2008年9月29日

TEXAHEDRON(テキサヘドロン) 前編

「描くことになんの意味があるのだろうか。

そもそも意味などあるのだろうか。

それでも、僕らは描き続ける。

ただただ、夢中で描き続けるのだ。」
TEXAHEDRON ZAnPon テキスタイルデザイン
ついに作品展「テキサヘドロン」がスタートしました。この展覧会は工芸学科テキスタイル・染織コースの卒業生と在校生6人による作品展。ZAPonさん(2005年卒業)、yumさん(2006年卒業)、垂谷知明さん(2007年卒業)、YUIさん(2008年卒業)、たくるさん(現在4年生)、ちょきさん(現在4年生)。
TEXAHEDRON
TEXAHEDRON ZAnPon
時間の縦糸で繋がったこの6人のクリエイターたちの作品を直に見ることができる。私にとって、まさに「夢の競演」です。ずっと前から楽しみにしていました。

TEXAHEDRON ZAnPon
既に海外でも評価の高いZAPonさん。これぞ「凱旋」。今回の展覧会にたくさんの作品を出展してくれています。CANVAS@SONYなどなど活躍の幅を拡げおられ、2008年も続々と企業とのコラボレーション作品がリリースされる予定だそうです。画面いっぱいに自由に展開しながらも絶妙のバランスで構成される線とリズミカルな色彩構成。どの作品も心がワクワクするほどです。

TEXAHEDRON
yumさんのことはこのブログでも少し紹介させていただいたことがありました。今年のdigmeout exhibitionyumさんのインタビュー映像を拝見したことも記憶に新しいです。女性の顔に覆いかぶさる独特の構成とポップな色彩で自身の精神世界を強く描き出している平面作品がyumさんを象徴する作品となっていますが、今回の展示では立体表現した作品も展示されています。

TEXAHEDRON
垂谷知明さんの作品は、卒業後大きく変化していっています。愛用している芸大生も多いかと思いますが、2007年の「芸T」の黒ヴァージョンは垂谷さんの作品でした。連鎖しながら拡がってゆく線は、架空の生き物たちを描き出し、その生命たちが作り出す独自の世界。その頃の作品は文字も造形の一部として作品の中に配置されていましたので「意味」や「無意味」を行き来するように楽しめる不思議な魅力を持っていました。近年の垂谷ワールドはまた別の魅力をもっています。

TEXAHEDRON
YUIさんも昨年の「芸T」絡みで作品を制作していただいたクリエイターです。2007年の「グランプリ芸T」のアレンジ作品で初めて見た作品はインパクトがありました。印象に残る独創的な作風です。ロウ染めの技法で自由に力強く描かれる線は一見抽象的な作品に見えるのですが、じっくり見ると見えてくるのです、具象の造形が。書画のようでもありますが、でも決して和風ではなく古さを感じないカッコイイ作品なのです。

TEXAHEDRON
爬虫類をモチーフにして繊細な線と点で描かれる職人技が目に留まり、昨年から注目してきた在校生がたくるさんです。はじめてたくるさんの作品を見たときに、頭に描いたのがZAPonさんでした。およそ1年の間にモチーフが爬虫類から人に変わりまたほかのものへ。モノクロの線画に色が加わり、キャンバス内のバランスも絶妙に変わってきました。最新作がこれまでのたくるさんの作品の変遷を物語っています。

TEXAHEDRON
機関銃やピストルを持ち、目玉の肥大した少女の絵がちょきさんの作品です。無意識に自画像を描いているそうです。華やかな色彩と過激さが共存する独特のスタイルで一貫して制作されていますが、ちょきさん自身はその過激さを感じる風貌ではありません。そのギャップが作品の印象を強めています。最近の作品は少女の身体の形が変化してきています。5人の少女が描かれた作品の中には、yumさんとYUIさんが描かれています。

美術、デザイン、工芸を学んでいる方だけでなく、音楽や演奏を学んでいる方もビンビン刺激を受けること間違いありません。是非、学外の方もこの機会を逃すことなくお越しください。
TEXAHEDRON
今日のブログではクリエイターの方々の紹介に止めておき、続きは明日のブログ(後編)で・・・。
というのも、展覧会場のディレクション、グラフィック、空間構成、会場で上映されている映像、空間を包み込む音楽もとにかく素敵なので1日分の記事でお伝えするにはもったいなすぎます。明日はオープニングパーティーの様子も含めてお伝えしマース!

大阪芸術大学ホームページ
大阪芸術大学ブログトップへ