図書館4階展示コーナーでは、12月25日(金)まで大阪芸術大学図書館所蔵品展『ヨーロッパ中世写本ファクシミリより 写本挿絵に見る 東方3博士(マギ)の礼拝図』を開催しています。
芸大図書館では毎年この時期、本学文芸学科教授 水島ヒロミ先生のご協力を得て、中世ヨーロッパで作られた写本の ファクシミリを展示しています。 「印刷本が作られる以前、書物は一冊一冊、人の手で作られていました。書物作りは、羊や仔牛の皮を獣皮紙に加工し、 インクや顔料を用意するところから始まります。さまざまな準備を整えてから、テキストを書き写し、場合によっては 装飾文様や画像を描きます。書物は単なる媒体以上の価値をもっていました。世界にたった一冊しかない書物、テキストが 同じでも書物としては一冊一冊が異なっていました。 文字とイメージの世界を一冊まるごと複製したのがファクシミリとよばれる特殊な書物です。元の写本そっくりに複製 するために、虫喰いや、切り取られた跡、変色などもそのまま再現されています。 芸大図書館が所蔵する、このようなファクシミリの中から、毎年テーマを決めて数点を展示しています。 今年は『東方3博士の礼拝図』がテーマです。『マギの礼拝』とも、『三王礼拝』とも呼ばれているテーマです。 時代によって変化する3人のマギの姿に着目しながら、それぞれの挿絵を楽しんで下さい。礼拝の場面以外に、眠っている マギにお告げが告げられる場面や、旅姿のマギも見つかるはずです。」と水島先生から展示の見所などを伺いました。
同じ場面を色々な写本で見比べるのは、とても興味深いことです。メトロポリタン美術館所蔵のとても美しい彩色の 『ベリー公の美わしき時祷書』やオーストリア国立図書館所蔵の落ち着いた絵柄の『クロイの時祷書』など時代や地域に よっても異なる色々な手法の挿絵を是非、ご高覧ください。
大阪芸術大学図書館所蔵品展は、年に6回程、各学科の先生方のご協力を得て開催しています。 また、放送学科アナウンスコースの学生さんに展示解説のナレーションを務めてもらい、OUA-TVのスタッフが展示風景の 撮影を行っています。その映像は、学内の大画面やインターネット上の芸大テレビでも放映していますが、システム管理 センターの協力を得て、図書館HPの図書館所蔵品展からもご覧いただくことができます。教員や他課との連携による取り組み は、他大学からも高い評価をいただいています。 そして、それは、貴重なデータベースとして認められ、国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス『Dnavi』 でも検索することができます。 見逃してしまった展示やもう一度見たい展示など、所蔵品展のデータベースから紐解いて、是非ご鑑賞ください。
大阪芸術大学図書館所蔵品展 『ヨーロッパ中世写本ファクシミリより 写本挿絵に見る 東方3博士(マギ)の礼拝図』 平成21年12月1日(火)- 12月25日(金) 大阪芸術大学図書館4Fにて開催中(芸術情報センター内)
大阪芸術大学図書館HP http://www.osaka-geidai.ac.jp/library/
「Dnavi-国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス-」 http://dnavi.ndl.go.jp/ 国立国会図書館では電子図書館事業の一つとして、インターネット上の各種データベース・サイトを案内するデータベース・ ナビゲーション・サービスが実施されています。テーマ検索もできます。
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