2018年5月14日

若井田久美子先生「教養演習」でエアリアルを学ぶ!

昨日 5月13日(日)は、本学のイベント目白押しな1日でした!
あべのハルカス24階 スカイキャンパスでは、文芸学科のイベント「ラノベ祭り」を開催しました。
そしてあべのハルカスの別のフロアでは、アートサイエンス学科のプロジェクトも始動。
さらに、大阪市中央公会堂では、デザイン学科のイベント「OSAKA DESIGN FORUM」が行われました。

それぞれの模様は、また改めてブログでもご紹介したいと思います!
 

さて、今日のブログは、先日ご紹介した金谷先生に続き、新任の先生の授業をお届けします★
 

みなさんは、「エアリアル・パフォーマンス」をご存知ですか?
天井からつるした長い布(ティシュー)を使い、身体能力を最大限に活かした空中パフォーマンスです。
ヨーロッパのサーカスで生まれたもので、まだ日本では芽が出たばかり。

そんな日本におけるエアリアルの第一人者が、若井田久美子先生です!
今年度より舞台芸術学科の客員教授として、学生たちの指導にあたっています。


若井田先生が担当されるのは、舞台芸術学科対象に隔週で開講されている「教養演習」という科目。
全15回の授業を通じて、エアリアルの第一歩を学びます。
 

授業の前半でしっかり柔軟した後は、ティシューを使ってトレーニング。
まずは、2本のティシューを結んでブランコ状にしたものに腰をかけ、宙に浮くところからスタートです。
先生は簡単にお手本を見せてくださいましたが…


学生たちを見ると、そう簡単ではないみたい!

 

続いて、結び目を解いて今度は両手の手首に巻いて宙に浮きます。
身体を逆さに回転させるのも、かなり難しそう。

 

こちらもかなり苦戦していましたが、次第にコツを掴んできた様子です。


最後は、エアリアルの技法の一つである「ロック」に挑戦です!
足でティシューを挟んで宙に浮き、体勢を維持します。

中には、補助なしでも成功して見せた学生も!!

 

エアリアルでは、腕の力で登るのではなく、脇や背中の筋肉を使うのがコツだそうです。
また、先生からはたびたび「肩甲骨を内側にして」「鎖骨を下げて」など、骨の動きを意識するような指示が。
どの筋肉を使うべきなのか、どういう姿勢なら楽に浮くことができるのか、身体のつくりを理解することが大切なんですね。

再来週は、ティシューの上に立ったり座ったりするために必要な「クレ」という技法に挑戦するそうです!
1年後には、学生たちの華麗なパフォーマンスが見られるかな?

 

投稿:島田(学生課)


2018年5月11日

金谷かほり先生「ダンス論」 ステージングとは?

今日のブログは、今年度から舞台芸術学科教授に就任された、金谷かほり先生の授業をご紹介します!


金谷先生は、国内外の人気テーマパークにてライブショーを手がけるほか、B’zや倉木麻衣などのアーティストライブ、ルソフォニア世界大会開会式、「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」といった舞台公演と、多岐に渡って活躍されています!!


私がお伺いしたのは、ポピュラーダンスコース2年生の「ダンス論」という授業です。
この日のテーマは、「ステージング」。
ステージングとは、役者の立ち振る舞いから、照明や演出などの舞台構成全般のこと。
舞台づくりにおいて、ステージングが上手くできているかどうかが、大変重要なんです!
 

授業の前半は、さまざまなジャンルのダンス映像が紹介されました。
1つずつ映像を見た後、それぞれのダンスが何を表現しているのか考察。
どんな情景なのか、踊っている人はどんなことを考えているのか、関係性は?感情は?
学生たちからは、次々に意見が飛び出しました。

続いて、今度は1枚の名画を見て、絵の中の状況を想像。
先ほどと同じように、描かれているものから感じたイメージを発表し合いました。
最初は口数が少なかった学生たちですが…お題をこなすうち、どんどん観察して発想している様子でした!
 

