2016年5月17日

村上敬造先生「芸術計画特論Ⅰ」

先週は、今年4月から芸術計画学科教授に就任された村上敬造先生の授業にお邪魔してきました!

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村上先生は、映像計画学科(現:映像学科)の卒業生で、大学卒業後はプロデューサー・プロジェクトコーディネーター・イベント業務管理士として活躍。
これまで、上海万博やJリーグをはじめ、博覧会や大型イベント、スポーツイベント、町興しイベントなどに携わられています。
昨年は、ラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」にもゲストとして出演され、先生が手がけたイベントのエピソードがたくさん話されました!

大阪芸大では、「イベント企画論」「芸術計画特論Ⅰ・Ⅱ」「芸術計画特殊演習Ⅱ」「芸術計画学概論」「卒業研究」「卒業計画」と多彩な科目を担当されているのですが、
今回私が伺ったのは、その中でも少人数制の「芸術計画特論Ⅰ」という授業!

この授業では、イベント検定公式テキストを基本教材としながら、先生が手がけられたイベントの計画書や運営マニュアルなどの資料を実例に、”イベント”について学びます。
少人数ということで、先生と学生の距離が近く、ゼミのような雰囲気の中で講義が行われました。

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「イベントを運営するにあたって、マニュアルを細かく定めておくことが大事」だと話された村上先生。
授業で見せていただいたマニュアル本もとても分厚かったのですが、なぜこんなに細かく決める必要があるのでしょうか?

それは、万が一の事故に備えてのものだそうです。

どれだけ計画を練って、多くの人を楽しませても…事故が起きたら、全てが駄目になります。
ましてや、人の命を奪うようなイベントがあってはいけないのです!
まずは事故を起こさないために、それでも事故が起きた時には対処ができるように、マニュアルはきっちりと揃えておくことが大切なんですね。

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興味深い話もたくさん聞くことができました!!

例えば、みなさんは映画館の最後座席の後ろに手すりがあるのをご存知でしょうか?
あの手すりは法律で決められていて、立ち見を想定しているためのものなのだそうです。

また、普段当たり前のように目にしている自動販売機ですが、
最近は災害支援型自販機が数多く設置されていて、有事の際には無料で飲料を提供してくれる仕組みになっていたり、
GPSが搭載されていて子どもを見守るシステムが取り入れられていたりと、
ただ商品を購入するための機械ではなくなっており、その存在意義が変化しているのだそうです!

そんな風にイベントに限らず、私たちの普段の生活の中でもさまざまなアイディアが溢れていますよね。

村上先生が話された言葉の中で、特に印象的だったものを紹介させていただきます。

「芸術はなんでも、真似をするところからしか始まらない。でも、単にコピー&ペーストをしてはいけない!
 ”なぜこういうことなのか?”理解して初めて真似をしていい。
 すでにあるものを真似ていくうち、自分の表現になっていく」

自分の表現を見つけるためにはまず、今の世の中にあるものをしっかり分析することが大切なんですね。
ですので、学生のみなさん!!
村上先生の授業を通じて、今ある”イベント”の役割をしっかり考えながら学習してくださいね!!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年5月10日

馬場典子先生特別講義

本日のブログは、放送学科教授の馬場典子先生による特別講義の模様をご紹介します!

馬場先生は、1997年に日本テレビのアナウンサーとして入社され、報道からバラエティ、スポーツまで幅広く活躍。
2014年6月にフリーアナウンサーに転身し、現在は各局のテレビ番組に出演されています!
みなさんもよくテレビで先生の姿を見てきたのでは?!

大阪芸術大学では、月1回のペースで馬場先生の特別講義を放送学科の学生対象に開講しています。
この講義では単位の付与はありませんが、テレビ画面越しに見ていた憧れのアナウンサーから直接指導が受けられるなんて、プロをめざす人にとっては貴重な経験ですよね!

