2009年10月23日

Logic Circuit 赤土浩介 展

     

西天満のGallery wks.で、9月28日(月)~10月10日(土)『Logic Circuit赤土浩介 展』が開催されました。
2008年3月14日のブログでもご紹介した赤土浩介さん(本学大学院芸術制作研究科2000年修了)の前回の展覧会
『OVER OVER』は、どこまでも自由に制作されていましたが、今回の『Logic Circuit ロジック サーキット 論理回路』
では、悩みながら、考えながら・・・がテーマとなっています。
「はじめからイメージを固めて描く必要はない。曖昧なゴールを目指すのは、そこでしか起こらないたくさんの選択肢に
未知の可能性があるからだ。・・・」

『Logic Circuit 赤土浩介 展』

悩みながら、考えながら・・・と言うと色々な受け止め方をする方がおられるとは思いますが、
心理的にも技法的にも悩んだり、考えたりしながら、描き進めておられるのだろうなと感じました。
確かに前回は、有機的な丸みを帯びたフォルムで描かれていたように思いますが、今回は、直線で描かれていたり、
マスキングテープが張られていたりなど、無機的な部分が混在しています。

「Root」 acrylic color on canvas F100 / 1620×1303m
「Root」 acrylic on canvas F100 / 1620 × 1303

ちょうど、現代美術家で本学短期大学部デザイン美術学科(立体造形)講師の中西學先生(本学美術学科1982年卒業)が
見に来られて、赤土浩介さんと素材や技法についての談義が始まったので、隣で興味深く拝聴することができました。
赤土浩介さんの作品は、キャンバスに麻布を自分で張っておられるとのことです。ガッシュやアクリル絵の具で彩色した後に、
スプレーやパステルで表情を付けておられますが、それらを引き立たせる為には、アクリル絵の具が良いし、自分の目指す質感
を出すには麻が良いとのことでした。

左「 Trip art 」acrylic color on canvas S50 / 1167 x 1167 mm   右「 フォルミズム(A)」acrylic color on canvas F80 / 1455 x 1120 mm
左「Trip art」 acrylic color on canvas S50 / 1167 × 1167 mm
右「フォルミズム(A)」 acrylic color on canvas F80 / 1455 × 1120 mm

中西學先生も麻の質感がうまく出ているとおっしゃっていました。かなり塗り重ねていることにも触れられると
赤土浩介さんも普通はキャンバス地に絵の具が通らないように目止めや地塗りなどの前処理を施すけれども、あえて麻布のまま、
アクリル絵の具をかなり塗り重ねていますと言われていました。そして、色にもかなりこだわっていますとのことでした。

左「 かくれんぼ ロジック 」acrylic color on canvas F80 / 1455 x 1120 mm
左「かくれんぼ ロジック」 acrylic color on canvas F80 / 1145 × 1120 mm

いつも新しい試みに挑んでおられる中西學先生と赤土浩介さんならではのお話をお伺いして、日頃、完成された作品を鑑賞する中で、
そこまで目が行っていなかった素材や技法について、作家さんたちは色々研究を重ね、試行錯誤を繰り返しながら自分の作品が
一番生きる素材や技法を探し出し、自分独自の色や形を見出していかれるのだなと改めて思いました。

左「 GO 」acrylic color on canvas F60 / 970 x 1303 mm   中「 puzzle 」acrylic color on canvas F15 / 652 x 530 mm
左「GO」 acrylic color on canvas F60 / 970 × 1303 mm
中「puzzle」 acrylic color on canvas F15 / 652 × 530 mm

芸術家はよく『作品と対話する』と言われますが、赤土浩介さんも『作品と対話する』そうです。
「二転三転と変化する色や形、七転八倒するイメージや行き先。対話は欠かせない。」
今回の『Logic Circuit』で、悩みながら、考えながら・・・美しい色彩やユニークな画面を魅せてくれた赤土浩介さんが、
これからも作品との対話を重ねながら、どんなイメージに到達していかれるのか・・・、
また次を楽しみにしたいと思います。

