2009年12月29日

未来記憶圏からの目覚め

         

万博公演アートプロジェクト「未来記憶圏からの目覚め<冬>」に行ってきました。
このアートプロジェクトは夏と冬の二つの季節をつないで展開されるビッグプロジェクト。
<夏>の様子は以前ブログでお伝えしました。

夏の様子は以前のブログでチェック!!

クリスマスムードのこのシーズンに行われた今回の「冬」は、
この季節にあわせたロマンティックな演出と子どもたちも楽しめる企画が盛り込まれていました。

ロマンティックな演出が一層ムードと高めます!!

凍える空からは小雨もちらつくほどの生憎の天候。
それにもかかわらずどんどん集まってくる人、人、人。
このアートプロジェクトにかかわった大阪芸術大学のスタッフは約200人。
来場者の方にとっても、スタッフにとってもまさにお祭りです。

大阪芸術大学のスタッフは総勢200名!!

この200名からなるアートプロジェクト・コミッティを率いるのは芸術計画学科の谷悟先生。
今回のアートプロジェクトには大阪芸術大学のたくさんの学生、先生方が参加しています。

学科の枠を越えて実現した今回のプログラム!!

工芸学科の全面協力によって実現した光のプロムナードや
演奏学科のパーカッショニストたちによる打楽器アンサンブル、
アストロ温泉ワークスとして太陽の塔の子機やおなじみ「シンドウさん」も登場していました。
さらに通信教育部の建築学科生による「ななめ箱」の体験。

映像学科が映像パフォーマンスを担当!!

太陽の塔に投影する映像パフォーマンスはクリエイティブディレクターのアサオヨシノリ先生の監修で、
映像学科の方々の制作です。会場に流れる全ての音楽とサウンドスケープは大学院・音楽制作専攻生が担当しました。

学科の枠を超えて実現したアートプロジェクト!!

質の高いアートプロジェクトを完成させるために手抜きなしの制作をモットーとするツワモノが集結しました。
学科の枠を超え横断的なつながりの中で生まれるアートプロジェクト。
大阪芸術大学だからこそココまでできる、って感じがしました。

かつて大阪万博でたくさんの人々が夢を描いた場所。
1970年以降の世界のどの国も真似することすらできないでいる太陽の塔がある場所。
そんな千里万博公園に触発され、その場所にふさわしい特別な表現が生まれ、そこに人が集う。
送り手はアートのチカラをシンジ、受けては能動的な姿勢で時間を共有する。
プロジェクトを構成する要素の一つ一つが「寄せ集め」ではなく、五感を刺激するための巧みな計算の下、
やさしく来場者を囲い込みます。
単なる「イベント」としては語れない企て。
芸術計画学科で学ぶアートプロジェクトの手法が様々な形で垣間見ることができました。

『出会った瞬間には度肝を抜かれるけど、気がつくと親しみを感じている。
愛想がいいわけではないのに憎めない。そのうちにアドレナリンが分泌されてくる。
そしていつか誇らしい気分になっている。「太陽の塔体験」を一言でいえばそんな感じだろうと思う。
そもそもなにを表しているのかもわからないし、なんのために立っているのかさえわからないのだ。
意味もわからないのに身体が反応している。
太陽の塔がいまを生きるぼくたちを惹きつけるのは、きっと日本人の血の中にあるなにかと交信しているからだ。
太陽の塔はいまでも生きて、僕たちを挑発している。そう考えるしかない。』
平野暁臣 著「岡本太郎」(PHP新書)より抜粋

誤解されていることが多いようですが、太陽の塔は大阪万博のシンボルタワーではありませんでした。
EXPO70にはれっきとした「エキスポタワー」なるシンボルタワーがありました。
今、万博跡地には太陽の塔だけが残っています。古代からずっとそこに立っているように。
そして永久保存することが決まっているそうです。

大阪万博の総合プロデューサーだった岡本太郎が考えたEXPO70のキーワードは
「ベラボー」と「祭」だったそうです。当時この万博を壮大な「祭」の空間にしようとしていたのだとか。

太陽の塔にメッセージを送る「交信」が始まりました。
この企画の冬テーマは「新しい夢を見る」。
来場者の方々が携帯電話を通じて、それぞれが思い描く夢を言葉にして太陽の塔に語りかけます。

