2013年5月28日

西尾糸穂子展 (芸術計画学科86卒)ギャラリーギャラリー(京都)2/2ー16

このギャラリーは、京都のモダンなビル内にあるギャラリーで、個性的で癖のある展示空間を持っている。ここで1992年から作品を発表しているのが西尾さんである。西尾さんは一貫して塩を素材に制作してきた。

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作品は一つ一つが手のひらサイズの彫刻である。その作品に近づくと塩の結晶のような塊の表情が見える。一見白く半透明な状態から柔らかさが伝わってくるが、近づくと鋭角な面を持つ鉱物の表情が現われる。その鉱物が重なり合い彫刻になっている。鑑者と作品の距離の違いで作品の印象は一変する。

 

DSCF3278.JPG素材が塩で制作されているということで奇妙な感触になる。塩を素材とするアーティストも存在するがさほど多くはない。そのため作品の鑑賞には少々戸惑うだろう。素材が画材店にはなく食料品店にあることだ。塩を食品として経験している私たちが、作品を視覚体験した時に、身近な素材に鑑者は何を思うかそしてその作品をどのように感じ取れるかである。
日常生活にある塩はほぼ料理のためにある。あまりにも日常過ぎて見えなくなっていた素材に新たな形を与えることで、塩と人間の精神的繋がりが生まれてきているのではないか。

 

DSCF3281.JPG今回の展覧会は「幽霊会議 a ghost conference」とタイトルが付けられている。色々想像ができるタイトルだ。作品自体が白く浮かび上がり表面を光が乱反射し実体が分かりにくい、私たちの社会では死と塩の関連も強い等。しかしその会議とは何なのか。その謎が楽しめる展覧会であったと思う。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室
 


2013年5月27日

図書館の森で出会った“フシギな虫たち” ― 本と人、人と人をつなげるユニークな企画展

 この春、芸大図書館では在校生はもちろん、新入生の皆さんに図書館で素敵な本と出会ってもらおうと、デザイン学科の学生9名で立ち上げた企画集団「企画屋oN」の企画・創作による展示「本の虫」(4月1日から30日)を開催しました。

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廃棄図書をリユースして作った巨大みの虫くん。
図書館の入り口前でお出迎え。
インターネットで簡単に情報を得る「ネット世代」の若者たち。
スマホなど携帯端末で手軽に本が読める今だからこそ、図書館に足を運び、本を手に取ってみてほしい、本を開きページをめくる時のわくわくした感じや装丁を鑑賞する楽しみを味わってほしい!と、企画屋oNのメンバーたちは、なんと書架が並ぶ閲覧室に小さな森を作り、本に夢中になる”本の虫”さんたちを出現させたのです。

 

図書館を楽しもう!本好きの人も読書の習慣がない人も、森=図書館に生息する本(の虫)を見つけることで、楽しみながら本と出会う、本展示は本と人をつなげるための新しい提案をしてくれたと思います。森=図書館を訪れた利用者はわくわくしながら虫(本)を探すとともに、企画屋oNのメンバーがデザイン・製作した本の装丁やしおりに、思わず引き寄せられていました。

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本の虫さんはどこ?

 ひとつひとつ手作りした作品はどれも斬新で、そのクオリティの高さはデザイン学科で日頃研鑽を積んできた賜物。観る人に驚きや発見を与えていました。

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 本と出会い、人と出会い、そしてまた、本と出会う!
   オモシロ、ワクワク、発想力が連鎖する

 今回の展示は、本に夢中になる人を増やす、人が集まる図書館にする、そんな強いメッセージが作品に盛り込まれています。企画屋oNが本展示で発信した本と人、人と人をつなげるコミュニケーションのかたちは、ねらった以上に芸大図書館が自由な発想を生む空間であることを利用者に伝えてくれたと思います。

honmusi_5.JPG ふしぎの森で出会う虫や花や緑は、単に”カワイイ”だけに留まらない、ものづくりのヒントや想像する楽しさを感じさせる、まさにアート作品。ファンタジーとリアルのバランスのよさに感動したのか、すごーい!オモシローイ!の声があちらこちらで聞こえてきました。

