とるにたりない些細なものが、写真では重要な主題になる。
ふとした人間味あるディテールがライトモチーフになり得る。
私たちは、私たちをとりまく世界を見つめ、それをある種の証として見せる。
フォルムが互いに織りなす有機的なリズムは、出来事の事件性をきっかけに生まれる。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(『決定的瞬間』序文より)
所蔵品展「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く― <後期>の展示がスタートしました!
アンリ・カルティエ=ブレッソンについては、<前期>のブログ記事をご覧くださいね。
前期はブレッソンの出身地であるフランスから始まり、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのヨーロッパ各国で撮影した作品が展示されましたが、後期の展示では、アジアやアメリカなどで撮影された写真と、ポートレート写真189点を紹介しています。
まずは、トルコ・イスラエル・エジプト・イラン・モロッコ
インド・パキスタン・セイロン
インドネシア
中国・モンゴル
日本
アメリカ・カナダ
メキシコ・キューバ
そしてポートレート作品です。
今回の展示でも、ブレッソンらしい表現がたくさん見受けられました。
人物の上に偶然重なった影がまるで模様のように効果的に撮影されていたり、建物の形と人影が絶妙なバランスで写真の中におさまっていたり…
絵画のような美しい構図の写真ばかり!!
また、ポートレートのコーナーには、20世紀を代表する芸術家や文化人たちの姿が一同に集められており、ブレッソンが生きた20世紀という時代の豊かさと激しさが伝わってきます。
顔の表現ほどはかなく、うつろいやすいものはないだろう。
そんな顔があたえる第一印象は往々にして正しい。
その後、互いに顔をあわせる機会が増えると、その人物のいくつものべつの表情を知ることになるが、
親密になればなるほど、内面の奥深くを表す表情を捉えることは難しくなる。
ポートレートにはどんなカメラ位置よりも、決定的瞬間と心理学が必要だ。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(『決定的瞬間』序文より)
みなさんもぜひ、ブレッソンがとらえた時代の表情をご覧ください!
所蔵品展 「時代をみつめる眼―アンリ・カルティエ=ブレッソン」
―大阪芸術大学所蔵の「自選コレクション」全411点から、その魅力を読み解く―
後期:2016年11月9日(水)~11月19日(土)
開館時間 11:00 ~ 18:30
休館日 日曜日、祝日
会場 大阪芸術大学 展示ホール(芸術情報センター1階)
★ギャラリートーク 追加開催!
11月17日(木) 12:40~
講師:飯沢耕太郎(大阪芸術大学写真学科教授)
参加費無料。当日会場にお集まりください。
投稿:島田(企画広報部事務室)