「10年後もまた来ようね★☆」

「10年後もまた来ようね」そんな文字が投影されました。

万博から40年。このような形で今でも多くの人々が太陽の塔の下に集う。
2009年版の「祭」をこのアートプロジェクトによって提示することができたのではないだろうか、
そんな思いが浮かんできました。そしてこの「祭」の形が提示されたことによって、
参加者の心には未来への道が描かれたような気がしています。

このアートプロジェクトに参加された学生の皆さん、先生方、各分野のスタッフの皆様、
関係者の皆様、長期にわたり本当にお疲れ様でした。
ベラボーに素敵なプロジェクトでしたよ。

●万博公演アートプロジェクト
「未来記憶圏からの目覚め<冬>」
2009年12月20日(日)~24日(木)

投稿者:教務課


2009年12月28日

キャラクター造形学科1年生・住吉峻さんが手塚賞佳作受賞!

      

 芸大は冬休みに入って一週間が経ちますが、皆さん風邪を引いてはいませんか?体調管理には十分気をつけて下さいね★☆
 芸大ブログは大晦日まで更新しますよ!!今日のブログはキャラクター造形学科の林先生からの投稿を頂きました!!

授賞式の様子

 今月14日、平成21年度手塚賞・赤塚賞の授賞式が、東京都千代田区の帝国ホテル二階孔雀の間において行われました。

 特に本年度上期の第77回手塚賞は受賞作の多いレベルの高い審査となりましたが、その中で本学キャラクター造形学科1年生・住吉峻さんの『PEACE』が見事、佳作に選ばれました。

あの鳥山明先生の評価は自信に繋がりますね!!

 手塚治虫先生の名を冠したこの『手塚賞』は日本漫画界の登竜門として1971年に創設。毎年半期に一度、審査会が行われています。

 週刊少年ジャンプで連載されている『バグマン』の小畑健先生、『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博先生、『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生、『賢い犬のリリエンタール』の葦原大介先生も手塚賞を受賞してデビューされた先生方です。

住吉さんの作品!!是非読んでみたいです!!

 応募作397編の中から厳しい選考を通過した住吉さんの『PEACE』は、審査委員を務められた鳥山明先生から「独特の魅力を持っている」と高く評価され、18歳という将来性も加味されての受賞となりました。

 キャラクター造形学科からは卒業生・菊田タクミさんに続いての受賞です。ジャンプSQ2(→ローマ数字)でデビューされた菊田さんに続く、住吉さんのデビューが待ち遠しいところです。

投稿者:林日出夫(キャラクター造形学科・准教授)


2009年12月25日

クリスマスを彩る・・・ 図書館所蔵品展

  

 図書館4階展示コーナーでは、12月25日(金)まで大阪芸術大学図書館所蔵品展『ヨーロッパ中世写本ファクシミリより
写本挿絵に見る 東方3博士(マギ)の礼拝図
』を開催しています。

『ヨーロッパ中世写本ファクシミリより 写本挿絵に見る 東方3博士(マギ)の礼拝図』開催中です。

 芸大図書館では毎年この時期、本学文芸学科教授 水島ヒロミ先生のご協力を得て、中世ヨーロッパで作られた写本の
ファクシミリを展示しています。
 「印刷本が作られる以前、書物は一冊一冊、人の手で作られていました。書物作りは、羊や仔牛の皮を獣皮紙に加工し、
インクや顔料を用意するところから始まります。さまざまな準備を整えてから、テキストを書き写し、場合によっては
装飾文様や画像を描きます。書物は単なる媒体以上の価値をもっていました。世界にたった一冊しかない書物、テキストが
同じでも書物としては一冊一冊が異なっていました。
 文字とイメージの世界を一冊まるごと複製したのがファクシミリとよばれる特殊な書物です。元の写本そっくりに複製
するために、虫喰いや、切り取られた跡、変色などもそのまま再現されています。 
 芸大図書館が所蔵する、このようなファクシミリの中から、毎年テーマを決めて数点を展示しています。
今年は『東方3博士の礼拝図』がテーマです。『マギの礼拝』とも、『三王礼拝』とも呼ばれているテーマです。
時代によって変化する3人のマギの姿に着目しながら、それぞれの挿絵を楽しんで下さい。礼拝の場面以外に、眠っている
マギにお告げが告げられる場面や、旅姿のマギも見つかるはずです。」と水島先生から展示の見所などを伺いました。

開催場所は図書館4階展示会場です。

同じ場面を色々な写本で見比べるのは、とても興味深いことです。メトロポリタン美術館所蔵のとても美しい彩色の
『ベリー公の美わしき時祷書』やオーストリア国立図書館所蔵の落ち着いた絵柄の『クロイの時祷書』など時代や地域に
よっても異なる色々な手法の挿絵を是非、ご高覧ください。

図書館所蔵品展はOUA-TVでもミュージアム・ライブラリチャンネルにて放送中です!!

