます。しかし、アルミ板の鈍い光、規則的接合部分、そして切り抜かれたイメージが、なぜか人を遠ざける痛々しい感覚として伝わってきました。一つの作品の内部には、下に先頭部分を向けた小さな飛行機があり、この痛々しさと繋がるようなものであったと思いま
す。

bann0922002.jpg もう一つの作品では、内部から複数の紐が下に垂れ、途中に本体と同じカタチをしたものが置かれています。この小さきカタチにはまだ内部空間が外に通じておらず、可愛らしさだけがありました。自然と人工、怖さと優しさ、大きいものと小さいもの、相反するものが数多く同居しているのがこの作品でしょう。

bann0922001.jpg しかし、自然と人工では、自然は善で人工は悪的紋切り型の世界観でこの作品と出会うことは、あの巨大な自然災害を経験した後では、出来ませんでした。作品がユニークであるほど、現実世界の深刻があらためて感じさせられます。

 

bann0922004.jpg 
この作品は、門田修充作品集からの転写です。1973年大阪芸術大学10周年記念展とあり、門田さんは美術学科2期生だったそうです。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 
 


2011年9月20日

「再」展 part2

8月28日の記事で紹介されたグループ点のパート2が開催されているのでお知らせします。今回も芸術計画学科の卒業生が中心となって行います。2011年9月10(土)から9月25日(日)まで、会場は同じ大阪市阿倍野区にある「ギャラリー流流」です。参加者は上瀬留衣、冨田範子、中橋健、西村卓也、ふじもとひとみ(にょっきs)、横地香樹(にょっきS)、大橋勝の7名です。この展覧会は「再」という語/文字から、各自が自由に連想したり解釈した表現を持ち寄るものです。

 

oohassi2002.jpg上瀬留衣(芸術計画学科卒)の作品は、展示棚を舞台に見立て、オブジェを舞台装置のように配置したインスタレーションです。Part1で用いたガラスの器に前回同様赤い液体が入っており、そこに手足をもがれた人形が浸っています。人形の首はパールのネックレスに吊られており、頭は白い花になっています。これは彼女が以前に行ったリヴィング・スカルプチャーをモデル化し、オブジェで展開したもののようです。※2010年11月9日のブログ記事を参照して下さい。

 

oohassi2006.jpg冨田範子の作品は、フォトコラージュ2点組です。自分で撮影した様々な動物が、お花やポップな静物などであふれるカラフルな世界に棲んでいる楽しいイメージの作品です。

oohassi2003.jpg中橋健(芸術計画学科卒)の作品もフォトコラージュです。再開発が計画されている阪急淡路駅周辺の風景写真にペイントを施し、着色された新聞紙を台紙にして構成しています。変わりゆく風景に対する感情が表現されています。
中橋さんは今回、1992年に卒業して以来の作品制作になるそうです。現在は大阪市北区中津でカフェ&ギャラリー「空夢箱」を経営されています。

oohassi2004.jpg西村卓也(芸術計画学科卒)はビデオ作品を出品しています。髪の毛のクローズアップをコマ撮りしたアニメーションをベースに、デジタル処理による着色と変形が施されています。5分の短編映像をDVDの繰り返し再生で、ブラウン管TVで表示しています。
西村さんは「ギャラリー流流」の運営を行なっており、本展の企画者でもあります。

oohassi2001.jpgふじもとひとみ(文芸学科卒)の作品は友情と恋愛に関する考察を数式化したものです。作者の独特の恋愛観が表されているようです。額縁にはパンケーキにクリームを塗るように白い絵の具が盛られており、なぜか針治療用の針が無数に打たれています。

 

 

oohassi2007.jpg横地香樹の作品は床に重なりながら敷かれた書と、それを踏むように置かれた下駄の組み合わせです。書は「断面」「漢方」などの語や、「宇野亜喜良」「馳浩」等の個人名などで、それらを踏みしめる/踏み越えていくという意思が表明されているように感じます。

 

 

oohassi2005.jpg大橋勝(映像学科教員)の作品は、写真とコピー印刷を組み合わせたコラージュ2点です。イメージと物との関係を扱っています。

oohassi2000.jpg会場風景

最終日(9月25日)午後5時よりクロージング・パーティを行います。会費¥500 (1dronk+お菓子)

展覧会名:「再」展会場:ギャラリー流流会期:2011年9月10日(土)から9月25日(日) 午前11時より午後7時まで 水曜日休廊
大阪市阿倍野区丸山通1-2-2
電話:06-6656-8184地下鉄谷町線あべの駅より徒歩8分地下鉄御堂筋線/JR天王寺駅、近鉄あべの橋駅より徒歩13分
ギャラリーHP http://ru-pe.com
スタッフブログ http://nikkiruru.exblog.jp
アクセス http://ru-pe.com/www/pages/g-ac.htm
 

投稿:大橋勝先生(映像学科)


2011年9月19日

「第7回 アジア国際青少年映画祭」受賞報告!!

ajia000.jpg「第7回 アジア国際青少年映画祭」受賞報告!!

