2007年10月3日

シブカッコイイ!!

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現在、体育館ギャラリーでは2つの展覧会が行われています。今日はそのひとつ「辻和子 個展」のレポートです。

デザイン学科4年生の辻和加子さんの祖母・和子さん。65歳から水墨画を始め、現在77歳になられるまでに描かれたおよそ50点に及ぶ水墨画の展覧会です。

孫の和加子さんは和子さんの学内での個展を前々から切望されていたようです。きっと「芸術を学ぶ多くの学生さんに見てほしい」というそんな思いだったのかと思います。
あいにく体育館ギャラリーは予定が年間を通じて予約をとるのが難しく、実現は困難な状況でした。強い思いが通じたのか突然ある企画がキャンセルになり、チャンスが廻ってきたそうです。

大学には水墨画の専攻はないので、どの学科の学生さんの目にもとても新鮮に映るはずです。シブカッコイイ。
デザインや美術、工芸の授業に書道や水墨画があってもいいですよね。

会場内の感想のコーナーには「・・・すごかったです。」という声。絶賛の声をどのように受けてよいかわからず常に恥ずかしそうにされている辻和子さん。自然を描く優しい作品が多く、控えめで誠実な人柄がうかがえます。とても力強い作品もあり見どころたっぷりです。
掛け軸で展示されたギャラリーの様子は壮観です。入ったときに感じる迫力をたくさんに人に感じてもらいたい展覧会です。

 10月5日(金)16:00までの開催です。

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2007年10月2日

舞台芸術学科 舞台照明コース ライティング・パフォーマンス

今日は、舞台芸術学科 舞台照明コース
2007年度卒業制作ライティング・パフォーマンスを鑑賞してきました。
作品のタイトルは、 「芯」
自問自答
10年後の私は何をしていますか?
そんな疑問にぶち当たったことがあるでしょうか?
慌ただしく生きる現代社会。
忙しい日々に流され、
自分と向き合うことを忘れてしまってはいませんか?
今、この先、何がやりたいのか...
じっくり自分と向き合ってみませんか?
(パンフレットより抜粋)s-DSC03787-3.jpg


光の織りなす表情は、とても神秘的で美しい光の風景が繰りひろげられました。
音楽とシンクロして、まるで生き物のように
その姿を変化させながら様々な色彩を放つ光のパフォーマンス。
すべて、マニュアル操作による演出です。
動画でお見せできないのが本当に残念です。

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2007年10月1日

水色のマーカーを引いた言葉は

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※講演会の様子は写真撮影がNGだったため撮影しておりません。

 

安藤忠雄先生の講演会レポートです。

講演会開始30分前の13時にはもう既に芸術劇場から延びる人の列が10号館の真ん中あたりまで達していました。その時点で並んでいる人は全員立ち見決定なのですが、さらに学生も先生も続々と集まってきました。9号館方面、21号館方面からまだまだ人が途絶える様子はなく、安藤忠雄先生のスゴサをこんな部分でも感じました。

会場の芸術劇場は、当初予定になかった4階席、5階のテラス部分まで利用しなければならないほどで、会場に入れなかった学生がロビーにあふれていました。

はじめて、生で安藤先生のお話を拝聴できました。大阪のイントネーションがやさしく、親しみやすかったのは私だけではないはずです。さりげない毒舌や温かみのある辛口で、小さな笑いを絶やさない、とてもためになる講演会でした。


3日前にアイルランドから帰国されたばかりだという安藤先生。
ロックバンドU2」のヴォーカル・ボノの案内で、多くの場所を視察されたとのことでした。
ボノはアイルランドに美術館を建設したいんだ、ということで安藤先生に会いに日本を訪れ、先生の作品を見、きっと熱い思いをぶつけたんだと思います。

「グラフィックデザイン、建築、など皆さんは自分の学んでいる分野に壁をつくっていないか?もっともっと境界を越えて活動していかなければならない」。越えていくことであらたな可能性を見出していかなければいけない。講演会はそんなメッセージからスタートしました。

