2016年6月10日

映像学科 「デジタル映像編集Ⅰ」

みなさんは、アニメーションがどのようにしてできているか、ご存知ですか?

1990年代までは、「セル画」といって、「セル」という透明シートに輪郭や境界線をトレスし、「アニメカラー」と呼ばれる専用塗料を使って着色していました。
そして、セル画と背景を組み合わせて撮影して動きを付けたり、組み合わせを変えて別のシーンを作ったりしていたそうです。

動画にするための手法はさまざまで、代表的なものは、
1秒あたり24枚のセル画を撮影して、人物の自然な動作を追求して表現する「フル・アニメーション」と、
1秒あたり12枚のセル画・2コマ/1枚のセル画で撮影して、簡略化した動作を表現する「リミテッド・アニメーション」。
そして日本独自のスタイルでは、1秒あたり8枚のセル画・3コマ/1枚のセル画で、キャラクターの目や口など部分的なセル画を作成して一部だけの動作を表現し、低予算でアニメを制作していました。

一番枚数の少ない日本の手法であっても、10分間の映像のために4800枚ものセル画が必要な計算になるので、考えただけでも大変な作業量ですよね!!

そんなアニメーションに変革が起きたのは、1990年代後半。
コンピューターによるデジタル画像処理でアニメーションを制作する、デジタルアニメが導入されるようになりました。
それまでセルアニメで制作されていた作品も2000年頃から徐々にデジタル制作に移行され、2013年には日本で放送されている全てのテレビアニメがデジタルになりました。

今や、アニメーション業界ではデジタル技術は必須項目となっています!
では、気になるデジタルアニメ制作って、どんな風に行われているのでしょうか?

ということで、今日は映像学科の佐藤貴雄先生が担当されている「デジタル映像編集Ⅰ」という授業をご紹介します。

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この授業では、主にAdobeのソフト「Photoshop」と「After Effects」を使って、ポストプロダクション(編集や音編集、色調整、納品形態への書き出しなど、映像制作における撮影後の作業のこと)に必要なデジタル映像技術、コンピューター知識などを身に付けます!

Photoshopは写真編集をメインとした画像加工ソフトですが、イラストやデザイン制作などにも用いられます。
After Effectsは、素材となるクリップや画像、テキストなどを重ねて、映像制作を行うソフトウェアです。

この日は、Photoshopで描いたキャラクターを使って、After Effectsでアニメーションを作る授業が行われていました。

まずはソフトを起動して、キャラクターのデータを読み込むところから作業がスタート。

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ちなみに、Photoshopではこのように「レイヤー」と呼ばれる層に分けて絵を描くことができます。

聞き慣れない専門用語がたくさん出てきますが、いくつか解説しながら紹介していきますね。

Aftter Effectsでデータを読み込む際には、「フッテージ」(素材)と「コンポジション」(素材を組み上げるための箱のようなもの)の2つの種類から選びます。
フッテージで読み込むとレイヤーを統合して1枚の画像として、コンポジションで読み込むとレイヤーを活かして編集ができます。
レイヤーを活かせば、手と足をバラバラに動かしたりすることができるのですが、今回は初めてなので、まずはフッテージで読み込んだものを編集をしてみることになりました。

フッテージとして読み込んだ素材に、さまざまな効果を与えてアニメーションにします。

この画像データに、「デュレーション」を設定します。
デュレーションとは映像の尺のことで、映像業界ではAfter Effectsに限らずよく使用する言葉だそうです。

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そして、画像のようなパラメーターに直接数字を打ち込むか、素材をマウスで感覚的に動かして数値を決めます。
アンカーポイント」は、素材を拡大縮小したり回転させる時の中心点となる場所。
他に、「位置」、「スケール」、「回転」、「不透明度」が選択できます。
※これらのことを「トランスフォーム」と言います。

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アニメーションを付けるためには、このひし形のマーク「キーフレーム」を必要なところに打っていきます!
例えば、始まりから3秒後にスケールを200%に設定してキーフレームを打ち、さらに6秒後に100%にしてキーフレームを打つと、”キャラクターが3秒間拡大して2倍の大きさになり、その後3秒かけて元の大きさに戻る”といったアニメーションが付けられるんです!

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このトランスフォームの数値を変えてキーフレームを打つだけで、カエルがピョンピョン跳ねたり、ぺちゃっとつぶれたり、くるくる回転するアニメーションができるんですよ。

自分の思い通りにキャラクターが動いたら、面白いですよね!!
学生たちも夢中になって編集作業を行っていました。

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今回紹介した作業は、まだまだAfter Effectsの入り口!
今度はレイヤーを活かした編集をしたり、複数の素材を組み合わせたり、エフェクト(効果)を使って演出することで、表現の幅はほぼ無限大!!
私も、佐藤先生に教わったことを思い出しながら、今度アニメーション制作にチャレンジしてみたいと思います♪

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月8日

ダンサー TAKAHIRO先生による授業をご紹介!

