2011年8月22日

Worldmaking Exhibition of 5 versions 2kw gallery

world000.jpg  7月11日から23日までグループ展が行われました。その参加者に田中秀介さん(美術学科09卒)、中川雅文さん(美術学科97卒)、梅原彩香さん(美術学科09卒)、奈良田晃治さん(美術学科09卒)が参加されていました。

 

world001.jpg 今回は奈良田さんの作品を見ます。雑木林を小高いところから見下ろしたようなアングルで描かれた風景画には、少し奇妙な印象を受けます。それは、画面を構成している樹木とそれ以外の空間に際立った特徴があるからです。樹木とそれを取り囲む空間は一般的には異なる質を有しています。

world002.jpg樹木は物質であり、それを取り囲むものはその物質が存在しないということでの空です。風景絵画は、そのように認識され描かれる場合もありますが、その物質と空間の質をどのように捕らえ画面に構築していくかは一人一人のアーティストのテーマとなる場合も多いのです。

 
world003.jpg奈良田さんの作品は、画面上部に赤茶色を基調とした暗い色彩が施され、中央から下の空間は、青から白に近い色により鈍いながら明るい色調で構成されています。樹木は暗く空間は明るく描くことで、イメージと空間(図と地)の関係が反転します。物質としての樹木は空間のように平坦で安定し画面奥に引き下がり、イメージを支えるべき空間は、あたかも物質のように画面より手前に感じます。これがこの作品に奇妙さを感じさせた技法です。さらに作品に目を近づけると樹木は平面的筆使いを行い、空間には短い筆致で運動を感じるように描かれています。筆の静動においても動的空間と静的イメージの対応で、この作品の特殊性が増長されているようです。
 

world004.jpg絵画は、世界を単に切り取るのではなくアーティストと世界の独自な繋がりを見せるものです。そこには、作り手を超えて現れる解釈不能で魅力的なイメージがあり、それが作品の質を高めることもあります。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2011年8月21日

池田高弘個展 2kw gallery

ikrda000.jpg6月29日から7月9日まで池田高弘さん(美術学科07卒)の個展が行われました。
今回は平面のみに絞った作品になっていました。前回同様、チョコレートパウダーを顔料に使用し、市販の絵具と併用し制作に用いられていました。

 

 

ikrda001.jpgチョコレートパウダーをメディウムに混ぜ顔料として使うことで、視覚体験である絵画から味覚の体験を視覚的に行なおうとしているのがこのアーティストの試みです。

 

ikrda002.jpgドロッピング技法や小さな円のドット描写、等間隔のラインや模様などはスイーツのデコレーションからの引用であり、抽象絵画からではありません。スイーツの制作にあたりそのデザインの視覚体験が即座に味覚体験に変換できるように、スイーツ制作者はそのためのいろいろ工夫が行われています。池田さんはその視覚体験を絵画として再構構成しています。

 

 

作品の細部を見てみます。画面からこんもりと浮き出たイメージから観者が触りたくなるような気分になります。レリーフは触覚の機能を揺さぶり(例えば壁にある凹凸には触れたくなる気分)身体感覚へと広がり味覚の機能も働きだすと思います。
作品の色調は一様に鈍く抑えられています。アーティストは数多くのチョコレートスイーツを検証してのこのような色調を選択しているのでしょう。
日常品を芸術に主題として取り入れたポップアーティスト達がいますが、スイーツ文化がポップカルチャー的要素を内包しているのかもしれません。

 

報告 加藤隆明教養課程講師  協力 芸術計画学科研究室

 

 


2011年8月20日

2011 Mamoru Myojo Report-image frame vol.22-“border line”明星守個展

neibosisan000.jpg大阪造形センターで 7月4日から9日まで明星守さん(大阪芸術大学芸術計画学科82卒)の個展が行われました。

 
neibosisan002.jpg明星さんはある一定の地域でねぎ調査を行い、それを写真と地図等を使用し作品として発表してこられました。今回は展覧会期間中にレクチャー「境界線上の“ねぎ地図”的考察」も行なわれました。

