2009年9月8日

夏の思い出 in 芸大

 

井上陽水の『少年時代』を聞きながらお楽しみください。
 
 芸大の夏休みも終わりを迎えました。

 9月6日は二十四節気『白露(はくろ)』と言います。

 この頃になると空気がひんやりとしてきて、露ができ始めると言われています。

 もう朝晩は少し寒いぐらいの日もありますねよ。

 

日焼けの心配はなさそうです!!
 

 今日のブログは’09夏と題して、芸大の夏のスナップ写真をご覧ください。

 ビーナスさんは夏の暑い日差しにも負けずに、しっかりと立っています。

 毎日、日が暮れるとガラス工芸棟にライトアップされたビーナスさんの影が
 大きく写るんですが、それがまた幻想的な雰囲気で素敵です!! 

 
 
 クラブハウスも閑散としています。
 各サークルは合宿に向かっているのでしょうか?

2食で戦いが待っている!?

 そんな中、あるサークルの扉にこんなチラシが…。

 
 これはどういう意味だったんでしょうか…。
 2食には『空腹』という名の魔物が潜んでいるようです。
 皆さん気を付けて!!
 

 

  風を受けて飛ぶのも億劫なんですかね?
 
 

 12号館前の噴水ではハトが水遊びを楽しんでいます。

 暑い日だったのでとっても気持ちよさそうでした!!

 うらやましい…。

 
  この夏一番の写真と自負しています☆★

夏の夜に光る緑…。

これ、何だと思いますか?

実は総合体育館のライトの上に置かれたホースなんです。

ちょっと幻想的に見えたので、思わずシャッターを切りました。

 ひょっとしたらウン万円の値打ちが!?
  

 

キャンパスの片隅に忘れられたかのように置かれた陶芸作品の数々…。
 洗えば使えそうだけど…、勝手に持ち去るのはいけません!!
 
 
 短い期間で子孫繁栄するセミ
 

 最後に、この夏の目標だった蝉の写真

 ちゃんと目標を達成しましたよ!!

 
 でも…
 蝉は一匹だけでよかったのに…。

 ふと見上げると…

 
丸いしるしは全部セミです!!

  

 こんなにもいました!!

 この写真を撮った瞬間、
 シャッター音にびっくりして蝉たちが一斉にこちらに向かって飛んで来ました!!
 
 これほど怖い思いをしたことはそうそうありません…。

 小さい頃は朝から夕方まで虫取りに行ったのに…。

 
 今年もあっという間にあと4カ月。
 みなさん後期も元気に頑張りましょう!!
 
 
 

2009年9月7日

「世界一短い展覧会」〜夏の博物館実習

 夏休み中のキャンパスで「世界一短い展覧会」が開かれました。その正体とは・・・?
 5月11日のブログでご紹介した、学芸員課程「博物館実習」、そのなかの「実務実習」が夏休み中に行われました。これは学内外の博物館・美術館の現場で学芸員業務を体験するというものです。本学博物館で4日間×3クールの日程で80名程の学生が実習を受けました(なお20名程は学外の館で受けます)。
今回の「実務実習」の目的は、実際の展示ホール・器材を使い、自分たちで本格的な展覧会を企画・立ち上げまでを体験します。
日程はこんな感じです。
1日目:博物館の運営についての講義、施設見学
2日目:作品・資料の取り扱いについて
3日目:展示実習用具の取り扱いと展示計画の立案
4日目:展示実習実際に展示を行う
 
展示計画を作り、また作品の選定、額装、キャプションの制作の指導を受けた上で、最終日にいよいよ展示ホールの現場へ落とし込んでいきます。
 
初めに担当教員、学芸員から基本的な注意事項、展示方法の説明があります。ただ「展示に正解なし」、自分たちで一番いいと思う方法を考えてやってください、とのこと。

実務実習の様子

その後「平面班」、「立体班」、「拓本班」に分かれ、リーダーの元、グループ内そしてグループ間で調整しながら展示していきます。
 
展示作業の一コマ
こちらは「平面班」の作業。観覧者の視線に沿った基準線を引き、作品を仮置きしているところ。位置が決まった後は実際に、ワイヤーで吊っていきます。
 作品を傷つけないように慎重に・・・
立体班」は立体作品の転倒防止の固定作業中。作品を傷つけず、緩まないようテグスを結んでいくところ。
 作品をどう魅せるか・・・腕の見せ所です!
実際に作品を仮置きし、「どう見せるか、どう見えるのか」意見が飛び交います。意見のレベルが上がるにつれて展示の質もぐっと上がってきます。
大事な要素の一つが照明。照明を入れると「展覧会感」がグッと高まります。
 こんな感じでどうでしょうか?
展覧会の裏側を体験できました!!出来上がった「展覧会」で、全員で感想・講評を交換。特に「展覧会の裏側を体験できてよかった」、「所属の違う学科の人たちの意見や考え方に触れて、新鮮だった」という感想が多かったようです。
 
