2019年12月26日

ヴィルジニー・アケ 公開マスタークラス&コンサート

本日のブログは、公開講義とコンサートのご報告です♪

–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*–*

去る2019年10月24日(木)、演奏学科・音楽学科合同公開講座として、
「ヴィルジニー・アケ 公開マスタークラス&コンサート」が、大阪芸術大学3号館ホールにて開催されました。
 
 
アケ先生は、フランス屈指の吹奏楽団であるパリ警視庁音楽隊の奏者、あるいはコンサートソリストとして、さらに指導者として県立音楽院教授を兼務して、国際的に幅広く活躍されているフルート奏者です。フルートの奏法のみならず、音楽の純粋性を体現するための技術・方法論を幅広い視野からご教授頂きました。フランス語通訳は、音楽学科教授 田中久美子先生が担当しました。
 
 
・公開マスタークラス:10時50分〜12時20分(2限目)
・ソロコンサート  :12時40分〜13時10分
・グループレッスン :15時〜16時30分(4限目)
 
 
●公開マスタークラス:10時50分〜12時20分(2限目)
アケ先生のプロフィール紹介、フランスの音楽教育システムの簡単な説明の後、ステージ上でのレッスンが行われました。
フルート専攻の八田有生さん(3回生)がK. エラート作曲「ソナタ・アパッショナート」を携えてレッスンを受けました。お腹の筋肉の支え、息の使い方による響きの作り方を中心に、様々な音楽の表現が紹介されました。
 本人の感想:「30分間でしたが、内容が濃くて、とても充実したレッスンでした」。
 
 
 
2組目はフルートカルテット。
デポルト・イヴォンヌ作曲「イタリア組曲」第2、第3、第4楽章。
フルート専攻生4名によるアンサンブル。カルテットの響きの作り方、和声法のバスラインの重要性、様式をひとつの時代に閉じ込めない作品解釈や演奏法、息継ぎの場所など、多方面からの話がありました。レッスンを受けたフルート専攻生のみならず、振替授業として受講した多くの学生たちにも大いに参考になる内容でした。
 
 
 
●ソロコンサート:12時40分〜13時10分
演奏:ヴィルジニー・アケ(フルート)、河合琴絵(ピアノ)
プログラム
1. フルート協奏曲第1番ト長調 K.313 第1楽章 / W. A. モーツァルト作曲
2. コンクール用小品 / G.フォーレ作曲
3. パンの笛 Op.15 第1、2楽章 / J. ムーケ作曲
4. クスコの月 / 田中久美子作曲
 
表情豊かで色彩感にあふれる音色、多様な音楽表現が披露され、学生たちは超一流の演奏に触れることができました。プログラム最後の「クスコの月」は田中久美子先生の作品で、フランスで楽譜出版されています。フランス音楽連盟主催のコンクールや試験の課題曲に選定されて以来、フランス全国の音楽院で正式な教材として採用されています。
 

●グループレッスン:15時〜16時30分(4限目)
 フルート専攻生がステージ上に並んで座り、1人ずつ演奏してアケ先生のアドバイスを受けました。それぞれのアドバイスは、他の参加者にも参考になる事で、みな熱心に聞き入っていました。
 

 
2限目、昼休み、4限目の3つのプログラムで内容豊富な公開講座となりました。受講した学生たちにとっては、音楽に対する感受性や創造力を養う貴重な体験になったことと確信しています。終日を通じての受講者数が約300名となる大成功をおさめました。
(公開マスタークラス:約150名、ソロコンサート:約100名、グループレッスン:50名)
 
さらに、今回は、音楽学科音楽・音響デザインコースのレコーディング実習として「ステージ音響実習」の履修生が録音にあたりました。
参加した学生たちにとっては、演奏会の本番を録音する有益な経験になりました。
 
 
― ヴィルジニー・アケ 先生 プロフィール―
ヴィルジニー・アケ Virginie HAQUET
パリ生まれ。ピアノを8年間学んだ後、ムードン音楽院にてフルートをジャン=ルイ・ボーマディエとイーダ・リベラに師事、最優秀の修了証書を得る。その後、リュエイユ=マルメゾン音楽院でフィリップ・ピエルロに師事し金賞と最優秀1等賞、さらに、リヨン国立高等音楽院にてマクサンス・ラリューに師事、審査員満場一致の賞賛を得て1等賞受賞。レオパード・ベランコンクール第1位、ネリーニコンクール最優秀賞、ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクールセミファイナリスト。
コンセール・パドルー(フランス最古のパリのコンサート・オーケストラ)客演奏者を経て、パリ警視庁音楽隊フルート奏者に就任、現在に至る。
加えて、エコール・ドゥ・ラ・レジオンドヌール(レジオンドヌール勲章受賞者の子女が入学する学校)教授、及び、イシー・レ・モリノー県立音楽院教授を兼務している。現代作曲家の作品の初演にも精力的に取り組み、巨匠デジレ・ドンデーヌからフルートとハープのための2曲の協奏曲を、フロレンティーヌ・ムルサンからフルートとピアノのための作品をそれぞれ献呈されている。
 
 
 
報告者:音楽学科 田中久美子教授