 

neibosisan003.jpg作品は、印画紙ロール幅110センチを使用し、プランターに栽培してあるねぎを撮影しそれを印画紙に焼き付け、筒状に構成し内側からライトを忍ばせ灯籠のようなものに見える作品が展示してありました。

neibosisan004.jpg

 

neibosisan001.jpg「ねぎ地図とは何だろう」考える学生もいると思いますので簡単に説明します。時々、自宅前になにげにプランターに植えられたねぎを見ることがあります。観賞用でもなく食用にとも思いにくいこのねぎの存在を明星さんは、30年ほど前からアートフィールドワークとして調査を行ってきました。ある一定の地域を決めそのような場面を写真で記録し、その調査した地域の地図とともに展示していました。そのような制作形態から、一般の人たちの日常的行為「プランタンにねぎを植える」から、その背景にある物語を明星さんと地域の人たちで紡ぎ出す作業を続けておられます。
 
 

今回のレクチャー「境界線上の“ねぎ地図”的考察」では、自宅前にあるプランタンのねぎの存在が「自己と他者(自宅とそれ以外)の間を緩やかに介入していく為の装置」として存在していることが理解出来ました。

 

報告 加藤隆明 教養課程講師  協力 芸術計画学科研究室

 


2011年8月17日

大阪芸大生が富田林から発信します!


 
tagaya011.jpg今日は、大阪芸術大学LIBRARY DESIGN LAB.(図書館サークル)から8月21日(日)に富田林寺内町かいわいで開催される寺内町燈路と
同時開催のイベント 大阪金剛簾プロジェクト第3弾『すだれ×アート-きて・みて・つくろう Enjoy Art-』のご案内です。     
チラシ・ポスター デザイン: 田中晋弥(デザイン学科3回生)
イラスト: 福西茉莉子(デザイン学科2回生)

富田林市の伝統工芸品に「大阪(おおさか)金剛(こんごう)簾(すだれ)」があります。
国の伝統工芸品にも指定されている「大阪金剛簾」の良さをより多くの方々に知っていただきたい、生活の中にも取り入れていただき
たいという思いから、私たちは『大阪金剛簾プロジェクト』を2010年より開始しました。8月には最初のイベントとして
『すだれ×アート―大阪金剛簾と夏の涼アート―』を、今年の2月には『春ふわり寺内町―歴史とアートであったまろ―』を開催しました。
http://geidai-blog.jp/2011/02/10/

 

tagaya012.jpgそして3回目となる今回のイベントに際し、私たちはいまあらためて「エコ」に目を向けたいと思います。この夏、東日本大震災から
復興へと向かうなかで、エネルギーの問題は日々の生活において無視できないものとなりました。だからこそ、古より受け継がれて
きた簾の機能をより多くの方々に知っていただけること、簾がもたらす自然の涼を体感していただけることを目標にします。
 
このイベントでは、まず「大阪金剛簾」のもつ伝統の素晴らしさを発信します。そして伝統とアートが融合した新しい簾のスタイルを
提案します。さらに歴史ある富田林寺内町で大阪芸術大学の学生たちがアートの数々(音楽・美術・ワークショップ)を繰り広げます。
 
『すだれ×アート-きて・みて・つくろう Enjoy Art-』がひと夏の思い出になりますよう、みなさまのお越しをお待ちしています。
(チラシ掲載文作成 大阪芸術大学LIBRARY DESIGN LAB.代表 上田悠暉・神尾康孝)

 

tagaya008.jpg●すだれ×アート展  【場所】勝間家住宅
【時間】13時30分から21時
・ すだれ×アート-彫刻展-
大阪芸術大学美術学科 彫刻コース3回生 今井
杏奈/大野聡/塚本千代/福川智美/池田麻生/
美術学科1回生[彫刻]・[版画]有志/美術
学科 彫刻コース・副手 明石 隼/西下美緒子
/ 美術学科 彫刻コース・卒業生 齊藤秀樹/
若林節子/美術学科 彫刻コース・教授 山本
哲三(特別出展)

勝間家の空間と作品が錯綜したり相互浸透する
ことで生まれるアートの活力にご期待ください!
1日限りの展示ですが、それだけに皆、集中して
います!! 目下、新作を制作中のメンバーもいま
す。ぜひ、ご高覧ください。
2月 すだれ×アート-染織展-
藤井裕史(工芸学科 副手)

tagaya002.jpg・伝統工芸とデザインの融合
 簾プロジェクトチーム(大阪芸術大学
デザイン学科)
2月には、ひとつながり‐簾の新たな可能性‐
と題して、簾を素材とした新たな製品が誕生
しました。バッグや名刺入れ、照明等は、
大変評判も良く、読売新聞2月11日朝刊にも
取材記事が掲載されました。
今回は、また一段とバージョンアップした
新工芸品にご注目ください。

