2017年3月15日

「泉茂 PAINTINGS 1971-93」展 関連企画トークイベント the three konohana ギャラリー 3/4

泉茂の回顧展が、和歌山県立近代美術館と大阪の2つの現代美術ギャラリーで、ほぼ同時期に行われています。その大阪のギャラリーでの企画展「泉茂 PAINTINGS 1971-93」の関連企画として、植野比佐見氏(和歌山県立近代美術館 学芸員)によるトークイベントが行われました。

 

「泉茂 ハンサムな絵のつくりかた」と題されたトークイベントでは、戦後すぐから、デモクラートや欧米の渡航期を経て、大阪芸術大学の教授の期間や退職後亡くなるまでの泉茂の作品と動向を追いながら、一時間にわたりお話ししていただきました。泉の全体像を知ることは大変有意義な経験であったと思います。

 

今回は、この企画を立ち上げた一人である現代美術ギャラリーthe three konohanaの代表で、大阪芸術大学芸術計画学科でも教鞭をとっていただいている山中俊広氏に、展覧会の企画について語っていただきます。

 

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本展は、主に若手・中堅の現存の現代美術作家を扱っているYoshimi Artsとthe three konohana、大阪の2つのコマーシャルギャラリーの共催による展覧会です。いま現在の美術の表現を取り上げ、マーケットと共にその将来の価値を作っていく立場である私たちにとって、今回の物故作家を取り扱うことはただ単焦点的に過去の評価を積み上げる目的に留まらず、日本の現代美術が積み重ねてきた長い時間軸で捉え、歴史のつながりとしての辻褄を具体的に作っていくことだと考えます。

泉茂は、戦後すぐに「デモクラート美術家協会」を結成し、その活動に深くかかわり、版画技術の普及や大阪芸術大学での後進の育成など、関西の現代美術界の活性化に大きく貢献した人物です。しかし、そうした活動面や人物像には以前から焦点が向けられてきた一方で、作品を通じての作家としての側面への分析や評価は、泉の死後20年以上が経つものの、遅れを取っている状況でした。そういう現状から、和歌山の展示と2ギャラリーでの展示では、共に泉の作品そのものに焦点が向けられる機会にしたいという意思を、開催前から美術館側とギャラリー側の双方で共有することができました。両者の協力体制による展覧会が事実上実現し、この度和歌山の展覧会の担当学芸員の植野氏にお越しいただいてのトークイベントも、弊廊にて開催する機会を得られました。

泉の作品の評価が進まなかった理由は、和歌山の包括的な展示構成からもよく読み取れますが、泉は非常に短い周期で表層的な表現スタイルを転換し続けていたことが大きいと思います。デモクラート時代に長い時間を共にした瑛九から言われてきた、自らが権威になってはいけないという言葉を、泉が守り続けていたこともあると思います。泉は当時の平面表現の主流から常に距離を保ちながら、平面表現の本質の探求に向き合い続けていた作家でした。その泉の表現への姿勢とその思考は、死後20年余りが経ったいま、現代の私たちの時代の表現の問題意識に通底するものが随所に見られます。特にYoshimi Artsとthe three konohanaで展示している1970年代以降の絵画作品には、作家の精神や感情、そして身体性といった主観的な要素から作品と距離を置く姿勢が一貫して見られ、この表現のスタンスは今の若い世代である20代、30代の作家に頻繁にみられる傾向でもありました。ただ時代が一回りしたという印象だけではなく、時代の流行に留まらず、美術表現の本質を時代の向こう側に追い求めていた泉の意志が今の時代と結びつくのは、当然の理とも言えるでしょう。

