今日のブログは、映像学科客員教授 赤井孝美先生による特別講義の模様をご紹介します★
赤井先生は、同じく客員教授の山賀博之先生や、「エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明さんと同時期の映像計画学科(現:映像学科)に在学。
漫画家の島本和彦さんも同級生で、島本さんが大阪芸大を舞台に描いた「アオイホノオ」には、実名で登場しています!(テレビドラマでは、中村倫也さんが演じていましたよね♪)
本学在学中、山賀先生、庵野さんと共に「第20回日本SF大会」…通称「DAICON3」のオープニングアニメーションを制作。
これらを制作したメンバーと共に、アニメーション制作会社「ガイナックス」を立ち上げられました。
今回の講義では、そんな赤井先生の大阪芸大時代のお話をはじめ、ガイナックスのことなどもお聞かせいただきました。
赤井先生在学中の大阪芸大には、アニメよりも実写を学ぶ学生が多く、必然的にアニメをつくりたい学生同士が繋がっていったそうです。
とは言え、赤井先生は子どもの頃は特撮の方が好きで、特撮も制作していたとのこと。
ガイナックスの母体となった1981年開催の「DAICON3」。
「DAI」は大阪の「大」、「CON」は大会、大阪で「3」度目の開催であることからこう通称されています。
オープニングを制作することになったきっかけは、前年の東京での「TOKON7」(こちらのスペルはKのようです)にて上映されたオープニングにあったそうです。
SF小説の表紙が次々と宇宙を飛んでいくという、至ってシンプルなつくりながら、会場ではSFファンが大絶賛。
それを観た赤井先生の同級生が「自分ならもっと良いアニメをつくる!」と対抗心を燃やし、当時から”アニメと言えば彼”と評価されていた庵野さんに声が掛かって、赤井先生も参加することになったとのこと。
こうして誕生したオープニングムービーは、空を飛ぶ女の子をメインキャラクターとして、今でこそメジャーながら当時としては珍しい演出で仕立てられました。
この映像を収録したVHSテープを約1万円で販売すると、5分程度のものであるにも関わらず、購入申込が殺到!
「アニメで食べていけるのでは?」と考えた赤井先生たちは、それから学生の間、全国各地でアニメ作品の上映を行い続けたそうです。
そして、ついにガイナックスが1984年に設立されます!
会社名は、赤井先生の故郷 鳥取県西部の方言「がいな(大きい)」に「X」を付けたもの。
それからのエピソードもとても面白くて、アニメの版権を買っておもちゃをつくっていた会社の社長にプレゼンを行い、会社が著作権を持つアニメ作品をつくったり。
PCゲームに着眼して、アニメの要素を盛り込んだゲームを制作し、黒字にしたり。
どれも当時は「誰もやったことがないこと」で、赤井先生曰く、比較対象があると評価が厳しくなってしまうが、前例のないものは成功しやすいとのこと。
(先生は簡単におっしゃいますが、それに気づくことが難しいと思うのですが!)
赤井先生のお話を聞いていて、1980年代の学生たちの姿が、ありありと目に浮かんできました。
今の学生のみなさんも、先輩方に続けるよう、日々経験を重ねていってくださいね!
赤井先生、素敵なご講義をありがとうございました!
投稿:島田(学生課)