 

tagaya000.jpg● 竹であそバンブー 
【場所】じないまち交流館
 【時間】13時30分から15時30分
(ワークショップ・メンバー)
美術学科1回生 中本知里/川口千佳/竹内茉利
/鎌田紗栄/2回生 鈴木真紀/写真学科2回生
三田周/河嶋恭平/3回生 上田悠暉/ デザイン
学科3回生 田中晋弥/ 大学院芸術研究科博士
課程後期デザイン(写真)領域 神尾康孝/
卒業生 宮本たくる/寺田摩矢

tagaya009.jpg竹などの自然素材に触れる機会の少ない子どもたちにすだれの
素材でもある竹の良さをぜひ、知ってもらおうと竹を使った
楽器や飛行機などを作成するワークショップを開催します。
子どもさんたちに刃物は危ないので、その下準備として学生
たちは、楽器(通称ゲロゲロ)に合う竹を伐採することから
始めました。竹薮から切り出した竹を楽器の大きさに裁断し、
危なくないように加工した後、当日は、良い音が鳴るような
仕上げや彩色を施してもらおうと考えています。
竹の飛行機は、綿密な?設計図の基に、竹の部品作りにも学生
たちは、真剣な眼差しで取り組んでいます。
2月のワークショップ(粘土をのばしてぺったんこ)もとても
盛り上がりましたが、今回も自分だけのオリジナルの楽器や
飛行機を手にしたときの子どもたちの笑顔がとても楽しみです!

tagaya001.jpg● すだれ製作体験
【場所】寺内町センター
【時間】18時から21時          
簾プロジェクトチーム(大阪芸術大学
デザイン学科)
2月のイベントの折にも、「ひとつながり」
のデザインチームが担当しましたが、多くの
皆さんが、体験され、とても喜んでください
ました。今回もぜひマイ・コースターの作製
に挑戦してください!

tagaya010.jpgクラシックア


2011年8月6日

ドラマは「声」が連れて来る。

sinpojiumu000.jpgこの度、藝術研究所では10月9日(日)に大学・朝日シンポジウムとして『声優学概論 ドラマは「声」が連れて来る。』を開催致します。

ゲストに大人気アニメ「ONE PIECE」の主人公モンキー・D・ルフィ役の田中真弓さんをはじめ、様々な作品でご活躍されている豪華な声優陣をお迎えしてのアニメアテレコ実演やシンポジウム、また放送学科アナウンスコースの学生達による朗読・群読・連読・ドラマリーディング等、盛りだくさんの内容でお送りする予定です。

sinpojiumu001.jpg普段なかなか知ることのできないアニメの裏側が覗ける絶好のチャンス。もしかしたらテレビ番組ではきっと実現しないようなキャラクター同士のコラボレーションが飛び出す・・・かもしれません!?

是非この機会に、皆様お誘い合わせのうえ奮ってご参加ください!

大学・朝日シンポジウム
声優学概論
ドラマは「声」が連れて来る。

【出演者】
岩崎富士男   大阪芸術大学 放送学科長 教授
古川登志夫   アニメ「うる星やつら」(諸星あたる)等
田中 真弓   アニメ「ONE PIECE」(モンキー・D・ルフィ)等
中島 信也   東北新社CMディレクター
真地 勇志   大阪芸術大学 放送学科 客員教授 テレビ「秘密のケンミンSHOW」(ナレーション)等
伊倉 一恵   アニメ「シティーハンター」(槇村 香)等
松野 太紀   アニメ「金田一少年の事件簿」(金田一一)等
石川 豊子   大阪芸術大学短期大学部 メディア・芸術学科 教授

日時   : 平成23年10月9日(日) 開場14:00/開演14:30
会場   : イオン化粧品シアターBRAVA!
定員   : 1136名(入場無料)
申込方法 : ハガキ・FAX・Eメールのいずれかで、郵便番号、住所、電話番号、氏名、年齢、
職業(学生の方は学校名、学年)を明記の上、下記宛先までお送り下さい。

応募多数の場合は抽選とさせていただきます。
結果は招待券の発送をもって発表にかえさせていただきます。

申込・問い合せ先
 〒585-8555
 大阪府南河内郡河南町東山469 大阪芸術大学藝術研究所事務室
 TEL:0721-93-1398
 FAX:0721-93-5746
 E-mail:sinpo@osaka-geidai.ac.jp