 たくさんのお話を聞きました。印象に残っているものいくつか紹介します。

        大学には進学せず、京大に進んだ友人に頼んで4年間分の教科書を買った。友人たちが4年間で学ぶものを自分は1年で学んでやろうと思って、朝から朝まで建築を独学で勉強しまくった。読み終えたとき自分で「卒業した」と思った。

        東京大学で教鞭をとることになった経緯。皆に反対されたが、「自分も一緒に勉強したい」そう思ったので引き受けることにした。

        自分の事務所に一匹の犬が転がり込んできたときのこと。その犬を事務所で飼うことになったこと。その犬の名が「コルビジェ」だということ。本当は「丹下健三」と名付けたかったこと。

        日本人は個性がないと言われるが、建物を建てるときだけ個性を主張したがる。乱立するビル群でおかしなことになっている大阪の都心部。もっと調和のとれた都市にしていかなければならないこと。大阪市へのビル群の屋上緑化計画の提案の話。

        サントリーミュージアムの計画時の話。サントリーの会長から設計を依頼されるまでのやり取り。サントリーミュージアムの前の海で本当はシャチを飼いたいと思っていること。

        大阪市中央公会堂の内部空間に卵形のホールを挿入しようという提案の話。大阪市にはいやな顔をされたが、その後、提案を見た3つのクライアントからお仕事の依頼があったこと。

        ベネッセ・アートサイト直島の計画の話。たくさんのアーティストとのふれあいや活動の話。

        東京都で進行中の計画「海の森」の話。

などなど、盛りだくさんで約1時間の講演はあっという間に過ぎていきました。

 私が一番印象に残ったのが、アメリカの実業家・教育者の「サムエル・ウルマン」という「青春」という詩の紹介の部分でした。安藤先生は詩の気になった部分に水色のマーカーを引いておられました。

「青春とは人生のある時期ではなく心の持ち方を言う。(中略)年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いる。」

 先生の「安藤忠雄らしさ」を支えるもの。理想を持ち、それに向かって前進し、常に何かにチャレンジし続けている姿勢そのものがエネルギーになっているんだと思いました。

 講演のはじめに「最近はどこに行っても若い人に元気がない。今日はそんな元気のない若者に元気になってもらえるような話も用意して来ました」と仰っていました。もちろん元気になるようなたくさんのお話をしていただきましたが、きっとチャレンジし続けるご自身の姿を若者に見せつけて、元気にしてやろうとお考えだったのかなぁ、と。

講演をお聞きになった皆さん。どうです?触発されましたか?
こんな講演会が身近で聞けるなんて、今、在学している方はラッキーでしたね。
聞けかなっか方、来月、近つ飛鳥博物館で講演会があるそうなので、行ってみてはいかがでしょう?

2007関西文化の日  近つ飛鳥風土記の丘梅植樹基金
安藤忠雄氏記念講演会– 
演題「文化による街づくり」
11月18日(日) 第一部 13:30-14:30
                     
第二部 15:00-16:00
詳細は、近つ飛鳥博物館のホームページでご確認ください。
http://www.mediajoy.com/chikatsu/index_j.html

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2007年9月30日

ザ・入試対策(1)

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本日で9月も終わり。
あいにくの空模様の日曜日でしたが、肌寒さが待ちどうしかった私には心地よい一日でした。 

今日は今年度最後となる進学相談会の京都会場に出席してきました。開場前から今か今かと待ちかねた来場者が、オープンとともになだれ込むように会場にあふれました。 

開始から2時間は、すれ違うのも困難なほど通路が渋滞していました。特に地元・京都の大学が並ぶ通路は立ち往生するほどでした。 

資料配布コーナーは3時間を過ぎても賑わっており、どの人も我先にとたくさんの資料を掻きいれるように集めていました。
会場内では配布されたビニール製の袋を10kgのお米の袋を持つように両手で胸に抱えるようにしないと袋がもたないほどの資料を持ち帰る姿もありました。 

今日ご対応させていただいた方々には写真学科希望の方、放送学科希望の方が多かったように思います。推薦入試まであと1カ月ということもあり「速効性のある話を」ということで入試対策のお話が中心になりました。 

まず写真学科の場合。試験は3枚の写真から2枚を選んで、それぞれ感想を380字から400字でまとめる、という小論文課題です。
対策は体験講座で受講者に配布された「小論文で合格する方法」なる資料が一番良くまとまっていますので、それを元に説明させていただきました。 

