2008年11月25日

写真新世紀 優秀賞受賞 小山航平さん

今月8日から東京都写真美術館で開催されている「写真新世紀 東京展2008」(キャノン主催)。今年の応募者1,517人から選ばれた優秀賞受賞者6名および佳作受賞者2830名の受賞作品が展示されています。
>>>
写真新世紀

今月末までの展示期間内の1128日には、優秀賞受賞者の中からグランプリ(1名)を選出する公開審査会が行われる予定になっています。その優秀賞受賞者6名の中に今年写真学科を卒業した小山航平さんが選ばれています。小山航平さんを優秀賞に選んだのは森美術館館長・南條史生氏。受賞作品は卒業制作で手掛けた「白夜夜行」。小山さんはこの作品で学長賞を受賞されています。幻想的なモノクロの8枚の組写真です(今年2月ブログでも紹介した作品です)。
CANON キャノン 写真新世紀 小山航平
不思議な夢の中の世界を旅するような作品は、8枚それぞれが別世界への入り口のようで、入ってみたいような、入るともう戻って来れなくなってしまいそうな、そんな気持ちになるとてもすばらしい作品です。写真新世紀のホームページにそのうちに1枚が紹介されていますので是非ご覧ください。
CANON 東京都写真美術館 写真新世紀 2008 小山航平
28
日の公開審査会では、受賞者本人による作品紹介とそれぞれの審査員の方々の作品講評も聞くことができるそうです。28日の審査結果に注目です。小山さん頑張ってくださいね。
※ちなみに公開審査会の参加には事前申込みが必要です。

●写真新世紀 東京展 2008
  2008年11月8日(土)→11月30日(日)
  10:00→18:00 (木・金曜日は20:00まで、毎週月曜日休館)
会場:東京都写真美術館 地下1F 展示室

入場料:無料
↓詳細はこちら
>>>東京都写真美術館ホームページ
>>>写真新世紀 NEWS(2008年9月19日分)

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2008年11月22日

資生堂・山形季央氏 特別講義

昨日午後、芸術情報センター・AVホールにて株式会社資生堂宣伝制作部部長・デザイン制作室長の山形季央氏による特別講演が開催されました。山形氏は、1976年本学デザイン学科卒業後、株式会社資生堂に入社。現在、クリエイティブディレクターとして活躍されています。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
資生堂には、ブランドを決める委員会があるのだそうですが、まず最初にブランドの条件を挙げられました。
 1.物語・歴史があること。 
 2.研究・情報の蓄積があること。 
 3.高品質・適正価格であること。
 4.人から人に手渡されること。
 5.人間性があること。
 6.厳しい自己規制があること。
 7.伝統を大切にする心、絶えざる革新の心があること。
 8.世界的であること。
この8つの条件は、アートプランナーとしての条件でもあるとのこと。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
資生堂には、独自の資生堂書体というものがあり、入社当初、新入社員はこの書体を手書きするという作業をひたすら繰り返すのだそうです。先輩方に見せにいくと、そこで「資生堂とは・・・」といったやり取りがされるのだそうです。こうして資生堂の理念が伝えられ、歴史、伝統を重んじながら、新しい取り組みに展開していくのでしょう。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
山形氏は、「まわり道をしました」とおっしゃっていました。「本社で広告の仕事がしたい」という思いをもちながら、東京本社から大阪分室へ、そしてパリ駐在。しかも「グラフィックがしたい」とおもっていたのに、ウィンドウディスプレイを担当。でも、パリでの立体の仕事は、後にディレクションという仕事のなかで役に立っていくそうです。また、セルジュ・ルタンス氏との出会いによって、『デザイナーは、一瞬にして世界と通じることができる』ということを強く感じたそうです。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
その後も「やっと宣伝部なのに、国際部門へ」「やっと宣伝部なのに、マーケティングへ」と、思いはなかなか叶えられない中、山形氏は自社の仕事とは別に、本の装丁の仕事をする機会を得、その作品『艶のかたち金沢』(田原桂一写真)によって東京ADC賞を受賞されます。その後も『AMAGATU』(上田義彦写真)などのブックデザインを担当されています。これらの本は、本学図書館も所蔵しているようなので、是非みなさん図書館で一度実物をご覧になってはいかがでしょうか。

