2013年6月26日

藤原昌樹展 (工芸学科専攻科92修了)ギャラリー白 5/6-18

あたかも手先で切った切り紙のような拙さを感じさせる鉄板構造体の上に、長く伸びた鉄芯が二本横断している。鉄芯の両端には二股のフィンのようなものがある。緩やかな弧を描く鉄芯の中央とその構造体とは一点で接している。

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この作品はフィンのようなところに軽く触れると鉄芯は動く仕掛けになっている。モビール構造の彫刻作品である。モビールとは現代美術家のアレクサンダー・カルダーが創始したものであるが、今は一般の家庭の飾り物としても普及しているので多くの人がモビール作品を体験していると思う。

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モビールの特徴は微風を取り込み軽やかに動くイメージがある。しかし鋭い支点にささえられた鉄芯は、周りの環境に敏感に反応し動くものではない。ギャラリストの指示に従いフィンのような場所を慎重に触る。その鉄芯はフィンの振動を細かく反復しながら鉄芯伝え、また、全体を大きく上下に繰り返す。その鉄が持つ重さの運動は、微風をとらえる軽やかな動きとはまったく異なる。

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鑑賞者は鉄の重量が持つ恐怖感が先立ち、運動中の作品との距離をとるだろう。物理的にも精神的にもである。その距離感が鑑賞者と作品の間に存在する。
重量感あるものが浮遊感とともにゆっくりと運動するようすは、鑑賞者の感覚のスピードに対する感覚が作品と共鳴したりズレたりする。鑑賞者は作品の運動により、自らの身体感覚に注意を払うことになる。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2013年6月25日

大坪麻衣子展(美術学科卒)番画廊 3/18-23 

大坪さんは、美術学科構想コースを卒業後フランスに渡り一版多色刷り(へイター法)を修得する。今回はその版画技法による作品発表である。大学卒業後ヨーロッパ各地を訪ねる。その経験により制作テーマが「時間・記憶・言葉」となった。

幼い少年の頭上には星座が描かれている。少年の髪は星座の球体と繋がり、彼は瞑想の表情をしている。天球は赤みを帯び若さのエネルギーを感じさせる。それは目を閉じた静かな瞑想感とは異なる感情が天球に見える。作品のイメージは、幼き子の小さな世界から広大な世界へと導く様子が見える。
 

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天球や星座は、ギリシャ・ローマ神話などにもみられるように絵画の重要なテーマである。その星座のイメージは、現代の少年と遠い過去とを繋ぐようにも思える。
星座とは本来無関係な星々を人間の想像力と神話物語とで関係づけたものである。星座表現が過去の人々の記憶と現在を繋ぐ。

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どこか中世を思わす服装の男が本に足をかけ、半天球を仰ぎ見る。作品はイラスト的な描写で、図像の組み合わせにより制作されている。イメージの一つ一つは余白の中に浮いており背景を持たない画面となっている。複数のイメージは余白の空間で位置づけられ、その関連性で読み解かれる。この作品を見ると、各イメージがそれぞれの単語のようにも見えてくる。

天空正面にはへびつかい座があり夏の空であることを感じさせる。

 

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2013年6月24日

ぶんぶんフェス!!

先週は雨の日が続きましたね。
野外イベントなどを予定していると、天気に左右されるのでヒヤヒヤしちゃいますね。
天気が不安定な時期だからか、6月は他の月に比べてイベント事が少ないような気がします。
でも、大阪芸術大学では6月も学生たちが積極的にイベントを企画していますよ!!
 

明日から行われるイベント「ぶんぶんフェス」。
このイベントは、本学にある文化系サークルを管理、統括している文化倶楽部連合常任委員会の主催で行われる、文化系サークルのフェスです!
学内の20号館下ピロティにて、フリーマーケットと「ぶんぶんステージ -enter→ENTER!!-」と題した音楽系サークルのライブステージが開催されます。
梅雨でじめじめもやっとした空気を、一気にからっと爽やかにしてくれること間違いなし。
どんなパフォーマンスが待っているのか、楽しみです。
学生のみなさん、明日・明後日は授業が終わったら、20号館に是非足を運んでみてください!