例えば「ア・キ・ヒ・コ」というゴロ合わせで覚える写真を鑑賞するコツは「アングル・距離・光・構図」の頭文字をとったものです。この小論文の評価のポイントは「写真と関わっていくものとしての感性と表現資質の特性の有無」とされていますので、漠然とした感想を述べるだけよりもこういったキーワードを踏まえて書かれた感想の方がより評価が高いということになります。

他にもたくさんコツが紹介されていますが、その資料には「マル秘情報」も掲載されていますので全文をこのブログでご紹介するのは控えておきます。 

また、放送学科の小論文対策としては先に「時事問題」について説明させていただきました。設問2として時事問題の用語説明の課題が毎年出題されているので対策が必要です。
その対策はズバリ「自分で予想問題を作る」というものです。
まず自分で5問。お父さん、お母さんにそれぞれ5問。担任の先生にまた違った5問。これで20問の予想問題を準備することができます。たくさんの言葉の中から5つ絞り込むだけでも相当勉強になります。

この方法は単に入学試験のためだけというのではなく、これから「放送」という世界でお仕事をしていこうという人にとって大切なことだということを併せて説明させていただきました。 
また、これらの作業によって養われる「時代感覚」は設問1の小論文課題の準備としても大いに役立ちます。

メリットは他にもあります。例えばちょうど3年後の今ぐらいの時期から就職活動がスタートします。特にマスコミ志望の方にとって必要な小論文課題にはこの「時代感覚」の要素が必須です。ですから、目先のことだけと思わずに「未来の自分のために」と思ってコツコツ知識を吸収していってもらうのがベストだと思いますよ。是非チャレンジしてみてくださいね。

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2007年9月29日

かつては安藤忠雄氏も入選者だった。

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9月27日から建築学科棟(15号館)でSDレビュー展が開催されています。あまりにも身近に開催されているからといって、その価値を軽視してもらっては困ります。これはスゴイことです。

建築や空間設計に興味を持ったりそれを学んだりするなら一度は開いてみたことがあるであろう「SD」(鹿島出版会)という雑誌があります。このSDレビュー展の価値、詳しくは、http://www.kajima-publishing.co.jp/sd2007/index.htmlの「SDレビューとは」でご確認いただければよーくわかると思います。

毎年、この展覧会の大阪展は大阪芸術大学で行われることが恒例となっています。取材したのは2日目の様子です。建築学科の学生さんの来場が多いのはもちろんのこと、デザイン学科、環境デザインの方も多かったです。
その他、文芸学科や放送学科、芸術計画学科の学生さんの来場者あるようです。

自分の学んでいる専攻に関わらず一個人としてこの展覧会の一つ一つの作品と向き合う。そんな鑑賞の仕方がこの展覧会にはふさわしいのでは、と感じました。
そうすれば「実際に建てるという厳しい現実の中からどのようにひとつの明確なコンセプトとして結実していくのか」というSDレビューの本質をもっと知ってもらえる気がしました。ちょっと難しい表現ですが。

前述の「SDレビューとは」のページにも「若手建築家の登竜門的色彩が濃いものと認知されている」ありますが、SDレビューの初期の頃は安藤忠雄氏も入選者だったそうです。大阪芸術大学で学ぶ設計者の卵たちの目にはこの展覧会がどのように映っているのでしょう。

設計者の卵といえば、「建築ジャーナル」という雑誌の9月号に大阪芸術大学紹介されていました。「設計者の卵をどう育てて世に送り出すのか」という特集記事の中で京都工繊大、早稲田大、横浜国大、九州大などと肩を並べて就職進路支援のことが取材されていました。

記事の中で「就職面接でアピールすべきこと」として3つイラストでまとめてあったので紹介します。
1.知性だけではなくオリジナリティが大切。
2.やる気を示すのは基本中の基本。
3.建て主の心をとらえるような笑顔が決め手。

3番目を読んで自分の笑顔を確認した方。
「採用決定」です。

大阪芸大の皆さんは学科に限らず3つともOKですよね。
みんな、就活ガンバレー!


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