2019年1月11日

馬場典子先生による「スタジオ生放送で気をつけること」

今日のブログは、授業紹介!
2019年最初に私がお伺いしたのは、放送学科教授 馬場典子先生の授業です!


馬場先生は日本テレビでニュースからバラエティ、スポーツまで、幅広い分野を担当してご活躍。
2014年にフリーアナウンサーへ転向、現在は各局のテレビ番組に出演されています。

実は、2016年にも馬場先生の授業を紹介させていただいた当ブログ。
前回は震災報道をテーマに、報道人としての心構えなどをご講義いただきました。

さて、今回のテーマは「スタジオ生放送で気をつけること」です。
実際に放送学科のテレビスタジオを使って、学生たちが生放送(という体)の番組に挑戦しました!

生放送で一番気をつけることはズバリ、「正確に伝えること」だと馬場先生。
これは、原稿を正確に読むという意味ではないそうです。
何を伝えるべき原稿なのかをしっかりと自分自身に落とし込み、視聴者へ情報を正しく届けることが大切なのです。

また、生放送で心配なのは、やっぱり時間(尺)ですよね。
決められた尺で綺麗に言葉を収めることもアナウンサーには大事なことなのですが、時には「こぼす」のもテクニックという方もいらっしゃるそうです。
出演者が敢えてわちゃわちゃと盛り上がったまま番組が終了するのも、印象的だったりしますよね。

 

学生たちがチャレンジしたのは、3分10秒のお昼の情報番組「大阪芸大ニュース」。
3人1組になって、MC新聞早読みコーナーCMナレーションをそれぞれ担当しました。

参加した学生のほとんどが、まだ1年生とのこと。
3台ものカメラ(カメラマンも学生!)に囲まれて、かなり緊張している様子でした。
それでも、マイクチェック、リハーサル、そして本番と経験を重ねるごとにどんどん良くなっていくのが感じられました!

 

収録後はモニターチェック。
自分では表現できたつもりでも、映像で客観視することで不得手なところがたくさん見えてきます。
挨拶する時なのに原稿に目線を落としてしまったり、時間を持て余して間が空き過ぎてしまったり…
上手とは言いがたい出来に、苦い表情。
そんな学生たちに、馬場先生は丁寧にアドバイスを送られました!


例えば、「約30億円」の「約」、アナウンスでは「やく」と読まず「およそ」と読みます。
これは「ひゃく(百)」と聞き間違えてしまう恐れがあるためです。
他にも、聞き取りづらい言葉や、同音異語が存在する言葉は、言い換えることがアナウンスの常識。


また、パターン(映像撮影に使われる文字や図を書いた板)を使って伝える場面でも、苦戦していた学生たち。
これにはルールはなく、裏面に貼ってある原稿を読んでも良いし、手元に原稿を持っても良いそうです。
しかし、馬場先生はパターンだけで読めるように準備しておくとのこと。
原稿にばかり意識を向けてしまうと、パターンを見ている相手に、きちんと伝えることができなくなってしまうからだそうです。
 

いつもはカメラの前で活躍されている馬場先生ですが、この日はカメラの裏側から学生たちを見守られ、ご指導いただきました!


 
馬場先生の授業は、大体月1回のペースで開講されています。
今年度は今回で終了しましたが、来年度も開講予定!
特別授業のため単位は取得できませんが、アナウンサーをめざす学生は絶対に聞いておいた方がいいお話ばかりです!
私も、今回お話を聞かせていただき、メモを取る手が止まりませんでした。

馬場先生から直接指導を受けられる機会は、なかなかないですよ。
履修登録不要ですので、学生のみなさんはぜひ受講してみてくださいね。

 

投稿:島田(学生課)


2018年12月25日

増田明美先生「スポーツから始まる男女共同参画」

Merry Christmas
今年は12月24日が振替休日で、いつもよりクリスマス・イヴを楽しんだ方も多いのではないでしょうか?
ところで、この「イヴ」の意味、みなさんご存知ですか?
多くの方が「イヴ」=「前夜」と勘違いしてしまいがちだと思うのですが、「イヴ」とは「evening(夜、晩)」の同義の古語「even」から来ています。
そして、ユダヤ暦およびそれを継承する教会暦では、日没を日付の変わり目にしています。
つまりクリスマスとは、一般の暦で12月24日の日没から25日の日没までとなり、クリスマス・イヴは歴としたクリスマス当日の夜のことなんです!
クリスマスは25日より24日の夜の方が盛り上がる理由に、納得ですね!
 