舞台芸術学科ポピュラーダンスコース客員准教授のTAKAHIRO(上野隆博)先生の授業をご紹介します!

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TAKAHIRO先生は、2006年、アメリカのテレビ番組「Show Time At The APOLLO」で9大会優勝を記録。
以降、マドンナのダンサーとしてツアーに帯同するなど、世界50都市以上でパフォーマンスを行っていらっしゃいます。

また、今年4月に発売したアイドルグループ欅坂46のデビューシングル「サイレントマジョリティー」の振り付けを担当!
“システマチックに社会を象徴するシーン”と”若者の力強さと勢いを表したシーン”の2つの情景を取り入れたダンスは、ファンの間で「格好良すぎる」と話題になっています!!

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授業では、ダンスのテクニックだけでなく、プロのダンサーをめざす上での心構えなども伝えられました。

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「歌が苦手な人もいるかも知れないけど、ダンサーの仕事の中では歌う必要も出てくる。
歌いながら踊るとどれくらい息が乱れるのか知って、考えることも大事。今日は歌いながら踊ってみよう!」
と学生たちに投げかけ、今回は特にアーティストのバックダンサーや振付師を意識したレッスンを行いました。

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ダンスの動き一つひとつを丁寧にチェックされ、時には前で手本を見せる場面も。

学生たちはレッスンを心から楽しんでいる様子で、新しいことを教えてもらう度にワクワクした表情を見せていました!

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開設から今年度で4年目を迎え、ようやく1年生から4年生までの学生がそろったポピュラーダンスコース。
ダンスへの社会的関心の高まりを背景に、今後ますます盛り上がることが期待されます!

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TAKAHIRO先生が考案するアニソン・エクササイズはアニメの名シーンや必殺技などを振付に取り入れ、表現されています。
誰でも気軽にダンスを楽しめることを目的としたエクササイズDVD『Let’sアニソン・エクササイズ~朝昼夜のダンスサプリ~』もぜひチェックしてみてくださいね!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月7日

卒業生・俳優の橋本じゅんさんが来学!

5月24日(火)、大阪芸術大学に俳優の橋本じゅんさんがお越しになりました!

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橋本さんは舞台芸術学科の卒業生で、大阪芸大で生まれた「劇団☆新感線」に所属。
舞台やテレビドラマ、映画など幅広いジャンルで活躍されています。

また、ラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」のゲストとしても出演されています!

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今回は、舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生の授業内で学生たちの指導にあたりました!

ウォーミングアップでは、走ったり、スキップしたり、腹筋や側筋を鍛える運動をしたり…
橋本さんの熱血指導に、学生たちは汗だくになりながらも一所懸命応えていました!

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アップを終えた学生に話を聞いてみると、
「普段の授業では、こんなに筋トレをすることがないんです。
でも、いろんな先生に”体力作りが大事”だといつも言われているし、大切だと思います。
今日はすぐ、へとへとになってしまって、自分はまだまだだなと痛感しました!」とのこと。

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身体を温めた後は、2人1組になって背中合わせで立ち上がる運動「背中合わせ立ち」を始めました。
中学・高校の体育の授業などで、経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
お互いが相手を信頼して体重を委ね、押す力やタイミングを上手く合わせて立ち上がります。

「舞台の上に立っている間は、先輩・後輩はない。役者同士で遠慮していては、舞台になんて立てない。
遠慮せず、誰とでも息を合わせられるようにしなきゃいけない。
自分が”これをやりたい”と思っても、相手も受けてくれないと成立しないから、この運動で他者との繋がりを意識してほしい」
と話される橋本さん。
この背中合わせ立ちを授業に組み込んだのには、そんな理由があるんですね。

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またその後には、5人組になって前後左右の距離を感じながら、みんなで動きをそろえる練習が行われました。
1人が向きを変えたら、他の人もその動きに合わせて、同じタイミングで歩いたり、跳ねたり、手を振ったりします。
簡単に見えるかも知れませんが、言葉を交わさずに肌で空気を感じて、綺麗に動きを合わせるのは大変だと思います!
これも、他者を意識して息を合わせる練習になるのだそうです。

学生たちも、最初はチグハグでしたが、徐々にコツを掴んできた様子で、後半には大胆な動きにも挑戦していました!

憧れの先輩からの熱いレッスンは、学生たちにとって大変刺激になったに違いありません。
橋本さん、ありがとうございました!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月6日

ラジオ「大阪芸大スカイキャンパス」

明日・6月7日(火)から、スカイキャンパスで「第18回 亀倉雄策賞受賞記念 三木健展[りんごデザイン研究所] 大阪巡回展」が開催されます!

