2017年7月22日

大阪芸大にヤバTが帰ってきた!

今日のブログは、7月17日(月祝)に行われた大阪芸術大学オープンキャンパスのプログラムの中から、特に人気だったものをピックアップしてご紹介します!!
 

何やら、大阪芸術大学がヤバイことに!?
オープンキャンパス開催中、来場者のみなさんが、1つの教室に吸い込まれるように次々と集まってきました!
これはただならぬ人気ぶり!!
一体どんなプログラムが用意されているのか…?


登場したのは、今若者たちの間で大人気のバンド「ヤバイTシャツ屋さん」(通称:ヤバT)です!!


こやまたくやさん(Gt.&Vo./映像学科卒業生)、しばたありぼぼさん(Ba.&Vo./映像学科卒業生)、もりもりもとさん(Dr.&Cho./芸術計画学科卒業生)による編成で、在学中から大阪を拠点に活動し、サマーソニックやROCK IN JAPAN FESTIVALといった大型ロックフェスティバルにも多数出演されています。
そして、昨年・2016年に、ユニバーサルミュージックから華々しくメジャーデビュー!!!
全国ツアーも全公演完売し、各地のフェスでも入場規制を連発するなど、世間を騒がせている話題のバンドなんですっ★


私も彼らが在学中の頃から、学園祭や大学外のイベントなどでライブを拝見してきました。
芸大の最寄駅を歌にした「喜志駅周辺なんもない」や(※喜志駅周辺にも、素敵なスポットはたくさんあります!笑)、ネコを飼いたいという想いを伝える「ネコ飼いたい」など、なんとも意表をついた楽曲がとても印象的!
なんだか、すごくクセになるんですよね!


そんな彼らの独創的なスタイルが若者たちの間で大流行!!
一体どんなプロデュースの結果、このような人気を得たのでしょうか!?

今回は、芸術計画学科のプログラムとして、”ヤバTのつくり方”(?)について1時間のトークショーを行っていただきました♪


ヤバTの売り出し方として上手いなと思うのは、SNSの使い方。
こやまさんは、
「芸大生の中には、作品をつくるだけで満足する人も結構いるけれど、僕は自分の映像作品を多くの人に知ってもらいたいと思う。だから、アカウントをつくって、面白いことをつぶやいて、まずは色んな人に注目してもらえるように努力しています。すごく良い音楽をつくる人でも、それを知ってもらう方法がわからないでくすぶっているのを見ると、もったいないと感じます。」
と話されました。
こやまさんと言えば、バンド活動だけでなく、在学中に自主制作したアニメ「寿司くん」でも大ブレーク!!
寿司くんとヤバTそれぞれ、SNSをきっかけにして多くの人に認知されるようになりました。
SNSを活用するのは、今どきですね!!

また、大阪芸大の魅力について、しばたさんは、
「私は、映像だけでなく、舞台音響とか、色んな”学びたいこと”がありました。
大阪芸大には、さまざまな学科があり、自分のやる気次第で他学科の授業も受講することができるところが良いです。私は映像学科を選んで入学したけど、芸大にいれば、映像以外のさまざまな芸術が学べるんです!だから、みなさんも1つ学科を選んで入学して、入学した後は色んな学科のことを学んで、サークルにも入ってください!」
と高校生たちに熱いメッセージを贈ってくださいました。


ヤバTのみなさん、オープンキャンパスを盛り上げてくださってありがとうございました!!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年4月25日

映像学科卒業生 足立慎吾さんにインタビュー!

みなさん、突然ですが…現在公開中の映画「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」はご覧になりましたか?
「ソードアート・オンライン」とは、小説家 川原礫さんによるライトノベル。
VR(バーチャルリアリティ)技術を用いたオンラインゲームの仮想世界を舞台に物語が描かれ、日本だけでなく海外でも高い人気があります!
2012年にテレビアニメ化され、2014年に続編となる第2期を放送。
そして、今年2月に公開された劇場版は、週末動員ランキングで初登場第1位(2/18-2/19)を記録し、公開17日目での観客動員数100万人突破!
深夜アニメの映画化作品の最速記録を更新しています。

