グループ展が7月24日から30日まで行なわれました。参加アーティストは大阪芸術大学グループの卒業生浜本隆司さん、三村逸子さん、山本修司さん、林宰久さんが参加されています。
このグループ展の特徴は、参加するアーティストが展覧会を企画運営テーマし、作品制作するもので、各アーティストの個展とは異なる魅力が生まれてきます。このような展覧会の制作方法は、アーティストであると同時にアートプロデューサーの役割も兼ねているということです。
今回の「THINK FUTURE@子供たちの子供達の子供たちへ 」と題されたものには、芸術作品の社会的意義が感じられます。作品は、アーティストが現存する同時代の人々との出会いもありますが、アーティストが消滅しようと作品は未来の人々とも出会う可能性を秘めて現在にあるとも云えます。
この絵画作品は、画面の多くに気持ちのよい空が描かれ、寺か城の屋根らしき上に学生服の少年少女が腕を組み遠方(未来)を見つめています。背後にはただならぬ煙が不穏な様子を感じさせていますが、それは彼らの背後に描かれ過去の出来事としてあり、彼らには、それを乗り越えようとする意思の現れを強く感ずることが出来ます。現在の日本の状況は、東日本で発生した大災害に大きく心を奪われ沈痛な思いでいる人が多いでしょう。将来、この作品に「子供たちの子供達の子供たち」が出会った時、何を経験し、どのような見え方をしているのでしょうか。
報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室