金谷先生曰く、
「こういった名画の構図は、舞台のステージングを考えるにあたって、大変勉強になります。」とのこと。
キャンパスの中に描かれた人物や背景は、その表情や服装、配置など、ちゃんと意味があって構成されています。
その中のたった1つが変わっただけでも、絵を見て受ける印象は大きく左右してしまいます。

舞台をつくる上でも、観客に状況をきちんと伝えるため、しっかりステージングを行わなければいけないんです!


授業の後半は、グループに分かれて自分たちが構図をつくることに挑戦。
人間関係やストーリーをしっかり考えて、それに見合ったポーズや表情を決め、自らが絵画の一部に!
他の学生は、それがどんな状況を表したものなのか考え、答えていきました。
この演習が、ステージングの第一歩!
間違っていても構わないんです、考えることが大切なんです!
 

金谷先生が演出されるライブショーなども、こうして1つ1つしっかり考えられて構成されていて、見ている私たちに感動を与えてくださるんですね♪
金谷先生、ありがとうございました★
 

大阪芸術大学には、金谷先生のほかにも、さまざまな芸術分野の第一線で活躍されている先生方がたくさんいらっしゃいます!
また、今年度新任の先生を中心に、色んな授業にお邪魔したいと思います!!

 

投稿:島田(学生課)


2018年1月18日

日常のドラマを撮る~「ドキュメント72時間」の制作現場~

今日は、先月放送学科の学生を対象に行われた、大阪芸術大学とNHK大阪放送局 共同開催の「NHK大学セミナー」の模様をご紹介します!!

お越しいただいたのは、NHKの番組「ドキュメント72時間」のディレクターを務められている森あかりさん。
森さんは、2004年にNHKに入局され、「クローズアップ現代」や「おやすみ日本眠いいね!」「ジドリ」といった番組の企画制作を行って来られました。
そして、2013年に「ドキュメント72時間」シリーズ立ち上げに参加。
現在はデスクとして、毎週の放送に関わられています!!


今回のセミナーでは、「ドキュメント72時間」について紹介され、ドキュメンタリーの制作秘話や心構えなどが、学生たちに伝えられました。


この「ドキュメント72時間」という番組は、人々が行き交う街角にカメラを据え、3日間の偶然の出会いを記録するというもの。
有名人ではなく、ごく普通の人々の姿を映し、その人生にあるドラマや社会のリアルを、25分という番組の中で伝えています。

森さんは番組を制作する中で、「自分は先入観を持って取材をしている」ということを痛感されたそう。
インタビューをする相手を選ぶ時、最初は「あの人は怖そうだから、やめておこう」と考えられることもあったと話されました。
しかし、実際に話を聞いてみると、想像がひっくり返ることも多々あって、想定とは違う意外な出口にたどり着くことがあるのだそうです。
私たちが期待・想像したものと、取材したものがズレていくことこそ、リアル」と、森さん。
森さんが現場で発見したことを、視聴者が追体験できるような編集を心がけているそうです!

ドキュメンタリーは本来、「実在の出来事を、虚飾を交えることなく記録したもの」を指します。
でも、どうしてもつくり手の人間性というのが出てしまうもの。
番組が伝えたいものが取材前から決まっていて、意図して撮影しているのでは…と、視聴者に思われることも少なくありません。
そんなドキュメンタリー番組を、どう企画し、取材、編集していくのか。どうリアルを伝えるのか。
とても考えさせられるセミナーとなりました!

森さん、素敵なお話をありがとうございました。

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2018年1月16日

「写真表現基礎実習」で津田直先生 特別講義

今日のブログは、写真学科客員教授 津田直先生の授業をご紹介します!!


津田先生は写真学科の卒業生でもいらっしゃり、現在は写真家としてご活躍。
2001年よりランドスケープの写真作品を発表し、自然を捉える視点のユニークさと写真と時間の関係という古くて新しいテーマへの真摯な取り組みで、21世紀の新たな風景表現の潮流を切り開く新進の写真作家として注目されています!!


