2015年7月2日

所蔵品展「戦後のグラフィック・ポスター」開催中!

現在、芸術情報センター展示ホールでは、大阪芸術大学所蔵品展 「戦後のグラフィック・ポスター」を開催中!!

「社会の鏡」とも呼ばれているポスター。
ポスターは、造形的に綺麗だとか面白いというだけでなく、制作された当時の社会情勢をうかがい知ることのできる資料でもあります。
今回の展示では、本学が所蔵している「欧米のポスター100・1945-1990」の中から、制作目的別にポスターを紹介しています。

入り口すぐのスペースには、『商業ポスター』が集められています。


商業ポスターは、企業や団体のメージを確立するために制作したものです。
多くの資金を使い、一流なアーティストにデザインを依頼しているケースが多いため、スタイリッシュで洗練されたものが多く見受けられました。

その奥には、『公共ポスター』が並んでいました。


こちらは、反戦、平和、人権問題などへの関心を高めるために制作されています。
その時代にどのような社会問題があったのかが、ひと目で分かりますね。
全体的に、ショッキングで強いイメージのものが多く、メッセージを明確に表現していることがうかがえます。

続いて、『文化ポスター』です。


演劇や映画、展覧会などの告知のためのポスターです。
こちらのポスターは、演劇や映画の作品内容を知っている方が、より楽しめるかも知れません。
実にバラエティに富んだ表現を見ることができます!

そして、『ポーランドポスター』。


冷戦時代に鉄のカーテンで仕切られた東欧の社会主義諸国では、芸術家たちは厳しい制約の中での活動を余儀なくされてきました。
そんな中、比較的自由な表現をすることができたのが、ポスターという分野だったそうです。
「欧米のポスター100・1945-1990」からの5点に加えて、本学所蔵のポーランドポスター15点、合わせて20枚のポスターが展示されています。

最後に…番外編で『大阪芸術大学のポスター』も展示しています!!


今年で創立70周年を迎える大阪芸術大学グループでは、その長い歴史の中で数えきれないほどのポスターを制作してきました。
なんと、第1回の卒業制作展のポスターを発見!!

10回、20回と重ねるごとに、学科が増え、大学が大きく成長していることもうかがい知れます。

所蔵品展のポスターは、毎回学生が制作しています。
今回は、デザイン学科3年生の太田美波さんが制作しました!
これまでにも、大学外でもポスターを制作する機会があったという太田さん。
今回は、展示されているポスター作品の中から、4枚の作品を配置して、グレーでトーンをそろえています。
上からグレーを重ねるという手法は今までの所蔵品展のポスターにあまり見ない形です。
これは、異なる4枚の作品の色味を統一するためと、上に表記する文字が目立つように工夫したそうです。
今回の所蔵品展を見て、ポスターの作り方については大変勉強になったと言います。
これからも、ポスターをはじめ公告デザインや、印刷についても学んでいきたいと話していました。

みなさんもぜひ、ポスターを通じていろんなことを感じ取ってみてください!!

所蔵品展 「戦後のグラフィック・ポスター」
会期 2015年6月29日(月)~ 7月11日(土)
開館時間 11:00 ~ 18:30
休館日 日曜日
会場 大阪芸術大学 展示ホール(芸術情報センター1階)

投稿:島田(OUA-TV)