私の大学での授業でも、現代の表現というものは常に更新され続けており、過去を無自覚になぞったり受け入れたりするのではなく、自らの経験や自らの時代の社会の動向に対して自覚と批判精神をもって思考し続けることで得られるものだということを、常々話しています。過去というものの扱いについては、教育の現場のみならず美術の現場にも矛盾を感じることが多々あります。価値が確立した権威としての過去でもなく、また埃のかぶった時代遅れの過去とも捉えるべきではありません。現代の私たちの動向の価値を探るためにも、誰もが容易に引用し、活用できる過去であるべきで、だからこそ過去を歴史という名で価値のあるものと位置づけていくことは必要です。泉茂の生涯にわたる作品の変遷は、植野氏のお話でも多数触れられていた通り、その時代の出来事や泉本人の経験と深く結びついているものです。その変遷の分析や解釈がさらに進むことによって、泉茂本人への再評価と共に、私たちのいまの時代の表現のあり方にも多くのヒントを与えてくれるものになると思います。

the three konohana 代表/芸術計画学科 非常勤講師 山中俊広
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泉茂「PAINTINGS 1971-93」
会期|2017年2月25日(土)~3月26日(日)
会場|Yoshimi Arts、the three konohana (2会場で共同開催 )

Yoshimi Arts
開廊時間|11:00-19:00
休廊|火・水・3月16日(木)~20日(月)
大阪市西区江戸堀1-8-24 若狭ビル3F TEL.06-6443-0080
http://www.yoshimiarts.com

the three konohana
開廊時間|12:00-19:00
休廊|月・火・水
大阪市此花区梅香1-23-23-2F TEL.06-7502-4115
http://thethree.net

報告 教養課程講師 加藤隆明


2017年3月13日

ラジオ「大阪芸大スカイキャンパス」

今週の大阪芸術大学も、イベント目白押し!!
15日(水)には、関西屈指のライブハウス「なんばHatch」にて、演奏学科ポピュラー音楽コース卒業演奏会を開催♪
また18日(土)は本学芸術劇場で、演奏学科(ピアノ・声楽・管弦打コース)卒業演奏会を開きます♪♪
そして17日(金)からは、スカイキャンパスにて、通信教育部の有志によるグループ展「第10回 塊展」スタート!!
それぞれ、またブログでもお伝えしていきますね★

さて、今日は、大阪芸術大学グループのラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」の放送日です!

パーソナリティは大阪芸術大学副学長の塚本英邦先生。
さらに、本学映像計画学科(現・映像学科)出身の人気映画監督で映像学科教授の田中光敏先生と、舞台芸術学科出身の演出家で劇団「南河内万歳一座」座長・舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生が、交替で出演されます。
そして、毎回さまざまなジャンルで活躍する大阪芸大グループ出身の著名な卒業生たちを月替りでゲストに招き、楽しいトークを繰り広げます!!
第一線に名を馳せるクリエイターたちのリアルな声を聴くことができる番組内容となっています!

今日のゲストは、先週に引き続き、舞台芸術学科卒業生で劇団四季 女優の佐和由梨さんです!

 

先週の放送でもお伝えしましたが、佐和さんはパーソナリティの内藤先生と同級生!
今回は、佐和さんの大阪芸術大学時代の話にスポットを当てます。
内藤先生との出会いや、芸大で印象に残っている授業、学生時代に行った舞台公演の思い出などを語っていただきます♪
今夜の放送も、お聴き逃しなく!!

「大阪芸大スカイキャンパス」
3月13日(月)20:30~21:00 オンエア
ラジオ大阪(OBC)1314

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年3月10日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

いよいよ3月11日(土)と12(日)、淀川文化創造館シアターセブンにて、映像学科卒業制作展「DAIGEI FILM AWARD 2017」を開催します!!
学長賞を受賞したドキュメンタリー作品「たゆたいながら」をはじめ、映画や表現映像、アートアニメーションなど、映像学科イチオシの作品を一挙上映♪
みなさん、ぜひお越しくださいね★
そして、映像学科からもう一つお知らせが!
今年1月にはアポロシネマで上映され、連日多くの方にご覧いただいた大阪芸術大学グループ創立70周年記念映画「大芸大に進路を取れですが、東京でも上映されることが決定しました!
上映されるのは、東京都新宿区にあるK’s cinemaで開催される大学連携による映画人育成のための上映会「S.T.E.P.」というイベント内。
このイベントは、次世代の映画界を背負う若手映画人育成を目的として、全国映画教育協議会加盟校の作品を中心に公開する上映会で、大阪芸術大学映像学科も加盟しています。

「大芸大に進路を取れ」上映日は…
1.2017年3月21日(火)11:00~12:30
2.2017年3月24日(金)13:20~14:50(上映後、大森一樹監督特別講演)
無料でご鑑賞いただけますので、東京方面にお住まいの方は、この機会にぜひ!!

