神戸市・新長田にある老舗商店街「大正筋商店街」は、1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた場所ですが、震災後、復興に力を注ぐ事で現在では多国籍の人々が混じりあう、多文化で活気のある商店街へと再生しました。そのような老舗の商店街を舞台にした「大正筋商店街シャッターアート」は店舗のシャッターに様々なアーティストが絵を描いていく企画です。2021年5月に参加アーティストが決定し、7月よりアートペイントが開始しました。今回の第一弾では、商店街に馴染みの深いアーティスト13名が参加しています。
大正筋商店街振興組合理事の(株)PLAST廣田恭佑さんは「この度は、素敵なシャッターアートが完成しました。大正筋では【成長する商店街】というテーマをしっかり持ち、アートと多様な地域住民とお店との新たな関係性が構築され、より地域に根ざした商店街として、馴染みのお客様や、若い方々にも愛され続ける事を目標としたい。」と語っておられます。
13名の全てのシャッターアートが完成した記念として10/9-10/10には、シャッター完成記念イベントが開催されました。完成記念イベントには、神戸のアイドル KOBerrieS♪ も駆けつけて曲を披露してくださいました。
大正筋商店街でのプロジェクトに関わる皆さんによる投票の結果...大正筋商店街賞:田岡和也さん(美術学科2005年卒業)、RCS賞:宮本明香さん(美術学科2010年卒業)、KOBerrieS♪賞:オカジマヨシコさんの3名の方々が受賞されました。おめでとうございます!副賞として大正筋商店街でお買い物が出来る商品券が授与されました。
田岡和也さんは「神戸には奄美群島出身の方が多く生活されています。今回、絵を描かせて頂いた【結いの島】さんは、奄美群島の特産品紹介や、奄美群島への旅行案内等をされているお店です。沖永良部島出身の店員さんと話をしていく中で、台風銀座という言葉がとても印象深く、人と自然とが共存する島と海との話をベースに絵を構成しました。奄美の海の荒々しさと優しさとが共存する、迫力ある作品が完成した実感があります。また、大正筋商店街は今の生活拠点からも近く、普段は自転車でぶらぶらと買い物をしている商店街です。地元でこのような素敵な賞を頂けた事をとても誇りに思います。」
宮本明香さんは「新長田で靴職人をしている夫と結婚しました。急逝してしまった義父は何十年も前からずっと、今回絵を描かせて頂いた【ホルス】のパンが大好きでいつも食べていたという話しを夫から聞き、運命的なものを感じています。義父のためにも、お世話になった長田の人々にも何か還元できるようにと、意気込んで描きました。全身を使って描くシャッターアートはスポーツにも似ていてとても気持ちがよかったです。まちに絵を残すという事は、誰かの日常に絵が溶け込むという事。私の絵が誰かの心に少しでもほっこりと温かい気持ちを芽生えさせてくれたら嬉しい。」と語っておられました。
他にも、中元俊介さん(デザイン学科2008年卒業)も2面のシャッターに繊細で素敵な作品を制作されています。13名が鮮やかに描いたシャッターアート作品は、商店街の通行人の多くを魅了していました。
今後も、「成長する商店街」をコンセプトに、アートの力で変化していく大正筋商店街から目が離せません。
そんな「大正筋商店街シャッターアート」に大阪芸術大学の3名の卒業生が参加アーティストとして選ばれ、それぞれの素敵な作品が大正筋商店街の活性化の一翼を担い、商店街を彩っていることをとても嬉しく思います。
皆さんもお近くにお出掛けの際には、是非、ご注目ください。
「大正筋商店街シャッターアート」
【ARTIST】CBA/田村秀和/田岡和也/松縄春香/首藤美幸/宮本明香/三名あたし/佐藤未瑛/オカジマヨシコ/みしまあきひろ/松本真之/中元俊介/松井コーヘー
公式ホームページ:https://taishousuji-artmuseum.com/
大正筋商店街フェイスブックページ:https://www.facebook.com/taishosuji/
後援:株式会社PLAST、神戸市 主催:大正筋商店街振興組合