2012年8月16日

HOT展2012 part2 Gallery H.O.T

1-DSCF2627.JPG3月5日から17日までのグループ展に山崎由美子さん(美術学科卒)が参加されていました。
作品はモニターを使用した映像作品と写真集の2種類の作品で、両方とも「水」がテーマとなっています。

2-DSCF2617.JPG映像作品は画面からわき出すように水滴が現れ、徐々に水滴同士が重なり大きくなり画面下へと流れ落ちます。
じわじわと無数の水滴が現れる様子や少しずつ水滴が重なるときの円から歪んだ形への変化、互いに引き合う様子などには小さな命を感じることができ、可愛らしくもあり神秘的でもありました。

3-DSCF2625.JPG画面上の水滴の輪郭は暗く、その水滴の内と外が明るく映し出されています。私たちが通常経験する水滴とは異なり,輪郭部分が強い抽象的なイメージに構成されています。
また、映像ならではの画面構成、時間構成が施され観者が楽しめる表現にもなっていました。

 

4-DSCF2629.JPG水は生命を支える重要な物質であり、また、私たちの日常生活でも自然に個体、液体、気体と姿を変え循環していく興味深い物質でもあります。
このような特性の水という物質に、いままでも多くの芸術家が魅了されてきました。
 

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

 


2012年8月13日

HOT展2012 part3 Gallery H.O.T

3月19日から31日までのグループ展に浅野綾花さん(美術学科08卒)と豊島舞さん(美術学科06卒)が参加されていました。

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浅野さんの版画作品を見てみます。作品は銅版画で制作され、作品表面には印刷の時プレスすることで生まれる凹みが現れます。
この凹みを今回は一つのイメージとし、ダブルイメージを作り出しています。

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浅野さんの作品は、以前にも紹介しましたが、作者のプライベートな世界観を多様なイメージや記号を用い表現しています。私の見方では、マンガ「ちびまる子ちゃん」に見られる幼女のキラキラ感的模様が散りばめられた作品に思えます。
その印象とともに唇イメージに見られる性的フェティシズムが混在し、曖昧な成熟の女性観を見ることができます。

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この作品は輪郭線によりカップのイメージが伝わりますが、輪郭線の曖昧さは地と図の関係を緩くし、トリッキーな構造も内包しているように感じられます。

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「かがやき」、「ずぼん」、「はる」、「ユー」の作品はどれもダブルイメージを利用しています。
銅版自体をイメージとして切り取り、その中にイメージや記号を描き出しています。

長方形や正方形が描く為の支持形態としてあったものが、イメージを優先し支持形態を、そのイメージに合わせるシェイプド・キャンバスの延長としても見えます。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室


2012年8月11日

HOT展:2012 Part 1

ギャラリーH.O.T

1-DSCF2523.JPG2月20日から3月3日までグループ展が行なわれ,井上真希さん(前出)川上真緒さん(短期大学部版画科06卒)矢嶋綾子さん(美術学科02卒)が参加されておられました。

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川上さんの版画は、私たちが日ごろ経験している風景やイメージが、ユーモラスに作り出されています。
作品の中央から人の腕を思わすようなイメージが伸び、灰味がかった四つの弧を掴んでいるようにも,あるいは押しとどめるようにも見えます。
その画面上部には、ビルとそこから溢れる光、工場の煙突、月や星などよく知られたモチーフが描かれています。

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イメージの輪郭部分は白抜きされ、ゆらゆらと揺れるような、そしてたどたどしい表情で作られています。
そのため画面からは柔らかな印象を受け、観者の気持ちをあたたかくしてくれます。
画面の多くをしめるレモンイエロー色が印象的ですが、その形は人間や動物の目を連想することもできます。
一つのイメージが多様に見えることにより、観者一人一人に、それぞれの物語世界を抱かせることができます。

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矢嶋さんの作品は、アクリル絵具で重厚に描かれた絵画です。また、キャンバス側面にもイメージが描かれています。
表面は力強い筆致で塗られており、その荒々しい筆致は、背後に描かれたイメージを消すようにも塗られています。
矢島さんの作品は、アンフォルメル絵画の表情を持ちつつ、直線,円などの幾何学的イメージは理性的というより、感情的に生命的に構成されているため、触覚性の強い物質的な絵画となっています。

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報告 加藤隆明教養課程講師  協力 芸術計画学科研究室


2012年8月8日

夏の甲子園が開幕ですね!