 

さて、今週の「大阪芸大テレビ」は、大阪芸術大学グループの先生方にスポットを当てた特集コーナー「Teachers」をお届けします!!
なんと、1年半ぶりの放送となるこのコーナー!
今回ご紹介するのは、今年4月に開設する新学科 アートサイエンス学科客員教授の村松亮太郎先生です。

 

年末の大阪を彩る光の祭典「OSAKA光のルネサンス」。
2003年にスタートしたこのイベントでは、美しい景観を持つ中之島を舞台に、幻想的な光のアート作品が数多く展示されます。
さまざまなプログラムの中でも特に注目を集めるのが、大阪市中央公会堂に投影するプロジェクションマッピング。
2016年のプロジェクションマッピングは、なんと大阪芸術大学が手がけることになり、プロジェクトの総合プロデューサーに村松先生が就任しました!

 

村松先生は、これまで映画やテレビドラマのタイトルバックといった映像制作に加え、イベントの空間演出など、あらゆるジャンルで創作活動を展開し、注目を集めてきました。
2012年に東京駅で行ったプロジェクションマッピングも、村松先生が手がけられたものです。
どんな想いで作品を制作されているのか、そして学生たちにはどんなことを伝えたいと考えられているのか…放送をお見逃しなく!!

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜24時45分からサンテレビで放送中!また、奈良テレビ放送、テレビ和歌山でも好評放送中です!
みなさん是非ご覧ください!!

<<オンエア情報>>
3月10日(金)
サンテレビジョン 24:45から
3月11日(土)
奈良テレビ放送 18:15から
テレビ和歌山 22:30から


2017年3月9日

福岡 天神イムズホールで大阪芸術大学の学びを体験しよう!

最近暖かくなってきたと思っていたのに、昨日の大阪は最高気温9.5℃で、最低気温が1.8℃
また一段と冷え込みましたね。
こういう今の時期、「」という言葉が頭をよぎりませんか?
寒い日が3日くらい続くと、そのあとに比較的暖かい日が4日続くという意味で、寒暖の周期を表す言葉。
元々は中国の冬の気候を表したものですが、日本では春先に使われることが多くなりました。
こうして寒暖を繰り返しながら、徐々に冬から春の気候へと移り変わっていくんですね。
 

さて、今日のブログは、3月28日(火)に福岡県の天神イムズホールで行う大阪芸術大学のイベントをご紹介します!!
このイベントを開催する頃には、もう春の暖かさが感じられるのではないでしょうか?


1つ目の目玉は、アートサイエンス学科開設に向けたプログラムです!!
アートサイエンス学科のトークショーには、クリエイティブカンパニー「NAKED Inc.」代表・本学客員教授の村松亮太郎先生が登壇!
東京駅の3Dプロジェクションマッピングをはじめ、昨年は福岡を代表する水族館「マリンワールド海の中道」ともコラボレーションした村松先生のトークは、必聴です!!
その他、ゲーム作成ツールが体験できる「Unity 3D ワークショップ」や、OSAKA光のルネサンスと大阪芸術大学の共同事業として開催した大阪市中央公会堂・プロジェクションマッピングの模型デモ上映、レーザーカッターを使った「アートサイエンスなアクセサリー制作体験」、プログラミングやセンシングの技術を駆使したさまざまな作品の展示なども行います★

また、放送学科声優コースからは、「アルプスの少女ハイジ」のハイジ役をはじめ、国民的キャラクターの声を演じてきた声優 杉山佳寿子先生と、「笑ってコラえて」”ダーツの旅・第一村人発見”でお馴染みの超人気ナレーター 真地勇志先生が登場し、トークショーとアテレコ体験を実施します。
プロの先生方から、アテレコ指導が受けられるチャンス!!

