2019年10月28日

卒業生の活躍「サロンモザイク」ギャラリー・ショップ・サロン

以前にご紹介させていただいた田岡和也展が開催された「サロンモザイク」の店主 コタニカオリさんは、本学工芸学科の卒業生(2003年3月卒業)です。
コタニカオリさんは、卒業後、副手やDMOARTSでの勤務経験を経て、2017年3月、大阪天満宮参道に「サロンモザイク」をオープンされました。
「サロンモザイク」は、ギャラリー、ショップ、サロンとして、アート、クラフトに親しみ、出会いを喜ぶ場所でありたいとのことです。
そして、同窓である大阪芸術大学卒業生の作品もたくさんショップに置かれています。

 

まずは、アストロ温泉さん[本学大学院芸術研究科芸術制作専攻2011年3月修了]の手づくり初マンガブック『人類ののぞみちゃん』です。
架空の観光地「アストロ温泉」をテーマに、ワンダーな立体作品や発明品を各地で発表、また、イベントやワークショップを行う作家のアストロ温泉、初のオリジナルブックです。
中学生の女の子「のぞみちゃん」が主人公の4コママンガと、イラストを収録しています。

 

アストロ温泉 Twitter: https://twitter.com/ASTROONSEN

次に染色作家山崎香織さん[本学大学院芸術制作研究科(工芸・染織) 2003年3月修了]のPUBLICA FABRICA & Yamasaki Kaori works とても素敵なオリガミ バッグやロウ染め×金銀加工のオリガミ カードケース,オリガミ ポーチです。

また、北 直人さん[本学大学院芸術研究科芸術制作専攻工芸領域(2010年3月修了)]の真鍮等の金属で制作されたアクセサリー等の作品もたくさん並んでいます。
「絵本から飛び出したような、ちょっぴりダークで、ひっそりと甘い、ヒトや動物たちをモチーフにした彫刻、装身具をつくっています。つくる喜び、そして手にしてくださった方々の喜び、『手が喜ぶ作品』を目指して。」

www.iichi.com/mobile/shop/kitanaoto プロフィールより) 北直人 Instagram : https://www.instagram.com/naoto.kita/

 

今回、最後にご紹介させていただくのは、渋谷 梵さん(本学工芸学科テキスタイル・デザイン卒業)の小作品です。近年墨を用いた たおやかな表現が特徴の作家さんです。和紙やアクリル、墨を主に使用し、幅広いモチーフの作品を制作しておられます。

澁谷梵㏋: https://bomb-phage.com

これからも大阪芸術大学卒業生の作家さんたちのご活躍と共に「サロンモザイク」での素敵な作家さんとの出会いや交流を楽しみにしています。学生の皆さんも是非、足を運んで、素晴らしい作品と素敵な空間を体感してくださいね。

 

サロンモザイク
〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋1丁目14−11
大阪市営地下鉄谷町線 南森町駅より徒歩約5分
JR 東西線 大阪天満宮駅より徒歩約5分
営業時間:13:00-19:00  不定休
http://salonmosaic.info/


2019年10月23日

卒業生の活躍「田岡和也展 サロンモザイクへ出張、兵庫景。(おまけ付き)」

本学美術学科卒業生(2005年3月卒業)の田岡和也さんの個展「田岡和也展 サロンモザイクへ出張、兵庫景。(おまけ付き)」が、大阪天満宮の傍にあるギャラリー「サロンモザイク」で、10月4日(金)〜10月14日(月・祝)開催されました。
マーカーと折紙で鮮やかに描かれた兵庫の日常「兵庫景」は、神戸市立兵庫図書館や神戸アートビレッジセンターなど、兵庫各地で開催されて大好評でした。
それらの作品およそ140点と、今回の展覧会の為に描き下ろされた「サロンモザイク」周辺の新作も追加で展示されました。
ネットでの「いいね」方式のように気に入った作品にシールを貼ったり、コメントを書いてもらったりとアナログで実践されていました。

 

ギャラリーの外からも色鮮やかで楽しい絵が見えていますので、通りすがりの親子連れも子供さんの「みたい!」という声に釣られて、中に入って楽しんで観てくださっていました。

 

田岡和也さんは、大学3回生の時に初個展を開催し、卒業後も会社員として勤務しながら精力的に作家活動を継続されています。通勤電車の中で乗客をデッサンしたり、残業後に帰宅後も制作に打ち込んで来られました。
田岡さんの作品制作に対する姿勢を拝見していると「時間がないので、制作できない」というよく聞かれる声は、言い訳のようにも聞こえます。
今回の制作手法であるマーカーと折紙は、2年前に神戸から福岡に単身赴任で転勤になり、画材等をたくさん持っていけなかったので、編み出された手法とのことでした。

 