 今回の展示を企画してくれた企画屋oNのみなさんです。

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 代表の立部絵梨さん(デザイン学科2回生)が本展示のコンセプトについて語ってくれました。

私達は本離れが進む中、本に触れてほしい、紙媒体の本の素晴らしさに気づいて欲しいと思いました。(略) 作品をつくるだけの展示会ではなくその場所の特性や問題をもとに企画を考え、展開(on)してみました。
メンバーはみんな「展示を通して思いを繋げたい」「企画で新しい魅力を伝えたい」「驚きやわくわくを発信したい」という気持ちを強く持ち、未熟ながらに今も楽しく次へ次へと動いています。
今後も様々な場所を使って企画展示を行っていき、目指すは「この人たちならきっと面白くしてくれそう!」と思われる身近な企画屋さんとして情報発信していきたいです。

 キミたちが芸大図書館の個性を創るんです!!

 大学にそれぞれ学風やカラーがあるように、未来のアーティストである芸大生諸君! 図書館員と共に芸大図書館の個性を創り上げていきませんか。
芸大図書館は利用者の研究・調査のサポートはもちろん、利用者がもっと楽しく、発想力や創造力を養える場として活用してもらうにはどうすればいいか、をいつも考えています。
こうした学生と図書館の協働で創る新しい図書館づくりに、他大学の図書館も取り組まれています。その先駆けとなった芸大図書館は、これまで学生や院生が作った芸術作品や、学生目線で考案した新しい大学図書館システムの展示などを紹介し、創造空間としての役割を担ってきました。これからも学生と共に創り続ける図書館として、様々な学術・芸術情報を発信してまいります。

 本展示は終了しましたが、開催中、多くの方から好評を頂き、企画屋oNの次回の展示を期待する声も多数、寄せて頂きました。

投稿:図書館
 


2013年5月24日

さて、今週の大阪芸大テレビは?

Still0523_00000.jpgキャンパス内を歩いていると、色んなところにポスターやチラシが貼られています。
ゆっくり見てみると、面白そうなイベントや公募が沢山ありますよ!
次の授業の教室へと急いでいると見逃してしまうかも知れませんが、時間のある時はちょっと足を止めてみてください。
もしかしたら、新たな芸術への扉が開かれるかも?!
私も、何か見つけたらこのブログで紹介しますね!

 

Still0523_00001.jpgさて、今週の大阪芸大テレビは、大阪の南港にあるインテックス大阪で行われたイベント「’13食博覧会・大阪」の話題からお伝えします!
先日ブログでも紹介したこの「食博では、放送学科の学生たちによるビジョン中継が行われたり、キャラクター造形学科の学生たちのよる似顔絵ブースが展開されました。
また、5月4日にはメインステージのフッピープラザで、「大阪芸大ハートフルステージ」と題した芸大生によるステージも行われました!
参加した学生たちの熱い姿、是非番組でご覧ください!

 

Still0523_00002.jpg続いて、大阪芸術大学グループの先生たちを紹介するコーナ「Teachers(ティーチャーズ)」です!
このコーナーでは、様々な芸術分野の第一線で活躍する先生方の大学での授業の様子や、アーティストとして活躍されている姿にスポットをあてます!
今回は、工芸学科の小野山和代先生をご紹介します。
NHK大河ドラマ「八重の桜」のオープニング映像に、小野山先生の染織作品が使用されていたのをご存知でしょうか?
「織り」に対する先生の思いを語って頂きました、お見逃しなく!!

 

 

「大阪芸大テレビ」は毎週金曜、深夜24時45分からサンテレビで放送中!
また、奈良テレビ放送、テレビ和歌山でも好評放送中です!みなさん是非ご覧ください!!