さて、今日のブログは、先日もご紹介しました「学内人権週間」について。
12月12日(水)には、教養課程教授の増田明美先生による公開講座が開かれました!


増田先生は、元女子マラソン・陸上競技長距離走選手で、1982年にマラソンで日本最高記録を更新、1984年にはロサンゼルスオリンピックにも出場されました。
現在はスポーツジャーナリストとしての執筆活動、マラソンや駅伝中継の解説に携わるほか、テレビ番組のナレーションなど多方面で活躍されています!
そして大阪芸術大学では、講義を通してスポーツの価値やあり方を学生たちに伝えてくださっています。

 

今回のタイトルは「スポーツから始まる男女共同参画」。

冒頭で「このタイトルを聞いてみなさんがイメージするのはなんですか?」と問われた増田先生。
しばらくして学生から「オリンピック」との声が上がりました。

現在のオリンピックは、どの競技にも男子と女子両方が参加できる種目が用意されています
しかしこれは2016年のリオデジャネイロ大会のことで、歴史を紐解くとスポーツに女性が参加するのはとても大変なことでした。

紀元前776年に始まった古代オリンピックは、選手のみならず、観客も男性しか入ることができませんでした。
女性が参加できるようになったのは、近代オリンピックの第2回 1900年のパリ大会からのことです。
しかしまだ「女性が肌をさらけ出してスポーツをする姿は、はしたない」という考えがあり、白い目で見られることも少なくなかったそうです。

そんな考えを変えたと言われているのが、1928年に日本人女性で初めてメダルを獲得した人見絹枝さんという陸上選手です。
大会当日は気温が高く、他の選手はゴール後に大の字になって仰向けに倒れたそうですが、人見さんだけは小さくうつ伏せに倒れたとのこと。
その姿が新聞で「さすが大和撫子、倒れる姿も美しい」と賞賛され、スポーツをする女性に対して、世間のイメージが変わったのだそうですよ!

 

「スポーツにどれだけ女性が参加しているのかを見ると、その国の成熟度がわかる」と増田先生はおっしゃいます。

また、増田先生は、発展途上国の支援活動にも積極的に参加されています。
今回、先生が訪れた国についても紹介していただきました。
男女格差の激しい国では、女性がサッカーチームをつくったことで、男性が女性を応援するようになり、関係が変わっていったそうです。
また別の国では現地の子どもたちとなかなか打ち解けられなかったそうですが、「一緒に走ろう」と提案して実行したところ、全員が笑顔になったとのこと!

こんな風に、スポーツには女性の自尊感情を芽生えさせたり、他者との心の距離を縮める力があることを、今回の講座で伝えてくださいました!

増田先生、貴重なお話をありがとうございました!!


 

大阪芸術大学のスポーツと言えば…やはり10月の全日本大学女子駅伝で8位入賞したことが、最近のニュースでは大きいですね!
今月30日(日)には、2018富士山女子駅伝にも本学の女子駅伝部が出場します!!
フジテレビ系列でテレビ中継も行いますので、みなさん応援よろしくお願いいたします!

 

投稿:島田(学生課)


2018年12月6日

映像学科卒業生 博史池畠さんによる特別講義!

12月5日(水)、映像学科卒業生でアニメーション監督 博史池畠さんによる特別講義が行われました。


池畠さんは、2006年「無敵看板娘」にて初演出。
2013年「ロボットガールズZ」で、テレビシリーズ初監督を務められました。
最近の作品では、「宇宙戦艦ティラミス」や「キラッと☆プリチャン」などが有名です!

硬派な絵柄で描かれた「宇宙戦艦ティラミス」は、「人類が宇宙へ進出した時代、二国家間で宇宙戦争が繰り広げられている」…という世界観。
しかし、一見シリアスなSF作品と思わせながら、実際は登場人物の奇行や日常を描いたギャグで、そのギャップに笑わずにはいられないんです!
「キラッとプリ☆チャン」は、「プリティーリズム」「プリパラ」に続くアーケードゲーム「プリティーシリーズ」第3弾のアニメ化。
動画サイト「プリ☆チャン」を通じてトップアイドルをめざすストーリーで、今女の子に大人気なんですよ!!


