2017年2月9日

映像学科学生が監督したドキュメンタリー作品上映中!

現在、大阪市西区にある映画館「シネ・ヌーヴォ」で、映像学科の田中健太さんが監督したドキュメンタリー映画「ぼくと駄菓子のいえ」が上映されています!!


舞台は、大阪府富田林市にある駄菓子屋「風和里(ふわり)」。
この店を営むのは、松本明美さんと娘よしえさんです。
「風和里」に通う子どもたちの中には、親の離婚や育児放棄、学校のいじめなどに悩み、居場所を求めてやってくる子が少なくありません。
子どもたちを時に厳しく叱り、またある時には母親のように優しく接する明美さんとよしえさん。
そんな子どもたちとの交流と成長を描いた作品になっています。

 

2月4日(土)から10日(金)にかけては、上映後に日替わりのトークイベントを開催!
私が会場にお邪魔した日は、映像学科長の大森一樹先生がいらっしゃっていました!

 

大森先生
「大阪芸術大学映像学科では近年、ドキュメンタリー作品が強い。
私の分野である劇映画(フィクション映画)は、シナリオがあって、それを映像化していく。
しかし、役者がどんなに上手く演じても、やはり本物には敵わないと思う。
また、田中くんの作品は、ドキュメンタリーではあるけれど、撮ったものをそのまま紹介している訳ではない。
きちんと自分の考えに沿って編集している。
そういう点では、劇映画と通じる部分もあり、大変良いと思う。」


大森先生がおっしゃるように、田中さんの作品は、そのシーンで見てもらいたい部分がはっきりと分かるような映像の繋ぎ方をしていると感じました。
例えば、明美さんが厳しく叱っているシーンでは、子どもたちが明美さんをじっと見つめる表情のカットが効果的に入れられていたりします。


 
監督の田中さんにお話を聞いてきました!!
 

◆なぜこの駄菓子屋さんを題材にしようと思ったのですか?
1年生の時に原一男先生の授業で「魅力的なおばあちゃんを探す」というレポートの授業があり、そこで出会ったのが「風和里」の明美さん。
レポートしていく中で、「風和里」が子どもたちにとっての居場所になっているという側面を知って非常に驚きました。
私は、中学時代不登校だったので、子どもたちの姿が自分自身とも重なって、なんとか映画にできないかと思ったのがきっかけで、3年かけて撮影を行いました。

◆苦労したことは何ですか?
ドキュメンタリーは、生身の人間を題材にする訳ですが、カメラの前で自分が苦しい部分を話すのはあまりしたくないことだと思います。
こちらが強引に聞き出すとかではなく、素直にカメラの前でしゃべってもらえる関係を作っていくのには、時間がかかりました。

◆実際に映画館で上映されることになって感じたことは?
自分が撮ったものに対して、何か感じてもらえる部分があるというのを、お客さんから生で聞けるのが嬉しいです。

◆本日のトークショーに出演された大森先生には、どんなことを教わりましたか?
「キスをしている男女」と「歯を磨いている女性」の2つのカットがあったとして、どちらを先に見せるかで、意味が変わってくる…
そんな話を授業で聞いて、編集というものが持っている力を感じました。
同時に、編集次第で事実を捻じ曲げられるという重さも知り、ずっと心の中に留めながらこの映画を作りました。

 
インタビューさせていただいた中で、田中さんのコメントの節々から、ドキュメンタリー作品を制作する難しさや奥深さを感じました。
田中さん、ありがとうございました!!

 
「ぼくと駄菓子のいえ」は、3月3日(金)まで、シネ・ヌーヴォにて上映中!!
また、全国順次公開予定です。
ぜひ、映画館で作品をご覧ください★

 
 
投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年2月7日

山本修司作品展(F8)ギャラリー白 10/ 3-8

以前、山本氏の作品は紹介した。今回はインクジェットプリントを基底に制作した絵画作品ではなく、立体作品をみる。ちいさな石粒を接着し光源を内に包み込む。内の光は石粒を透過し外に奇妙な光と空間を伝える。一見すると照明器具に見える。山本氏は「照明器具ではありません」と記す。

まずは光を内から照らし物質を透過させることに、何をみせているのを考える。「内なるものを内から体験する」と「内なるものを外から体験する」は何が違うのか。それは表層と物体世界の違いだろう。物体を通過する光はその物体の性質に影響を受け、物体光として私たちが体験する。三次元物体が光の透過により不可解な深みの映像として体験する。ここに触ることとは異なる触覚的映像を感じることができる。山本氏のインクジェットプリント風景を融解し、絵具で構築した世界と類似する光体験があった。

