先日の放送学科の授業見学リポートが好評でしたので、シリーズ化してお伝えしようと思います!!
今回は、芸術計画学科の授業にお邪魔しました。芸術計画学科とは、情報処理のチカラを核にして、言葉・音・物・映像の4つのメディアをトータルに学習、アートへの認識を深めて感性を磨く、そんな生活とアートをつなぐ芸術・文化の『仕掛け人』となる人材養成を目指しています。(学校案内パンフレットより―)
お邪魔したのは石川豊子先生が教鞭を執っておられる『話し方研究』。
世の中はまさにメール時代になって、今まで言葉で伝えてきたこともすべてメールで済ませてしまう、そんな社会―。電話をすることも減っていませんか?本来、コミュニケーションとは『自分の想いを、自分の言葉で、相手に伝える』が原点。そんなコミュニケーションの取り方や社会人としてのマナー、挨拶の仕方、立ち居振る舞いなど、美しいことば・正しい話し方を身につけていこうという授業です。 石川先生はテレビ局のアナウンサー出身で、現在に至るまで、ニュース、CMはもちろんワイドショー番組やラジオ番組にも多く出演され、現在は大阪芸術大学短期大学部でも教えておられます。
先生と一緒に教室に入って、起立、礼、着席!さぁ、授業を始めようとスクリーンを上げると… 『石川先生 6/2 Happy Birthday★☆みんなより』
受講している学生たちが「Happy Birthday To You♪」で祝福!!
授業の雰囲気がここから伝わってきます!!先生もとっても嬉しそうでした♪
ワタシが学生の頃にはこんなこと考えもしなかったなぁ・・・。さすが『アートの仕掛け人の卵たち』!!
さて、授業開始です!授業内容は実技と講義で構成されていて、まず発声から。
「あ・い・う・え・お・あ・お・・・」
「あめんぼあかいなあいうえお・・・」昼休み明けの眠気なんて何のその!お腹からしっかりと声を出します!!
発声練習に続いては、『石川コラム』。石川先生が周りの出来事や自然、四季の移り変わりなど、体験談も交えながらお話して下さいます。
この日のテーマは『6月10日は何の日?』学生からはなかなか手が挙がりません。ワタシはもちろん・・・わかりません!先生!!何の日ですか!?
「実は、6月10日は『時の記念日』なんです。時間はすべての人に平等に与えられています。
『光陰矢のごとし』時間は駆け足で過ぎ去って、今日という日は戻ってきません。今日何をすべきなのかを計画を立てて進めていきなさい」 皆さんも今という時間を大切にして、勉強に取り組んでくださいね!!
最後は、感情を込めて文章を読む練習。
話し方には『言語と非言語』が大切。挨拶、目線の使い方、動作、所作…全てがないと伝わりません。言葉に温度をつけて話すことで、より感情が込められて相手の気持ちに伝わります。
これからの日常生活に役立つ内容が盛りだくさんの授業でした! 授業終わって受講していた青木孝浩さん、大崎友愛さん、矢野円香さん(芸術計画学科2年)にお話を聞くと・・・
>>大きな声を出すって抵抗はなかった? すると・・・ 「いま展覧会を主催して開いているんです!是非来て下さい!!」 展覧会!?是非行きます!!ということで、お邪魔しました!!
彼らが開催していた展示会は『ぐーぐる・あーす展』
Google Earthを皆さんはご存じですか?世界中の衛星写真をまるで地球儀を回しているかのように閲覧することができるソフトです。
46億年という長い地球の歴史の中で作り出された自然、200万年前に誕生したといわれる人間が作り出した造形物。
日本全国、ありとあらゆるところにアートが!?地上にいるとあまり感じませんが、上空から撮られた衛星写真を見ると世界はアート作品で溢れていました。
ちょっと視点を変えるだけで見えてくるモノもあるんですね。 学園祭の模擬店での付き合いから、他学科の学生同士が協力して、今回の展覧会を開催したそうで、3人に話を聞くと・・・
「大変だったけど、病みつきになるくらい楽しかったです!」
授業で発声練習をして、展覧会も企画する。 先生の誕生日を祝うことも企画の一つ。
生活の中に彼らの活動のフィールドは溢れているんですね★☆
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キーワード: 芸術計画学科
芸術計画学科 学外選抜展