そんな今大人気の「ソードアート・オンライン」には、本学の卒業生も制作スタッフとして参加しているんですよ!!
キャラクターデザイン・総作画監督を務めるのは、映像学科卒業生の足立慎吾さん!
足立さんは、「機動戦艦ナデシコ」で動画を担当し、「ロックマン エグゼ」では作画監督、「WORKING!!」でキャラクターデザインなどを担当されるなど、これまで数々のアニメ作品に携わっていらっしゃいます。


先日、足立さんが大阪芸術大学にお越しになりました!!
これは、お話を聞かなくちゃ!!ということで、取材させていただきました。

●大阪芸大ではどんな学生生活を過ごされましたか?
当時の映像学科の課題は、16ミリのフィルムを使用する決まりになっていました。
紙に描いた絵をカメラで撮影してアニメーションを作ろうと思うと、16ミリだとどうしても紙の質感が写ってしまうんです。
8ミリなら最適だったのですが、学科の課題としては使えないので、授業外でアニメーションを作ったりしていました。

※フィルムの幅が広いほど、鮮明に写ります。ちなみに映画で広く使われる代表的な規格は35ミリ。
 現在でも、映像学科では16ミリのフィルムカメラを使った実習も行われています!

●アニメーターになったきっかけは?
大学の先輩である石原満さんに誘われたのがきっかけで、アニメ制作会社「XEBEC(ジーベック)」に入社。
そこで「ロックマン エグゼ」のキャラクターデザインなどを手がけることになりました。

●「ソードアート・オンライン」ではどんなことを担当されたのですか?
原案をもとに、キャラクターの外見やイメージをアニメーション用にデザインしています。
アニメの制作には多くの人が携わるので、作家によって設定がぶれないように統一する必要があるんです。
また、映像だけでなく、広報用のポスターなどのキービジュアルもデザインしています。
公開までの時期に合わせてポスターデザインも変えていて、このポスター(写真に写っているもの)は、4番目のデザインなんです。
劇場に足を運んでもらうためには、どんなイメージが良いか考えてデザインしています。

●大阪芸大に入ってよかったことは?
色んな人にこの大学で出会えたことです。
例えば、「ソードアート・オンライン」では、ゲームを操作する時の画面(UI=ユーザインターフェイス)が表示されるんですが、
最初に出た案が、近未来のゲームにしては古くさい印象だったんです。
そこで、UIのシステムや動きのアイディアを、「テイルズシリーズ」に長く携わっていたゲームデザイナーである大阪芸大の同級生に相談しました。
本職のゲーム屋さんが考える未来のRPGのUIのイメージとはどんなものなのかと相談し、それがアイコンデザインやフォントデザインに活かされています。
在学中に出会った友人が卒業後いろんなスキルを身に着けた後、再集結して仕事の相談ができたりするのは助かりますし、嬉しいですね。

●大阪芸大で学ぶ学生、これから大阪芸大に入学しようという若者へのメッセージ
「大学でイラストを学びたい」という方もいると思いますが、イラストは独学でもしっかり描いていけば上達すると思うんです。
ですから、大学でしか学べないことを吸収してもらえたらな、と思います。
例えば、デッサンをきちんと教えてもらうとか、プロ並みの機材や施設を活用するとか…
そういう経験を踏まえた上で、イラストを描くことに繋げてみるのはどうでしょうか。

足立さん、ありがとうございました!!
これからの活躍にも期待しています!

 

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年12月1日

卒業生 西野壮平さん特別講演

11月24日(木)、写真学科卒業生の西野壮平さんによる特別講演が行われました。

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西野さんは大阪芸大在学中から、都市のアイコンの集積として表現された「Diorama Map」シリーズの制作を開始。
自らの足で都市を歩き、モノクロフィルムで撮影された膨大な数の写真を1枚1枚手作業でコラージュするという手法で、世界中のさまざまな都市を舞台に制作されています。

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2005年、新人写真家の発掘・育成・支援を目的とした文化支援プロジェクト「キヤノン写真新世紀」にて優秀賞に選出されて以来、国内外で個展やさまざまなグループ展で注目を集めている西野さん。
そんな西野さんがまずはじめに学生たちに向けて話されたのは、大阪芸大に通われていた学生時代の話でした。