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4月の講義のタイトルは、「震災報道について話し合う」です。
熊本地震の発生から約2週間という時期に、あえてこの時期だからこそ、震災報道を題材に選ばれたという馬場先生。
熊本地震だけでなく、2011年の東日本大震災、1995年の阪神淡路大震災も実例として取り上げながら、報道者の立場から見た震災について、学生たちに講義を行いました。

一番大切なのは、”命を守る報道”だという切り口から始まった講義。
情報の扱い方によっては被害が拡大してしまうという話や、
報道で大きく取り上げられた地域には支援物資が届くのに、そうでない地域にはなかなか行き届かない現状など、
先生の話は、”教科書に載っていること”ではなく、”自身の目で見てきたこと”ばかりで、とても強く心に残りました。
ジャーナリストをめざす学生にとっては、深く考えさせられる内容だったのではないでしょうか。

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報道する上での心構えとして、「常識を過信しないで」と述べられた馬場先生。
この言葉の意味は、先にも書いたように、命を守る報道につながります。
あなたが有事の際に生放送のMCを担当していたら、専門家の話や過去のデータが全てだと思って伝えてしまうでしょうか?
それとも、「これまでに経験のないことが起きているかもしれない」という意識を持って対応ができるでしょうか?
とても難しいテーマですが、もし将来そういった現場に立った時は、情報の優先順位も含め、自分で判断して行動しなければいけません。

馬場先生はとても気さくな方で、学生に質問を投げかける場面も多く、90分の講義はあっという間に過ぎてしまいました。
私も、こうしてブログで大学の情報を伝える立場なので、自分の使う言葉一つひとつをもう一度見直し、読んでくださっている方々のことを考えながらブログを書いていきたいと思いました。

次回の馬場典子先生の特別講義は、5月18日(水)2限を予定しています。
放送学科の学生なら、誰でも受講することができます!
申し込みも必要ありません。
せっかくのチャンス!ぜひ受けてみてくださいね!!
※教室などの詳細は、掲示板で確認してください。

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年5月9日

「ダンス振付演習」+ラジオ「大阪芸大スカイキャンパス」

今日は、舞台芸術学科ポピュラーダンスコース2年生の授業「ダンス振付演習」にお邪魔してきました!
担当されているのはダンスプロデューサー・振付師のIPPEI佐藤一平)先生。
IPPEI先生は、2007年に渡米し、ハリウッドやラスベガスのショーなどで活躍されてきました。
ダンスのスキルのみならず、振り付け、舞台芸術にもこだわって舞台を作られているんですよ。

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現役の先生から直接指導が受けられるなんて、ポピュラーダンスコースのみなさん、うらやましいですね!

今日の授業では、3つのグループに分かれてダンスの構成を考えて、発表していました。

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みんなはまだ、見栄えを考えてダンスを構成してると思うけど、理由づけをして考えることが大事ですよ」と話されたIPPEI先生。
例えば、レストランで出されるコースメニュー…メインディッシュを引き立てるために、前菜があったりスープがあったりしますよね。
ダンスも同じで、何か引き立てたいもの、一番盛り上がるもの、”ゴール”を決めて、そこへ繋げるために構成を行うんだそうです。
これはダンスに限らず、舞台公演やバラエティ番組など、全ての「構成」に言えること。

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IPPEI先生「ダンスの構成に正解はない。正解を探そうとするんじゃなくて、ゴールを自分たちで決めて構成してください

私も、とっても勉強になりました!
ポピュラーダンスコースのみなさん、がんばってくださいね!!

さて、今日は大阪芸術大学グループのラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」の放送日です!

パーソナリティは大阪芸術大学副学長の塚本英邦先生。
さらに、本学映像計画学科(現・映像学科)出身の人気映画監督で映像学科教授の田中光敏先生と、舞台芸術学科出身の演出家で劇団「南河内万歳一座」座長・舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生が、交替で出演されます。
そして、毎回さまざまなジャンルで活躍する大阪芸大グループ出身の著名な卒業生たちを月替りでゲストに招き、楽しいトークを繰り広げます!!
第一線に名を馳せるクリエイターたちのリアルな声を聴くことができる番組内容となっています!

今日のゲストは、先週に引き続き、デザイン学科卒業生でデザイナーの坪田幸之さんです!

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今日は、大阪芸大に通われていた時の話をお聞きします!
芸大では、デザイン学科でグラフィックデザインの勉強をされていた坪田さん。
真面目に授業を受け、課題に追われる毎日で、とても忙しくされていたそうですが、サークルやアルバイト、プライベートも充実していたそうです。
そんな坪田さんは、大学生時代、どんなことが印象的だったのでしょうか?