現在、学内で卒業制作が行われていますが、芸術計画学科では学内展と、それとは別に、学外選抜展が大阪市中央区の大阪府立現代美術センターにて2月16日(土)まで行われています。 さすが芸術計画学科だけあり作品も多種多様。 リンク ⇒芸術計画学科学外展ホームページ この芸術の「仕掛け人」たちが社会に出た時に、どんな「仕掛け」を社会の中でしてくれるのかなと思うと楽しくなってきました。世間を驚かせる仕掛けを社会に投げかけてくれることを期待しています。 |
卒業生の活躍 ―「高知」が広がる現象そのものが私の目指す「アート」―
芸術計画学科卒業生 中島匠一さんは、学生時代に習得したカリグラフィーと出身地の高知愛とを融合させた高知の新しいデザインを生み出されました。
現在では、高知を拠点に「ブランド高知」を立ち上げて、多方面で活躍されています。「高知が拡がること それこそがアート」をコンセプトに「高知」の文字を日本中、世界中の人々の脳裏に刻み込むことを目的に独自のブランドを展開しておられます。
その代表作である「高知の財布」は、NON STYLE 石田明氏のSNSでの発信をきっかけに、今では、たくさんのマスコミにも取り上げられています。
「このアート作品の本当の意味での完成は、商品としての高知ではなく、このデザインの高知の二文字が日本中、世界中に溢れ、人々の脳裏に刻み込まれたときである。
高知といえば、あの高知県の高知。故郷高知県が世界中で存在感を出している。そんな未来を、皆さんの力で実現する。それこそがみんなで作りあげるアート作品。」
昨年度に引き続き、今年度も10月27日(金)には、芸術計画学科1回生を対象に「ADHDの芸計卒業生がオリジナルブランドの創業者に」と題して、特別講義を実施されました。
「中学2年から不登校になりましたが、フリースクールに通って、『ボチボチ力のすすめ―コニヤンの人生方程式』の著者である小西豊先生に出会ったことで、『なんでも肯定しよう!』、『夢は口に出していくことで叶う!』と学び、人生が変わりました。」とのことでした。
大学時代のエピソードとしては、芸術計画学科教授 谷悟先生の心に残る言葉として、「越境人となれ!(分野を越えてトライすること。)」、「アートは極私的な営みである」を紹介されました。そんな中で、「アートとは何か。という問いに、自分が出した答えは~自己表現である。」と語られました。
「人脈を作ろう!」というお話しでは、大学時代には、人権サークル、美術研究会アート・ラボ、LIBRARY DESIGN LAB.(図書館サークル)など、色々なサークルにも所属し、学科や学年を越えて、様々な学生や教職員とも交流されていた中島匠一さんならではの納得の行くエピソードでした。
大学時代に培ったコミュニケーション力で、今も様々な分野の方々との交流を通して、新たな分野にも挑戦し続けておられる姿が見て取れました。
学生時代からまた、卒業後も科学的なアート作品を発表したり、ワークショップ(水とオイルの特性の違いを生かした作品等)を行っておられましたので、仲間たちは中匠博士と呼んでいました。
そんな素養もあってか、2021年には、化粧品検定1級&化粧品成分スペシャリストに合格し、室戸海洋深層水とのコラボ化粧水「FIRST PRO」を開発し、商品化されました。
「アトピー患者さんから『アトピーの症状が良くなりました!』と言われたことがなによりの幸せ」とのことです。
「アートな仕事は人を笑顔にする」をまさに実践されていますね。
現在は、「土佐和紙×液晶を組み合わせた発明」を特許出願中で、世界中のスマホ・タブレット、液晶広告(サイネージ)に和紙を!というスローガンのもと、日々、研究を重ねておられます。
これからも益々のご活躍と新たなチャレンジを楽しみにしています!
「高知」の輪が、日本中、そして、世界中に広まりますように!!
今回の特別講義は、学生さんたちにとっても大いに刺激となったようで、とても嬉しいです!
特別講義を受講した学生さんたち(芸術計画学科1回生)の感想を一部ご紹介しておきます。
・自分の弱い部分を分かった上で様々なことに挑戦できる強さがあるところがすごいなと思いました。
・私は何も得意なことがないですが、人脈と行動をすれば私も何かを成し遂げることができるということに気づきました!
・自分の感性を大事にする事が仕事や才能を開花させるきっかけになると感じました。
・視野を広げて人脈をつくっていくこと、そしてチャレンジしていくことが大切だと思った
・諦めない気持ち、途中でダメだと思わないで最後までやりきるということが大切なのだと学びました。
・行動力がすごいなと思いました!私もこんな人になりたいなとおもいました!
