ミュンヘン国立音楽大学よりピアノの今峰由香教授をお招きして「モーツァルトのアーティキュレーションについて」の公開講座及び、演奏学科ピアノコースの学生たちの公開レッスンをしていただきました。
今峰先生は2002年にミュンヘン音大の教授に就任、国際講習会の講師として招聘されるなど後進の指導に力を注いでいらっしゃいます。また、ドイツ音楽コンクールの審査員を務められたり、ヨーロッパ中心に多方面の活動を展開されているピアニスト、音楽家です。
10月20日(金)、公開講座当日は本学3号ホールのステージにスタインウェイとヤマハのフルコンサートグランドピアノを2台並べ、ホールの客席も使用したましたが、ステージ上とホールのピットを上げて作った臨時ステージにも客席を作り、なるべく近くで講座を聞き、ピアノの音色を感じられるようにしました。
3限目の「モーツァルトのアーティキュレーションについて」の講座では、まず、アーティキュレーションとは如何なるものか、なぜ大事なのか、の説明から入り、学生2名のモーツァルトのソナタの演奏を指導しながら、実際の演奏にアーティキュレーションをどう活用すべきかを説明されました。モーツァルトならではの音色の作り方、フレージング、更に装飾音の入れ方も指摘しながら、モーツァルトの楽曲の解釈を詳述されました。
4時間半の長時間に及ぶ公開レッスンでは、6名の学生がベートーヴェンからシューベルトやシューマン、そしてチャイコフスキーまでの幅広いレパートリーの楽曲で受講しました。作曲家の「書き癖」を踏まえた上での楽曲の解釈、よりなめらかなレガートで歌うためのテクニック、さまざまな表情の音を演奏するための効率的な体の使い方、など多角的にアドバイスをくださいました。
クラシック音楽はヨーロッパからの音楽です。今峰先生のレッスンを通じて、ヨーロッパにおける音楽の歴史や伝統を生きた音楽として感じ、学生、教員ともに、馥郁たる音楽の香りを満喫した実り多い一日となりました。
(報告者 演奏学科合同研究室)