 

山本氏のコメント

学生時代この大学で絵を学ぶ事に疑問を持ち2回生からヨーロッパ留学計画を企み、3ヶ月ほど旅行に出かけました。フランスを中心に動いてみたのですが、まず気付かされたのがその頃私が目標にしていた作品がもう嫌ほどあった事です。私の旅は、絵を描く理由を失う事から始まりました。アカデミックな美術館は一通り巡り、打ちのめされていた頃、ポンピドゥ・センターなどのファインアートに巡り会い、過去の憧れから、今やるべき事が見つかった気がしました。
表現することを一からやり直す為に3回生の履修をするぎりぎりに帰国し泉茂ゼミを選択しました。師には教えられると言うよりも自由にやりたいことが出来る環境を貰っていたと思います。
作品は、自分なりに縦横斜めからできる面を理解することから始めています。作品は斜めの定義を角度変化させることにより曲線化し、ベースになるキャンバスも曲面化しました。
今続けている作品は、複雑な形態を持ちながらも日常見る光景(素材)をモティーフにし、精神の痕跡を残す事に努めています。

 

 

※ 1980年代学生の頃 版画とその後の絵画作品

報告 教養課程講師 加藤隆明  協力 芸術計画学科合同研究室


2017年2月6日

ラジオ「大阪芸大スカイキャンパス」

いよいよ今週末、2月11日(土祝)から、「卒業制作展×キャンパス見学会+進学相談会」を開催します!!
「卒業制作展」では、学生たちが学生生活の集大成として制作した卒業制作作品を一堂に展示!
絵画や彫刻などの造形作品が展示されるだけでなく、映像作品の上映会や演奏会、卒業論文発表会など、各学科の特色あふれた内容になっています♪
そして、「キャンパス見学会+進学相談会」は、総合体育館第2アリーナをメイン会場に、各学科の施設でもさまざまな企画をご用意しています!
学生たちの卒業制作を楽しみながら、大阪芸大の学びを体感しませんか?

>>「平成28年度大阪芸術大学卒業制作展」詳細
>>「キャンパス見学会+進学相談会」詳細

さて、今日は、大阪芸術大学グループのラジオ番組「大阪芸大スカイキャンパス」の放送日です!

パーソナリティは大阪芸術大学副学長の塚本英邦先生。
さらに、本学映像計画学科(現・映像学科)出身の人気映画監督で映像学科教授の田中光敏先生と、舞台芸術学科出身の演出家で劇団「南河内万歳一座」座長・舞台芸術学科教授の内藤裕敬先生が、交替で出演されます。
そして、毎回さまざまなジャンルで活躍する大阪芸大グループ出身の著名な卒業生たちを月替りでゲストに招き、楽しいトークを繰り広げます!!
第一線に名を馳せるクリエイターたちのリアルな声を聴くことができる番組内容となっています!

今日のゲストは、映像学科卒業生でカメラマンの橋本清明さんです!

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橋本さんは、同学科卒業生の熊切和嘉さん監督作品「ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-」をはじめ、数多くの映画やCM、映像作品の撮影をされてきました。
今回は、橋本さんの幼少期時代から大阪芸術大学に入学するまでのお話を伺います。
外で遊ぶより、図書館で本を読んだり絵を描いたりするのが好きな少年だったそうですが、映画の道に進もうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?
今夜の放送、お聴き逃しなく!!

「大阪芸大スカイキャンパス」
2月6日(月)20:30~21:00 オンエア
ラジオ大阪(OBC)1314

投稿:島田(企画広報部事務室)


2017年2月3日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

Still0202_00000今日・2月3日は「節分」です!
でもみなさん…「2月3日=節分」って思ってませんか?確かに今日は節分ですが、実はそうとも限らないんです。
まず、節分は年に4回あります。
節分には「季節を分ける」という意味があって、二十四節気の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれ前日を表しているんです。
ではなぜ節分は2月のイメージが強いのかと言うと、立春は1年の始まりで、昔から特に節目の日として大切にされてきたからだそうですよ。
そしてもう1つ、立春は2月4日とは限りません。(※地球の公転周期がぴったり365日ではないので、年によってずれます)
過去をさかのぼってみると、1984年は2月5日が立春、2月4日が節分だったみたい!
また、2021年は2月3日が立春なので、節分は2月2日になります。

 

Still0202_00001さて、今週の「大阪芸大テレビ」は、季節をちょっと戻していただいて…
昨年11月後半から12月にかけて開催された芸大グループのニュースをご紹介します!
まずは、ニコンサロンbis大阪で行われた、写真学科選抜展「NEXT
写真学科教授で写真評論家として活躍されている飯沢耕太郎先生監修のもと、全学年の学生を対象に参加者を募集。
作品審査で選ばれた学生21名が、個性豊かな写真作品を展示しました!