授業が始まってまず、「僕も同じ教室で授業を受けていたので、この教室に入ると、入学した時のことを思い出す」と話された津田先生。
「学生1人ひとりの吸収できる速度が違うから、無理をしないで、自分のペースを守ることを大切にしてほしい。写真学科だからって、写真のことをやらなければいけないということはない。そういうことをまず、学生のみんなに話したかった」と続けられました。


そして、津田先生が手がけられた写真作品について紹介されました。
先生は学生の頃から、ある”癖”があったそうなのです。
その癖とは、2枚組にして写真を撮ること。
2枚の写真を並べると、コマとコマが繋がったような1つの世界観が表現されます。
しかし、実際にはずっと離れた土地で撮っている場合もあるのだそう。
それなのに、まるで2つが繋がった場所に感じられるのは、とても不思議で魅了されます!

 

写真は、時間を切り取って生まれるもの。
でも、先生は「写真の中でも時間は流れていてほしい」と話されます。
そういった先生の思いが作品に表れているのですね。

 

津田先生のお話の中で、私が特に印象的だったのは「誰かの話を聞かないのはもったいない」ということ。
自分の中にある価値観だけでは、どうしても限界があるので、授業を聞かないのは価値観を深める機会を自ら失っているというお話でした。
それと同時に、「僕の話はあくまで僕の考えだから、それぞれに合ったところだけを吸収してくれたらいい」ともおっしゃっていました。
過去に同じ教室で授業を受けていた卒業生としてのアドバイスとも受け取れるお話は、学生たちの心に強く響いたことと思います!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2018年1月9日

きゅんくん特別講義「クリエイターひとり立ち」

みなさん、突然ですが「きゅんくん」をご存知ですか?
きゅんくんは、ロボティクス・ファッション・クリエイター兼メカ・エンジニアで、”ロボット+ファッション“をテーマにした作品を発表されており、今大注目の新鋭クリエイターなんです!

昨年は、そんなきゅんくんが大阪芸術大学にお越しになり、アートサイエンス学科の学生たちに向けた特別講義を行っていただきました!!


きゅんくんは現在23歳で、学生たちとほぼ同世代!
子どもの頃から「鉄腕アトム」などのロボットが好きで、中学生の頃に電子工作を始めたそうです。
(ちなみに「きゅんくん」は中学時代に付いたあだ名らしいです!)
高校生の時には被服部に所属し、すでにこの時からテクノロジーを使った服をつくっていたのだとか。


そして、2014年に「PARADISE LOST」というロボット服を発表しました。
着用すると、ロボットアームが2本背中から生えたようなデザインの作品です。
しかし、ハーネスが重さに耐えられずに身体からズレたり、強度もなくて、反省点も多かったと話されました。

続いて同年に「THE 2nd PROCESS to UNION」を発表。
ここでは前回の失敗を改善し、「まだ腕を2本も制御できない」と考えて腕は1本になったそう。

2015年には、きゅんくんの代表作とも言える「METCALF(メカフ)」を制作されました!
“メカ+服=メカフ”なのだそうです!
この時には、腕も2本制御できるようになったそうです。


きゅんくんは、
「人型ロボットだと人間のような振る舞いを期待させてしまうけれど、今のロボット技術はまだその域ではない。
だから、そういう期待をさせない姿のロボットをつくっています。
また、機械を身につけることが自然な世の中になればと思い、あえてメカ的なロボットをファッションにしてアプローチしようと思いました。」
と話されました。

さらに講義の後半には、学生たちが実際にメカフを着用し、操作もさせてもらえることに!

 

想像以上に自然な着用感に、感動する学生たち!!
「意外と軽いです!」と口にし、きゅんくんの作品に魅了されている様子でした!!

 

「納得がいかなくても、まずは作品を発表することが大事」だと学生たちに伝えられたきゅんくん。
彼女のターニングポイントも、大学2年生の時に、アメリカのテキサス州で行われたイベント「サウス・バイ・サウスウエスト」で作品を発表したことだったそうです。

いつもの授業では、歳の離れた大先輩から話を聞くことが多い学生たちですが、同世代の方からの話は親近感を持ちやすく、吸収できることも多かったのではないかと思います!
きゅんくん、ありがとうございました!!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)