2012年6月18日

「漂」展

hyoten004.jpg芸術計画学科の卒業生を中心としたグループ展が開催されたので紹介します。
2012年6月3日(日)から6月17日(日)まで、大阪市阿倍野区の「ギャラリー流流」にて「漂」展が開催されました。この展覧会は「漂」という語/文字から、各自が自由に解釈したり連想した表現(作品)を持ち寄るもので、出品者の考え方や個性が伺える内容になっています。参加者は上瀬留衣(芸術計画学科卒)、小西悠加(美術学科卒)、高木詩真子(同)、高野虫(芸術計画学科卒)、西村卓也(同)、ふじもとひとみ(文芸学科卒)、若狭倫一(芸術計画学科卒)、大橋勝(映像学科教員)の8名です。

上瀬留衣の作品『提案』は、ギャラリーの天井から生えたように垂れ下がったウェディングドレスと海面のような写真のコラージュの組み合わせです。まるで投身自殺を行った花嫁が今まさに水中に突き刺さる瞬間を、天地逆さまにしたようでもあります。これは上瀬が先月に「GALLERY wks.」で展示したインスタレーション作品『提案』(2012年5月21日の記事)の一部を抜き出して再構成したもので、抜け殻である身体=自分自身を捧げる(投げうつ)行為でもあります。

 

hyoten003.jpg小西悠加は絵画作品を出品しています。単純な輪郭線と色面でマンションやアパートのようなビル群が描かれています。アンテナや高圧電線などに見えるものもあり、都市の風景であることは確かですが、遠近法がくるっていて幾何学的な抽象画にも見えてきます。カラフルな彩色が施されていますが、岩絵の具が用いられているせいか、不思議に落ち着いた印象になっています。

 

hyoten002.jpg高木詩真子の作品『放浪』はパネルの上にコラージュされた写真です。写真の詳細はわかりませんが、どこか異国の地を思わせる街角のベンチに女性が腰掛けており、カメラのほうにうつろな視線を向けています。ラフな服装と大きめのバッグから、この女性が旅行者であることが想像されます。傾いたスナップ的な構図と、色あせて退色したような写真の色合いが寄辺ないイメージを醸し出しています。

 

hyoten001.jpg高野虫はドローイング&ペインティングされた平面と半立体の組み合わせです。微細で奇妙、グロテスクと繊細さを往復する不思議で精緻なイメージが描かれています。破損した鉢植えの底敷にはフジツボのようなものが付着しています。いずれも打ち捨てられたものの寂しげな様子と、図太い生命力のようなものを感じさせる作品です。

 
hyoten005.jpgふじもとひとみの作品は縦長フォーマットの写真4点組です。地面や壁などのいずれも平面的な対象の表面を、サイズや天地のわからない状態で切り取っています。被写体の平面性と写真の平面性が呼応して、表面そのものがそこに存在しているかのような奇妙なイメージの写真です。

 

hyoten000.jpg若狭倫一はステンシルを用い、下塗りをしたキャンバスに図像を吹き付けで描いています。この手法はキャンパスにシルクスクリーン・プリントで既存のイメージをコンバインしたロバート・ラウシェンバーグ(ネオダダ)やアンディ・ウォーホルのポップアートを想起させます。また若狭は一貫して、モチーフとして映画『スターウォーズ』シリーズやアメリカンコミックのキャラクターを用いており、そこにはサブカルチャー的な趣味が存在しています。さらにグラフィティ的身振りが連想させる、ストリートカルチャーへの親和も含まれているようです。今回はアメリカンコミックのスーパーヒロイン「ワンダーウーマン」を扱っています。

 

上記以外にも西村卓也(ギャラリー運営および展覧会企画者)の映像作品と大橋勝の平面作品も出品されました。

展覧会名:「漂」展
会場:ギャラリー流流
会期:2012年6月3日〜6月17日 午前11時から午後7時まで 水曜日休み

大阪市阿倍野区丸山通1-2-2?
電話:06-6656-8184?
地下鉄谷町線あべの駅より徒歩8分?地下鉄御堂筋線/JR天王寺駅、近鉄あべの橋駅より徒歩13分
ギャラリーHP http://ru-pe.com
アクセス http://ru-pe.com/www/pages/g-ac.htm
 