お疲れ様でした、といきたいところですが、これで終わりというわけにはいきません。最後に大事な作業が。
 もう撤収ですか!?世界一短いですね!!
撤収。作品の撤去・梱包、展示台の移動からやパーテーション・照明の現状復帰に至るまで、細心の注意を払って行います。
 
世界一短い展覧会」閉展。つかの間の時間でしたが、ここで得た「作品の扱い方・見せ方」、そして意見をまとめ、現場で立ち上げた経験を今後の作品制作や研究に長く生かして頂きたいと思います。内容・ボリュームともに濃い4日間。今度は本当に「お疲れ様でした!」
 
※今回は8月2427日に実施された第3期実習の模様をお届けしました。

投稿者:教務課


2009年9月5日

ART OSAKA 後編

 

岡本さんの作品 
 
 前回の続きです。『ART OSAKA』って何?という方は、前回のブログをご覧ください!!
<<昨日のブログへリンク>>
 
 続いてお邪魔したのは、1108号室『Yoshiaki Inoue Gallery』。こちらには昨年も出展されていた岡本啓さん(美術学科卒)の作品がバスルームに飾られていました。

作品の前での一枚

 岡本さんの作品は「写真をいかに絵画的に見せるか」を追求したことで生まれたもの。これがまさか写真で撮ったものとは思えない、まるで絵の具でキャンバスを彩ったよう。岡本さんは写真を独学で学び、失敗しているうちに作品が見えてきたそうです。

>>美術学科卒業ですが、絵はもう描かないのですか?

 「美術学科だから作家になる!!というわけではなくて、人と競い合うことが嫌いで、絵じゃないものをやりたいと思っていて、写真を独学で学びました。」
 
>>学生の時にやっておいた方がいいことってありますか?
 「旅行は絶対にしておくべきです。時間があれだけある時期はあんなにありません!!いろんなものを見て、吸収して自分のものにしておくことが大切です!!」
 
 

 


中嶋さんの作品 最後にご紹介するのは、816号室の『ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート』。今回のアートフェアに招待して頂いた中嶋寿挙さんの所属するギャラリーです。中嶋さんは別のアートフェアへの出品する作品制作のため、今回のアートフェアには出展のみでギャラリーには不在でした。
 
 文明の利器を駆使して、『メール』でコメントを頂きました。
 
>>芸大に入学したきっかけは何ですか?
 「芸術系学科の分野が豊富で、美術以外にも様々な表現媒体の勉強が出来るのではないかと思ったからです」
 
>>芸大に入学してよかったことはありますか?
 「芸術の歴史を学ぶことが出来たことです。美術学科は1年次を平面・立体ともに学ぶところから始まり、4年次までに様々なコースを横断することが出来ます。そこで感じた様々な人の考え方が勉強になりました」
 『天までとどく、大きな気持ち』
>>中島さんの作品『天までとどく、大きな気持ち』について
 「4点の連作の中の1点になります。顔の大きな女の子が、大好きな男の子を抱きかかえて空高く昇っていくという姿です。他の3点はHPをご覧になってください」
 
>>作品作りで一番心がけていることは何ですか?
 「僕の作品を手にして、面白い恋愛をするきっかけになってもらえたら・・・、といつも考えています」
 
>>アートの世界を目指す芸大生に一言お願いします。
 「学生のうちに誰にも評価されなくても、表現したいことの一片を自覚できればいいと思います」
 
 中嶋はまた918日(金)20日(日)に『KIAF』(http://www.kiaf.org/という韓国のアートフェアにも出品されます。また来年1月には地元のスペースにて展示をする予定だそうです。
 
 実はまだ、メールでのやり取りしかできていなくて、声もお聞きしたことがなくて…。いつの日かギャラリーでお会いできることを楽しみにしています!!
 