・自分の普段うけている授業の先生の言葉が、自分の今後の人生に関係してくるかもしれないということを知ることが出来て、自分の授業に改めて意味を持てた様で良かったです。
中島匠一 略歴
2014年
兵庫県生野ルートダルジャン芸術祭 アーティストインレジデンス参加
兵庫県神戸居留地ギャラリー3 出展
2015年
堺白鷺アートマンス 出展
Tシャツ・プリント・デザインコンテスト 学生奨励賞 受賞
2016年
MADE IN OSAKA CM AWARD 学生部門 ラジオ優秀賞
2017年
大阪芸術大学芸術計画学科卒業 学芸員資格取得
2018年
NON STYLE 石田明氏がSNSで「高知の財布」を話題に
ブランド”高知”旗揚げ
2019年
高知龍馬空港”クリスタ ル ブンタン”展示
2020年
高知県地場産業大賞 奨励賞受賞
2021年
フジテレビ「あなたに人生変えられました」ロバート秋山氏と共演
化粧品成分スペシャリスト コスメコンシェルジュ資格取得
2022年
RKC高知放送 土佐遺産 認定
さて、今週の大阪芸大テレビは?
今週の「大阪芸大テレビ」は、700回目の放送!
<NEWS>芸術計画学科 諏訪道彦教授×樋口真嗣監督 映像制作を語る
<OUA THEATER>「月光バター」
今週の放送も、ぜひご覧ください!
<<オンエア情報>>
2023年7月1日(土)
奈良テレビ 18:15~18:30
テレビ和歌山 22:40~22:55
2023年7月2日(日)
サンテレビジョン 22:30~22:45
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2021」
今年も「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2021」が開催されました。
会期2021年9月11日(土)~11月23日(火・祝)
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2021」は六甲山山上の各施設をステージにして展示しています。ほとんどが屋外展示で大変大きな作品も展示されています。
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2021」の詳細は 、https://www.rokkosan.com/art2021/でご確認ください 。
「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2021」には大阪芸術大学の卒業生が参加出品されています。
アーティスト一覧より抜粋。
奈良田晃治さん 大阪芸術大学 美術学科卒業
河村哲生さん 大阪芸術大学 芸術計画学科卒業
穂波梅太郎さん 大阪芸術大学 デザイン学科卒業
3名以外にも大阪芸術大学関係の卒業生がおられるかもしれませんが、確認できた方々を紹介しています。
グランドホテル六甲スカイヴィラ別館内では、河村哲生さん、奈良田晃治さんの作品が展示されていました。
別館の建物内の客室を模様替えして作品の展示がされています。建物の上層階の部屋に5人のグループ作品として展示していました。
河村哲生:アーティストメッセージより(2010年芸術計画学科卒業)
造形作品や生け花、言葉など、様々なメディアを用いながら、現代における「生き方/死に方」にまつわる問題に様々な角度から光を当てることを目的として活動しています。昨年はこの場所で「死ぬのにもってこいの日」をテーマにした展示を行いました。
2014年から2020年にかけて、作家活動をしながらボランティアとしてホスピスに出入りし、葬儀社で働く生活を送りました(葬儀社在籍は2017~2020)、近年の彫刻作品はそこで出会った人々の「雰囲気」をモチーフに、人間が生きる上で必然的に抱える痛みや苦しみ、病、あるいは人格的な歪みについて表現し、それらの意義を考え直すために制作しています。
今回のサイトウヒデさんとのコラボレーション作品では、対話の中で「人間」と「4」がテーマとなりました。河村が造形した部分は、寝床から動けなくなった人間が、自らのための「大地」「海」「大空」「人(新しい自分)を創造する、という物語を設定して制作しています。
奈良田晃治さんの作品
奈良田 晃治:アーティストメッセージより(2006年美術学科絵画コース卒業)
骨董市を歩くとたまに古い写真が売られている。
何気なく手に取って確認していると、なんだか妙に親近感を感じるような人が写っていて、じっと見てしまう。
いつどこで撮影された写真なのか、
現在より写真を撮ることが特別だったはずの、その人たちの表現や雰囲気から少し物語を想像してみる。
六甲高山植物園(東入口)付近では穂波さんの作品が展示されています。
穂波梅太郎(作者名):(2015年デザイン学科グラフィックデザインコース卒業)
僕の話 My Story
不要不急を控える潮流の中あなたはどんな言葉を選びどんな話をしましたか。
大切なことを伝えるための会話は大切です、しかし同じように雑談も大切です。
他愛もない話がしたい、ふと思いついた話がしたい、そんな何気ない会話が弾むような空間を作りたいと考えました。
縦置きの本は開閉することができます。中には会話をテーマにした作品を配置しています。
ぜひ本を開いておはなしをお楽しみください。(穂波)
特徴あるアーティスト名。穂波は本名の名から、梅は梅干が好きだから、太郎は愛犬から取られています。穂波さんは平面作品(絵画)も精力的に発表されていますが、古典的な20世紀初頭の表現が見てとれる作品もあり、片やレトロフューチャーな立体作も手がけるなど作風の振り幅が広いアーティストでもあります。今後の展開がとても楽しみです(本展総合ディレクター)
作品全景
個々の作品
作品それぞれがベンチになっています。座ってご鑑賞ください。
投稿:植村(教務部)