山形氏は、「出会いが人を決める、自分で考えるが合言葉」とし、人との出会いの機会を自分自身で積極的につくってこられたそうです。また、頼まれなければ制作しないのではなく、自分で積極性を持って、作品制作においては、「強く美しく、簡潔丹精かつ華がある」をモットーに、自分を信じ、他にないものを心がけるそうです。最後に「目的地があれば、まわり道でもいいんだ」とまとめられました。
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
作品などをスクリーンに投影しながら、終盤では資生堂のCMも上映。
>>>資生堂企業広告CMはこちら
資生堂 SHISEIDO 山形季央 宣伝制作部 デザイン 採用情報
質疑応答では、学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。

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2008年11月20日

秋深き

昨日から関西地方もとても冷たい風が吹き、学内の学生さんたちの装いも変わりました。マフラー、コート、ブーツ、皆さんおしゃれです。河南町は朝から良いお天気でした。スクールバスで芸坂の上まで到着される方は又別の景色をご覧になっているかと思いますが、朝の芸坂は深まる秋の美しいシーンがたくさんあります。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
ここのところの冷え込みで一気に色づいたモミジは見上げると赤赤と青空に映えています。夏は夏で緑のトンネルでしたがこの色の変化がいつも楽しみです。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
また、下を見ると芸坂の路面もテキスタイルの作品のようです。坂を行き来する車のスリップを防止するために表面がザラッとした舗装がところどころにあるのですが、そこに落ち葉が引っかかって、車にプレスされて秋色の作品のようになっています。なかなか良くできています。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
坂の上のバスロータリーでは、イチョウの木が真っ黄黄です。今日はお天気がいいので、遠くの金剛山地、葛城山までよく見えます。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
入試課の窓から3本のイチョウの木が本当にきれいで毎年この時期が楽しみです。でもキリッと冷えた外気の中でイチョウの真下で眺めるのがやはりベストです。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
芸術情報センターの入り口の大きなガラス面にちょうどイチョウが映っていて、どちらを向いても美しい秋の表情です。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
秋といえば、映像学科研究室の前にもポスターが貼ってありますが映画『秋深き』が公開されています。この作品は、名画『夫婦善哉』の原作者・織田作之助の短編を現代風にアレンジし、オール関西ロケで撮影された映画です。この作品で映画初主演となった八島智人さんと一代役の佐藤江梨子さんの記者会見は新聞やメディアでたくさん扱われていましたのでもうご覧になった方も多いはず。
秋深き 八嶋智人 佐藤江梨子 紅葉スポット 芸坂
実はこの映画、映像学科でシナリオの指導されている西岡琢也先生が脚本を担当されています。それで映像学科の研究室の前に貼ってあったわけです。ある夫婦の愛の物語を綴ったこころは温まる映画として話題になっています。これからますます寒くなりますが、冬支度にいかがでしょう?大阪では梅田ピカデリーをはじめ3箇所の劇場で上映中です。

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2008年11月19日

デジコン

17日から総合体育館ガーデンギャラリーでスタートしている「デジコン」を見てきました。この展覧会はデザイン学科情報デザインコースの3年生8人による作品展です。
デジコン 情報デザイン コース
『デジタルなコンテンツ。デジタルなコミュニケーション。』が合言葉です。平面作品を中心に、ちょっと成人向け(?)のアイテムも展示されていました。
デジコン 情報デザイン コース
もうあまり使わなくなりましたが、いわゆる「萌?っ」な作品もたくさんあります。「ハルコ・ナツミ・チアキ」は思わず一緒に記念撮影したくなる「萌さ」です。今回この作者・谷岡亜美さん(代表)が「ブログで取り上げてほしい!」ということで入試課に案内を持ってきてくれました。
デジコン 谷岡亜美 ハルコ・ナツミ・チアキ
取材に伺った時、あいにく谷岡さんはいらっしゃいませんでしたが、ちょうど展覧会に来られていた太田明仁先生とメンバーの方4人とで記念撮影。パシャリ。
デジコン 
先生に聞いたところ「彼らは課題以外の制作としてこれらの作品を作っているんですよ」とのこと。大掛かりな作品もあり、なかなか力作揃いです。
 
