2016年6月14日

大阪芸大にPepperがやってきた!

先日、大阪芸術大学にPepper(ペッパー)がやってきました!!

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ロボット「Pepper」は、感情認識ヒューマノイドロボットで、フランスのアルデバランロボティクスとソフトバンクモバイルによって共同開発されました。
2014年に発表された後、2015年には数量限定で販売が行われ、現在はソフトバンクショップ店頭で常時購入手続きが可能となっています!
インターネットと繋がり、クラウドを通して会話を学び賢く成長します。
スマートフォンで送ったメッセージを伝えてくれたり、天気やニュースを教えてくれたりするほか、アプリを追加して楽しみ方の幅を広げることができます!

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そんなPepperを連れて来学されたのは、独協医科大学教授の坂田信裕さん。
Pepperの他に、ヴィストンのSotaソータ)と、シャープのRoBoHoNロボホン)も一緒にやってきて、特別講義が開かれました。

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坂田さんは、Pepperのアプリ開発を競うイベント「Pepper App Challenge 2015」にプロジェクトチーム・ディメンティアの一員として参加され、応募作品「ニンニンpepper」で最優秀賞&ベストソーシャルイノベーション賞をダブル受賞されました!
この「ニンニンpepper」は、認知症患者とその家族に役立つアプリをめざして制作されたものだそうです。
高齢化社会である日本では、10年間で全体人口594万人が減少し、高齢者は262万人増加すると言われています。
それに対して、医療や介護・看護従事者は190万人増やさなければいけないのだそうですが、現実的ではありませんよね。
そこで今後、ロボットによるサービスが必要になるのだそうです!

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今回の講義では、実際にロボットたちと触れ合いながら、これからのロボットの在り方や活用例が紹介されました。

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愛嬌たっぷりのPepperは、時折講義をさえぎるように話し出してしまい、
「この子はネコ系なので、好き勝手に、話したい時に話してしまうんです」と坂田さんがジョークを挟んで教室に笑いが巻き起こりました。

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また、Sotaは録音機能を発揮!!
学生が話しかけた言葉を再生してみせました!

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そしてこちらのRoBoHonは、名前の通り電話機能を持っています。
実は講義の前に、RoBoHonで電話をさせていただいたのですが、着信が入ると「○○さんから電話だよ」と呼びかけてくれて、身体を折りたたんで受話器の形になるんです。
講義中、坂田さんが「写真を撮って!」とお願いすると、「僕がんばるね!ハイチーズ♪」と言って学生たちの写真も撮影してくれました。

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ロボットは本来無機質なものなんですが、接していると生きているみたいに感じます。
人間の感情を読み取ったり、目を合わせたり、対話をしてくれるので、なんだか人と人が触れ合うのと同じように、温かい気持ちにさせてくれるんです!

現在は、ロボットを持っている人って、新しいものが好きな人や研究のために所有している人がほとんどで、まだまだ一般的なものではありません。
しかしこれからは、ロボットを「必要だから」購入する人が増えてくる社会に変わっていくかも知れません!
近未来を感じる講義でした!!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月10日

映像学科 「デジタル映像編集Ⅰ」

みなさんは、アニメーションがどのようにしてできているか、ご存知ですか?

1990年代までは、「セル画」といって、「セル」という透明シートに輪郭や境界線をトレスし、「アニメカラー」と呼ばれる専用塗料を使って着色していました。
そして、セル画と背景を組み合わせて撮影して動きを付けたり、組み合わせを変えて別のシーンを作ったりしていたそうです。

動画にするための手法はさまざまで、代表的なものは、
1秒あたり24枚のセル画を撮影して、人物の自然な動作を追求して表現する「フル・アニメーション」と、
1秒あたり12枚のセル画・2コマ/1枚のセル画で撮影して、簡略化した動作を表現する「リミテッド・アニメーション」。
そして日本独自のスタイルでは、1秒あたり8枚のセル画・3コマ/1枚のセル画で、キャラクターの目や口など部分的なセル画を作成して一部だけの動作を表現し、低予算でアニメを制作していました。

一番枚数の少ない日本の手法であっても、10分間の映像のために4800枚ものセル画が必要な計算になるので、考えただけでも大変な作業量ですよね!!