<<オンエア情報>>
5月24日(金)
奈良テレビ放送 21:30から
サンテレビジョン 24:45から

5月25日(土)
テレビ和歌山 22:45から
 


2013年5月23日

大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-

こんにちは!ラジオ大阪(OBC1314)にて毎週木曜日に絶賛放送中の「大阪芸大メディアキャンパス-開け!アートの扉-」にてアシスタントパーソナリティを務めている康本光です!

今週は本当に暑いですね!外を歩いているだけでじっとりと汗をかいちゃいます!まだ梅雨もきてないのに、この暑さ・・・夏本番が恐ろしいですね・・・!

P1060319.JPGそれでは、今日の聴きどころのご紹介です!毎回豪華なゲストをお迎えして、メインパーソナリティの塚本先生と楽しいトークを繰り広げる『ゲストの扉』のコーナー!

今回のゲストは先週に引き続き、元『宝塚歌劇団』所属、大阪芸術大学舞台芸術学科ポピュラーダンスコース講師の光海あきほ(みつみあきほ)先生です!

P1060335.JPG先週のオンエアは聞いていただけましたか?大きな怪我をしても諦めずに試験に挑む光海先生、素敵ですね!悩んだり挫けそうになったときって、心にヒビが入っていると思うんです。そんな時に周りの方に言われた言葉って、不思議と心のヒビから染み入っていくような心地よさがあります。私も暖かい言葉を注げる人間になりたいです!
さて、今回は『宝塚音楽学校』に入ってからの、そして『宝塚歌劇団』時代のことをお聞きしました!宝塚歌劇団の方々といえば、やはり、ご自身のお名前のお話ですよね!光海先生のお名前の話や、宝塚音楽学校時代の話、大阪芸術大学での授業のことなど、たくさんお聞きしています!オンエアを楽しみにしててくださいね!

P1060337.JPGそして、今日のプレゼントです!

きたる6月9日の日曜日に大阪芸術大学で『オープンキャンパス 2013』を開催します!
今回のプレゼントは、『大阪芸術大学オープンキャンパス2013』の開催を記念して、大阪芸術大学グッズを3名様にさしあげます!プレゼントの応募方法は、今日の放送を要チェックです!プレゼントのご応募、お待ちしています!オープンキャンパスについてもオンエアでチェックしてみてください!

今日もラジオ大阪(OBC1314)にて深夜24時から放送!アート情報もりだくさんの30分でお送りします!展開が見逃せないラジオドラマ劇場テアトル山田のコーナーもお聞き逃しなく!
 


2013年5月22日

屋外でモダンテクニック!

天気の良い日が続いていますね!
キャンパス内にも太陽の光が良い具合に差してきて、とっても気持ち良いです。
こんな日は、教室の中だけで過ごすのは勿体無いですよね。
屋外に出て作業をしている学生たちの姿を沢山見かけます。

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先日も、夕方の涼しい時間、地面に向かって作業をしているデザイン学科の1年生たちを発見!
何やら画用紙を鉛筆でひたすら塗りつぶしていました。
よく見ると、画用紙には地面の模様が写し出されています。

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これは、フロッタージュと呼ばれるモダンテクニック
モダンテクニックとは、様々な技法を使って偶然にできる形や色を利用した効果や表現のことです。
フロッタージュは、木や石、硬貨など、表面が凸凹した物の上に紙を置き、このように鉛筆でこすって模様を写し取る技法です!
面白い模様を探して、地面だけでなく壁やマンホールなど、いろんなところで鉛筆を動かす学生たちを見かけました。

ちなみに、他のモダンテクニックには、霧吹きを使ったスパッタリング、墨流しをして行うマーブリング、はり絵で作り出すコラージュなどがあります。
一度は見たりやったりしたことがあるのではないでしょうか。
こうした技法を知っていると、表現の幅が広がって楽しいですよね!!

また何か作業をしている学生を見かけたら、取材したいと思います!

投稿:島田(OUA-TV)