キャラクター造形学科1年生を対象にして行われた、今回の講義。

みなさんは、テレビアニメの監督演出の違いについて、ご存知ですか?
どちらも制作を指導・統括するのは同じなのですが、シリーズ全体を通してが監督、各話ごとに担当するのが演出になります。
演出は絵コンテを描くことも多いそうです。


「絵コンテを描く時、学生のみなさんはどのように作業されていますか?」と問われた池畠さん。
頭から1コマずつ、順番に描く方が多いかも知れません。
しかしこのやり方だと、完成がなかなか見えず、途中で断念する学生もいるそうです。

池畠さん流は、まずざっくりと下描きをして、セリフを全て入れてしまい、一旦ラストのコマまで描いてしまうのだそうです。
その後で絵の部分を描き込めば、完成させやすいのだとか!

池畠さんはタブレットを使って行うそうで、実際の作業の様子もちょこっとだけ見せてくださいました!!


授業の後半は質問タイム。
学生から池畠さんへ、はもちろんですが、池畠さんから学生へもたくさん質問が投げかけられました。
「監督になりたい人!」という質問には、まだ1年生だからか、なかなか自信を持って手を挙げられない学生たち。
すると池畠さんは、「目標は持った方がいい」と一言!
そして、大学の授業や課題のほかに、自主制作も勧められました。
自主制作をすれば全体のノウハウがわかりますし、自分の作品を色んな人に見てもらうことができます。
自分の認識と世間の認識の違いにも、気づくことができるとおっしゃっていましたよ!

行動力が成功につながる!」と熱いメッセージを送ってくださった池畠さん。

学生のみなさん、夢に向かって行動あるのみです!

 

投稿:島田(学生課)


2018年11月15日

ジャズトランペット奏者 黒田卓也さん 特別講義!

ブルーノート・レコード」と言えば、音楽に詳しくない方でも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ジャズ史上初期の1939年にニューヨークで創設された、ジャズ専門の名門レコードです。
後世に残る傑作アルバムを数多く送り出しており、モダン・ジャズ演奏者のほとんどがブルーノート出身と言っても過言ではありません。
ジャズ界にとどまらず、今も昔も音楽シーンに影響を与え続けているレコードなんです!

日本人で、このブルーノートと初めて契約したアーティストが、ジャズトランペット奏者の黒田卓也さん!!
 

昨日 11月14日(水)、黒田さんが大阪芸術大学にお越しになり、特別講義が行われました!


実は、黒田さんは今年6月にも来学されており、今回が2回目の講義。
前回が大好評だったことを受け、再び講義をしていただく運びとなりました。


黒田さんは12歳からトランペットを始められ、2003年にはニューヨークへ渡ってニュースクール大学ジャズ科に進学。
当時はジャズの枠にとらわれず、ゴスペルやファンク、ヒップホップ、ラテンなどさまざまなジャンルで10ものバンドを掛け持ちされていたそうです!
卒業後は、音楽教師として有名なローリー・フリンクさんを師事にして学ばれました。
そして、2014年にブルーノート・レコードと契約。
2016年4月からは、「報道ステーション」新テーマ「Starting Five」をJ-Squadのメンバーとして演奏されたことでも、話題を集めました。
 

さて、そんな黒田さんですが、11月18日(日)に大阪市中央公会堂で開催する本学主催の演奏会「JAZZ&POPS」にも、ゲストアーティストとして出演されます!!
演奏会では、学生とコラボレーションしての演奏も行っていただけるとのこと!
今回の講義は、そのリハーサルも兼ねて、演奏指導を交えての音合わせが行われました。

 

演奏学科ポピュラー音楽コース全学年の学生が集まる中、選抜された学生メンバーが黒田さんとのセッションに挑戦。

演奏するのは、黒田さんが2016年にカバーされた、ドナルド・バードさんの「Think Twice」です。
ヒップホップのサンプリングソースとして有名で、これまでにも数々のアーティストがカバーされたという1曲。
それだけに、単純にカバーする訳にはいかない楽曲だそうなのですが、黒田さんは自身のアルバムにカバー曲を入れるのは1つのこだわりだったとのこと。
有名な曲のカバーを入れることで、黒田さんのことを知らない人にも、注目してもらえるきっかけになるからだそうです。