『Logic Circuit』 赤土浩介展
SHAKUDO kosuke exhibition
 9月28日(月)~10月10日(土)*展覧会は終了しています。
 11:00~19:00
 日曜休廊/土曜・最終日は17:00まで

Gallery wks.
http://www.sky.sannet.ne.jp/works/


2009年10月22日

ZAnPonは宇宙である。

京都・イムラアートギャラリーで今月10日からスタートしたZAnPonの個展に行ってきました。
アートフェアなどを除くと4年ぶりの新作個展。前々から楽しみにしていました。

ZAnPon個展 イムラアートギャラリー

今年度、大学の手提げ袋のデザインが一新され、
大学案内の表紙デザイン同様ZAnPonの作品が起用されました。
キャンパス見学会などで手にされたどの人もが
その華やかさに気持ちがワクワクするような感覚を覚えたのではないでしょうか?

2008年の作品『光りある人』以降、
幸福感が前面に満ちる作品を多く発表してきたZAnPon
今回の個展ではこれから先の「次のZAnPon」の姿を垣間見ることができる作品を含め
9点が展示されていました。

『Chat beans』(手前の作品)

見に来てくれる方々に最高のコンディションで見てもらえるようにと、
会期直前に自らギャラリーの壁を白くペイントし直すなど
搬入までは作品の仕上げと並行してあれこれ結構忙しかったようです。
「ちょっと休憩」するようにギャラリーに立ち寄ってもらえるようにと
ZAnPonが見立てたポップなデザインのベンチが置かれているこだわりの設えでした。
DMのデザインとギャラリーの窓に描かれた個展のタイトルは、
デザイン学科4年生の田原拓真さんのお仕事なのだそうです。

田原拓真さんがデザインしたタイトルとDM

ギャラリーの正面に展示された『Revolution』。
大きさもさることながら、展開する色彩は迫力満点です。
今回の新作の数々にはZAnPonのコアな部分の中でも
「やさしさ」にフォーカスして制作されたものが多く、
見る人がHAPPYになるようにという思いが随所に感じられます。

『Revolution』
*写真左はギャラリースタッフの三宅亜木さん

それぞれの作品には自由で美しい流線と色面が
心地よい絶妙のバランスで展開しています。
さまざまな生き物が見え隠れして、動きがあって、発見がある。
それらは単に「バランスで構成された線や面」というわけではないんです。
単に「作品」というだけでなく、これはZAnPonそのものなんだって感じます。
どれも命を与えられたZAnPonの分身なんだろうって。

ZAnPonは言います。
「見る人が見たいように見てもらえればその方が作家としてうれしい」と。
どんな形がそこに浮かんでくるのかという答えは必要でないのです。
作品と対話するように自由に遊べる。それもZAnPonの魅力です。

『Revolution』にズームイン

無数の星が浮かぶ夜空を見ながら
「あの星とあの星を結んで、あの星ともこう線で繋いで...」と、
夜空に白鳥が飛ぶ姿、魚やクマ、サソリまでも描くことができる。
人間の想像力は豊かです。
自分だけの新しい星座を描いていくようにZAnPonの作品を楽しむもよし。
天体の観測と物理法則に基づいて宇宙のナゾを解明しようとする人のように、
想像力を働かせてZAnPonの色彩感覚、バランス感覚を探ってみるのもよし。

実際、彼自身作品を制作するときは
キャンバスをクルクルと自在に回転させながらペンを走らせるのだそうです。
それはZAnPon的宇宙の天球を回すようなものです。

この個展、芸大生は必須です。
ZAnPonは「自分がしっかりしなきゃ」ってよく言うのだそうです。
「自分がアーティストとしてちゃんとやっていけていないと、
アートを志す若い人たちが夢をもてなくなるから」って。

アーティストとして生きるZAnPon
後輩となる皆さんに伝えようとすることを
言葉ではなく彼の今の作品から感じとってほしいって思います。

これからもワクワクするような未知なる宇宙を描き続けてくださいね。
来年は大阪芸大のスクールバスのラッピングなんていかがでしょう?
ねっ、ZAnPonさん?
うわぁぁ、乗ってみてーっ!

