2008年11月28日

大学院 工芸展

本日まで体育館ギャラリーで行われていた「大学院 工芸展」を見てきました。この展覧会は大学院博士課程[前期]工芸領域の1回生による作品展です。本日、午前中合評会が行われたようです。その合評会場にお邪魔できればよかったのですが、伺ったのは15:00を過ぎてから。閉館の17:00(最終日)までになんとか間に合いました。
大学院 工芸展
ガラス工芸、金属工芸、染織、陶芸の10人の作品が体育館ギャラリー全体を使って展示されています。それぞれの作品の世界が干渉しあわないように全体的にゆったりと展示されています。
大学院 工芸展
学部の卒業制作のテーマや技法を発展させて制作されたものが多かったように感じました。会場に入ってすぐのガラス工芸の作品『COCCO”いつかのカタチ』(高田賢三さんの作品)も一目見て高田さんの作品だとわかる作風でした。板ガラスを積層させる細かく丁寧な仕事は卒業制作『Myplant』という作品で使われた手法です。
大学院 工芸展
目線より高い位置に展示されている大きな金属工芸の作品は、ボブさんです。彼の名前を知っている方も多いと思います。
大学院 工芸展
今も金属工芸コースの研究室前に『はじめましてボブです。』」(北 直人さんの作品)という卒業制作が置かれていますが、今回の作品はそのボブが物思いにふけっている作品『もう一度あの夢がみたいな』です。“あの夢”ってどんな夢なんでしょう?
大学院 工芸展
次の作品は白く薄い布で区切られた空間に展示された『poko poko』(木林由佳さんの作品)。作品名の音感のとおり、床面からどんどん生まれ出てくるような形です。水中での浮力のような上向きの力やカタチが成長していく時間が感じられます。
大学院 工芸展
染織の作品『調和』(李 美淑さんの作品)は綿とシルクをつかった大きな作品です。真ん中に刳り貫かれた四角い部分が全体の重量感を切り替えて軽やかにしています。色や質感だけでなく形にもこだわった染織作品でした。
大学院 工芸展
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月下旬に行われていたテキサヘドロンでも展示されていた染織作品『顔』『目のない顔』(藤岡由衣さんの作品)は、黒が美しい作品です。卒業制作『混在する自我』から一貫した作風です。コントラストの妙は藤岡流。力を感じます。そして作品の中に表現されているものを見つける面白さがあります。
大学院 工芸展
会場のなかで一際華やかなのが『笑うおしり』(杉本ひとみさんの作品)です。卒業制作『欲張りなお尻』からテーマを発展させた作品です。
大学院 工芸展
お尻のフォルムにこだわりながらも、身の回りの様々な形を取り入れて表現されています。制作された作品の数も多く、展示方法も変化を付けています。クルクルと回って拡がったスカートの下からお尻が見える(お尻を見せる)ような展示は、とても愛らしい。
大学院 工芸展
凛とした存在感があるのが『building』(金城有華さんの作品)です。爪先立ちする足に施された螺旋階段。四角くあけられた孔は窓のよう。
大学院 工芸展
大学から見えるPLの塔は、忍者がドロンとやるときの手の形のようなものがイメージされていると聞いたことがありますが、この作品も建築的にありですね。意味深いです。
大学院 工芸展
人体をテーマにした陶芸作品は廣江美響さんの作品です。2つの作品のどちらもが“女性”を強くイメージさせる作品で「no title」となっています。作品名による先入観を排除しています。花が施された位置や細かな襞の形状は女性器を連想させる作品です。

そして最後は鈴木翔さんと倉田篤志さんが共同制作された作品『百景園』です。コケを施したいかにも日本的な印象とともにユーモアを兼ね備えた作品です。シンプルで柔らかな曲線はプロダクトの作品として成立しそうです。
大学院 工芸展
もう片方の作品は水盤を使った作品です。水面から離陸できる飛行機のような機械の大きなプロペラが回転しその振動が水盤に複雑な形の波紋を作り出します。機械の水上の動きが安定してくると、波紋は定常波となり水面が美しい表情になります。
アストロ温泉 百景園
と、観てきた「大学院 工芸展」。毎年、工芸学科の卒業制作も見応えがありますが、大学院生の作品展はそれぞれの学生さんを作家としてみて、作品の変遷を見届けるというか、その歴史を知るという点で面白いですね。