中川真梨江さんの作品「INSTRUMENT GIRL」の前では、好きな美少女キャラクターに投票するという仕掛けがありました。気に入ったキャラクターにハートマークを付けていきます。9人のキャラクターはそれぞれハーモニカやカスタネットなどの楽器をテーマとしていて、肌の色も髪型もコスチュームも全く違います。
デジコン 中川真梨江 INSTRUMENT GIRL
「どのキャラクターがお好みですか?へぇー、あぁ、こういうのがお好みですか。わたしはこういうのが好きなタイプです・・・」。先生と私、いい大人が鼻の下を伸ばして刹那な“楽し恥ずかし本音トーク”。
デジコン 中川真梨江 INSTRUMENT GIRL
その横には「うすコン2008」の受賞作品が展示されていました。
ジェックス コンドーム うすコン2008
会場にいらっしゃった林翔子さんに今回の展覧会の見どころを聞いて見ました。
「情報デザインコースではこんなことができるんだってことをもっと知ってもらいたいです。」
粘土でつくったフィギアやアニメ映画告知風ポスター、背景の上にセル画を施した作品などなど。小さいギャラリーの空間ですが盛りだくさんの内容です。
デジコン
デジコン
面白い作品だと思ったのは、「魅惑甘ガエル図鑑」。48種類のスイーツをカエルと掛け合わせた作品です。上のほうから見ていって、これだけ数があると6段目のパフェシリーズあたりでは笑えてきます。カエルとのミスマッチがこの作品のいいところですね。いっそどこか甘味処のメニューとして持ち込み提案してみては?
デジコン 魅惑の甘カエル図鑑 

今日、取材に伺ってうれしかったのはメンバーの方々の些細な会話です。
「ブログの取材って、一体何のブログ?」
「芸大ブログだよー、知らないの?あれ結構いろいろ参考になるんだよー」。
毎度、ご愛読ありがとうございます。

●デジコン
 11月17日(月)→11月22日(土)
 9:00→18:00 (最終日は17:00まで)
 総合体育館・ガーデンギャラリーにて

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2008年11月18日

生命感(壁画完成)

日曜日。先日美術学科の学生達が制作していた壁画が完成したので、早速見に行きました。
壁画制作時の余白部分は、ビル壁塗装のベージュ色のままでしたが(115日ブログ写真参照)、完成画はなんと、黄色く!!なっていました。当初、黄色にする予定にはなかったそうですが、「描いている途中で、余白部分がよごれたからね。黄色を塗ったら、良くなったよ」と美術学科長石井教授。
壁画
優れた描写力による動物達が、今にもこちらに向かってきそうな迫力。周りのビルが白やグレーの無彩色、レンガ色や緑色などに対し、彼等は活き活きと生命感を発しています。

たった4日間で、しかも10人足らずの制作者で、こんなクオリティの高い壁画が出来ました。近々、絵の下部に制作者達のサインを入れるそうです。

制作途中、壁画用絵具が足らなくなり、急遽、絵具の追加注文をした時がありました。配達してきた絵具会社の方が壁画をご覧になられて、とても感心されていたそうです。また、制作最終日に工事用ネットを外したとき、道行く人々が足を止めて眺めていたそうです。写真を撮りに行ったのは日曜日だったので、人通りは少なかったのですが、壁画の前では、自転車に乗りながらでも思わず振り向いてしまう街の人々や、スピードを緩めて走る車が何台も通り過ぎました。
壁画
音も鳴らず、閃光も発さず、においもしないはずなのに、街やビルの構造が立体的に変わったわけでもないのに・・・、絵の力は凄いなあ、不思議な力だなあ、と思いました。

4日間に及ぶ制作で、風邪を引いたりしてしまう人もいたそうです(お大事に)。
制作に携わった学生さんと副手さん、そして先生。本当にお疲れ様でした。

場所:大阪市中央区北久宝寺町1丁目5-13小泉ビル
   (大阪市営地下鉄堺筋線 堺筋本町駅 3番出口より南へ徒歩2分)
    >>>GoogleMap

投稿者:野口リサ (大学院・芸術制作専攻【絵画】1年)

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