今日から全国高校野球選手権大会が開幕しました!!
大阪芸大のCMも流れています!みなさんご覧になったでしょうか?
私たちもオンエアされるのを楽しみに見ていましたが、やっぱり高校野球は見入ってしまいますね!
自分が試合しているわけじゃないのに一投一投にドキドキします。
ここまで頑張ったんだからみんな勝たせてあげたい!と思ってしまいます(笑)
勝負の世界はそんな風にいかないんですよね…。

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さて、甲子園で熱い戦いが繰り広げられる中、芸大ではAO(アドミッションズ・オフィス)入学試験が行われました!

DSC_2535.JPGAO入試とは…
大阪芸術大学のAO入試は、従来の入学試験のように専門試験の完成度や学力試験の得点のみで評価する方法とは異なります。
各学科が実施する体験授業(2日間)への参加を通じて、大阪芸術大学の教育方針や授業内容を理解していただき、みなさんの学習目標と大学が求める人材とをお互いに理解し、評価しあう入試です。

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今年度より受験機会が2回に増えたAO入試。
朝からたくさんの受験者が続々と登校してきました!
芸大のAO試験は各学科によって異なります。
実技試験をしたり、小論文を書いたり、作品を持ち込んだり講評したり…。
受験生の緊張した顔を見ていると、自分が受験したときのことを思い出してこっちまでドキドキしてきます!
AO入試1期は明日も続くので、受験生のみなさん、頑張ってくださいね!!
来年キャンパスで会えるのを楽しみにしています♪


2012年8月7日

キッズ・アートカレッジ 小学生編

080701.JPG初等芸術教育学科では8月3日(金)、夏休み真っ只中の小学校の児童たちを招いて「キッズ・アートカレッジ」を開催しました。
「キッズ・アートカレッジ」については、6月に幼稚園児を対象に実施した際にもブログでご紹介しましたが、初等芸術教育学科3回生の実習科目「こどもふれあい体験実習」の一環として行っているものです。

こどもと学生が主役となり、広大な林や池などがある自然環境に恵まれた大学キャンパス内で、造形活動やあそびなどを通じて互いにふれあい、創造する楽しさを体験します。

080702.JPG今回芸大に来てくれたのは、太子町立磯長小学校と山田小学校の児童たち。
朝から元気いっぱいで、学生たちの呼びかけにも明るく答えてくれました。

080703.jpgまず午前中は、造形活動として仮面とマント作りを行いました。
用意されたプラスチックの仮面はアクリル絵の具で装飾し、カラービニール袋に様々なデコレーションをして仮面に合ったマントを作ります。
学生たちは、お手本になるよう事前に自分たちの仮面を用意してきました。
こどもたちはそれを真似たり、全くのオリジナルに挑戦したり、とにかく自由にのびのびと、思ったように表現します。

完成した仮面とマントを身に付け大変身したこどもたちは、自慢げに見せ合い、とっても楽しそうでした!
どの作品も個性たっぷり、どこか神秘的で、まるで仮面舞踏会にいるみたいでしょう。

080704.JPGそして午後からは、芸術情報センター1階のアートホールで、パイプオルガン鑑賞をしました。
巨大なパイプオルガンは、近くで見るとそれはもう迫力があって格好いいんですよ。

演奏してくださったのは、演奏学科の住山久爾子先生。
オルガン曲のなかでも特に人気の高い作品のひとつであるJ.S.バッハの“トッカータ”から始まり、コラール、讃美歌、童謡を演奏されました。
続いて、初等芸術教育学科教授の坂本曠一先生が“メヌエット ト長調”とわらべ歌を、同学科副手の山本実依さんがアニメソングを演奏し、最後に住山先生がそれぞれの小学校歌を弾いてくださったところで、終演となりました。
こどもたちの口からは、「すごい!」「格好いい!」「触ってみたい!」という言葉が沢山聞こえてきました。

学生たちはこの日の準備をする中で様々な壁に当たり、苦労もしたようです。
でも、それらの努力は、こどもと関わる仕事に就く時、きっと役に立つと思いますよ。
学生たちにとっても、こどもたちにとっても、今年の夏の思い出になったに違いありません。

さて、初等芸術教育学科では、11月の大学祭でもこどもたちとふれあうイベントを開催予定です。
アートと教育を共に学ぶ学生たちならではのパフォーマンスが待っていると思いますので、お楽しみに!

投稿:島田瑞穂さん(初等芸術教育学科副手)