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2008年11月27日

女子駅伝部練習風景。ゲストに増田明美先生。

まもなく12月。日も短くなり、夕方5時を過ぎるともうすっかり暗くなります。日中ポカポカと暖かい日でも、この時間帯になると息が白くなります。昨日はグラウンドの夜間照明が点灯する中、駅伝部の練習が行われていました。
女子駅伝部 増田明美 中瀬洋一 グラウンド 夜間照明
練習には中瀬監督と女子駅伝部員の福原汐美さん、有志で教務課から女性職員の方が2名。そしてゲストとして増田明美先生と木脇祐人氏も練習に参加していただきました。いつもより賑やかな練習風景でした。
女子駅伝部 増田明美 中瀬洋一 グラウンド 夜間照明
夜間照明はとても明るく、昼間と変わらず良い写真が撮影できることを期待していましたが、これがうまくいかず、先生方には止まった状態でポーズをとってもらいました。
女子駅伝部 増田明美 中瀬洋一 グラウンド 夜間照明
昨日は軽めの練習だったようです。グラウンドを5周してのウォーミングアップ。その後、芸坂を含めた大学の外周を1周。グラウンドに戻ってクールダウンとしてさらに少し走って、ダッシュを何本か走る全体で5?程度のメニューでした。練習の最後のダッシュによって長距離的疲労が短距離的疲労に変化して、筋肉の疲れが抜けやすくなるのだそうです。
女子駅伝部 増田明美 中瀬洋一 グラウンド 夜間照明
これからはマラソンや駅伝の本格的なシーズンになります。学内を駆け抜ける練習風景を見かけたら是非みなさんご声援を!

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2008年11月26日

「さよなら」だなんて、言うなよ…。

アートストリーム2008エルマガジン賞”受賞、The Sixへの参加など大活躍中の「アストロ温泉」が何故「さよなら」だなんて・・・。
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
現在、体育館ガーデンギャラリーでは『さよなら、アストロ温泉』が開催中です。まさか、これが見納めなのか?そして何故ポスターがこのビジュアルなのか?
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
会場はガラス面を暗幕で塞ぎ、真っ暗な中で展開するアストロ温泉ワールド。観光局長のスズキ氏によると、ディスコ風な空間を目指したのだとか。
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
丸いサーキットをグルグル駆け抜けるミニ四駆がコース上に仕掛けられた電飾のスイッチ入れていくの作品など新作も登場しています。
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
そして今まで謎に包まれていたアストロ温泉のジオラマの展示などアストロ温泉ファン必見です。へー、アストロ温泉の周辺はこうなっていたのか!
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
そんなアストロ温泉がなんと求人活動を始めています。「アストロ温泉観光局局員、急募!!」。広報部長のタカギさんの卒業に伴い「急募」なのだそうです。雇用条件、待遇などは今回の会場に設置されている求人案内にてご確認ください。
アストロ温泉 Talente2009 ブリーゼタワー TheSIX
これから年末に向け東京で開かれる「The SIX」への参加、西梅田・ブリーゼブリーゼで開かれる「via art OSAKA 2008」、来年にはドイツ・ミュンヘンでの「Talente2009」への出展などなど、とにかく忙しくなってきたアストロ温泉。えっ、ミュ、ミュ、ミュンヘンですかぁ?!つ、ついに海外進出なんですね。そりゃぁ、人でも必要ですね。

そのミュンヘン行きの作品「百景園」が隣のギャラリーで開催中の「大学院 工芸展」に出品されています。コチラも是非ご覧アレ。こんなに活発に活動しているのにホントに「さよなら」なんですか?センチメンタルになった人は体育館ギャラリーへ。

●「さよなら、アストロ温泉」
 2008年11月25日(火)→11月28日(金)
 11:00-19:00
 総合体育館ガーデンギャラリーにて

●大学院 工芸展
 2008年11月24日(月・祝)→11月28日(金)
 総合体育館ギャラリーにて

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2008年11月25日

写真新世紀 優秀賞受賞 小山航平さん

今月8日から東京都写真美術館で開催されている「写真新世紀 東京展2008」(キャノン主催)。今年の応募者1,517人から選ばれた優秀賞受賞者6名および佳作受賞者2830名の受賞作品が展示されています。
>>>
写真新世紀