中嶋さんの作品の販売は『ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
 
また、web上で販売をしているギャラリー『@Gallery TAGBOAT
 
中嶋さんの活躍の様子はホームページでもご覧頂けます!!http://sites.google.com/site/hisakiyonakajimahome/

ART OSAKA

 会場 :堂島ホテル(大阪市北区堂島浜2-1-31)
 会期 :8月21日(金)プレビュー 8月22日(土)、23日(日)一般公開
開催時間:12:009:00
 入場料 :1,000/1Day pass
『ART OSAKA』のホームページはこちら
http://www.artosaka.jp/index.shtml
 


2009年9月3日

ART OSAKA 前編

 

会場は多くの来場者で賑わいました!! 
 8月21日‐8月23日に大阪市北区にある堂島ホテルで『ART OSAKA』が開催されました。
 
 この『ART OSAKA』の目的は、現在活躍するアーティストとともに、作品やアーティストのコンセプトを美術館、コレクター及びその他の美術関係者に伝える活動をするギャラリーのフェアを開催することにあり、実績のあるギャラリー及び今後活動を期待される若手のギャラリーを日本、海外より招聘し、一堂に会することでより新鮮なアートフェアを実現しています。(ART OSAKA実行委員会のConceptより)
 
こうみるとバスルームもオシャレです!!   普段はゲストルームとなっている堂島ホテルの8階から11階の客室をギャラリーとして魅せる『ART OSAKA』。客室に備え付けられているベッドやテーブル、クローゼットやバスルームにまで作品が並んでいて、「自室に飾るとこんな風に見えるのか」って想像もしながら作品を見ることができ、よりアートが身近に感じられます。
  
 今回、このアートフェアに出展する『ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート』に所属する中嶋寿挙さん(美術学科卒)からお話を頂いて、ブログ取材させて頂けることになりました。実はこの『ART OSAKA』には中嶋さんだけでなく、ギャラリーの代表者、作家の方に大阪芸術大学の卒業生が多く参加しています。皆さんにインタビューしてきました。
 

 
大野さんと作品
 まず初めに、お邪魔したのは811号室『ギャラリー風』。大野勇介さん(美術学科卒)と渡邉順子さん(美術学科卒)が出品しています。
 
大野さんは昨年もこのイベントに出品。大野さんの作品はこの柔らかい色使いが特徴的です。多くの色を使っても派手さを感じさせない、どこか優しそうなイメージを抱いてしまう、そんな作品です。
 
『恥ずかしいー』と仰いながらもお話を伺いました。
 
>>大野さんは芸大に入学してよかったと思えることはありますか?
 「美術の世界の面白さや奥深さを更に知ることができたことです。あと、卒業後も先生方に色々と相談にのってもらっています。」
 
>>作品制作をする時に一番苦労することって何ですか?
 「やっぱり描く前が一番悩みますね。結局自分でやっていかないといけないので…。でも、描き始めるとスラスラ描いてしまいます。」
 
 

渡邉順子さんの作品
 渡邉さんは現在、美術学科副手の仕事の傍ら作品制作をしています。作品数も一番多く、客室の壁やベッドの上など所狭しに並んでいます。とてもシンプルな色使いですが、客室の白い壁紙を背景に見ると、その色の濃淡の使い分けが際立ちます。
 
>>学生の頃と副手をする今とでは、作品制作において違いってありますか?
「とにかく時間がないことが今はツラいです!!学生の頃は自分の時間が持てるけど、働き始めるとなかなか大変で、最近では早朝か深夜に制作することが多いです。」
  
>>学生たちに「これだけは言っておきたいこと」をここで是非!!
「学生である今しかできないことがあるんやで!!っていっても学生はなかなか動こうとはしないんですが…。」
 
 
 
 

 町田夏生さんの作品
次にノックしたのは、1011号室『YOD Gallery』。
 
こちらにも芸大卒業生の町田夏生さんがおられると伺ったのですが…。あいにく、時間が合わなくて、直接お会いすることができませんでした。
作品の写真だけ撮らせて頂きました。ピンク色を基調とした町田さんの作品は、窓から入る太陽の光に照らされることで作品の明るさが増して、ひと際目を引く可愛らしく感じる作品です。
 
2009年8月31日

大阪芸大2年 初個展

 

ドラマの舞台になりそうでしょ? いつも芸大ブログをご覧頂きありがとうございます。今日は在校生の活躍を紹介します!!
 