大阪芸術大学図書館所蔵品展は、年に6回程、各学科の先生方のご協力を得て開催しています。
また、放送学科アナウンスコースの学生さんに展示解説のナレーションを務めてもらい、OUA-TVのスタッフが展示風景の
撮影を行っています。その映像は、学内の大画面やインターネット上の芸大テレビでも放映していますが、システム管理
センターの協力を得て、図書館HPの図書館所蔵品展からもご覧いただくことができます。教員や他課との連携による取り組み
は、他大学からも高い評価をいただいています。
そして、それは、貴重なデータベースとして認められ、国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス『Dnavi』
でも検索することができます。
見逃してしまった展示やもう一度見たい展示など、所蔵品展のデータベースから紐解いて、是非ご鑑賞ください。

大阪芸術大学図書館所蔵品展
『ヨーロッパ中世写本ファクシミリより 写本挿絵に見る 東方3博士(マギ)の礼拝図』
平成21年12月1日(火)- 12月25日(金)
大阪芸術大学図書館4Fにて開催中(芸術情報センター内)

大阪芸術大学図書館HP
http://www.osaka-geidai.ac.jp/library/

「Dnavi-国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス-」
http://dnavi.ndl.go.jp/
国立国会図書館では電子図書館事業の一つとして、インターネット上の各種データベース・サイトを案内するデータベース・
ナビゲーション・サービスが実施されています。テーマ検索もできます。


2009年12月24日

大阪芸術大学映画館試写会

  

 今年もクリスマスがやってきました!!皆さんは、サンタさんにどんなクリスマスプレゼントをお願いしましたか!?
 芸大ブログは映像学科さんからブログ投稿を頂きました!!ありがとうございます!!
 
大人気コミックがついに実写化!! 皆さんこんにちは。映像学科です。

 12月7日(月)『彼岸島』試写会&アクターズ・スタジオIN映画館へたくさんのご応募ありがとうございました!!残念ながら今回当選できなかった学生さんも、次なる企画が進行中ですので、是非ご応募ください!!

開場前には長い行列ができました!!
 この度映像学科では、最新話題作を劇場公開前に学内において鑑賞頂ける“プレミア試写会IN映画館”第二弾!を去る12月7日(月)に行いました。上映作品は2010年1月9日公開『彼岸島』(配給:ワーナーブラザーズ映画)。今回は特別に、試写会だけでなく舞台芸術学科のご協力のもと「アクターズ・スタジオIN映画館」と題しまして、主演を務めた石黒英雄さんをゲストにお招きし、演技について、作品について熱く語って頂きました!!!

 映画館前には開場を待つ学生の列ができ、12月寒空の下、たくさんの学生が詰めかけました!

 話題作&石黒さんを一目見ようと、イベントの総エントリー数は130名と、たくさんのご応募頂きました。ありがとうございました。本作は、2時間2分という大作。サディスティックで見事なアクションに圧倒されながらも、本編が終了。衝撃的なシーンの連続に会場は騒然となりましたが、胸を打つ友情と人間ドラマに、すっかり本作の虜になった学生も多いはず!!

 上映後は皆さん、お待ちかねの石黒英雄さんの登場です。新人とはいえ、さすがプロの役者さんですね!キラキラしていて、オーラが違います!

 石黒さんは、緊張気味の司会者にツッコミを入れるほど親しみやすい、そしてカッコイイ方でした。学生の質問にも“全部答えます!!”と自ら立ち上がり、笑いを交えながら積極的に答えて下さいました。同世代の学生とのワークショップということで、同じ世代の目線を大切にして下さり、演じることの魅力を語って下さいました。

カッコいいです!!さすがプロの役者さんです!!<学生の質問から…>
Q.原作のコミックは参考にされましたか?
A.役が決まってすぐ本屋に走り、全巻買って読みました!