「大阪芸大スカイキャンパス」
5月9日(月)20:30~21:00 オンエア
ラジオ大阪(OBC)1314

投稿:島田(企画広報部事務室)


2015年11月19日

「大阪信用金庫の中小企業支援について」

このブログでは、これまで大阪芸術大学のさまざまな授業を紹介してきました。
アトリエのような教室や設備の整った工房での制作、本格的な機材を使っての撮影、プロの先生方の指導を受けながらのお芝居・音楽のレッスンなど…私がブログ取材でお邪魔した授業はどれも、刺激的で魅力あふれるものばかりでした。
気になる方は、カテゴリー選択から「授業見学ツアー」をクリックしてご覧になってくださいね。

さて、大阪芸大の授業は芸術分野に特化した専門科目だけではありません!
教養科目も充実しているんですよ。
教養科目に設置されるさまざまな科目は、大学における学問探求の導入過程として位置付けられていて、総合的な能力の育成につながるものとして設置されています。
専門的な知識や技術はもちろん大切ですが、それと並行して教養を身につけることもとっても大切ですよね!

今回は、塩見芳則先生が担当されている「経済学」の一環で開かれた特別講義に参加してきました。
経済学では、世の中における経済の動きを体系的に身につけることを目的に、経済現象の背景やその原因は何かについて考える授業が展開されています。


特別講義で講師を担当されたのは、大阪信用金庫の取締役部長・石橋敏幸さん。
大阪信用金庫と言えば、これまでにも大阪芸術大学と産学連携プロジェクトを企画し、大阪信用金庫で顧客に配布するノベルティや通帳のデザイン制作などを進めてきました。

講義のテーマは、「大阪信用金庫の中小企業支援について」。

中小企業・小規模企業事業者の数は、1989年以降から長期に渡って減少傾向にあるそうです。
最近の統計を見てみても、2009年には420万者だった事業者数も、2012年には385万者に…。
こうした厳しい状況を踏まえて、大阪信用金庫がどのような企業支援を行っているのかが紹介されました。

中小企業の事業承継といえば、従来は経営者の親族に承継することが大半を占めていました。
しかし、近年は親の経営する会社には入社せずに自らの生活基盤を築いていること人も多く、親族以外の人に承継する割合が増えてきているそうです。
そういったさまざまなケースに合わせて、課題やその解決策が話されました。
また、企業の創業についてや、大阪信用金庫が行うさまざまな取り組みなども紹介され、信用金庫という組織が社会においてどんな役割を果たしているのかを知る機会にもなりました。

もしかしたら授業を受けていた学生の中にも、将来起業家になる人もいるかも知れませんよね!
石橋さんも「みなさんにこういった機会があれば、今回の講義のことを思い出してくださいね」と話されていました。
大阪信用金庫のみなさん、大変貴重な講義をありがとうございました。

投稿:島田(OUA-TV)


2015年9月2日

特別集中講義「テンペラ絵具と油絵具を併用する混合技法」

9月に入り、朝夕は肌寒く感じることも多くなりましたね。
大阪芸術大学の後期授業は、7日(月)から始まります。
※但し、8日~10日は集中講義・補講期間のため通常授業は行われません。

夏休み中も、キャンパスではさまざまな授業が行われていました。
大学院で開かれていたのは、金沢美術工芸大学大学院教授・東京藝術大学名誉教授で画家の佐藤一郎先生を招き、特別集中講義「テンペラ絵具と油絵具を併用する混合技法」。

この講義名、どこかで聞いたことが…?
実は昨年の10月にも佐藤先生が大阪芸大にいらっしゃって、同様のテーマで講義を行ってくださいました。
昨年の講義は90分でしたが、この夏は全4日間の日程。
午前中は講義を行い、午後からは実技実習という形で実際に作品制作に取り組みました。

そもそも混合技法とは…?
については、前回のブログを参考にしてくださいね。

私がお邪魔した日には、植物の写生をしていました。

また、普段の授業ではなかなかする機会がないという、卵テンペラ媒剤の調製も行われました。
卵テンペラは、絵具が乾けばすぐに塗り重ねていくことができ、数日間乾燥すると水に溶けなくなるという利点があります。
卵黄にはレシチンやアルブミンという乳化作用がある物質が含まれていて、水と油を混ぜても分離しません。

卵テンペラのつくり方としては、卵を卵黄と卵白に分けてから、膜を摘んでピンを刺し、膜を残して卵黄だけを取り出します。
それにオイルやワニスなどを混ぜて完成です。


この卵テンペラ媒剤に顔料と水を混ぜると絵具になります。
こんな風に、作品の制作だけでなく制作に使用する画材の調製も学ぶことができるのは、大変貴重な経験ですね。
夏休みも熱心に芸術活動に取り組む学生たちの姿がアツかったです!

投稿:島田(OUA-TV)