 何気なく朝刊を見ていると…『大阪芸大2年 初個展』との記事が…。よくよく読んでみると、和歌山県出身の大阪芸術大学写真学科の学生が和歌山市内のギャラリーで写真展を開催しているとのこと。自宅からも近かったので、早速写真展に行ってきました!!
 
 開催場所は和歌山市小野町の「小野町デパート」。十数年と和歌山県に暮らしていますが、和歌山市内にこんなレトロな建物があったんですね。ドラマの舞台にもぴったりな場所です。入口には写真展『一会』の立看板が。早速会場の3階へ…。
 
 アポなし取材だったので、まずはご挨拶から…。同郷の和歌山県人ということもあって(?)、取材OKを頂けました!!展覧会をするにはちょうどいいくらいの広さのフロアに、中浦彩瑛さん(写真学科2年)の初の個展『一会』が開かれています。
 

モノクロ写真がまた雰囲気を盛り立てます!!

個展のテーマは「人と都市の関係」。撮影場所は日本、フランス、中国。今年に入って、各地へ一週間ほどご家族と一緒に撮影旅行に出かけて、その旅先で撮影した写真が今回並んでいます。撮られる人にとっては何気ない日常の一瞬でも、モノクロの写真として見るとそこからその人の人生が見える…。物語が始まる…。異国の地でシャッターを切った写真30点が並んでいます。
 
>>2年生になって間もないのに、一人で写真展を開催するって凄いですね!?
「でも、友達とか知人にも協力してもらったので、とても助かりました。新聞社の取材もいろんな人を通して来て頂いて、本当に人の繋がりの大切さを身に染みて感じてます。」
 
モノクロでも表情がはっきりとわかります!!
>>普段OUA-TVでビデオカメラの撮影をしているので、録画ボタンを押せば撮りこぼしもなく撮影できるんですが、写真はそういうわけにはいかないですよね?
「そうですね。常に好奇心を持っていないとシャッターチャンスを逃してしまいます。日頃からカメラも持ち歩いて、一瞬を逃さないようにしています。」
 
>>中浦さんが芸大を目指すきっかけは何でしたか?
「父の趣味がカメラで、私も小学生の頃に風景とか撮影していて…。高校に行っても自然と写真部に入部していました。そこで現像やプリントをするのが面白くて、専門的に学びたいなと思って、大阪芸術大学を受験しました。」
 
 ソファやテーブルにかけるだけでも雰囲気が引き立ちます!
>>芸大に進学してよかったなと思うことはありますか?
 「専門的なことを学べるのはもちろんですが、先生方の技量を見て毎日刺激を受けています。」
 
>>各新聞の記事に「アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真に影響を受けた」とありますが、何かきっかけは・・・?
 「実は、芸大の推薦入試を受ける時に『一枚の写真を見て、それについて論文を書く』という試験があると聞いたんです。そこで、入試対策で写真集を見て論文を書いていたんですが、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集も見ていたんです。それがきっかけでスナップに興味も湧いてきて…。入試も合格して、こうして展覧会もできるようになったのは、あの時の写真集のおかげです!!」
 
最後に中浦さんと愛用カメラ!!ありがとうございました!!
>>中浦さんの愛用のカメラはフィルムカメラなんですね?
 「Mamiyaというメーカーのカメラを使っています。中古品なんですがもうこのメーカーのカメラは売っていなくて、あちこち探して買いました。現像しないとどんなのが取れているのかわからないところが面白いですね。デジタルだけじゃないフィルムの良さを知ってほしいです。」
 
>>新聞にも数多く取り上げられていましたが、最後に取材には慣れました?
 「本当に口ベタなんですけど、今回の個展を通してしゃべるようになりました(笑)」
 
 取材の後は、和歌山談話で盛り上がりまして…。地元仲間って素晴らしいですね。
 大阪芸術大学にいる同じ和歌山県人として、大きく羽ばたいてくれることを期待しています!!

中浦彩瑛さん(写真学科2年)初個展
一会
日時:8月17日(月)31日(月)午前11時午後7時
場所:小野町デパート 3階(和歌山市小野町)
入場無料(水曜日・25日休館)