2012年6月15日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

0615tv000.jpgこんにちは!
先日「梅雨」について調べていたら、「麦秋(ばくしゅう)」という言葉が出て来ました。
みなさん、麦秋ってご存知ですか?
麦秋は、麦の穂が実って収穫期を迎えた初夏の頃のことを言うそうです。
二十四節季の「小満」の末候にあたり、今の暦でいうと5月の終わりから6月の始め。
麦を栽培しているところではそろそろ収穫が終わった頃ではないでしょうか?
梅雨で雨が多くなり、気温が上がると品質が落ちてしまうので収穫の時期が難しいのだとか。
麦にとっての「収穫の秋」だから名付けられたそうですが、初夏なのに「秋」、なんだか面白いですね。

0615tv002.jpgさて、今週の大阪芸大テレビは大阪芸術大学博物館で行われた所蔵品展の話題からです!
所蔵品展「スイス派と大阪芸術大学―構成的グラフィックデザインによる版画―」が5月21日から6月10日まで行われました。
第2次世界大戦中、西欧各国の前衛芸術家たちは戦火や弾圧を逃れてスイスに集まり、スイスには戦前からの芸術思想が損なわれることなく持続されていました。
スイス派の代表的な作家のひとりであるヨゼフ・ミューラー=ブロックマンは、1960年代から大阪芸術大学の客員教授として教鞭をとり、本学は彼を通じてスイス派の構成的な作品約200点を収集しました。
貴重なコレクションをご覧下さい!

0615tv001.jpg続いては、大阪芸術大学から生まれた音楽を紹介する、「OUAミュージックライブラリー」のコーナー。
このコーナーでは、学生たちが制作したオリジナル曲を、ライブステージの模様で紹介します!
今回は、今年3月に行われたポピュラー音楽コースの卒業公演の中から、野口暖さんの『ラストソング』をお届けします!
しっとりとして、ちょっと切なくなるような素敵な曲です。是非聞いてみて下さい!

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜12時35分からサンテレビで放送中!
その他の局でも好評放送中です!
皆さん是非ご覧下さい!!

<<オンエア情報>>

6月15日(金)
奈良テレビ放送 21:30から
サンテレビジョン 24:35から

6月16日(土)
テレビ和歌山 22:45から


2012年6月14日

今週の「大阪芸大メディアキャンパス」は?

こんにちは!ラジオ大阪(OBC1314)にて毎週木曜日に絶賛放送中の「大阪芸大メディアキャンパス開け!アートの扉」にてアシスタントパーソナリティを務めている加藤万梨子です!

ついに大阪も、梅雨入りしましたね!雨の季節になると、ついついお出掛けがおっくうになってしまったりしますよね。でも、この季節だからこそ、屋内で楽しめるアートに触れに街に繰り出してみるのも良いかもしれませんね!メディキャンでは、今週と来週の2週に渡り美術学科の学科長にお越しいただいて、絵を観たり描いたりすることの楽しさを教えていただきます!ぜひ今日のオンエアを聴いてから、美術館にお出掛けされてみてはいかがでしょうか!今までと違った楽しみ方ができること間違いなしです!

さあそれでは、今週もメディキャンの聴き所をたっぷりご紹介します!

まずは、毎回大阪芸大にゆかりのある豪華なゲストをお迎えして、メインパーソナリティの塚本先生とのトークを繰り広げる「ゲストの扉」からご紹介します!

今日のゲストは、大阪芸術大学『美術学科』学科長で洋画家の絹谷幸二先生です!

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絹谷先生は、東京芸術大学大学院修了後にイタリアへ留学されて「アフレスコ」という壁画技法を学ばれて、世界の第一人者として名を馳せます。

その後、日本に帰国されて、1974年に当時史上最年少め「安井賞」を受賞。さらに、あまたある輝かしい賞を多数受賞しておられます!