そして、舞台芸術学科ポピュラーダンスコースのダンス体験レッスンも実施します!!
指導にあたるのは、宝塚歌劇団での振り付けをはじめ業界の第一線で活躍する栗原めぐみ先生と、「TRUE SKOOL」優勝ほか多数のコンテスト入賞を誇るKURY先生!
未経験者も大歓迎!!動きやすい服装・靴で参加してくださいね。

さらに、相談ブース資料コーナー来場者プレゼントもご用意していますよ!!
大阪芸術大学が気になるけど、大阪まで見学に来るのは難しいという九州方面にお住まいの方は、この機会にぜひご参加ください♪♪

アートサイエンス学科開設直前!
「福岡 天神イムズホールで大阪芸術大学の学びを体験しよう!」
2017年3月28日(火)14:00~19:00(13:30開場)

>>イベント詳細・申込みはコチラ

 
投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年3月7日

大阪芸術大学 第38回オペラ公演「魔笛」

先週もゲネの様子を少しだけご紹介しましたが…
今日のブログは、先日上演されたオペラ公演「魔笛を、改めてご紹介いたします!


「魔笛」は、モーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラです。
第1幕と第2幕で構成されており、演奏時間は台詞付きで約2時間40分ほどあります。
誰もが知っている名曲がたくさんあって、極上のモーツァルトの音楽を聴くことができるのが、最大の魅力だと言われています!!


演出は、舞台芸術学科長の浜畑賢吉先生。
浜畑先生と言えば、1966年に劇団四季入団、1994年からフリーに転身。テレビドラマや映画、舞台で幅広く活躍される俳優として知られていますよね。
「コーラスライン」や「ハムレット」「ジキルとハイド」など数々の演目に出演されたほか、実は「ビクター・ビクトリア」をはじめ、ミュージカルやオペラの演出も多数手がけられているんですよ!

そして、演奏は大阪芸術大学管弦楽団によるオーケストラ。
指揮を務めるのは、演奏学科客員教授の牧村邦彦先生です。
牧村先生は、大阪シンフォニカー交響楽団指揮者として13年間に渡り活躍、日本だけでなく海外でも数多くの演奏会に出演され、またオペラ指揮者としても高い評価を得ていらっしゃいます!


キャストは、演奏学科声楽コースを中心に、舞台芸術学科など、さまざまなジャンルを学ぶ学生が出演!
迫力ある歌声や、美しい舞踊を披露しました。

物語の舞台は、古代エジプト。
第1幕は、王子タミーノが大蛇に襲われ、気を失うシーンから始まります。

 

そこへ「夜の女王」配下の3人の侍女たちがやって来て、彼を助けます。
それなのに、偶然通りかかった鳥の狩猟中のパパゲーノが、「助けたのは自分だ」と嘘をついたので、罰として侍女たちに口に錠を掛けられてしまいます。

 

タミーノは、侍女たちから女王の娘・パミーナの絵姿を見せられ、なんと一目惚れ!
女王に「パミーナは悪人ザラストロに捕らえられており、救い出してくれれば娘を与える」と約束されたタミーノは、「魔法の笛」を受け取ります。
また、錠を外してもらえたパパゲーノも、成り行きでタミーノについて行くこととなり、「魔法の鈴」を受け取ってザラストロの神殿へ向かいます。


魔法の笛と鈴の力で導かれ出会ったタミーノとパミーナは、お互いを運命の人だと想い合います。
そして、実はザラストロは悪人ではなく偉大な祭司で、世界征服を企む夜の女王からパミーナを保護していたことが分かるのでした。

続いて第2幕。
ザラストロは、タミーノに対してパミーナを得るための試練、パパゲーノに恋人を得るための試練を授けます。
「沈黙」の試練、「火」の試練、「水」の試練を見事乗り越えたタミーノとパミーナ。

 

一方のパパゲーノは試練から脱落してしまいますが…
魔法の鈴の力を使って、パパゲーナという若い娘と恋人になることに成功します!

 

黙っておけない夜の女王は、侍女たちを連れてザラストロの神殿に侵入を試みますが、光に打ち破れて襲撃は失敗に終わります。


ザラストロは、試練に打ち勝ったタミーノ、パミーナたちを祝福し、物語は幕を閉じました。

 

公演当日は芸術劇場の2階席、3階席まで埋まり、立ち見のお客様も出るほどの超満員になりました。
たくさんのご来場、誠にありがとうございました!!


オペラ公演は来年度も開催予定です。
今回の公演とはひと味違った演出も見られると思いますので、また内容が決まりましたらお知らせします♪

 
投稿:島田(企画広報部事務室)