2011年7月27日

タイテツヤ個展  Oギャラリーeyes

 タイテツヤさん(大阪芸術大学美術学科96卒)の個展が6月27日から7月2日まで行なわれました。

 

taitetuya002.jpg 結婚式を行なっている2人を中央に描き、彼らが持つ漏斗からは契約の徴の虹が現れ、その2人を祝うかのようにひまわりが彼らの方を向いて咲いています。しかし、その背景には大樹を挟み目隠しした天使と擬人化された犬と太陽が描かれています。ブランコの天使が目隠しをしている事は先が見えない不安の徴だととれます。そして擬人化された犬たちは涙を流しながらお祝いの歌を歌っているのでしょうか。この涙はうれし涙ではありませんし擬人化された太陽も不機嫌そうです。作品の色調は多様な色彩を使用しながらもにぶく抑えられ、画面からは憂鬱感が伝わってきます。

 
taitetuya003.jpg 今回の作品には、擬人化されたパンダと思われるもの(黒白の配置が一部現実とは異なりますが)と、道化師(鼻の頭が丸く赤い人物)と思われるイメージが登場しています。パンダの印象は可愛らしさでしょう。そのイメージを取り払うように憂鬱そうな表情や酷く悲しい様子が描かれています。

また、道化師に関しても2
作品に登場している事から、アーティストにとって、このキャラクター達は重要な役割があると感じられます。

 
taitetuya000.jpg イラストレーション的絵画表現が私たち観者にとって親しみやすさを感じ、作品に近づくことが出来ますが、しかしその度ごとにアーティストのコンセプトその深淵に導かれてしまいます。その深淵は快楽的な事象には深い悲しみが両義的な事として存在すると私に訴えかけてくるようでした。

 

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報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室