この春、芸大図書館では在校生はもちろん、新入生の皆さんに図書館で素敵な本と出会ってもらおうと、デザイン学科の学生9名で立ち上げた企画集団「企画屋oN」の企画・創作による展示「本の虫」(4月1日から30日)を開催しました。
廃棄図書をリユースして作った巨大みの虫くん。 図書館の入り口前でお出迎え。 |
インターネットで簡単に情報を得る「ネット世代」の若者たち。 スマホなど携帯端末で手軽に本が読める今だからこそ、図書館に足を運び、本を手に取ってみてほしい、本を開きページをめくる時のわくわくした感じや装丁を鑑賞する楽しみを味わってほしい!と、企画屋oNのメンバーたちは、なんと書架が並ぶ閲覧室に小さな森を作り、本に夢中になる”本の虫”さんたちを出現させたのです。
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図書館を楽しもう!本好きの人も読書の習慣がない人も、森=図書館に生息する本(の虫)を見つけることで、楽しみながら本と出会う、本展示は本と人をつなげるための新しい提案をしてくれたと思います。森=図書館を訪れた利用者はわくわくしながら虫(本)を探すとともに、企画屋oNのメンバーがデザイン・製作した本の装丁やしおりに、思わず引き寄せられていました。
本の虫さんはどこ? |
ひとつひとつ手作りした作品はどれも斬新で、そのクオリティの高さはデザイン学科で日頃研鑽を積んできた賜物。観る人に驚きや発見を与えていました。
本と出会い、人と出会い、そしてまた、本と出会う!
オモシロ、ワクワク、発想力が連鎖する
今回の展示は、本に夢中になる人を増やす、人が集まる図書館にする、そんな強いメッセージが作品に盛り込まれています。企画屋oNが本展示で発信した本と人、人と人をつなげるコミュニケーションのかたちは、ねらった以上に芸大図書館が自由な発想を生む空間であることを利用者に伝えてくれたと思います。
ふしぎの森で出会う虫や花や緑は、単に”カワイイ”だけに留まらない、ものづくりのヒントや想像する楽しさを感じさせる、まさにアート作品。ファンタジーとリアルのバランスのよさに感動したのか、すごーい!オモシローイ!の声があちらこちらで聞こえてきました。
今回の展示を企画してくれた「企画屋oN」のみなさんです。
代表の立部絵梨さん(デザイン学科2回生)が本展示のコンセプトについて語ってくれました。
私達は本離れが進む中、本に触れてほしい、紙媒体の本の素晴らしさに気づいて欲しいと思いました。(略) 作品をつくるだけの展示会ではなくその場所の特性や問題をもとに企画を考え、展開(on)してみました。
メンバーはみんな「展示を通して思いを繋げたい」「企画で新しい魅力を伝えたい」「驚きやわくわくを発信したい」という気持ちを強く持ち、未熟ながらに今も楽しく次へ次へと動いています。
今後も様々な場所を使って企画展示を行っていき、目指すは「この人たちならきっと面白くしてくれそう!」と思われる身近な企画屋さんとして情報発信していきたいです。
キミたちが芸大図書館の個性を創るんです!!
大学にそれぞれ学風やカラーがあるように、未来のアーティストである芸大生諸君! 図書館員と共に芸大図書館の個性を創り上げていきませんか。
芸大図書館は利用者の研究・調査のサポートはもちろん、利用者がもっと楽しく、発想力や創造力を養える場として活用してもらうにはどうすればいいか、をいつも考えています。
こうした学生と図書館の協働で創る新しい図書館づくりに、他大学の図書館も取り組まれています。その先駆けとなった芸大図書館は、これまで学生や院生が作った芸術作品や、学生目線で考案した新しい大学図書館システムの展示などを紹介し、創造空間としての役割を担ってきました。これからも学生と共に創り続ける図書館として、様々な学術・芸術情報を発信してまいります。
本展示は終了しましたが、開催中、多くの方から好評を頂き、企画屋oNの次回の展示を期待する声も多数、寄せて頂きました。
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