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「講義を受けていた時、聞きたいことがあってもなかなか聞くことができなかった。自分が発言していいものか?そんなことも考えた。
 君たちに、たくさん質問しろ、と言うのではないけれど、大学の中で吸収できる目の前のことを、精一杯吸収してほしい」

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西野さんは学生の頃、フィルム1本分の写真を印画紙上に並べて作成した「コンタクトシート」に着目されたそうです。
これは、ネガフィルムよりもわかりやすく、撮影した写真を一覧で確認することができるシート。
自分が歩いた痕跡が1枚になっているのが面白いと感じられた西野さんは、この連続性を活かして作品を表現するようになったのだそう。
この表現方法が、「Diorama Map」シリーズに繋がります。

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ロンドンやリオデジャネイロ、ニューヨーク、東京など、世界中の都市を訪れ自分の足で歩き回り、絶好のロケーションを見つけてはシャッターを切り続けて来られた西野さん。
大体、1つの都市で2万枚もの写真を撮るらしいです!!
キャンバスにその写真をコラージュ。
膨大な時間と労力を費やして制作される作品は、1年で3都市できるのが精一杯だそう。
まるで地図のようであり、それでいて絵画のようであり…独特の世界観が構築されていますよね!!

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写真の世界で生き生きと活躍されている西野さんのお話は、写真学科の学生たちにとって大変刺激になったに違いありません!
西野さん、ありがとうございました!!

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年11月2日

季節外れの紫陽花?卒業生の活躍!

突然ですが、みなさんは「紫陽花(あじさい)」と聞くと、どんなイメージをされますか?
きっと、梅雨の季節を連想される方が多いのではないでしょうか。
イメージ通り、紫陽花は6月から7月にかけて開花し、俳句の世界では夏の季語とされています。

今日のブログは、11月にはちょっと季節外れ…?紫陽花に関する話題です。

現在、兵庫県神戸市の六甲山上では、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」を開催中です!
六甲山の土地柄や景観を活かした現代アート作品を通して、六甲山の魅力を発見してもらうことをテーマにした展覧会で、今年は総勢39組のアーティストたちが、展示やワークショップ、パフォーマンスで六甲山の更なる魅力を引き出しています。

このイベントに、大阪芸術大学工芸学科卒業生・大学院芸術制作研究科修了生で陶芸家の角倉起美さんも参加!
六甲高山植物園にて、作品を展示しています。

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角倉さんの作品のタイトルは、「紫陽花」!
秋の植物園に、美しい花を咲かせています。

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花びら一つひとつが陶器でできているそうです!!
とっても鮮やかな色使いで、それぞれが違う柄になっていて、角度によって作品の表情が変わって見えます。

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六甲山で制作に励む角倉さんは、四季折々の紫陽花を目にされているそうです。
秋には紫陽花は枯れて渋い姿を見せるのですが、その中で角倉さんが作り出した極色彩の紫陽花が、彩りの役割を補うかのように生き生きと存在しています。

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また、この作品には、面白い仕掛けが施されています!
内部にライトがセットされていて、夜になると柔らかな光が透けて見えます。
10月29日(土)から11月6日(日)にかけて、六甲高山植物園では「ザ・ナイトミュージアム」を開催。
植物園の木々が紅葉する時期に併せての延長営業で、ライトアップされたアート作品と紅葉を一緒に楽しむことができるんです♪

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みなさんもぜひ、秋の行楽に、六甲山上へのお出かけはいかがでしょうか?

大阪芸大ブログでは、こうした卒業生の活躍もたくさんご紹介して参りますね!

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」
2016年9月14日(水)~11月23日(水祝)
六甲山上各会場にて開催
>>角倉さんプロフィール

投稿:島田(企画広報部事務室)


2016年9月27日

「美術デザイナーって知ってますか?」

9月21日(水)、デザイン学科卒業生の坪田幸之さんと映像学科卒業生の楠川浩之さんを招いて、特別講義が開かれました。

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坪田さんのお名前に、見覚えのある方も多いのではないでしょうか?
実は坪田さん、今年5月にラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」のゲストとして出演されています。
バラエティ番組「さんまのまんま」や「芸能人格付けチェック」、テレビドラマ「LIAR GAME」、「ハチミツとクローバー」、「失恋ショコラティエ」など、数々のテレビ番組の美術セットを手がけられている方なんですよ!