Q.ユキ派ですか?レイ派ですか?
A.コミックはユキちゃん派ですが、映画はレイさん派です(笑)。

Q.一番見てほしいシーンはどこですか?
A.ポンとのシーンです。コミックでもあそこが一番好きです。

Q.芝居をするときに心がけていることは?
A.事務所に入った頃は、カメラの前に立つのが恥ずかしかったり、台詞も羅列している時期があった。「エリートヤンキー三郎」の時、脇の役者さんの芝居や監督からのアドリブを多用した作品で、演技を楽しむことができた。今は、カメラの前でかっこよくなくてもオープンにしている。心をオープンにして、カメラにさらけ出している。楽しむことと自分を知ることを大事にしています。

撮影現場での貴重なお話も聞かせて下さいました!!
 最後に、石黒さんから学生たちに熱いメッセージを頂きました!!
 「皆さん、夢を絶対、あきらめないでください。あきらめなければ、きっと叶いますし、それに近づく行動をすれば、絶対になれること。みんなその気持ちを忘れずに、頑張ってください。ぼくらは、待ってます。この中から、将来一緒に仕事をする人もいると思います。その時は、宜しくお願いします。」

 俳優を志す舞台芸術学科の学生たちは、同世代ながら一足早くプロの現場で活躍する石黒さんのお話を聞くことにより、とてつもなく大きな刺激を受けたことでしょう。
 また映像学科で映画監督を目指す学生たちも、映画を演出する上で最も大切な“俳優を知る”ということの一助となり、とても有意義なイベントになりました。

 『彼岸島』の原作は、講談社「週刊ヤングマガジン」で連載300回を超える松本光司の人気漫画で、原作の大ファンという参加学生もいました。単行本の売り上げはなんと、累計410万部超。日本のみならず、韓国、台湾、タイなどのアジアだけでなく、フランスなどのヨーロッパでも出版されている大人気コミックシリーズです。壮絶なアクション描写などは「実写不可能」と言われてきた話題作が、いよいよスクリーンへ。
 予告編、想像をはるかに超えた、衝撃作です。観ていて痛みを感じるサディスティックなシーン。胸を熱くする友情。惚れ惚れするアクションシーンの連続に、スクリーンから目を離せません!!出演者の役者魂を感じる渾身の一本です。
 

この冬は『彼岸島』!!是非劇場で震えて下さい!!

アクションシーンは圧巻です!!@2010 松本光司/講談社・「彼岸島」フィルムパートナーズ

原作:松本光司「彼岸島」(講談社刊「ヤングマガジン」連載)
監督:キム・テギュン(『火山高』『オオカミの誘惑』)
脚本:大石哲也(『MW-ムウ-』『デスノート』シリーズ)
出演:石黒英雄/渡辺大/水川あさみ/山本耕史 ほか
主題歌:9mm Parabellum Bullet 「命ノゼンマイ」(EMI Music Japan Inc.)
上映時間:2時間2分
ジャンル:サバイバル・アクションエンターテイメント
製作:「彼岸島」フィルムパートナーズ
配給:ワーナー・ブラザーズ映画
公式HP:www.higanjima.jp

投稿者:映像学科


2009年12月21日

「にっぽん‐大使たちの視線2009」写真展開催中

    

日本人も気付かなかった「わび、さび」もあるかも?

 12月16日(水)よりほたるまちキャンパスギャラリーで「にっぽん‐大使たちの視線2009」写真展が開催されています。

 この写真展は、世界各国の在日大使をはじめとした外交官の方々が、日本国内で撮影した写真の展覧会です。1998年に第1回が東京で開かれ、本年で12回目を迎えています。大阪には2000年の第3回から巡回するようになり、昨年は大阪国際交流センターのギャラリーで開催されていました。

日本っていいところなんだなって改めて実感しました。

 作品は毎回決められるテーマに沿って撮影され、本年は「Colors of Japan」をコンセプトに「Wabi-Sabi(わび、さび)」をテーマにした作品と日本を自由に捉えた作品が出品されています。39カ国61名の各国を代表する大使たち、文化や慣習が異なる彼らが日本をどう捉えているのか、「わび、さび」をどのように感じ、理解して、どこに見いだしているのか、大変興味深い作品が展示されています。

会場近くでは「光のルネサンス」も開催中です!!
 11時から19時まで会期中無休で開催しています。折しも、堂島川を挟み「光のルネサンス」も開催されています。是非、この機会にほたるまちキャンパスに足を運び、合わせてお楽しみください。

「にっぽん‐大使たちの視線2009」写真展
会場:大阪芸術大学ほたるまちキャンパスギャラリー
会期:2009年12月16日(水)~24日(木)
時間:11時~19時
会期中無休・入場無料
お問い合わせ先:大阪芸術大学ほたるまちキャンパス
TEL 06-6450-1515
 

          「わび、さび」を日本語で表現できますか?いろんな国の大使が感じる「わび、さび」とは…