2013年8月14日

長尾圭展(美術学科92年度卒)2kw gallery  6/3-15

長尾さんの学生時代、日本の現代美術はニュー・ペインティングという新しい絵画が流行していた。ニュー・ペインティングで紹介されたアーティストは、ジュリアン・シュナーベルやバスキア、日本では大竹伸朗がいる。その絵画に対し疑念を抱きそれとは異なる絵画制作を試みてきた。それがモダニズム絵画である。現在の長尾さんの作品にはその絵画をより推し進めようとする意欲がみえる。

この作品を目の前にしたとき「すがすがしい風の皮膚感」との印象が生まれた。それを生み出す要素は色彩と形態にあった。画面の多くを占めるみどり色は「うすい・浅い・やわらかい」に属すような色合いである。また黄みのだいだい色はやさしい印象であるがみどりとだいだいは「対照の配置」にあり画面は活性化し、鑑賞者に強く働き掛ける。

 

キャンパスの生地がそのまま表象している部分がある。これはキャンパスに筆で絵具を置くことから絵画が始まることをあからさまに見せている。
多角形の模様が画面を横断している。このイメージは平面が変化を続けるための機能も果たしているが、多角形で描かれむしろ触覚的要素が強く視覚の暴走を安定させる機能が働いている。五感の役割として、視覚と触覚の関係にそのような相互作用がある。

 

ドローイングにより描かれたイメージは、具体的に何かを指示しているわけでもなくまた抽象形態でもない。日常的な事物イメージの断片のようにも見える。
この絵画は「地と図の関係」を明確に描き、そこから絵画独自の構造空間を探究するものではない。明確に描くとはゲシュタルト図のように、具象形態での地と図の反転状態を説明しているわけではないということである。断片化した色面が輪郭線からほどけた様なドローイングとどこか宙ぶらりんになり、浮遊しお互い絡み合いながら画面を構成している。画面のいたるところで、それらの反転が始まる。そこに長尾さんが云う「地と図の関係がすばやく入れ変わり画面をつくり出す」とはこのような絵の構造を指すと思われる。

 

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科合同研究室

 


2013年8月12日

新谷麻木展 (工芸学科02年度卒)ギャラリー風 4/8―16

「旅のあとの夢」と題された陶器の作品である。この作品は3度焼き入れを行っているそうだ。作品の大きさは高さが50㎝を超えかなりのボリューム感がある。ゾウをイメージしたものであるがほぼ2頭身で幼体をイメージさせ、表面にはパステル調の装飾が描かれ、かわいらしく愛くるしい作品になっている。

 

かわいらしさや愛くるしさは幼体だけでなく、からだ全体が丸みを帯びピンクの色調で描かれたレース模様や、頭部からすると大きすぎる目などその要因は数多くある。
からだの表面を覆うレース状の模様もほぼ円の形態で構成されており、鑑賞者に優しさや安心感を抱かせる。

横から作品を見る。鼻先から尾までを視線で追うとそれは気が付くだろう。鼻先から始まる弧の動き、鼻の甲を波打つようにこの動きが始まり、頭から胴、尾へと流れていく。一連の規則正しい弧のウエーブが心地よい。そしてこの作品の軸をなしているようだ。また、体を支える四本の脚は極端に抽象化され、作品の造形性を支えるものとなっている。
この丸みを帯びた形態に人は触りたくなる衝動がある。この触りたくなるという感覚こそかわいらしく愛くるしさを生み出しているのかもしれない。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室


2013年8月9日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

本日9日(金)から19日(月)までの11日間、大阪芸術大学各事務局は一斉休暇に入ります。
その間は、各課窓口やパピルスメイト等の利用ができませんので、ご注意ください。
(但し、通信教育部事務室等、一部の窓口については上記に限りません。)

こちらのブログは、休暇期間も随時更新していきますよ。
是非ぜひアクセスしてくださいね!!

さて、今週の「大阪芸大テレビ」は、7月に行われた大阪芸術大学オープンキャンパスの模様からお伝えします。
以前も6月のオープンキャンパスの模様を放送しましたが、今回は7月の回で新たに実施されたプログラムを中心にご紹介します!
7月の目玉は、なんといっても映像学科による特撮野外ロケ!!
誰もが知っているあのかいじゅうも登場します。
参加できなかったみなさん、必見ですよ!