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「ぶんぶんフェス 飛び込め裏坂ワールド!サークルとの新たな出会い
日時:6月25日(火)・26日(水) 共に18:30-19:50
場所:20号館下ピロティ

投稿:島田(OUA-TV)


2013年6月21日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

Still0620_00000.jpg本日6月21日は、「創設者塚本英世記念日」で全学休校です。
今から68年前…1945年、初代理事長・学長である故・塚本英世先生が「平野英学塾」を創設したことから、本学の歴史がスタートしました。
そして1964年に南河内の地に「浪速芸術大学」という名前で芸大が生まれ、その2年後に「大阪芸術大学」と名称を変更。
当時は、美術学科とデザイン学科の2学科しかなかったそうです。
今や15学科を誇る大阪芸術大学、時代を重ねるごとに日々進化を続けているのが伺えますね!

Still0620_00001.jpgさて、今週の「大阪芸大テレビ」は、「虚實皮膜の間(にしきかげえふいるむのあわい)」と題して学内で上演された、錦影絵の話題からお伝えします!
錦影絵とは、江戸時代に確立された影絵のことを言います。
このイベントはそんな錦影絵を復元し、現代のアートへと昇華させるために、芸術計画学科教授の池田光恵先生指導のもとに学生たちが集まって行っているものです。
普段目にするアニメーションのルーツ…是非、番組でご覧になってください!!

Still0620_00002.jpg続いては、大阪芸術大学グループの学生や卒業生が制作した映像作品をお届けする、OUAシアターのコーナー!
今回は「スクリーンサーカス」で上映された作品の中から、近藤啓介さん監督作品『狂った花が踊る』をお送りします。
「スクリーンサーカス」とは、映像学科の現3年生が2年生の時に授業で制作した10分間のフィルム作品の上映会です。
今回紹介する近藤さんの作品は、“ラブサイコ”というジャンルで制作されたそうですが…どんなストーリーなのでしょうか?

 

 

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜24時40分からサンテレビで放送中!
また、奈良テレビ放送、テレビ和歌山でも好評放送中です!みなさん是非ご覧ください!!

<<オンエア情報>>
6月21日(金)
奈良テレビ放送 21:30から
サンテレビジョン 24:40から

6月22日(土)
テレビ和歌山 22:45から
 


2013年6月20日

大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-

こんにちは!ラジオ大阪(OBC1314)にて毎週木曜日に絶賛放送中の「大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-」にてアシスタントパーソナリティを務めている康本光です!

先日の日曜日は父の日でしたね!皆さんはお父さんに何かプレゼントを送りましたか?こういう時こそ、普段は言えない感謝の気持ちを伝えるチャンスですよね!私は伝えそびれましたが!!・・・実は母の日も伝えそびれてしまっているので、それぞれの誕生日に今まで以上に感謝の気持ちを伝えたいと思います!
 

P1060361.JPGそれでは、今日の聴きどころのご紹介です!毎回豪華なゲストをお迎えして、メインパーソナリティの塚本先生と楽しいトークを繰り広げる『ゲストの扉』のコーナー!

今回のゲストは先週に引き続き、大阪芸術大学工芸学科を卒業された陶芸家の田中雅文(たなか まさふみ)さんです!

P1060371.JPG田中さんは大阪芸術大学を卒業してすぐに工房を開かれたそうです!行動力がすごいですよね!今日のメディキャンでは『プロ』という言葉が出てきます。いったい、アートの世界では『プロ』と言えるのはいつからなのでしょうか?芸術家さんそれぞれの考え方があるかと思いますが、田中さんがプロとして自覚されたお話などをお聞きしました!
また、今回も田中さんのホームページで実際に作品を見ながらオンエアを聞いてくださいね!個人的にですが、田中さんのホームページは見ていると時間を忘れてしまいます!作品がたくさん紹介されているので是非チェックしてみてください!

P1060377.JPGそして、今日のプレゼントです!

来る7月14日(日)、7月15日(月・祝)の2日間、『大阪芸術大学オープンキャンパス2013』が開催されます!それを記念して、今回は大阪芸大のオリジナルグッズを3名様にさしあげます!プレゼントの応募方法は、今日の放送をお聞きください!プレゼントのご応募、お待ちしています!

今日もラジオ大阪(OBC1314)にて深夜24時から放送!アート情報もりだくさんの30分でお送りします!展開が見逃せないラジオドラマ劇場テアトル山田のコーナーもお聞き逃しなく!