西天満のGallery wks.で、7月28日(月)?8月9日(土)まで開催中の岡村 基展『日常から妄想へ・・・』に行ってきました。岡村 基さんは、本学工芸学科陶芸コースを2007年に卒業後、大学院芸術研究科に入学され、現在、芸術制作 陶芸専攻の2年生です。 『日常から妄想へ・・・』 「普段の生活の中で、いろんなことに目を向けると面白い発見がある。その出来事を私の頭の中で楽しみ、遊び、らくがきし、そこから生まれ、消えていくインスピレーションを、陶で表現する。」 No.1
岡村さんに今回の展覧会のコンセプトなどをお聞きしました。例えば、街のお店で見掛ける天井で丸出しになっている配管などにとても興味があるそうです。いったいどこから来ているのだろう、そしてどこへ続いているのだろう・・・。そうして、想像(妄想)の世界は広がっていきます。今回は、マンションの11階にあるGallery wks.での展覧会ですので、自分の部屋(日常)をイメージしたそうです。まず、入口を入ると玄関ともいうべき場所には、靴がたくさん並んでいます。その靴の裏には都市cityが生まれていたり、配管pipeと靴が合体していたり・・・そして、玄関には、ゴミ袋もあったりします。あき缶を口いっぱいに含んだ胃袋のようにも見えます。 No.2 アルコール中毒+あき缶
次に家といえば、「トイレ」です(笑)。トイレから排泄物のような手あるいは、手のような排泄物?が溢れ出し、増殖し、成長し、壁を登って、一体どこへと向かうのでしょうか? No.3 Toilet
No.4
排泄物は、パイプを通りながれ流れて、めぐり巡って、また自分の元に戻ってくるかもしれません。食物連鎖のような輪廻のような・・・そうして都市『stomach city』,『worm city』が生まれてくる。日常の『カップ』の中にもお気に入りの『justinの帽子』にも「都市city」が生まれていました。
岡村さんは自分の部屋にいるのが大好きだとのことで、今回の部屋にもくつろぐ「自分」がいました。 No.5 sweet home
いたるところにパイプが見え隠れしている感じで、思わず覗きたくなるような衝動に駆られたり、どこに続いているのだろうと想像してみたり、まんまと岡村ワールドの罠にはまってしまう気がします。優しい色調は釉薬とは思えないきれいなパステルカラーです。そんな暖かく優しい雰囲気のせいか、まるで絵本の中にいるような錯覚におちいります。部屋の特徴を最大限に生かして、塀を乗り越えようとしている『逃げる男』や『ぶちぎれgirl』など絵本の登場人物と同じ空間にいるような不思議な感覚をおぼえます。このままクレイの絵本ができそうですねと話したところ「そういえば、小さな時からいつも絵本が身近にありました。今でも絵本はとても好きです。図書館でも絵本をよく見ます。」とのことでした。やはり幼い頃の体験はとても重要だなと改めて感じました。 No.6 ぶちぎれgirl
岡村さんは、東京出身なのに関西の大学に来られたのですねとお聞きしたら「陶芸に興味があったので、陶芸なら関西で、大阪芸術大学が良いと思いました。」と嬉しい答えが返ってきました。 岡村さんは、手びねりで作品を創られるそうですが、『靴』のリアルさに驚く位、とても基本がしっかりされているなあと感心しました。陶芸の場合、家では制作できないので、ほとんど毎日大学に通って作品を制作されているそうです。
残り少ない会期となってしまいましたが、皆さんも是非、岡村さんの優しく懐かしい想像(妄想)の世界へ暑い日常からワープしてください。
No.2 –No.6 Photo by渡辺直人/大阪芸術大学 芸術計画学科 講師 http://d.hatena.ne.jp/wnwks/20080730/p4
岡村 基 展 日常から妄想へ… OKAMURA MOTO exhibition 7月28日(月)?8月9日(土)11:00?19:00 日曜休廊/土曜・最終日は17:00まで Gallery wks. http://www.sky.sannet.ne.jp/works/
投稿者:図書館事務室
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