2011年9月3日

福田新之助個展  ギャラリー白

 fukuta002.jpg福田新之助さん(美術学科82卒)の展覧会が7月11日から23日まで行われました。
福田さんの平面作品はケント紙に強い筆圧で装飾的なイメージが描かれています。画面には交差する太い線の集積により背景が作られ、植物を思わす形状のイメージや髑髏、紋章のようなマーク、書物などが描かれています。

fukuta001.jpgまた描いた後にアーティストの指で直接表面を触り、イメージに表情を与えているようにも見えます。この筆圧の強さはアーティスト自身の肉体を察知しすることができ、イメージの映像性より物質性を強く感じることができます。

 

fukuta004.jpg色彩の排除と髑髏は死のイメージを強く感じます。しかし、その死は髑髏の在りようや力強いドローイングにより、悲しみや不安というものではなく生と一体としての死を感じることができます。生と死が対立するものではなく、それぞれが未分化のまま我々は生きているということでしょうか。

fukuta003.jpg 展示されている作品には髑髏が描かれ、それに対応するかのように書物、紋章、植物などが描かれています。髑髏とそれらとの世界観が表出され、人類という大きな物語の痕跡を感じるような作品です。そして画面に織り成す装飾的イメージは、個人の感性を超え普遍的世界へと観者を誘導していきます。

 

fukuta000.jpg報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室