2009年7月25日

大阪芸術大学図書館 所蔵品展 開催中!

いよいよもうすぐ夏休み!夏休みと言えば宿題…。小学校の頃には読書感想文を書かされた思い出が…。あらすじだけ読んで書いた、なんて人いませんか?
夏休み中も芸大の図書館は開館しています。涼しいところでゆっくりと本を読んでみるのはどうでしょう?
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さて、大阪芸術大学図書館では、7/31(金)まで、4階展示コーナーで、大阪芸術大学図書館所蔵品展「版画の曙明治時代の版画を開催しています。
 
日本では、江戸時代にはすでに読本の挿絵や、絵本、画譜も木版で出版され、木版画の技術が進むとともに表現が多様になってゆきました。特に浮世絵というジャンルで、木版の版画技術が多角的に進歩し、多色刷りの美しい浮世絵版画が制作され、世界に類をみない木版の版画芸術が確立されてゆきました。
 
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 明治時代になると、江戸時代の伝統的技術と表現法が用いられると共に、そこに西洋的表現が加味され、新しい木版画が創りだされました。


 中でも、石版技法は、幕末頃には日本に入ってきていましたが、明治になって、政府関係や民間にもその技術が応用され、芸術表現にも用いられるようになりました。
 

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 また銅版画も、幕末の司馬江漢という西洋画法を学んだ画家によって始められました。
明治時代になってイタリアの銅版画家のキヨッソーネが来日、銅版の技術が飛躍的発展を遂げ、その表現も多様になり、一人の作家が版画の全ての工程を行う創作版画も始まってゆきます。
 

090725-2.jpg 木版画による柔らかい平面的な表現―。銅版画による鋭い線による明晰な表現―。石版画による精緻なリアリテイーのある表現―。木版・銅版・石版のそれぞれがもつ様々な特質を生かして、明治の版画はより表現の幅を広げるとともに、芸術性を高めていきます。明治時代はまさに版画の曙の時代と言ってもいいのではないでしょうか。

 
木版・石版・銅版、それぞれの表現の特質の面白さを見ることのできる、今回の大阪芸術大学図書館所蔵品展、「版画の曙明治の版画」、みなさんも是非お越し下さい。
 
 
大阪芸術大学図書館所蔵品展
「版画の曙明治の版画
2009年7月1日(水)31日(金)
図書館4階展示コーナー