ZAnPon Exhibition  -Re born-
2009年10月10日(土)~10月31日(土)
11:00~19:00(日曜、祝日 休廊)

imura art gallery
(京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31)
http://www/imuraart.com
投稿者:教務課


2009年10月21日

家を交換して住む!?

  

 大阪芸術大学芸術計画学科2年生の相宮康人さんが、ブログ記事を投稿してくれました!
なにやら、ちょっと変わった、でもとっても面白そうなアート企画の話題です!
 
芸術計画学科では、毎年、「アートプロデュースコンペティション」という学生たちが企画したアートプロジェクトのコンペが行われています。今年もそのコンペティションが行われ、芸術計画賞受賞企画に「家を交換して住む」が選ばれました!
 
この企画は、一人暮らしをしている私、相宮康人の家と、同じく一人暮らしで、大阪芸術大学映像学科2年生の鬼頭 遊(きとう ゆう)さんの家を、一週間(2009年10月19~25日)まるごと交換して生活をするというものです!
交換期間中は、服はその家にあるものを着て、食べるものはその家にあるものを食べることが条件。その様子は映像・写真などで記録し、後日ギャラリーで発表します。
また、毎日の生活の模様はブログでも紹介します。
(相宮康人×鬼頭遊 http://ameblo.jp/iewokoukan-aimiyakitou/

 誰でも、他人のプライベートには何かしら興味があるはず。同世代の人間が何を考え、どのような生活をしているのか、実際に侵入して観察してみたいという欲求からこの企画を発案しました。
 現在、本来はプライベートであるはずの情報が不特定多数の人間に公開されています。その事から私は、私以外の人間も他人のプライベートに興味を持っているのではないかと感じ、最も人間がプライベート空間と感じている場所は家(部屋)であるという結論に至りました。
 家(部屋)というプライベート空間は、好きな音楽、食べ物、本、家具、等様々な生活者の身体の延長によって構成されています。つまり、家(部屋)というプライベート空間は、生活者が無意識に作り出した生活空間であり、インスタレーション作品であるともいえます。作品(部屋)を交換した時、例えば、家具の配置が変化するなど、作品(部屋)は他人の介入によって新たに生まれ変わるのではないか。また、他人のプライベート空間という特殊な空間での生活を通して参加者は“自分”という存在が揺さぶられる。そして、生活を終え自分の部屋に戻ってきた時、“自分”を再発見することができる、と考えます。
 家(部屋)という作品の変化と、自分という存在の変化、この物質的変化・精神的変化を伴う体験・実験が、今回のプロジェクトのコンセプトです!

 
皆さんも是非、ブログをチェックしてみてください!
 
(写真は実際に交換生活している部屋です)
テレビ番組に出来そうな企画ですね!!

他人の部屋で過ごすってどんな感じなんでしょうかね。


2009年10月20日

大阪芸術大学付属幼稚園の運動会!!

     

体育館での開催なので天候にも左右されません!! 皆さん、先週の3連休はいかがお過ごしでしたか?ワタシが子どもの頃は10月10日が『体育の日』でした。では、この日がなぜ『体育の日』となったかご存知ですか?

 実は1964年の東京オリンピックの開会式が行われたのが10月10日ということで、1966年に国民の祝日となりました。
10月10日は晴れの特異日でもあり、全国的にこの日にスポーツのイベントが多く行われていました。現在ではハッピーマンデー法の適用となって10月の第2月曜日となっています。

みんな頑張って上手に演奏できました!!
 そんなスポーツの秋の真っ直中、10月11日(日)と12日(月)に大阪芸術大学附属幼稚園の運動会が大阪芸術大学総合体育館で行われました。

 大阪芸術大学には附属幼稚園が4園あり、そのうち2園の金剛幼稚園と泉北幼稚園が、毎年、ここ大阪芸術大学の総合体育館で運動会を開催しています。屋内で開催されるので、天候に左右されることありません。

踊りも可愛く上手にできました!!
 玉入れやかけっこ、組み体操など一生懸命に園児たちが頑張る姿にお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちもビデオカメラやデジタルカメラを片手に熱い声援を送っていました。
 OUA-TVでは附属幼稚園の入園式から卒業式まで、あらゆる行事を撮影に行きます。年少組の園児たちの中には、つい半年前まではお父さんお母さんから離れることが怖くて
泣き出す園児もいました。

園児たちは元気いっぱいで一日頑張りました!!