身近なものを何でも作品にしてしまうアイデア等がいっぱい詰まったお楽しみ袋も販売されていました。

また、第35回記念 四国こんぴら歌舞伎大芝居の絵画「春の金丸座」を制作し、四国新聞に掲載されました(2019年3月16日)。

 

これからも環境の変化にもうまく対応しながら、変化と進化を続ける田岡さんの制作活動に注目して行きたいと思います。

そして、今回の展覧会場となったギャラリー「サロンモザイク」のオーナー コタニ カオリさんも本学工芸学科の卒業生です。詳細につきましては、次回のブログで紹介させていただきます。

KAZUYA TAOKA Website
https://taokakazuya.jimdo.com/

 


2019年9月17日

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」

今年も「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」が開催されました。
会期2019年9月13日(金)~11月24日(日)
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」は六甲山山上の各施設をステージにして展示しています。
ほとんどが屋外展示で大変大きな作品も展示されています。

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」には大阪芸術大学また大阪芸術大学短期大学部の卒業生が参加出品されています。

アーティスト一覧より抜粋。
岩城典子さん 大阪芸術大学 美術学科卒業
佐川好弘さん 大阪芸術大学短期大学部 専攻科修了
藤本由紀夫さん 大阪芸術大学 音楽学科音楽工学専攻卒業
葭村太一さん 大阪芸術大学 デザイン学科卒業

4名以外にも大阪芸術大学関係の卒業生がおられるかもしれませんが、アーティストリストより確認できた方々を紹介しています。

これら作品以外にも44名の方々がそれぞれの場所にあった作品を展示されています。
皆さんも一度六甲山で芸術に遭遇して見られると楽しいかもしれません。

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」の詳細は
https://www.rokkosan.com/art2019/でご確認ください
 

六甲ガーデンテラス自然体感展望台六甲枝垂れでは岩城典子さんの作品が展示されています。
高さ3メートルと大きな形の作品と2メートルの作品・犬の形の作品3点が展示されていました。
それぞれの作品には、生命の躍動を感じる心臓の鼓動のようにそれぞれの作品の胸付近で点滅を繰り返しています。
3体の作品が一つの家庭を表すような雰囲気でした。


(アーチストメッセージ)

頭の天窓を開きたいとゆう思いで、高さ3mほどの巨大オブジェから小さな箱庭作品まで制作、屋外展示やモビールと立体造形で構成されるインスタレーション展示を行う。
展示空間では、ダンサーや音楽家とのパフォーマンスイベントやワークショップなどを開催。
帽子やジュエリー、服飾ブランドとのコラボアイテムの制作なども積極的に行っている。 

 

展示全景

 

記念碑台(六甲ビジターセンター)前庭園では、葭村太一さんの作品が展示されています。
かなり大きな巨木を縦に置き魚が空を見るようにたっています。


(アーチストメッセージ)

モノを作るために壊し、新たに作り直し、また壊して姿が露わになる、たまたま自分が作りたくて作っていたものは彫刻だった。
ある特定の自然物の一部を切り取りそれらを自らの手で立体を起こし、焦点を当てる角度を変化させた作品を制作している。

 
 

六甲山カンツリーハウスの中央芝生には、佐川好弘さんの作品が展示されています。

 

(アーチストメッセージ)
漫画の表現にある、遠近も飛び出す文字を造形に取り入れ、感情やコミュニケーションにまつわる事情を立体造形やパフォーマンスなど、様々なひょうげんで発表する。

 

投稿:植村(教務部)


2019年7月31日

映像学科 小森陽一先生×藤堂裕さん「作品分析」

今日は、映像学科の授業「作品分析」の模様をご紹介いたします!
この授業では、さまざまな作品を題材として鑑賞し、学生たちの好奇心や創造心を刺激。
映画監督などの先生方から、解説指導が行われます。
私も5年ほど前に一度、取材でお伺いさせていただいたことがある授業です。
 

さて、今回は、映像学科客員教授で卒業生でもいらっしゃる、小森陽一先生の担当回にお伺いしました!!


小森先生は、映画の脚本家や漫画の原作者としてご活躍。
海上保安庁をテーマに取り上げることが多く、特に有名な作品には「海猿」があります!

この日の題材になったのは、小森先生が漫画原作を担当した「S-最後の警官-」。
犯罪者の生け捕りを絶対目的として警視庁内に設立された、架空の特殊部隊の活躍を描いた作品です。
2014年にテレビドラマ化、2015年には映画化もされています。


ゲストとして、「S-最後の警官-」の作画を担当された藤堂裕さんもお越しになり、小森先生との対談形式で授業が進行しました。
小森先生と藤堂さんは、「S-最後の警官-」に引き続いて現在は「BORDER66」という作品でもタッグを組んでいらっしゃる間柄。
授業では、どうやって漫画が生まれていくのか、さらにどうやって漫画が映像化されていくのかなど、お聞かせいただきました!