今月末までの展示期間内の1128日には、優秀賞受賞者の中からグランプリ(1名)を選出する公開審査会が行われる予定になっています。その優秀賞受賞者6名の中に今年写真学科を卒業した小山航平さんが選ばれています。小山航平さんを優秀賞に選んだのは森美術館館長・南條史生氏。受賞作品は卒業制作で手掛けた「白夜夜行」。小山さんはこの作品で学長賞を受賞されています。幻想的なモノクロの8枚の組写真です(今年2月ブログでも紹介した作品です)。
CANON キャノン 写真新世紀 小山航平
不思議な夢の中の世界を旅するような作品は、8枚それぞれが別世界への入り口のようで、入ってみたいような、入るともう戻って来れなくなってしまいそうな、そんな気持ちになるとてもすばらしい作品です。写真新世紀のホームページにそのうちに1枚が紹介されていますので是非ご覧ください。
CANON 東京都写真美術館 写真新世紀 2008 小山航平
28
日の公開審査会では、受賞者本人による作品紹介とそれぞれの審査員の方々の作品講評も聞くことができるそうです。28日の審査結果に注目です。小山さん頑張ってくださいね。
※ちなみに公開審査会の参加には事前申込みが必要です。

●写真新世紀 東京展 2008
  2008年11月8日(土)→11月30日(日)
  10:00→18:00 (木・金曜日は20:00まで、毎週月曜日休館)
会場:東京都写真美術館 地下1F 展示室

入場料:無料
↓詳細はこちら
>>>東京都写真美術館ホームページ
>>>写真新世紀 NEWS(2008年9月19日分)

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2008年11月22日

資生堂・山形季央氏 特別講義

昨日午後、芸術情報センター・AVホールにて株式会社資生堂宣伝制作部部長・デザイン制作室長の山形季央氏による特別講演が開催されました。山形氏は、1976年本学デザイン学科卒業後、株式会社資生堂に入社。現在、クリエイティブディレクターとして活躍されています。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
資生堂には、ブランドを決める委員会があるのだそうですが、まず最初にブランドの条件を挙げられました。
 1.物語・歴史があること。 
 2.研究・情報の蓄積があること。 
 3.高品質・適正価格であること。
 4.人から人に手渡されること。
 5.人間性があること。
 6.厳しい自己規制があること。
 7.伝統を大切にする心、絶えざる革新の心があること。
 8.世界的であること。
この8つの条件は、アートプランナーとしての条件でもあるとのこと。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
資生堂には、独自の資生堂書体というものがあり、入社当初、新入社員はこの書体を手書きするという作業をひたすら繰り返すのだそうです。先輩方に見せにいくと、そこで「資生堂とは・・・」といったやり取りがされるのだそうです。こうして資生堂の理念が伝えられ、歴史、伝統を重んじながら、新しい取り組みに展開していくのでしょう。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
山形氏は、「まわり道をしました」とおっしゃっていました。「本社で広告の仕事がしたい」という思いをもちながら、東京本社から大阪分室へ、そしてパリ駐在。しかも「グラフィックがしたい」とおもっていたのに、ウィンドウディスプレイを担当。でも、パリでの立体の仕事は、後にディレクションという仕事のなかで役に立っていくそうです。また、セルジュ・ルタンス氏との出会いによって、『デザイナーは、一瞬にして世界と通じることができる』ということを強く感じたそうです。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
その後も「やっと宣伝部なのに、国際部門へ」「やっと宣伝部なのに、マーケティングへ」と、思いはなかなか叶えられない中、山形氏は自社の仕事とは別に、本の装丁の仕事をする機会を得、その作品『艶のかたち金沢』(田原桂一写真)によって東京ADC賞を受賞されます。その後も『AMAGATU』(上田義彦写真)などのブックデザインを担当されています。これらの本は、本学図書館も所蔵しているようなので、是非みなさん図書館で一度実物をご覧になってはいかがでしょうか。

山形氏は、「出会いが人を決める、自分で考えるが合言葉」とし、人との出会いの機会を自分自身で積極的につくってこられたそうです。また、頼まれなければ制作しないのではなく、自分で積極性を持って、作品制作においては、「強く美しく、簡潔丹精かつ華がある」をモットーに、自分を信じ、他にないものを心がけるそうです。最後に「目的地があれば、まわり道でもいいんだ」とまとめられました。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
作品などをスクリーンに投影しながら、終盤では資生堂のCMも上映。
>>>資生堂企業広告CMはこちら
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
質疑応答では、学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。

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