 それが今となっては、お父さんお母さんたちが成長した子どもの姿を見て涙するほどに…。

 この中からオリンピックに出場するようなアスリートが誕生するかもしれませんね!


2009年10月19日

菅平研修センターにもお越しください!

         

 皆さん、お久しぶりです!! 長らく更新できなくてすみませんでした。何かと忙しいOUA-TVでして…。

 さて、以前のブログで『大阪芸術大学白浜研修センター』の紹介をさせていただきましたが、実は芸大にはもう一つ研修センターがあるんです。

 それが、今回ご紹介する『菅平研修センター』です!
 オシャレな外観が目印です!!
 菅平研修センターは長野県の北部、上田市真田町にあります。 菅平高原は“日本のスイス”とも言われ、高原野菜の栽培が盛んで、美しい高原の風景が広がっています!
 
 研修センターはそんな高原の美しい風景の中にあり、約90名が宿泊することが出来ます。部屋は全室和室で、10畳から24畳の部屋が13室、他にも娯楽室や研修室、テニスコートラウンジなどの設備が整っていて、クラブやサークルの合宿などにもピッタリです!
 部屋も広くてくつろぐには十分!!
 グランドピアノなどもあり、音楽系の練習場所としても使えますよ!
 明るく広い食堂では、地元の野菜やお肉を使った料理を頂くことが出来ます!

料理もとてもおいしかった…そうですよ。この研修センターの管理をされている職員の津端さんは、もともとホテルのコックをされていた方で、なんと地元の郷土料理の大会で賞もとられているほどの腕前!毎日、季節に合わせたとってもおいしい料理を作ってくださいます。しかもボリューム満点!
 

青い空、青い大地…マイナスイオンがいっぱい!! この菅平高原は、標高1300メートルの高地というその立地から、ラグビーやマラソンなどのトレーニングの場所としても有名なんです。あのマラソンのQちゃんこと高橋尚子選手や、土佐礼子選手などもここでトレーニングをしたそうです!
 
 アップダウンのある道や、近くにある競技場のトラックを利用して、シーズン中には学生や実業団の駅伝部やマラソンチームが練習にやってきます。
 高地トレーニングで汗を流しました!! 今年の夏には、我が大阪芸術大学女子駅伝部もここで合宿を行いました!ウォーキングや長距離の走り込みなど、ここでの練習を通して、駅伝部も見違えるように成長しました!
 研修センターの周辺には、牧場や滝など自然を満喫できるスポットもたくさん!ハイキングやサイクリング、ゴルフやパラグライダーなども楽しむことが出来ます!また、軽井沢や戦国武将、真田幸村ゆかりの地などへも車で手軽に行ける距離にあり、利便性は抜群です!
 お馬さんとも触れ合いました★☆ 菅平といえば冬のスキーのイメージが強いですが、もちろん研修センターからゲレンデもすぐ近く!芸大のスポーツ研究の授業でも、冬にはスキー合宿が行われています。
これからのスキーシーズンにはピッタリの場所です!また、冬だけでなく、夏も平均気温20度前後で、避暑地として最高ですよ!
みなさんも是非一度、菅平研修センターを利用してみてはいかがでしょうか?
 
施設案内等については、大阪芸術大学ホームページにて掲載しています。申し込み方法など詳細については学生課までお問い合わせください。
 
 PS.今回の掲載写真は動画から静止画として取り込んでいます。 見づらいとは思いますが、ご了承下さい。