漫画の連載は、編集社での「連載会議」で篩いに掛けられるそうです。
1話から3話までのネームで審議するのが一般的で、「3話まで読んでも面白くない作品は見込みがない」と判断されるとのこと。
1回の会議で生き残るのは2本程度で、割合にすると1割から2割。
まさに椅子取りゲームのような世界なんです。


そして、小森先生が度々口にされていたのが「取材」!
海上保安庁のことも、取材するまでは具体的な仕事内容は知らなかったそうです。
はじめのうちは上手く取材できないこともあるそうですが、地道に通い時間を掛けることで、作品にリアルな生活臭を描くことができるとのこと。
ゴミ箱を覗くだけでも、大発見があるそうです。
そこにいる人たちがどんなものを食べているのかを知ることで、キャラクターを生み出すヒントになったりするんですって!

授業の最後、映像学科長の大森一樹先生にもコメントが求められると、「学生の作品は取材せずに想像で描いているものが多い」と一言。
取材しなくても描けるのは「自分史」のみ。
仕事にするならば、取材をして世界を広げなければいけないというお話が、とても印象的でした。

「漫画はなかなか大変な形でできている」と小森先生。
その大変さを、今回の講義で少しだけ伺い知ることができました。
さらに深く知るためには、実践あるのみですね。
小森先生、ありがとうございました!

 

投稿:島田(学生課)


2019年7月29日

映像学科 赤井孝美先生 特別講義!

今日のブログは、映像学科客員教授 赤井孝美先生による特別講義の模様をご紹介します★


赤井先生は、同じく客員教授の山賀博之先生や、「エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明さんと同時期の映像計画学科(現:映像学科)に在学。
漫画家の島本和彦さんも同級生で、島本さんが大阪芸大を舞台に描いた「アオイホノオ」には、実名で登場しています!(テレビドラマでは、中村倫也さんが演じていましたよね♪)
本学在学中、山賀先生、庵野さんと共に「第20回日本SF大会」…通称「DAICON3」のオープニングアニメーションを制作。
これらを制作したメンバーと共に、アニメーション制作会社「ガイナックス」を立ち上げられました。
 

今回の講義では、そんな赤井先生の大阪芸大時代のお話をはじめ、ガイナックスのことなどもお聞かせいただきました。


赤井先生在学中の大阪芸大には、アニメよりも実写を学ぶ学生が多く、必然的にアニメをつくりたい学生同士が繋がっていったそうです。
とは言え、赤井先生は子どもの頃は特撮の方が好きで、特撮も制作していたとのこと。


ガイナックスの母体となった1981年開催の「DAICON3」。
「DAI」は大阪の「大」、「CON」は大会、大阪で「3」度目の開催であることからこう通称されています。
オープニングを制作することになったきっかけは、前年の東京での「TOKON7」(こちらのスペルはKのようです)にて上映されたオープニングにあったそうです。
SF小説の表紙が次々と宇宙を飛んでいくという、至ってシンプルなつくりながら、会場ではSFファンが大絶賛。
それを観た赤井先生の同級生が「自分ならもっと良いアニメをつくる!」と対抗心を燃やし、当時から”アニメと言えば彼”と評価されていた庵野さんに声が掛かって、赤井先生も参加することになったとのこと。

こうして誕生したオープニングムービーは、空を飛ぶ女の子をメインキャラクターとして、今でこそメジャーながら当時としては珍しい演出で仕立てられました。
この映像を収録したVHSテープを約1万円で販売すると、5分程度のものであるにも関わらず、購入申込が殺到!
「アニメで食べていけるのでは?」と考えた赤井先生たちは、それから学生の間、全国各地でアニメ作品の上映を行い続けたそうです。


そして、ついにガイナックスが1984年に設立されます!
会社名は、赤井先生の故郷 鳥取県西部の方言「がいな(大きい)」に「X」を付けたもの。
それからのエピソードもとても面白くて、アニメの版権を買っておもちゃをつくっていた会社の社長にプレゼンを行い、会社が著作権を持つアニメ作品をつくったり。
PCゲームに着眼して、アニメの要素を盛り込んだゲームを制作し、黒字にしたり。
どれも当時は「誰もやったことがないこと」で、赤井先生曰く、比較対象があると評価が厳しくなってしまうが、前例のないものは成功しやすいとのこと。
(先生は簡単におっしゃいますが、それに気づくことが難しいと思うのですが!)


赤井先生のお話を聞いていて、1980年代の学生たちの姿が、ありありと目に浮かんできました。
今の学生のみなさんも、先輩方に続けるよう、日々経験を重ねていってくださいね!

赤井先生、素敵なご講義をありがとうございました!

 

投稿:島田(学生課)