そんなアニメーションに変革が起きたのは、1990年代後半。
コンピューターによるデジタル画像処理でアニメーションを制作する、デジタルアニメが導入されるようになりました。
それまでセルアニメで制作されていた作品も2000年頃から徐々にデジタル制作に移行され、2013年には日本で放送されている全てのテレビアニメがデジタルになりました。

今や、アニメーション業界ではデジタル技術は必須項目となっています!
では、気になるデジタルアニメ制作って、どんな風に行われているのでしょうか?

ということで、今日は映像学科の佐藤貴雄先生が担当されている「デジタル映像編集Ⅰ」という授業をご紹介します。

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この授業では、主にAdobeのソフト「Photoshop」と「After Effects」を使って、ポストプロダクション(編集や音編集、色調整、納品形態への書き出しなど、映像制作における撮影後の作業のこと)に必要なデジタル映像技術、コンピューター知識などを身に付けます!

Photoshopは写真編集をメインとした画像加工ソフトですが、イラストやデザイン制作などにも用いられます。
After Effectsは、素材となるクリップや画像、テキストなどを重ねて、映像制作を行うソフトウェアです。

この日は、Photoshopで描いたキャラクターを使って、After Effectsでアニメーションを作る授業が行われていました。

まずはソフトを起動して、キャラクターのデータを読み込むところから作業がスタート。

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ちなみに、Photoshopではこのように「レイヤー」と呼ばれる層に分けて絵を描くことができます。

聞き慣れない専門用語がたくさん出てきますが、いくつか解説しながら紹介していきますね。

Aftter Effectsでデータを読み込む際には、「フッテージ」(素材)と「コンポジション」(素材を組み上げるための箱のようなもの)の2つの種類から選びます。
フッテージで読み込むとレイヤーを統合して1枚の画像として、コンポジションで読み込むとレイヤーを活かして編集ができます。
レイヤーを活かせば、手と足をバラバラに動かしたりすることができるのですが、今回は初めてなので、まずはフッテージで読み込んだものを編集をしてみることになりました。

フッテージとして読み込んだ素材に、さまざまな効果を与えてアニメーションにします。

この画像データに、「デュレーション」を設定します。
デュレーションとは映像の尺のことで、映像業界ではAfter Effectsに限らずよく使用する言葉だそうです。

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そして、画像のようなパラメーターに直接数字を打ち込むか、素材をマウスで感覚的に動かして数値を決めます。
アンカーポイント」は、素材を拡大縮小したり回転させる時の中心点となる場所。
他に、「位置」、「スケール」、「回転」、「不透明度」が選択できます。
※これらのことを「トランスフォーム」と言います。

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アニメーションを付けるためには、このひし形のマーク「キーフレーム」を必要なところに打っていきます!
例えば、始まりから3秒後にスケールを200%に設定してキーフレームを打ち、さらに6秒後に100%にしてキーフレームを打つと、”キャラクターが3秒間拡大して2倍の大きさになり、その後3秒かけて元の大きさに戻る”といったアニメーションが付けられるんです!

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このトランスフォームの数値を変えてキーフレームを打つだけで、カエルがピョンピョン跳ねたり、ぺちゃっとつぶれたり、くるくる回転するアニメーションができるんですよ。

自分の思い通りにキャラクターが動いたら、面白いですよね!!
学生たちも夢中になって編集作業を行っていました。

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今回紹介した作業は、まだまだAfter Effectsの入り口!
今度はレイヤーを活かした編集をしたり、複数の素材を組み合わせたり、エフェクト(効果)を使って演出することで、表現の幅はほぼ無限大!!
私も、佐藤先生に教わったことを思い出しながら、今度アニメーション制作にチャレンジしてみたいと思います♪

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月8日

ダンサー TAKAHIRO先生による授業をご紹介!

