2019年7月31日

映像学科 小森陽一先生×藤堂裕さん「作品分析」

今日は、映像学科の授業「作品分析」の模様をご紹介いたします!
この授業では、さまざまな作品を題材として鑑賞し、学生たちの好奇心や創造心を刺激。
映画監督などの先生方から、解説指導が行われます。
私も5年ほど前に一度、取材でお伺いさせていただいたことがある授業です。
 

さて、今回は、映像学科客員教授で卒業生でもいらっしゃる、小森陽一先生の担当回にお伺いしました!!


小森先生は、映画の脚本家や漫画の原作者としてご活躍。
海上保安庁をテーマに取り上げることが多く、特に有名な作品には「海猿」があります!

この日の題材になったのは、小森先生が漫画原作を担当した「S-最後の警官-」。
犯罪者の生け捕りを絶対目的として警視庁内に設立された、架空の特殊部隊の活躍を描いた作品です。
2014年にテレビドラマ化、2015年には映画化もされています。


ゲストとして、「S-最後の警官-」の作画を担当された藤堂裕さんもお越しになり、小森先生との対談形式で授業が進行しました。
小森先生と藤堂さんは、「S-最後の警官-」に引き続いて現在は「BORDER66」という作品でもタッグを組んでいらっしゃる間柄。
授業では、どうやって漫画が生まれていくのか、さらにどうやって漫画が映像化されていくのかなど、お聞かせいただきました!


漫画の連載は、編集社での「連載会議」で篩いに掛けられるそうです。
1話から3話までのネームで審議するのが一般的で、「3話まで読んでも面白くない作品は見込みがない」と判断されるとのこと。
1回の会議で生き残るのは2本程度で、割合にすると1割から2割。
まさに椅子取りゲームのような世界なんです。


そして、小森先生が度々口にされていたのが「取材」!
海上保安庁のことも、取材するまでは具体的な仕事内容は知らなかったそうです。
はじめのうちは上手く取材できないこともあるそうですが、地道に通い時間を掛けることで、作品にリアルな生活臭を描くことができるとのこと。
ゴミ箱を覗くだけでも、大発見があるそうです。
そこにいる人たちがどんなものを食べているのかを知ることで、キャラクターを生み出すヒントになったりするんですって!

授業の最後、映像学科長の大森一樹先生にもコメントが求められると、「学生の作品は取材せずに想像で描いているものが多い」と一言。
取材しなくても描けるのは「自分史」のみ。
仕事にするならば、取材をして世界を広げなければいけないというお話が、とても印象的でした。

「漫画はなかなか大変な形でできている」と小森先生。
その大変さを、今回の講義で少しだけ伺い知ることができました。
さらに深く知るためには、実践あるのみですね。
小森先生、ありがとうございました!

 

投稿:島田(学生課)