 

Still0202_00002続いては、大阪芸術大学図書館所蔵品展「エリック・サティ150周年 ~異端児か先駆者か~の模様をお届けします!
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの作曲家 エリック・サティ。
今回は、サティ生誕150周年を記念して、楽譜や手紙、演奏会の招待状など、サティにまつわるレプリカ資料の展示が行われました。
また、所蔵品展と合わせて、サティの代表曲を取り上げた演奏会も開催されました♪

 

Still0202_000033つ目のニュースは、フェスティバルホールで開かれた「大阪芸術大学特別演奏会」の話題です!
演奏学科教授の大友直人先生が指揮を担当し、大阪芸術大学管弦楽団、大阪芸術大学混声合唱団でお送りしたこの演奏会♪
今年は、三大バレエ音楽の1つとも言われている「白鳥の湖」と、モーツァルトの「レクイエム・ニ短調」が演奏されました!
また、音楽学科・演奏学科長の三原剛先生や、東野亜弥子先生、福原寿美枝先生、大学院生の中島康博さんによる独唱も披露されました。

 

Still0202_00004最後に、「OSAKA光のルネサンス2016」の模様をお送りします!!
毎年、このイベントに参加している大阪芸術大学ですが、今年手がけたのはなんと、大阪市中央公会堂を舞台にしたプロジェクションマッピング!!
本学客員教授の村松亮太郎先生指導のもと、デザイン学科の学生と公募で集められた高校生たちがプロジェクトメンバーとなり、ダイナミックでインパクトのある作品を作り上げました。
また、中央公会堂の大集会室で行われた「大阪芸術大学クリスマスポップスコンサート2016」の模様もご紹介します♪

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜24時45分からサンテレビで放送中!また、奈良テレビ放送、テレビ和歌山でも好評放送中です!
みなさん是非ご覧ください!!

<<オンエア情報>>
2月3日(金)
サンテレビジョン 24:45から
2月4日(土)
奈良テレビ放送 18:15から
テレビ和歌山 22:30から


2017年2月2日

三十三間堂大的大会で本学学生が優勝!

みなさん、突然ですが「三十三間堂大的大会」という行事をご存知ですか?
「三十三間堂」とは、京都市東山区にある寺院の仏堂のこと。
正式名称は「蓮華王院」と言い、その本堂の内陣の柱間が33あるという建築的な特徴から、三十三間堂と通称されています。
平安時代後期、院政を行った後白河上皇が、自身の離宮内に創建したものだそうです。

この仏堂の年間行事として、毎年1月15日に近い日曜日に行われているのが、「大的大会」・別名「通し矢」。
江戸時代に各藩の弓術家が本堂の軒下で矢を射た「大矢数」にちなむ行事です。
成人を迎えた男女の弓道有段者や称号者が、約60メートル先の大的を射て技を競います。
尚、新成人による大会は、1951年から行われています。
晴れ着姿での競技は、大変華やかで、京都の風物詩の1つとして親しまれています!

大阪芸術大学にも「弓道部」があり、今年成人を迎えた学生たちもこの大会に参加していました。
そしてなんと!成人女子の部で、放送学科2年生の兼尾結実さんが優勝しました!!

兼尾さんからコメントをいただいていますので、ご紹介いたします!

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雪景色の京都。異例の積雪で体の芯から凍るような寒さの中行われた「第67回三十三間堂大的大会」。
新成人の男女およそ2000人が国宝三十三間堂で60メートル離れた大きな的に向かい矢を射る。
成人女子の部での優勝。
決勝で寒さに震えながら放った矢が的に中(あた)ってくれたのは本当に運が良かったと思っている。
三十三間堂の仏たちが味方をしてくれたのではないだろうか。
応援に来てくれた方々にも感謝している。
人生に一度の大会で優勝できたことは一生の誇りにしたい。
成人男子の部では、参加者が890人いる中で2年生 岩壁快樹が5位入賞を決めた。
三十三間堂で入賞ばかりか男女共に賞状を受け取ったのは大芸弓道部の歴史でも前代未聞である。
我々弓道部はここ数年で着実に実力がついてきていると思う。
男子は昨年秋のリーグ戦で3年連続となるリーグ昇格を決め、男女共に2部リーグ所属となった。
紅色の上衣が今後ますます名を轟かせることに期待していただきたい。

大阪芸術大学体育会弓道部 2年生 兼尾結実