舞台芸術学科ポピュラーダンスコース客員准教授のTAKAHIRO(上野隆博)先生の授業をご紹介します!

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TAKAHIRO先生は、2006年、アメリカのテレビ番組「Show Time At The APOLLO」で9大会優勝を記録。
以降、マドンナのダンサーとしてツアーに帯同するなど、世界50都市以上でパフォーマンスを行っていらっしゃいます。

また、今年4月に発売したアイドルグループ欅坂46のデビューシングル「サイレントマジョリティー」の振り付けを担当!
“システマチックに社会を象徴するシーン”と”若者の力強さと勢いを表したシーン”の2つの情景を取り入れたダンスは、ファンの間で「格好良すぎる」と話題になっています!!

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授業では、ダンスのテクニックだけでなく、プロのダンサーをめざす上での心構えなども伝えられました。

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「歌が苦手な人もいるかも知れないけど、ダンサーの仕事の中では歌う必要も出てくる。
歌いながら踊るとどれくらい息が乱れるのか知って、考えることも大事。今日は歌いながら踊ってみよう!」
と学生たちに投げかけ、今回は特にアーティストのバックダンサーや振付師を意識したレッスンを行いました。

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ダンスの動き一つひとつを丁寧にチェックされ、時には前で手本を見せる場面も。

学生たちはレッスンを心から楽しんでいる様子で、新しいことを教えてもらう度にワクワクした表情を見せていました!

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開設から今年度で4年目を迎え、ようやく1年生から4年生までの学生がそろったポピュラーダンスコース。
ダンスへの社会的関心の高まりを背景に、今後ますます盛り上がることが期待されます!

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TAKAHIRO先生が考案するアニソン・エクササイズはアニメの名シーンや必殺技などを振付に取り入れ、表現されています。
誰でも気軽にダンスを楽しめることを目的としたエクササイズDVD『Let’sアニソン・エクササイズ~朝昼夜のダンスサプリ~』もぜひチェックしてみてくださいね!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月7日

卒業生・俳優の橋本じゅんさんが来学!

5月24日(火)、大阪芸術大学に俳優の橋本じゅんさんがお越しになりました!

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橋本さんは舞台芸術学科の卒業生で、大阪芸大で生まれた「劇団☆新感線」に所属。
舞台やテレビドラマ、映画など幅広いジャンルで活躍されています。

また、ラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」のゲストとしても出演されています!

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今回は、舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生の授業内で学生たちの指導にあたりました!

ウォーミングアップでは、走ったり、スキップしたり、腹筋や側筋を鍛える運動をしたり…
橋本さんの熱血指導に、学生たちは汗だくになりながらも一所懸命応えていました!

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アップを終えた学生に話を聞いてみると、
「普段の授業では、こんなに筋トレをすることがないんです。
でも、いろんな先生に”体力作りが大事”だといつも言われているし、大切だと思います。
今日はすぐ、へとへとになってしまって、自分はまだまだだなと痛感しました!」とのこと。

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身体を温めた後は、2人1組になって背中合わせで立ち上がる運動「背中合わせ立ち」を始めました。
中学・高校の体育の授業などで、経験したことがある方も多いのではないでしょうか?
お互いが相手を信頼して体重を委ね、押す力やタイミングを上手く合わせて立ち上がります。

「舞台の上に立っている間は、先輩・後輩はない。役者同士で遠慮していては、舞台になんて立てない。
遠慮せず、誰とでも息を合わせられるようにしなきゃいけない。
自分が”これをやりたい”と思っても、相手も受けてくれないと成立しないから、この運動で他者との繋がりを意識してほしい」
と話される橋本さん。
この背中合わせ立ちを授業に組み込んだのには、そんな理由があるんですね。

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またその後には、5人組になって前後左右の距離を感じながら、みんなで動きをそろえる練習が行われました。
1人が向きを変えたら、他の人もその動きに合わせて、同じタイミングで歩いたり、跳ねたり、手を振ったりします。
簡単に見えるかも知れませんが、言葉を交わさずに肌で空気を感じて、綺麗に動きを合わせるのは大変だと思います!
これも、他者を意識して息を合わせる練習になるのだそうです。

学生たちも、最初はチグハグでしたが、徐々にコツを掴んできた様子で、後半には大胆な動きにも挑戦していました!