 

演奏を始めると、「リズムの取り方がわからない」という学生の声が。
黒田さんは4拍子のリズムカウントをボーカルの学生に取らせると、続いて着席している学生たちに2-3(ツースリー)のリズムカウントで手拍子を入れるように指示。
するとたったこれだけで、異なる2つのリズムカウントが同じテンポでマッチして、もうすっかり音楽に聴こえてくるのです。

ここに他の楽器が1つずつ、まるで大縄跳びの中へ順番に入るように加わっていくと、どの楽器がどのタイミングで音を出しているのか、不思議なことにとてもわかりやすく聴こえるようになりました!



このような調子で、学生全員が自信を持って演奏しやすいように持っていってくださった黒田さん。

講義の最後に通しで披露された演奏では、全員の息が合ったパフォーマンスで、私たちを楽しませてくださいました♪
 

さあ、本番ではどんな演奏を聴かせていただけるのでしょうか。
気になる方は、11月18日(日)の「JAZZ&POPS」へお越しください♪
まだ、お席に余裕があります!

>>詳細

 

投稿:島田(学生課)


2018年11月13日

大物声優 野沢雅子先生が大阪芸大に!

先日も紹介しました、放送学科 佐藤正治先生ご担当の授業「声優学概論」。

この授業に、今回はなんと、放送学科客員教授の野沢雅子先生がいらっしゃいました!!


「オス!オラ悟空」…と言えば、もうみなさんの頭の中には、共通の声が浮かびますよね!?
野沢先生は、「ドラゴンボール」シリーズの孫悟空・悟飯・悟天役の声優でいらっしゃいます!
また初主演は「ゲゲゲの鬼太郎」鬼太郎役、他にも「ど根性ガエル」ひろし役、「銀河鉄道999」星野鉄郎役など、多くのメインキャラクターを演じられています。
やはり少年役のイメージが強いですよね。
今や、少年役を女性声優が演じることは当たり前になっていますが、実はこの常識を確立させたのは、野沢先生なのだそう!?


初めて洋画をテレビ放送することになった時、変声期前の子どもの吹き替えを誰がやるのかが問題になったそうです。
当時、吹き替えは生本番。
子役では失敗する不安があり、大人の男性は子どもの声を出すのは無理がありました。
そこで白羽の矢が立ったのが女性の役者で、急遽オーディションが行われたとのこと。
野沢先生は、テレビで少年役を初めて演じた女性声優なのだそうです!!


 
講義では、声優にまつわるお話がたくさん飛び出しました。
声優をめざす若者にとって、神様のような存在の野沢先生。
若手声優にどんな風に指導されているのかについて質問を受けると、
「こうしたらいい、と言ったことは一度もない」と答えられました。


唯一アドバイスをされるのは、
「【気持ち】を考えてもらう。この役はどういう気持ちでこのセリフを言うのか?イメージできるように導いてあげる」とのこと。
例えば、「痛い」という一言でも、小さな小石が当たった時と、大きな石が落ちてきた時とでは、発する声が違ってくると思います。
そういう明確なイメージを持つことが、声優のお仕事をする上ではとても大切なことだそうです。


また、「銀河鉄道999」では、メーテル役の池田晶子さんとは普段から「鉄郎ちゃん」「メーテル」と呼び合っているそう!
他の男性声優が池田さんに話しかけると、嫉妬してしまうくらい役に入り込んでいたというお話もされ、とても興味深かったです。


 
質疑応答の時間には、学生たちの質問1つひとつに丁寧に応じられ、終始溌剌とされていた野沢先生。

授業終了後には、
「学生の目がキラキラしていて、反応も素晴らしかった。
声優をめざす学生も、それ以外の目標を持つ学生も、人と比べるのではなく自分を伸ばしていってほしい!」
とお話をしてくださいました。


 
野沢先生の前向きでエネルギッシュな姿に、多くの学生が感銘を受けたことと思います。
野沢先生、ありがとうございました!!

 

投稿:島田(学生課)