2019年7月8日

音楽学科卒業生 高田耕至さん特別講義

今日のブログは、音楽学科卒業生で作曲家・音楽プロデューサーの高田耕至さんによる特別講義の模様をご紹介します! 


高田さんは幅広い分野で作編曲を手がけられていますが、中でも力を入れていらっしゃるのが「放送用音源」と呼ばれるものです。
放送局向けに展開されている業務用ミュージックライブラリーには、何百曲という曲を納入。
ニュース番組や情報番組のオープニングやBGMなど、様々なところで高田さんの楽曲が放送されています!


「僕は満員電車がキライ」とおっしゃる高田さん。
音楽業界が再びアイドルグループに力を入れはじめた2004年頃、高田さんが流れに反して舵を切った分野が放送用音源だったそうです。
1998年をピークにCD需要が次第に減ってゆく中、各放送局系音楽出版社は次の音楽著作権市場を求め、2012年頃から一気に放送用音源制作に乗り出したそうで、高田さんが時代を先取りされていたことが伺えます!


「音楽を学ぶ学生が100人いたら、卒業と同時に何人が音楽だけで食べていける?」
その答えは約1人。
音楽は人気商売ですが、多くの人はアマチュアからプロの領域に到達する前に挫折してしまうのだそうです。
しかし、「ここを生き延びてほしい!」と高田さん。

生き延びるヒントとなるのが、高田さん曰く「2つの車輪を廻せ」です。
1つは「音楽の車輪」、そしてもう1つが「ビジネスの車輪」。
特に今後は学生のうちから「ビジネスの車輪」を少しずつ廻していくことが、成功に繋がるとのこと!
そして、今回の講義では、その車輪を廻すためのたくさんの項目の中から、「プロデュース論」と「著作権(著作隣接権)」の2つを重点的に学生たちへ伝えていただきました。


特に、高田さんが話されるプロデュース論は大変興味深かったです!
プロデュースという時代やマスとの接点を最大限に具現化してゆく能力を、3段階のプロセスで解説。
最後の第3段階では、マーケティングアプローチの極意は、「新奇性と普遍性の力が拮抗し合うポイント」がどこにあるのかを知ること。
例えば、アーティスト自身やファンの間で生じる「新鮮さや革新を求める力」と、「伝統や王道を求める普遍力」、この相反する力の均衡をいかに保ってゆくかが、1つの音楽共同体社会を持続させてゆくための最終的な力「プロデュース力」と言うんだそうです。
これは、色んな職業に使える考え方だそうなので、心に留めておきたいと思いました。


そんな高田さんは「次のガラガラな電車を探している」そうです。
まだまだ、ご活躍の場が広がる予感です!
音楽の道で成功されている卒業生の姿は、学生たちにとって大変誇らしく頼もしいものと思います!
貴重なお話をありがとうございました。

 

投稿:島田(学生課)