亀倉雄策賞は、1997年に急逝した日本のグラフィックデザイナー、亀倉雄策さんの生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として設立されました。
賞の運営と選考はJAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会)によって行われ、毎年『Graphic Design in Japan』の掲載作品の中から最も優れた作者・作品に対して授与されるのですが、今年はデザイン学科教授の三木健先生に贈られました!
受賞作品は「APPLE+」という作品で、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された企画展の告知ポスターです。「りんご」という、世界中で誰もが知る果実を通して、デザインの楽しさや奥深さに気づく三木先生の教育メソッドを紹介する内容も、評価の対象となりました。
この”りんごを使った教育”については、以前このブログでも紹介させていただきました!
>>りんごから学ぶ「基礎実習Ⅰ」りんごから学ぶ「基礎実習Ⅰ」続編!

今回の展覧会は亀倉雄策賞受賞を記念して開催されるもので、会場には「APPLE+」のポスターの他に、りんごを題材にしたさまざまなデザイン作品が展示されています!!
詳しい展示の模様は、後日紹介しますね!!

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さて、今日は大阪芸術大学グループのラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」の放送日です!

パーソナリティは大阪芸術大学副学長の塚本英邦先生。
さらに、本学映像計画学科(現・映像学科)出身の人気映画監督で映像学科教授の田中光敏先生と、舞台芸術学科出身の演出家で劇団「南河内万歳一座」座長・舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生が、交替で出演されます。
そして、毎回さまざまなジャンルで活躍する大阪芸大グループ出身の著名な卒業生たちを月替りでゲストに招き、楽しいトークを繰り広げます!!
第一線に名を馳せるクリエイターたちのリアルな声を聴くことができる番組内容となっています!

今日のゲストは先週に引き続き、舞台芸術学科卒業生で俳優の橋本じゅんさんです!

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今回は、大阪芸術大学時代の話をしていただきます!
大阪芸大への入学を志したきっかけが、新聞に載っていた劇団☆新感線の記事だったという橋本さん。
入学してすぐに入団されたのかと思いきや、1年生の時は別の劇団で活躍していたそうですが、劇団☆新感線にはどのような形で入団されたのでしょうか?
そして、パーソナリティの内藤先生とも在学中に接点があったそうですが、どんなエピソードがあったのでしょう?
今夜の放送も、お聴き逃しなく!

「大阪芸大スカイキャンパス」
6月6日(月)20:30~21:00 オンエア
ラジオ大阪(OBC)1314

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月4日

大阪芸術大学 MY REQUEST♪

6月1日(水)、大阪・南森町にある“オンリーワン ファンキーステーション”FM802にお邪魔しました。
この日6月1日は、FM802の27回目の開局記念日!!
ラジオ局内は“ハッピーバースデイ”ムードで、沢山のビッグアーティストから祝福のお花が届けられていました。

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21時、スタジオでは、落合健太郎さんがDJを務めるFM802の人気番組「ROCK KIDS 802」の生放送がスタートしました。
毎週水曜日は大阪芸術大学が提供するコーナー「大阪芸術大学MY REQUEST」の放送日。
コーナーのアシスタントDJとして、放送学科卒業生の板東さえかさんが活躍されています!

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この日のゲストは、板東さんの先輩・友人でもあるデザイン学科卒業生のアートユニット「WHOLE9」のhitchさんとsimoさんのお2人。
「WHOLE9」とは、ラジオを愛するMUSIC LOVER たちの特大忘年会、FM802が贈るロックフェスティバル!「RADIO CRAZY」の会場を彩る大型バナーを制作していることで有名で、ライブペイント、壁画制作を中心に活躍しています。

FM802 27th FUNKY BIRTHDAY~27歳と音楽~』の特別編成にて「“ハッピーバースデイ”ライブペインティングin FM802」と称して、「WHOLE9」によるFM802の開局を記念するライブペインティングが行われました。

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ライブペインティングも21時過ぎからスタートし、スタジオの一画の壁に備え付けられた1800角(1.8m×1.8m)の真っ白なキャンバスは、軽快で元気な番組のオンエアと同時進行で、hitchさんとsimoさんのエネルギッシュな創作により、瞬く間に圧巻のイラストで彩られていきました。

時間の経過とともにどんどんと表情を変えていくキャンバス。
落合さん、板東さんをはじめ沢山のラジオ局スタッフが見守る中、番組の放送が終了する夜中の0時にようやく完成。
作品のコンセプトは「お祝い」「おめでとう」とのことです。

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完成した作品の前で記念撮影。

この「ROCK KIDS 802 – 大阪芸術大学MY REQUEST」では、
今後も、アシスタントDJの板東さえかさんと、“大阪芸術大学繋がり”のホットなアーティスト、クリエイターが登場予定です。
楽しみですね!

投稿:島田(企画広報部事務室)