憧れの先輩からの熱いレッスンは、学生たちにとって大変刺激になったに違いありません。
橋本さん、ありがとうございました!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年6月1日

原野守弘先生 特別講義

6月になりました!
先月行われた授業で、まだ紹介できていないものもたくさんありますので、これからもどんどん記事をアップしていきますね。

今日のブログは、来年4月に誕生するアートサイエンス学科(仮称)開設に先駆けた講義の模様をご紹介いたします!

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5月21日(土)、クリエイティブディレクターの原野守弘先生による特別講義「世界で勝負するためのクリエイティブディレククション」が開かれました。

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原野先生は、2012年に「森の木琴」という作品でカンヌ国際広告祭金賞を受賞。
また、ロックバンド「OK Go」の「I Won’t Let You Down」という曲のミュージックビデオを手がけられ、YouTubeに公開された動画は10時間で再生回数100万回を突破するほど話題になりました。(現在は再生回数合計2800万回以上になっています!)
そして今年度より大阪芸術大学教授に就任、来年度からはアートサイエンス学科(仮称)で教鞭を取られる予定です。

今回の特別講義では、「10 tips for creatives」と題して、広告クリエイティブにとって大切な10のポイントを紹介。
原野先生の作品だけでなく、さまざまな広告作品を実例として挙げながら、先生自身が今作品を作るときに心がけていることを学生たちに伝えていました。

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10個のポイントの中で、私が特に印象的だったお話をご紹介します。

「The era of non-fiction and non-verbal.」
(ノンフィクションとノンバーバルの時代)

1990年頃までは、フィクションの時代だったそうです。
編集や加工が加えられた仮想的な作品=フィクションの作品が、人々の注目を集めていました。
しかし、インターネットが普及してから、ノンフィクションの作品が力を得る時代に変わっていったと言います。

原野先生が手がけた「OK Go」のミュージックビデオは、CGを使わずに、ワンカットでの撮影にチャレンジした作品。
また「森の木琴」も、実際に球を木琴に転がして音色を奏でている様子を伝えている映像です。
作品をつくるために、現実で誰かが何かを成功させたという”ノンフィクション性”が作品に求められている時代の表れなのかも知れません。

もうひとつのノンバーバルとは、非言語的という意味。
広告で言葉を使えば簡単に説明することができますが、言語で表現した作品は世界では伝わりにくいものになります。
言語に依存せず、目で見てわかるデザインをすることが重要なんだそうです!

「Good ideas come to those whosleep.」
(アイディアは寝て待つしかない。)

良いアイディアが思い浮かばないと、一生懸命考えたり、徹夜したりしがちですよね。
しかし、無理をすれば名案が出てくるものでもありません。
原野先生がアイディアを思いつくのは、マッサージを受けている時やお風呂に入っている時など、リラックスした状態の時なのだそうです!
脳が記憶を整理するのは寝ている間だと言われていて、睡眠不足だったり緊張状態だと考える力が低下してしまうのだとか…。
アイディアが生まれない時は、しっかりと睡眠を取って脳がリラックスできる環境を整えることが大切なんですね!

この他にも、アイディアは自分自身が経験したもの=人生からしか生まれないという話や、仲間づくりが大切だということなど、さまざまな視点からクリエイティブのポイントを話されました。
原野先生の講義は大変テンポが良く、また話の合間に紹介される広告映像が効果的で、90分間の講義がとても濃厚でした!

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アートサイエンス学科(仮称)では、どんな授業を展開してくださるのでしょうか?
今からとても楽しみです!

投稿:島田(企画広報部事務室)