2000年には、日本藝術院会員に就任されて最前線で制作を続けてこられました!また、20年以上に渡り大学教授として教鞭をふるい、長年に渡って若者たちに多大な影響を与えていらっしゃいます!

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今日は、絹谷先生が油画を始めたきっかけのお話から始まります!奈良出身で、ご自宅がお茶屋さんをされていたという絹谷先生がいったいどんな暮らしをされていて、その後の洋画家人生にどの様な影響を与えてくれたのかというお話や、「とても貧しかった」という学生生活のお話。そして、海外に留学されたときのお話や、今現在も絵を描かれている間はどの様な心境なのかというお話を、たっぷりお届けします!

今現在、絵画を学ばれているという学生さんはもちろんですが、これから絵を描く道に進もうと考えている方や、絵を観るのが好きという方も必聴です!

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さあそして、今日のプレゼント!
今日のプレゼントは、ゲストの絹谷幸二先生からいただきました!
なんと絹谷先生がお書きになった最新刊『群れない生き方 常識人間を捨てる44の法則』を1名様に差し上げます!

プレゼントの応募方法は、今日の放送で要チェックです!ぜひGETして下さいね!応募お待ちしております!

さあ、今日の放送もラジオ大阪(OBC1314)にて深夜24時から30分、アート情報満載でお送りします!大阪芸術大学短期大学部のキャンパス見学会『オープンキャンパス2012』の最新情報や、展開が見逃せないラジオドラマ劇場テアトル山田のコーナーももちろんありますので是非聴いて下さいね!


2012年6月13日

芸バスの車窓から

ishikawa002.jpgみなさんこんにちは!
この芸大ブログでは主に大学内での出来事をご紹介していますが、
今回は大学の周りの素敵な景色や場所にスポットをあてたいと思います。

 

ishikawa001.jpg大阪芸術大学の周りは緑が多いので、
四季を感じられる場所がたくさんあるのですが
とくにオススメなのはここ!石川の河川敷です!!
春には桜が咲いてとっても綺麗なんですよー。
スクールバスの中からもこの桜を見ることができるので
芸大生の皆さんはこの桜で「春が来たなぁ・・・」と感じる人も
多いのではないでしょうか??

 

ishikawa000.jpgこんな綺麗な夕日が見られることもあるんですよ。
疲れている時にこういう景色に出会うと
ちょっとうれしくなりますよね。

みなさんも時間があるときに散歩に出かけてみてくださいね!


2012年6月12日

JPPA AWARDS 2012

平成24年度6月1日に「第16回JPPA AWARDS」贈賞式がありました。

JPPA AWADSとは、日本ポストプロダクション協会が毎年開催しているコンクールです。
学生部門では「映像技術」「音響技術」ともに、【ドラマ部門】と【その他部門】それぞれに、『ゴールド賞』『シルバー賞』『奨励賞』がポストプロダクション業務で、優秀な技術を持って作品を制作したスタッフに贈られる賞です。

今回の応募された総数は、学生部門が53作品(音響技術20作品、映像技術33作品)でした。
今回、厳正な審査の結果、例年以上に見事大阪芸術大学が多数の賞を入賞されました。
多くの学生並びに卒業生が各賞を受賞しましたので以下に今年度の受賞者を掲載致します。

eizo000.jpg2012学生音響技術部門入賞作品
カテゴリー【ドラマ】
ゴールド賞 『死にたすぎるハダカ』 黒田綾香
シルバー賞 『魂男 -soul men-』   田口祥平

2012学生映像技術部門入賞作品
カテゴリー【ドラマ】
ゴールド賞 『魂男 -soul men-』   小林靖子
奨励賞      『死にたすぎるハダカ』  阿部羅秀伸

カテゴリー【その他】
ゴールド賞 『轟音 -龍神村物語-』  笠原栄理

以上の学生並び卒業生が受賞しました。