続いては、大阪芸術大学から生まれた音楽をご紹介する、「OUAミュージックライブラリー」のコーナーです。
このコーナーでは、学生たちが制作したオリジナル曲を、ライブステージの模様で紹介します!
今回は、今年3月に行われたポピュラー音楽コースの卒業公演の中から、森田太平さんの曲をお届けします!
森田さんの学生生活への熱い想いが詰まった1曲です!!お楽しみに♪

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜24時40分からサンテレビで放送中!
また、奈良テレビ放送、テレビ和歌山でも好評放送中です!みなさん是非ご覧ください!!
 
<<オンエア情報>>
8月9日(金)
奈良テレビ放送 21:30から
サンテレビジョン 24:40から
8月10日(土)
テレビ和歌山 22:45から


2013年8月8日

大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-

こんにちは!ラジオ大阪(OBC1314)にて毎週木曜日に絶賛放送中の「大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-」にてアシスタントパーソナリティを務めている康本光です!

先週のブログでPL花火のことを書きましたが、無事見に行けましたー!!雨が降ることもなく、久しぶりに生で花火を楽しむことができましたよ!やっぱり迫力が違いますねー!打ち上げたときの音がお腹にビリビリ伝わって来るかんじや、火薬の匂いはテレビでは伝わりにくいですからね!まだまだ夏の風物詩はたくさんあるので、学生の皆さんは楽しい夏休みを過ごしてくださいね!

それでは、今日の聴きどころのご紹介です!毎回豪華なゲストをお迎えして、メインパーソナリティの塚本先生と楽しいトークを繰り広げる『ゲストの扉』のコーナー!

回のゲストは、大阪芸術大学デザイン学科出身のグラフィックデザイナーの『江東瑠璃呼(えとう るりこ)』さんです!

グラフィックデザイナーって聞き馴染みのある言葉ですが、実はそれぞれに得意分野があるそうです!江東さんは「飲食店やフードサービス事業」に特化したグラフィックデザイナーさんなんです!大学在学中にプロデビューされ、これまで様々なフードサービス事業に関わってこられたそうですよ!皆さん、ご飯屋さんに入るときにまず外装を見ますよね?店舗のデザインや店名のロゴ、メニュー表などなど・・・お仕事の発注のスケールによって様々ですが、江藤さんは上記のことに加えてメニューそのものを考えるときもあるそうです!本当に幅広いお仕事内容ですよね!今回のオンエアでは、飲食店のデザインのお話をたくさんしているので、もしかしたらお腹がすいてくるかもしれません!かくいう私も、収録中にとてもお腹がすいておりました・・・!

それでは、今日のプレゼントの紹介です!

8月25日(日)、『大阪芸術大学短期大学部オープンキャンパス2013』の開催を記念して、短期大学部のオリジナルグッズを3名様にさしあげます!
プレゼントの応募方法は、今日の放送をお聞きください!ご応募お待ちしています!

今日もラジオ大阪(OBC1314)にて深夜24時から放送!アート情報もりだくさんの30分でお送りします!展開が見逃せないラジオドラマ劇場テアトル山田のコーナーもお聞き逃しなく!


2013年8月7日

AO入試(1期)実施!!

今日は朝から30℃を超え、とっても暑いですね…!!
来週までは全国的に猛暑日が続くそうです。
この「猛暑日」という表現…今では夏になると毎日のように天気予報で耳にしますが、実は最近使われるようになった言葉なんですよね。
気象庁が2007年4月1日から使用を開始した予報用語で、その日の最高気温が35℃以上になる日のことを言います。
因みに、最高気温が25℃以上で夏日、30℃以上で真夏日、夜になっても25℃を下回らない夜を熱帯夜と表現しますが、これらの単語を聞いているだけで暑さを感じるのは気のせいでしょうか…。笑

 

そんな暑さの中、今日は大阪芸術大学でAO入学試験(1期)が実施されています!
朝から多くの受験生たちの姿が見られました。
試験を前に、少し緊張しているのが伺えます…!

 

中には元気に挨拶をしてくれたり、迷っていたので場所を案内するととても丁寧にお礼を言ってくれる受験生もいました。
なんだかその姿がとても初々しくて、応援せずにはいられません…ファイト、受験生!!

AO入試は、専門試験の完成度や学力試験の得点のみで評価する従来の入試とは少し異なります。
試験の出来も勿論大事ではありますが、何よりも普段通りの自分らしさを表現してくださいね。
そして、受験する学科の雰囲気を沢山体感して帰って頂けたらと思います!!

 

試験は明日まで続きます。
2日間の長丁場に、暑さも伴って体力が心配ですが、気張りすぎずにリラックスして乗り切ってください!
そして、次は芸大生としてお会いできる日を楽しみにしています。

投稿:島田(OUA-TV)