2011年8/31から9/3の日程で、第7回アジア国際青少年映画祭が韓国チュンチョン市にて開催されました。

本映画祭は、日本、中国、韓国の3ヶ国から選出された26歳以下の若手映画監督による作品が上映、審査されるだけでなく
映画を通じて文化交流を図る事を目的とされた映画祭です。

第7回目となる今回のテーマは『近しい人・隣人』

ajia001.jpg大阪芸術大学からは、在校生、卒業生の計6作品が選出され
卒業生の小森茉季さん(2011年卒)、深谷祐次さん(2011年卒)、政木辰巳さん(2011年卒)が参加しました。

 

ajia002.jpgその結果

■銅賞(第3位)
映画『夏の灯-なつのひ-』監督:小森茉季
(2011年卒業)
■観客賞
映画『どうにもとまらない』監督:堀江祥子(撮影監督:深谷祐次)
(2011年卒業)
■ビジョン賞
映画『怒好恋-DOSUIKO-』監督:山村勇介(撮影監督:政木辰巳)
(2011年卒業)
映画『自転車と電車』監督:山口将幸
(2010年卒業)
映画『明日へつづく道』監督:石川佳奈
(映像学科4回生)
アニメーション映画『Baked Pudding』監督:村瀬明宏
(映像学科4回生)

以上の結果となりました。

授賞式後の様子

 

ajia003.jpg日・中・韓の全参加者と審査員

自身の作品が海外で上映されたというだけではなく、映画を志す同年代の海外参加者と触れ合う事が出来たのは
今度の製作活動において非常に有益であったと思います。

以上映像学科より、嬉しい受賞のご報告をさせていただきました。

投稿:小森茉季(映像学科合同研究室)


2011年9月17日

くじら展2    ART AGITO GALLERY

kujira2000.jpg この展覧会は、アーティストの絵画と子どもの絵が同じ場所に展示してあります。自身の経験で考えるに、子供の頃の絵は、自身との対話や他との関係の表層化のため、そして手の運動としてあり、他の人の視線は気にも留めなかったように思います。

kujira2001.jpgしかし、小学校の教育課程において、「え」から「絵画」の習得としてそれが社会性を帯びてきた時、多くの子供達は描くことは学習するものとし、そしてめんどくさいものと捉え興味を失うことになるようです。

kujira2002.jpgアーティストの絵画は、芸術の歴史で構築された約束事など社会性を作品に持ち込み継続しながら、その社会性の継続のどれかをひっくり返し、同時代の新たな絵画の魅力を生み出そうとしています。そのようなことにおいて、アーティストの絵画と子供の絵を同一することはできません。

kujira2003.jpg くじら展の展示方法では何が見えてくるかを考えてみました。子供の絵は一見奔放に見えますが、発達過程に見られる要素とその子供の資質が混在し制作されています。出品されているアーティストの作品も、対象を詳細に描写しているような作品ではなく、 現代絵画、特に子供の「え」からインスピレーションを受け、構築していった作品や抽象形態の作品に思えます。

kujira2004.jpg一見、子供でも描けるようなアーティストの作品と実際の子供の絵の対峙により、同じ絵と云われるものでも大きく異なるところと近似しているところがよく見え、また子供がアーティストの作品を観賞できる良い機会でもあり、興味深い展覧会であったと思います。

報告 加藤隆明 教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2011年9月16日

今週の大阪芸大テレビは?

350.jpgこんにちは!

最近、また日中は暑くなってしまいました。
台風後、涼しくなったのでこのまま秋になるかなーと思ったのですが残念です。
けれど、空はもう秋の空になってきています!
日が落ちるのも早くなって、8号館の階段からはとてもきれいな空が見れます!!

 

 

tv88004.jpgさて、今回まず初めは、この夏に行われたコンサートツアーの模様からお伝えします!今年は、大阪、名古屋、神戸の会場で、ポップス、クラシック、ミュージカルとバラエティに富んだステージが繰り広げられました!

tv88000.jpg第1部は、音楽学科ポピュラー音楽コースの学生たちによるポップスステージ。学内でのオーディションで選ばれたバンドが、今まで学んだ力を存分に発揮し輝いていましたよ!
また、地元の高校生らによる演奏や、OUAビッグバンドとの共演も行われ、フレッシュでパワー溢れる演奏で会場は大いに盛り上がりました。

 

第2部は大阪芸術大学管弦楽団の演奏によるクラシックとミュージカルのステージ。
音楽学科教授でバイオリニストの川井郁子先生による演奏や、卒業生による声楽、ミュージカル俳優の井上芳雄さんをゲストに迎えたミュージカルなどが披露されました。プロの演奏や歌声は素晴らしいの一言。演奏中はその音楽の世界観に、見ている人みんなが引き込まれていました。
皆さんも是非番組でチェックしてみて下さい。

 

tv88001.jpgさて、続いては大阪芸術大学グ
ループの先生たちを紹介するコーナ「Teachers(ティーチャーズ)」です!このコーナーでは、様々な芸術分野の第一線で活躍する先生方の大学での授業の様子や、アーティストとして活躍されている姿にスポットをあてます!今回は、
舞台芸術学科の堀内先生を紹介します!
バレイの魅力や先生の熱い思いが伝わってきます!先生がバレイにかける思い、そしてがんばる学生達の姿。是非見て下さいね!

 
 

tv88002.jpg最後はギャラリー展の話題です。
大阪芸術大学のキャンパスには学生たちが自由に企画し展示が出来るギャラリースペースがあります。
今回は美術学科の学生達による作品展「中毒展」をお送りします。
「中毒」と言うだけあってとても個性的なものばかり。
自分達の作品に対する想いが伝わってきます!

 

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜12:35分からサンテレビで放送中!
その他の局でも好評放送中です!
今回も見どころ満載、皆さん是非チェックしてくださいね!!

<<オンエア情報>>

9月16日(金)
奈良テレビ放送 22:30から 
サンテレビジョン 24:35から
北陸朝日放送 25:35から

9月17日(土)
テレビ和歌山 23:00から