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楠川さんは坪田さんの後輩で、同様に数多くのテレビドラマなどの美術デザインに関わられています!
また、グラフィック系を得意とされていて、ドラマの中に使われているグラフィックデザインやイラストなどもたくさん描かれているそうです!!

講義のテーマは「こんなに幅広い美術デザイナーの仕事」。

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冒頭での「美術デザイナーって知ってる?」という問いに、ほとんどの学生は知らない様子。
美術デザイナーとは、テレビ番組の大道具や小道具、装飾、役者のメイクや持ち道具に至るまで、美術に関する全てのデザインを手がける仕事です。

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講義では、坪田さんが実際に手がけられた番組を実例として挙げ、美術デザイナーの仕事が紹介されました!

まずは、2014年に大ヒットした”月9″ドラマ「失恋ショコラティエ」。
主人公・小動爽太松本潤)は、高校時代から憧れていたサエコ石原さとみ)を振り向かせたい一心で修行を積んで、一流のショコラティエになり、爽太のチョコレート店「ショコラ・ヴィ」を中心にした舞台で、さまざまな恋愛模様が交差するストーリーです。
この「ショコラ・ヴィ」の店内は大きなシャンデリアが印象的で、チョコレート色をベースにした店作りがとっても可愛くて、さらにはガラスから差し込む光が不思議なくらい美しく感じるんです。

坪田さんは、「このドラマでは、主人公の松本潤さんに神々しさをもたらすセット作りを意識した」と話されます。
ドラマのセットですから、本物のショコラティエの店舗を作っても意味がないのだそう。
あえて斜めにステンドグラスを付け、そこから差し込む光が主人公を美しく照らすような効果も演出したそうです。

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続いて紹介されたのは、2007年にシーズン1、2009年にシーズン2、そして2010年には劇場版も公開された「LIAR GAME」という作品。
主人公・神崎直戸田恵梨香)が、1億円という大金をかけたゲーム「ライアーゲーム」に強制的に参加させられることになってしまい、さまざまな騙し合いのゲームを展開していくストーリーです。
このドラマでは、ネオンのような鮮やかな色合いの装飾が目立ち、幻想的で不気味な世界が広がっているのが特徴的。

ドラマでは普段絶対に使わない色使いをわざと使った」のだそうです。
実は原作の漫画では、廃墟の図書館や学校のような背景しか描かれていないので、同じストーリーをベースにしているのに、全く世界観が違うんです。
原作やト書き(※)から想像できる世界を、さらに超えるセットを作る」のが、美術デザイナーの仕事をする上で意識されていることだそうです。
(※ト書き…脚本の中で、台詞<セリフ>の間に俳優の動き・出入り、照明・音楽・効果などの演出を説明したり指定したりした文章)

この他にも、イベントの美術デザインの事例として「居酒屋えぐざいる」のセットなども紹介されました。
私たちが普段何気なく見ているもののあちこちに、美術デザイナーのこだわりが詰まっており、無意識の内にその世界観に誘われているのだと気づかされました!

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お二人は、学生たちに向けて「学生の間は、色んなものに興味を持って、自分に何ができるか見つけてほしい」と話されました。
美術デザイナーは、何かしらの強みを持っていなければ務まらない仕事なのだそうです。
グラフィックが得意な人もいれば、立体造形が得意な人、イラストを描く力に長けた人など、十人十色。
「必ずしもこの能力が必要」という訳ではなく、「自分の得意分野をどのように生かすか」が大切だそうです。
そして、興味あるものを見つけたら、「じゃあそれってどんな仕事に繋がるのか?」を考えて欲しいと伝えられました。

“将来、なんとでもなる”と思っている学生のみなさん、なんとかなりません!強みを見つけて、それを磨く努力をしてください!
そんなメッセージが強く心に響く、大変熱い講義でした!
坪田さん、楠川さん、ありがとうございました。

投稿:島田(企画広報部事務室)